老人ホームのボランティアをする前に知りたいこと | 活動内容や注意点、参加時の服装など

年間を通して老人ホームでのボランティア活動は多く行われていますが、いざ参加する・参加したいとなると、どのように参加するのか、何をするかなど具体的なことが分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は老人ホームのボランティアの活動内容や参加時の注意点など、事前に知っておきたいことをご紹介させていただきます。

また、老人ホームでのレクリエーションなどを任されたという方のために、お年寄りでも気軽に楽しめるレクリエーションの種類をまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。

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老人ホームでおこなわれるボランティアの目的

老人ホームのボランティアの目的は施設や地域によって様々ですが、共通していることは下記の二点です。

  • 地域住民の交流
  • 社会活動参加

老人ホームの入居者は普段は同じホームの入居者や施設の職員以外と交流する機会があまりありません。そのため、地域住民とのかかわりは老人ホームに入居していてもその地域で暮らしているという意識につながります。このようなことから、地域の方にボランティアとして参加していただくことは老人ホームにとっては大変ありがたいことです。

ボランティアごとによって定められている目的などは、各施設のホームページなどで確認することができます。あらかじめ確認しておくと、ボランティアをするうえで施設の方ともコミュニケーションをとりやすくなります。

老人ホームでのボランティアの活動内容

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老人ホームでボランティアをすると言っても、どのような内容の活動をするのか不安ではありませんか?

なかには「間違えて怪我させてしまうかも」「不機嫌にさせないかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、リスクがあるような業務に関しては施設のスタッフの方がやってくださいますので、ボランティアの内容は中学生、高校生の方でも参加できるような内容のものが多くなっています。

それでは具体的にボランティアになるとどのようなことをおこなうのか、内容を見ていきましょう。

入居者の話し相手

施設の介護職員は勤務の中で行わなければならない業務も多く、ひとりひとりの入居者とゆっくりと話をする時間を持つことはなかなか難しいです。そのような介護職員に代わって入居者の話し相手になるボランティアがあります。

自分からどんどん話しかけていくというよりは、相手の話をあいづちを打ちながらじっくりと聴いていくようにすると良いでしょう。

耳が聞こえづらい入居者の方もいらっしゃるので、しゃべるときにはなるべく低い声でゆっくりとしゃべるように心がけ、言葉以外でも表情であったりジェスチャーを交えると言葉だけの場合よりコミュニケーションが取れることがありますのでぜひ実践してみてください。

中には同じ話を何度もされることもありますが、初めて聞いた話のように聴いたり、質問の仕方を少し変えたりしてたくさん話を聴くようにしてみましょう。

入居者と一緒にレクリエーションを楽しむ

入居者が楽しめるようなレクリエーションを提供し、みんなで楽しい時間を持てるようにします。たとえば、ピアノを弾いて一緒に歌を歌ったり、書道を教えたり、回想法などを行ったりなど、自身の得意なことなどをボランティアとして行うとよいでしょう。ただし、レクリエーションに必要なものを自分で準備しなければならないこともありますので事前に確認をしておくようにしましょう。

老人ホームでおこなうイベントの準備・運営

老人ホームでは夏祭りや餅つきなど季節ごとにいろいろな行事やイベントが開催されます。それらのイベントの準備や運営を手伝い、介護職員と一緒にイベントを盛り上げるものです。イベントに向けて入居者に対してゆかたや着物の着付けやお化粧をしたりと自分が得意なことが重宝がられて喜んでもらえることもよくあります。

清掃や備品整理などの裏方のお仕事

老人ホームなどの介護施設では直接入居者と接する仕事以外にも、お部屋や共有スペース、バックヤードの掃除やベッドのシーツ交換、たくさんある備品の整理整頓などを定期的にしなければなりません。有資格者である介護職員が介護に専念できるようにこれらの仕事をボランティアにやってもらうこともあります。これらは、直接入居者と接することは得意ではないけれども何か役に立ちたい、まずは裏方の仕事からはじめて老人ホームの雰囲気を知りたいという方にもおすすめです。

