認知症の徘徊(一人歩き)とは?探し方や徘徊の対策グッズも紹介!

認知症の初期から中期では歩行機能に問題がなく、長距離を歩行することも可能な人がいます。そのため、認知症の症状のひとつである「徘徊」では自宅周辺だけでなく遠いところまで出かけてしまい、家族だけでなく警察など周囲の人も巻き込み大騒ぎになることもしばしば見られます。

この記事では、徘徊が見られる認知症高齢者への対応はどうすればよいのかをご紹介します。

認知症による徘徊(一人歩き)とは

徘徊とは認知症の症状のひとつで、自宅の内外をうろうろと歩き回る行動のことをいいます。周囲の人には目的もなくうろうろと歩き回っているように見えても、本人には目的や意味も持ち歩行している状態であり、最近では徘徊という言葉は用いず「一人歩き」と言い換えることが増えています。

徘徊の危険性とは

認知症の高齢者がひとりで家の外を歩くことで、転倒や交通事故、迷子などいろいろな危険を伴います。また、夏場であれば脱水や熱中症、食事もせずに歩き続けることで低血糖を来たすなど健康上の問題も生じやすく、これらが複合して生命の危険につながることもあり注意が必要です。

また、遠方まで出かけてしまった場合もありますが、身元を示すものを持っておらず、自分の名前や住所をいうことができないため身元不明者として保護されて、家族への連絡がとれないということもあります。

徘徊の原因

認知症の人が、徘徊をするのにはいろいろな原因があると言われています。

場所や物を探そうとして歩き回る

トイレに行こうと思ったがトイレの場所がわからず、玄関のドアをトイレのドアかと思って開けたが違ったので、更に探そうと外に出てしまい探し続けているということがあります。

その場所にいることに対して不安やストレスを感じている

転居してから何年もたっているにもかかわらず、転居後の自宅が認識できず昔過ごした家に帰ろうとすることがあります。また、子供との同居や施設入所による生活環境の変化やデイサービスなどの介護サービスを開始した時に、その場所がどこかわからないなどの理由で不安や不快を感じて安心できる場所に移動しようと考えます。

同様に、自宅内で家族に怒られたり、ひとりで留守番をしているときに不安やストレスを感じて家から出てしまう行為につながることもあります。

前頭側頭型認知症の症状

前頭側頭型認知症では毎日決まった時間に同じ行動を繰り返すという特徴的な症状が見られます。この場合、大雨が降っていても関係なく散歩や買い物など本人の決まった行動パターンを実行します。

慣れている道で迷う

自宅周辺であれば、散歩や買い物に出かけることができていたが、曲がり角を間違えるなどのトラブルで道が分からなくなり、正しい道を探そうとしてウロウロしてしまうことがあります。偶然、見覚えのある道に出れば家に帰ることができますが、そのまま迷子になってしまう危険も大きいです。

徘徊があったときの対応

徘徊はリスクが伴うため、ひとりで外出することは避けるようにしなければなりませんが、目を離したすきに出かけてしまう、ドアを破壊して出かけてしまうということもあります。そのような状況の時には、介護者は心配になり慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて対応することを心がけましょう。

どうやって探せばいい?

一人で出かけたと思われる時間からどの程度の距離を移動していると思われるかを予測します。いつも行っている場所や馴染みの場所等、心当たりのあるところを中心に探しましょう。

出かけてから時間がたっていたり、探す範囲が広くなると介護者だけで探すのは難しくなります。早期発見のためにもケアマネジャーなどに連絡をして地域での支援を受けられるように依頼をしましょう。

また、よく行く店や商店街、タクシー会社などに事情を話して何かあった時には連絡をもらえるように依頼しておきましょう。

警察に捜索願をだしたり、通報したりしてもいい?

心当たりのある場所を探しても見つからなかった場合は、どこかで保護された時に速やかに連絡がもらえるように、速やかに警察に届出を出しましょう。

また、市町村によってはあらかじめ連絡先や顔写真などを登録しておき万一の際に関係機関に連絡をして、地域で情報が共有できるようなシステムを構築しているところもあります。どのような取組をしているのかが分からない場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認しておくとよいでしょう。

徘徊してる高齢者を見つけた時の対応

外出時に「もしかしたら徘徊しているのかも」と思える高齢者に遭遇するかもしれません。しかし、実際に徘徊なのか、単に散歩をされているだけなのかの見分けが付きにくいこともあります。

そのような時には、勇気を出して声をかけてみましょう。「こんにちは。いいお天気ですね」などの挨拶から始め、「どこかにお出かけですか?」と聞いてみましょう。認知症ではなく、お出かけをされている時には目的地をはっきりと答えられますが、認知症による徘徊では外出の目的や目的地が曖昧であったり、返答に辻褄の合わない部分が出てくるため、おかしいと気が付くことができると思います

