グループホームの費用をわかりやすく解説|前払金や月額費用の相場とは

グループホームとは、施設のスタッフによる支援のもと、認知症の入居者の方が協力しあいながら生活する施設です。

自分ができることは自分でおこなうことで、認知症の進行を防げると期待されているため、認知症の症状があり、グループホームの利用を検討している方にとってはとても魅力的な施設です。

ただ入居を考えるにあたり

「グループホームを利用すると費用はいくらかかるの?」

「減額して貰えるの?」

といったことはとても気になるところ。

そんな方のために、ここでは前払金や月額費用、サービス加算、減免制度の有無など、グループホーム利用時にかかる費用を詳しく解説していきます。

▼グループホームとは?おさらいしたい方はこちらの記事をチェック!

グループホームとは?気になる費用や入居条件を徹底解説!【介護福祉士監修】

グループホームとは

グループホームとは、認知症の方が少人数で生活し、できる限り身の回りのことについて自分たちの力で協力し合いながら共同生活をおくるための施設です。施設では認知症の知識を持ったスタッフから日常生活の支援や機能訓練(リハビリテーション)などを受けることができます。

定員数はユニット(共同生活住居)1つにつき9人までと決められており、1事業所あたりの最大人数は18人(2ユニット)となっています。

このように少人数体制を採ることで、環境の変化による認知症の悪化を防ぎ、自分らしく、安定した生活をおくることを目的とした施設となっています。

グループホームに入居するためには、下記3つの条件をすべてみたしている場合に入居することができます。

  • 65歳以上、または40歳以上で特定疾患により要支援2以上の認定を受けている方
  • 認知症、もしくはその疑いがあり、日常生活に支障がある方(急性の疾患による認知性を除く)
  • 原則、施設と同地域内に住居と住民票がある方

グループホームの入居にかかる費用の内訳と相場

グループホームの費用

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ではさっそく、グループホームへの入居にかかる費用について解説していきます。

グループホームへの入居にかかる費用は主に「前払金」「月額費用」になります。

その名の通り、入居前に支払う費用と月々に支払う費用になります。

それぞれかかる費用の目安や内訳についてみていきましょう。

入居一時金

グループホームに入居するためには、前払金として「入居一時金」「保証金」の支払いが必要な施設があります。

入居一時金とは、施設の利用権を得るために支払われる費用で、今後どれくらい施設に入居するかを予測して金額が設定されています。そのため、施設によっては入居する際の年齢に応じて入居一時金の金額が変わることもあります。

保証金とは賃貸契約でいうところの敷金にあたる費用で、入居一時金に内包していることもあります。

この保証金については、一般的な賃貸契約の敷金と同じ扱いであり、修繕や清掃などにかかった費用や家賃滞納の際に充填された費用を差し引いた額が退去時に返却されます。

施設によっては、「保証金」のみを「入居一時金」という名称で徴収しているところもあります。グループホームに入居する際は前払金がどのように使われるのかを契約時に確認しておきましょう。

グループホームの前払金はそれぞれの施設の設備や配置体制などによって変わりますが、おおよそ前払金としてかかる費用は0円~100万円と大きく差があります。

月額費用

グループホームの月額費用の構成イメージ

グループホームにかかる月額費用の内訳は、介護にかかる費用の自己負担分と、生活にかかる費用の二つに分かれ、二つを足した月額費用の相場は10~25万円となっています。

以下は月額費用の細かい内訳です。

  • 介護保険サービス費(介護サービスの基本費用+サービス加算)
  • 家賃
  • 居住費(水道光熱費など)
  • 食費
  • その他費用(医療費、日常生活費、娯楽費、雑費など)

介護保険が適用される介護サービス費以外の家賃、居住費、食費、その他費用に関しては全額自己負担となります。

介護保険が適用される【介護保険サービス費】とは?