入浴後のケア

老人ホームでは多くのご利用者に順番にご入浴していただきます。介護が必要な人の入浴は脱衣、入浴、着衣というような身体介護のほか入浴後にドライヤーをかけたり顔や体に保湿を剤を塗るお手伝いなどの介助が必要になります。身体介護とまではいかないまでも、直接入居者と触れ合うようなボランティアを希望されている方にはぴったりのボランティアと言えるでしょう。

この他にもたくさんの老人ホームのボランティアがあります。ボランティアの詳細は各施設のホームページなどに記載されています。気になるボランティアを確認してみましょう。

老人ホームのボランティアに参加するメリット

ボランティアに参加したいと希望された方や何となくボランティア参加することになった方など、参加する理由はさまざまだと思います。

ただ、ボランティアに参加することは相手だけではなく、自分にとってもメリットになることがたくさんあります。

ここでは老人ホームでのボランティアに参加する3つのメリットをご紹介します。

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他では得られない「やりがい」を感じることができる。

最初は気難しくなかなかコミュニケーションが取れなかった利用者が、ボランティアを重ねるにつれて笑顔が増えていく様子はとてもうれしく、大きな「やりがい」を感じることができます。

話していることが聞き取れない、会話が難しいという場合でもスタッフからアドバイスをもらいながら根気よく向き合ってみてください。

様々な立場で物事を見ることができるようになる

ボランティアを通じて相手が何を考えていて何をして欲しいかを考える機会が多くなります。

利用者の中には寝たきりの方や認知症を患っている方などがいらっしゃいます。

例えば寝たきりの方がテレビを見ようとしたときに、目の前にコップ一つあるだけでもテレビが見づらくなる場合があります。自分では何とも思わなかったことでも、利用者にとっては悩みの原因となっていることがあるのです。

このように自分と異なる立場の人と関わることで、相手のことを考える視点が身につきます。これは学校でも仕事でも、共通して大切なものの考え方であるといえます。

自分の老後を考える機会になる

老人ホームなどで実際の介護を目の前にすると、自分が老後をどう生きていくかを考えるようになるでしょう。
ボランティアで高齢者の方と交流することで、実際の高齢者の身体状況やコミュニケーションの状況などを身近に感じることができ、より将来を具体的にイメージできるようになります。

自分が今後どの施設でどんな暮らしをしたいかを考えるようになるため、これから自分と向き合っていく上で非常によい機会となるでしょう。

ボランティアで入居者と話をするときに注意したいこと

老人ホームでのボランティアは難しいものはそれほどありません。しかし、老人ホームの入居者と話をする時には配慮が必要なことや気をつけておきたいことがあります。このことを理解していないとボランティアとしての活動が上手くいかないばかりでなく、相手を不快にさせたり怒らせてしまったりすることもあるので注意するようにしましょう。

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ゆっくりと話す

利用者の中には、聴力が低下している方もいるので、会話のスピードが速いと話についていけない方がいます。したがって、ゆっくりと低い声で話をすることを心がけましょう。

しかし、ゆっくりと話すだけでは伝わらないことも多いです。そのため耳元に口を近づけて話すことが得策です。

それでも伝わらない場合は、身振りだけではなくジェスチャーなどを使いながらコミュニケーションを心がけていきましょう。

話の内容を否定しない

認知症を患っている利用者は、記憶が混ざってあべこべなことを言ってしまうことがあります。

例えば、同じ施設の人に「自分のお金を盗んだ!」という発言をしたり、自分の持ち物に対して「利用者さんから貰ったの」と言ったりと様々です。しかしそこで否定をしてしまうと、利用者が困惑してしまいストレスを抱えてしまいます。その結果、利用者が不穏な行動や妄想をすることがあります。

