認知症による異食とは?異食の原因や対応・対策をケアマネが解説!

認知症になると、なぜそのようなことをするのだろうと理解しがたいと思えるような行動を取ることがあります。その中の一つで健康状態の悪化も懸念されるため注意が必要な行動が異食です。

認知症の行動・心理症状(BPSD)は、本人なりにその行動を起こす原因や理由があることも多く、その理由に応じた対応をすることが安全の確保や介護負担の軽減に繋がります。

認知症の異食行為とは

異食をする高齢男性
異食とは、食べ物でないものを口の中に入れてしまうことで、食べ物かどうかを判断する能力が低下するために生じます。目についたものは何でも口に入れてしまう危険があり、テーブルの上のゴミや紙屑、花や葉っぱなどの植物、化粧水や水のり等のほか、おむつを破いて中のポリマーを口にしたり、便を食べる行為も見られます。

異食の危険性とは

異食は目の前にあるものを何でも口入れてしまうため、命の危険を及ぼすおそれのある物を食べてしまうこともあり、細心の注意が必要になります。たとえば、リモコンのボタン電池やたばこ、洗剤や漂白剤などを異食してしまった場合には、すぐに救急車を呼んで適切な処置をしなければなりません。

異食の原因

異食をしてしまう時には、本人なりの理由があるとされています。異食を止めてもらうためには、異食につながる理由を探ることから始めてみましょう。

食べ物と間違える

私たちは、生まれてからの成長の過程で視覚によりそれが食べ物かどうかを判断する力を獲得しています。しかし、認知症が進行すると見た目やにおい、味などで食べ物かどうかを認識することが難しくなることがあります。

すると、いつも食事をしている食卓の上にある物は食べ物だろうと考えてしまいます。そのものが何なのかはよくわからないけれど、食事をする場所にあるものだから食べて良いものだろうと考えたり、色や形が似ているものと誤認してしまう場合などがあります。

また、味覚や触覚が低下しているために、口の中にいれたものが食べ物ではないと気が付かず、吐き出すこともなく食べてしまうのです。

強い空腹感

認知症により、満腹中枢の機能が障害されると食事をしても空腹感を感じやすくなり、いつも食べ物を探しているというような行為が見られることがあります。

そのような時に、目の前にあるものを食べ物と間違えてしまったことで異食行為につながります。

不安やストレス

認知症では精神的なストレスや不安が増大すると行動・心理症状が強く出現する場合があります。自分の思いや考えを上手に表出したり、周囲の人に理解してもらうことが難しくなる、いろいろなことが自分の思い通りに行かない、体調不良があるなど認知症当事者の不安やストレスにつながる要因はさまざまです。そのような時に、異食を含む周辺症状が強くなることがああります。

異食があったときの対応

異食をしてしまった男性

異食があった時には、早く吐き出させないとと慌てるかもしれませんが、その雰囲気を察して余計に吐き出してくれないこともありますので、落ち着いて適切に対応するようにしましょう。

窒息の防止

急に吐き出させようとするとびっくりして口の中に入れたものを飲み込もうとしてしまうことがあります。ティッシュペーパーやビニール、ペットボトルの蓋などでは誤嚥してしまうことで気道をふさぎ窒息する危険があります。「これ硬くて食べにくいね。出していいよ」などと言ってティッシュペーパーを差し出すなど、本人の行為を否定することなく異食したものを自分から出してもらえるような声かけをするようにします。

中毒の防止

洗剤や薬、タバコなどを飲み込んでしまった場合は、中毒を起こし健康状態が悪くなる恐れがあります。また、無理に吐き出させることで食道の粘膜を傷つけてしまうなどの危険もあるため、速やかに救急車を呼んで医療機関で専門的な処置をしてもらう必要があります。救急隊員や医師にいつ、何を、どれくらい飲み込んでしまったのかをできるだけ正確に説明しましょう。

怒らない

異食があった際に一番心掛けてほしいことは、決して怒らないということです。異食はお腹がすいていたなどの本人なりの理由があって起こるもので、食べられるのもだと思って食べてしまったのです。ですから、本人には怒られるような行為をしている認識はなく、それに対して怒られることでストレスを感じたり混乱してしまいます。その結果、異食が改善しないばかりか、かえってひどくなってしまったということにもなりかねません。

異食の対策

異食はさまざまな原因によって起こり得ますが、異食を防止するには、原因に応じて事前に対策をしておくことが大切です。

異食をしない環境整備

洗剤や化粧品、薬、たばこなど異食により中毒を起こす危険があるようなものは目につかない場所や、本人が立ち入らない場所や手の届かない場所に置くようにします。また、食事をする部屋やテーブルにティシュペーパーや花などを置いていると食べ物と間違えることがありますので、食後のテーブルの上には何も置かないように気をつけましょう。

食事回数を増やす

認知症が進行すると、満腹中枢の障害により空腹感を感じやすくなります。そのため、1回の食事量を減らして、食事回数を増やしたり、間食を出すなどで空腹感が強くならないような工夫をしましょう。

食べること以外に意識をそらす

テレビを見たり音楽を聴く、写真を見るなど興味を引くような物へ意識を集中させることで、空腹感や食べ物への意識をそらすようにします。散歩やドライブに行くことでストレスの緩和にもなり異食行動が治まることもあります。

まとめ

異食をきたす原因は、人によって様々で一度治まっても再び起こることもあります。また、異食によって生命の危険につながることもあり、常に目が離せない状況になります。そのような状況では、介護者のストレスも蓄積することになります。

介護の負担を軽減するためには、デイサービスやショートステイを利用し、介護者がゆっくりできる時間を持つことも大切です。また、医師やケアマネジャー等の専門家に相談して、決してひとりで抱え込まないようにしましょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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