電卓を使って計算しているところ

©tamayura39/stock.adobe.com

介護サービス費とはグループホーム内で受けられる介護保険サービスにかかる費用のことをいいます。

グループホームではこの介護サービス費用はユニットの数や要介護度、サービス加算などによって変化します。

以下はグループホームにかかる介護保険サービスの基本費用(1割負担の場合、1日あたり)です。

ユニットが1つの場合

要介護度 自己負担額
要支援2 755円
要介護1 759円
要介護2 795円
要介護3 818円
要介護4 835円
要介護5 852円

ユニットが2つの場合

要介護度 自己負担額
要支援2 743円
要介護1 747円
要介護2 782円
要介護3 806円
要介護4 822円
要介護5 838円

これに加えて、それぞれの施設で提供されるサービスに応じて追加で費用が加算されます。>次に説明する介護報酬加算とはこの追加されたサービスにかかる費用のことをいいます。

つまり、例えば要介護2の方が2ユニットのグループホームを1ヶ月間(31日間)利用した場合の費用の目安を計算すると以下のようになります。

  • 介護保険サービス費:782円×31日=24,242円
  • 家賃:50,000 円/月
  • 居住費:5,010円/月
  • 食費:1100円×31日=34,100円
    →合計113,352円

そしてこの合計費用に加えて、加算として数千円が上乗せされます(事業所によってその種類は違います)。

サービスの充実度によって費用が加算される場合がある

介護報酬とは介護保険サービスを提供している事業所がその対価として受け取ることができる報酬のことをいいます。

この介護報酬は基本的に市区町村によって支払われますが、介護報酬額の1~3割はサービスを利用した方が自己負担することになっています。

介護報酬支払の流れ

出典:介護報酬について

グループホームでは介護サービスの基本費用に加え、それぞれの施設が実施するサービスに応じて介護報酬が加算されます。

つまりグループホームを利用する方は基本費用に加え、施設が提供するサービスの内容に応じて追加された加算額のうち自己負担額分(例:1割負担)を支払うことになります。それでは、介護報酬に加算されるサービスにはどのようなものがあるかみていきましょう。

  • 認知症専門ケア加算(3円もしくは4円/日)
    認知症介護指導研修を修了し、認知症介護の経験が一定以上ある認知症の専門スタッフが介護サービスを提供している
  • 若年性認知症利用者受入加算(120円/日)
    若年性認知症の方(40歳以上65歳未満)がサービスを利用した際、担当者を決めるなどして一人ひとりの状況に応じたサービスや環境を提供している
  • 夜間支援体制加算(1ユニット:50円、2ユニット25円/日)
    グループホームにおいて入居者の安全確保をより確保するために人員配置基準よりも多くスタッフを配置している
  • 生活機能向上連携加算(200円/月)
    リハビリテーションを提供している事業所(訪問・通所)や医療機関の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師などがグループホームに訪問し、入居者の現状の確認や指導、サービスの提供計画の作成・変更などをおこなっている

グループホームにはこの他にもさまざまなサービス加算があります。

利用を検討しているグループホームではどのようなサービスが提供されており、基本費用に加えてどのくらい費用が加算されているかを確認するようにしましょう。

グループホームの費用は減額できる制度はない

残念ですが、グループホームの入居にかかる自己負担額を軽減する制度はありません。

グループホームは介護保険施設(特養、老健、介護療養型医療施設、介護医療院)に設けられているような減免制度医療費控除制度の適用はなく、介護保険制度が適用される施設介護サービス以外は全額自己負担で支払う必要があります。

ですが、グループホーム内では対応できない医療が必要になった際に病院などを利用した場合などは医療費控除の対象となります。

生活保護を受けていてもグループホームに入居することは可能

生活保護を受けている場合でも、生活保護法により指定を受けたグループホームに限り入居することができます。

指定を受けているグループホームは入居にかかる費用が生活保護を受けている方が受け取ることができる「住宅扶助の基準額(月額55,000円)」以内となっています。

保証金が必要である場合も、敷金にかかる住宅補助金額の範囲内であれば費用が負担されます。

さらに、実際入居した際にかかる生活費は生活保護の「生活扶助費」によりまかなうことができます。また、介護保険が適用される介護サービスにかかる費用も「介護扶助」として公的負担を受けられます。

しかしながら、生活保護の方がグループホームに入居する際の審査はとても厳しくなっています。グループホームを利用するための1つの方法として知っておきましょう。

参考:平成 30 年度生活保護実施要領等

▼グループホームの入居条件を詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!

