傾眠傾向|高齢者が寝てばかりいる原因とは?対処法や改善方法も紹介

「高齢者」というと、縁側でうとうとしているシーンを思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、病気の前兆で傾眠傾向に陥ることがあり、気をつけなければならない場合もあります。

この記事では、高齢者によくある傾眠傾向の危険性や原因、対処法についてご紹介します。

傾眠傾向のある高齢者

高齢者にみられる傾眠傾向とは?

人は、通常昼間は覚醒して夜間に入眠する規則正しい生活リズムによって生活しており、眠気が出現し入眠に移行します。

日中にうとうとする居眠りは若い人でも見られますが、高齢者でその頻度が高い時には傾眠傾向にあると考えられます。高齢者の傾眠傾向では、病気が原因の意識障害をきたしていることもあるため注意が必要です。

意識障害は「意識明瞭(正常)」「傾眠」「混迷」「昏睡」の4段階に分類され、傾眠傾向は意識障害のひとつに分類されます。また、傾眠状態とは、声をかける、肩をたたくなどの軽い刺激によって容易に覚醒し、刺激によって覚醒した時には正常に受け答えをすることができますが、放っておくと再度うとうとしてしまう状態です。

傾眠に危険性はあるの?

傾眠はうとうとしている状態であり、声をかけると容易に覚醒することからそのまま放置されがちですが、日中うとうとすることで夜間の不眠を来たしたり、昼間の活動量が低下したり、外出の機会が減少することで運動不足や筋力低下、骨粗しょう症が進行するなどの恐れがあります。

また、しっかりと覚醒せずにうとうとした状態で食事や水分を摂ることで誤嚥や窒息をきたしたり、歩行時のふらつきの原因となり転倒等のリスクが高まるなど、傾眠では多くの危険性が考えられます。

高齢者が傾眠になる原因

高齢者が傾眠になる原因には様々なものがありますが、背景に重大な疾患が隠されていることがあり、早期に対処が必要なものもあります。

認知症

認知症になると、周囲への関心が薄れ無気力になり、脳の活性化が低下するため傾眠傾向をきたたします。また、認知症では昼夜逆転や夜間の睡眠障害により昼間うとうとすることが増え、傾眠傾向が強くなる場合があります。

脱水・食事量の低下

脱水や食事量が低下することで、体内の水分やミネラル、栄養素が不足すると脳や全身への栄養が行き渡らず、傾眠傾向や意識障害をきたすことがあります。高齢者は、身体の水分量が少ないうえ、のどの渇きを感じにくい、トイレの回数が増えるのを嫌がる等の理由により水分摂取量が少なくなり脱水に陥りやすく注意が必要です。

慢性硬膜下血腫

転倒などで頭部を打撲した場合、その時には問題がなくても1~2か月程度かけてじわじわと出血が見られ、脳と硬膜の間に血種を作ることがあります。すると、血腫により脳が圧迫され傾眠傾向などの意識障害や片麻痺などの症状が現れるようになります。

薬の副作用

薬の副作用として傾眠傾向を起こすものがあります。例えば、抗てんかん薬や認知症の治療薬、かゆみや花粉症などのアレルギーを抑える働きのある抗ヒスタミン剤の中には眠気をきたたすものがあり、昼間の傾眠に繋がることがあります。

傾眠の対処法

眠る高齢者

日中の傾眠が続くと水分や食事がとれなかったり、必要なケアが行えないなどの課題が生じます。また、疾患や薬剤が原因の傾眠に対しては、早期に適切な対応をして疾患や体調を改善できるようにしておく必要があります。

寝ている時間が長いが、食事や口腔ケアなど介護をしたいときは?

昼間にうとうとしている時間が長く、食事がとれない場合や口腔ケアができないような状況で適切にケアを実施したいときには、しっかりと覚醒させておく必要があります。軽い刺激で容易に覚醒するようであれば、入浴や散歩をするなどでしっかりと覚醒させてから食事や口腔ケアを実施するようにします。

医師に相談する

傾眠の原因が薬と考えられる場合には、医師に状況を説明して薬剤の調整が可能かや服薬のさせ方や留意点などを相談してみましょう。また、内科的な疾患が傾眠の原因であることがあるため、気になる点があればすぐに主治医に相談し医学的な判断を仰ぐようにします。

短時間のお昼寝を取り入れる

うとうとするような状態が続くようであれば、15~30分程度の短い昼寝を取り入れてみるのもよいでしょう。夜の睡眠に支障をきたさない程度に時間を決めて昼寝をすることで、その後しっかりと覚醒することができ、日中の活動性を増加させることができることがあります。

傾眠を改善するには?

傾眠を改善するには時間を要しますが、昼夜のリズムをきちんと付けられるように毎日規則正しい生活をすることが大切です。日中に傾眠を誘発するような刺激の少ない生活になっていないかや就寝時間、起床時間チェックし、本人のペースでダラダラと過ごす事がないように生活のリズムをチェックします。

生活リズムや睡眠パターンの改善には時間がかかるものですが、介護者の協力やショートステイやデイサービスなどの介護サービスなどを活用しながら適切な対応ができるようにしていきましょう。

まとめ

傾眠傾向には、生活リズムの乱れからくるものと疾患など重大な健康上の問題が隠されている場合があります。年だからと楽観的に考えるのではなく、リスクを最小限にできるように周囲の人が協力し合いながら改善できるようにしてあげましょう。

薬剤の影響や疾患が原因の傾眠では医師に相談することが大切です。しかし、生活リズムが原因の傾眠ではその対処法について状況に応じた様々な工夫が必要です。そのため、多くの事例を経験しているケアマネジャーなどの専門家に助言をもらうのも良いでしょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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