また、服装や挙動等にも注意しながら相手をびっくりさせないように優しく話しかけるようにすると良いでしょう。

もし、徘徊している高齢者だった場合には、「少し距離があるので送ってもらえるように手配しましょう」「飲み物でも飲んで休憩してから行かれると良いですよ」などの声をかけて引き留め、交番や警察に連絡するようにすると良いでしょう

徘徊の対策とは

徘徊は、認知症の当事者にとっては意味のある行動ですので、扉にカギをかけて閉じ込めたり靴を隠して出かけられないようにするようなことはしてはいけません。とはいうものの、徘徊に気が付かないでいると事故などのリスクもあるため対策は必要です。

否定せず見守る

徘徊が始まった時に、その行為を否定せずに好きなように歩かせてあげます。一緒に歩いても良いですし、転倒の危険がないようであれば後ろから見守る事でも構いません。好きなように行動することで少し気持ちが落ち着くのを待ちましょう

出かける時の時間稼ぎ

家から出ようとしていることが分かるように、玄関で時間稼ぎができるようにしておきましょう。歩行時の安全面も考えて、出かける時には靴を履くようにしてもらいましょう。そうすることで、出かけようと靴を履いている時に気付くことも出来ます。そのため、玄関に草履やスリッパを置かないようにしておきましょう。

徘徊対策のグッズ紹介

徘徊があっても、様々な工夫をしながら認知症高齢者の行動を制限しすぎること無く、徘徊を見守ることも大切です。

GPSがついた靴や時計

もし、一人で出かけてしまった時に備えて、居場所が分かるようにしておくと安心です。GPS機能を利用して、どこにいるのかをスマホやパソコンなどで探せるものがあり、GPS付きの靴や時計が市販されています。認知症であっても外出時に靴を履くことは習慣化されているものであり、自分の靴であるという認識がされれば十分に活用できます。

ただし、普段から時計を持つ習慣が無いような場合に外出時に時計を持つように言っても上手くいかないことが多く、カード型のGPS端末を持ち物や上着のポケットにしのばせておくなど生活習慣に合わせてグッズを選ぶようにすると良いでしょう

センサー

部屋や玄関などに人が通過すると音がなり知らせてくれるセンサーがあります。音のなる子機を手元に置いておくことで、別室などにいて目を離していても、外出しようとしていることが分かり、ひとりで外出してしまうことを未然に防ぐことができます。

また、玄関にドアベルを付けておきドアを開ければ音が鳴るようにしておくのも、家族が外出に気が付く方法として有効です。

シール

徘徊のリスクのある高齢者を見守る支援対策として「見守りシール」を配布している市町村があります。この見守りシールには番号が記載してあり、行方が分からなくなった認知症高齢者を早期発見・保護できる仕組みになっています。

地域の人が、見守りシールを貼った靴や持ち物を持っている高齢者がひとりで歩いている、道に迷って困っている、道端に座り込んでいる等の行動が見られる高齢者を発見した際に警察に連絡してもらいやすくなり、徘徊時の事故防止や早期発見につながります。

また、シールにQRコードが付いていて、そのコードを読み取りアクセスすると伝言板サイトを通じて発見場所などを伝えることができるシステムを導入している市町村もあります。

▼徘徊の早期発見につながる見守りボタン「Help Me」の紹介記事はこちら

【最新】徘徊対策に期待される見守りボタン「Help Me(ヘルプミー)」とは?

名札・名刺

一人で出かけてしまい無事保護された時に身元や連絡先が言えないこともありますので、何かで分かるようにしておきましょう。

鞄などは持って出かけないことも多いため、杖や靴、上着に記名しておいたり、名札をつけておくようにします。ただし、個人情報保護の観点から住所や電話番号などを記載するのはおすすめできません。

ポケットに連絡先を書いたものを入れておいたり、介護保険を利用している場合には、ケアマネジャーの名刺を持たせたせておくのもひとつの方法です。

まとめ

認知症高齢者の徘徊は、本人なりの理由があって一人歩きをしている状態であり、その気持ちを理解せずに閉じ込めたり禁止したりする対応は望ましくありません。しかし、外出時の事故等の危険を防止する必要もあり、家族がその対応に疲れてしまうことも少なくありません。

家族の介護負担の軽減のためには決して家族だけで対応しようとするのではなく、介護サービスや地域のサービス等を活用することも大切です。どのような方法が良いのかはケアマネジャーなどの専門家の意見も参考にするとよいでしょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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