グループホームの入居条件とは?入居待ちや探し方についても解説!

グループホームのデイサービス・ショートステイを利用した時にかかる費用は?

これまではグループホームに入居して支援や介護を受ける施設介護の場合の費用をご紹介しました。

ここでは普段は在宅介護を受けている方がグループホームに入居せず在宅サービスとして施設を利用する場合にかかる費用をご紹介します。

グループホームのデイサービスでかかる費用

普段自宅で介護を受けている認知症の方が日帰りで施設に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や生活機能を向上させるための機能訓練(リハビリテーション)などを受けることができるサービスです。

グループホームを利用したデイサービス(認知症対応型通所介護)は1回の利用につき、かかる費用が決められています。

サービス加算がある場合には、認知症デイサービスにかかる基本費用に加え、1日あたりのサービス加算費用の自己負担分を支払うことになり、金額はそれぞれ下記の表のように要介護度によって異なります。

要介護度 自己負担額
要支援1 852円
要支援2 952円
要介護1 985円
要介護2 1,092円
要介護3 1,199円
要介護4 1,307円
要介護5 1,414円

参考:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 認知症対応型通所介護」

グループホームを利用したショートステイにかかる費用

普段自宅で介護を受けている認知症の方がグループホームの空いている居室や短期利用者専用の居室に短期間滞在し、認知症の知識を持ったスタッフから日常生活上の支援や機能訓練(リハビリテーション)などを受けることができるサービスです。

ショートステイとしてグループホームを利用する場合は入居条件と同じく要支援2以上の認定を受けている必要があります。

認知症ショートステイ(短期利用認知症対応型共同生活介護)を利用する場合は1日あたりの費用が決められています。自己負担が1割の金額の場合には下記の表のように要介護別に費用が異なります。

1ユニット

要介護度 自己負担額
要支援2 783円
要介護1 787円
要介護2 823円
要介護3 847円
要介護4 863円
要介護5 880円

2ユニット

要介護度 自己負担額
要支援2 771円
要介護1 775円
要介護2 811円
要介護3 835円
要介護4 851円
要介護5 867円

まとめ

グループホームの費用

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グループホームの費用形態は一般的な賃貸契約に似ており、月々一定の家賃の支払いが必要です。

前払金や介護サービス費、家賃など費用の多くはそれぞれのグループホームによって異なるため入居にかかる費用には差があります。

また、小規模でアットホームな雰囲気があるという特性を生かして質の高いケアを実施しているところもあれば、入所後は適当に過ごさせているところもあり、グループホームによって質にも差があります。

しかしながら生活保護を受給している方でも入居できたり、介護サービスは介護保険が適用されたりと、高齢者向けの住宅のなかでは費用が安く抑えられる施設となっております。

認知症を予防したい方や症状の悪化を防ぎたい方は、悪いグループホームに入らないよう気をつけなつつ、実際にグループホームを探して、費用を確認してみましょう。

【高齢者住宅・施設への入居費用まとめ】老人ホーム、介護施設、サ高住など全解説

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この記事を書いた人:目黒 颯己

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
大学卒業後、株式会社ネオキャリアに入社。総合求人サイトの立ち上げの経験後、老後を自分らしく過ごすための情報サイト「ヒトシア」の立ち上げを経て介護施設・老人ホームの紹介事業を行っております。
現在はヒトシアと並行して介護士向け求人サイトも兼務しており、介護全般に精通しています。
参考:http://ksa-kentei.com/adviser/3695

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