そのため、利用者の発言に対して決して否定をしないで、話を合わせてあげることを心がけましょう。もし、なにか不安なことがあれば施設の方に相談をしましょう。

同じ話をされてもしっかりと話を聞いてあげる

認知症の利用者は同じ話を何回もすることがあり、多い時は10分前に話したことを話される利用者もいます。しかし、決してそこで同じ話をしたなどは言わないように心がけましょう。

利用者は同じ話をしたつもりはないと考えているので、その言葉で利用者のストレスが貯まってしまいます。その叱られたストレスが蓄積されて、利用者が不穏な状態や妄想などををすることがあります。

同じ話をされても、嫌な顔をすることなくしっかりと※傾聴しましょう。

参考:高齢者傾聴スペシャリスト講座とは?

ボランティアに参加する際の服装や髪型、化粧について

ボランティアに参加する際の服装は基本的に動きやすい格好でなければなりません。

さらに、室内を歩くので室内用の上履きなどが必要です。上履きはサンダルやスリッパは不可、かかとのある運動靴が最適です。

注意点としては以下の3点があげられます。

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香水など、匂いがするものは禁止

匂いがついてしまうものは禁止されています。

理由は、匂いが他の利用者に付いたり、気分を害してしまう利用者がいるかもしれないからです。

音が鳴る服装は避ける

音に敏感な利用者もいるため注意しましょう。中にはズボンの鎖のチェーンなどの音が気になる利用者もいらっしゃいます。

アクセサリーやネイルなどは禁止

利用者を支える動作をした時に、爪やアクセサリーが当たって利用者に怪我をさせてしまう場合があるからです。

安全面を考慮して、アクセサリーやネイル、腕時計などは身に着けないようにしましょう。

老人ホームのボランティアへ参加する際の心得

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情報漏洩の防止を徹底する

高齢者の方とお話をすることが多くなりますが、そこで得た情報(名前や住所など)は外に漏らしてはいけません。もし情報が悪用されたら、施設の信頼に関わるからです。これは、ボランティアが終了しても変わりませんので徹底しましょう。

体調を整える

体調が悪い時にボランティアへの参加は控えましょう。

特に下痢や嘔吐、発熱などの症状の時です。利用者は免疫力が低い方が多いため、感染症に罹患するリスクがあります。

ルールをしっかりと守る

施設によってはそれぞれのルールがあります。そのルールに沿って活動をしましょう。

例えば、利用者の中にはボランティアに対する感謝の気持ちを表すために、お金を渡してこられる方もいます。しかし利用者からお金を頂くことは禁止されています。もしも受け取ってしまった場合には、すぐに施設の職員に相談をしましょう。

プライバシーに配慮する

ボランティアに参加したことをSNSで投稿したくなるかもしれませんが、仲良くなった方の写真や情報などの内容を勝手に投稿するのはやめましょう。

どうしても投稿したい場合には本人はもちろん、施設のスタッフや利用者のか家族の方にも了承を得るのが良いでしょう。

ボランティアをする方向けの保険に加入する

ボランティア保険は社会福祉協議会で取り扱っています。長い期間ボランティアをする時は、ボランティア保険への加入が必要です。

ボランティア保険とは、ご自身が怪我をした際の「傷害保険」とご自身がボランティア先で施設に関わる人や物に対して損害を与えた場合の「損害賠償保険」がセットとなったものです。

さらに、行事ボランティア保険もあります。これは、行事ごとに申請ができるボランティア保険です。日帰りと宿泊のプランから選べることが出来ます。年間保険料も、加入するプランにもよりますが1年間で300円~1400円がかかります。

施設によっては施設負担で加入してくれるところもあります。逆に自分で加入しないとボランティアをさせてもらえない場合もあります。その場合は、お近くの社会福祉協議会の窓口で確認してみましょう。

交通費などの費用を負担して貰えるか確認する

施設までの交通費や昼食代などの金銭的な負担があります。

しかし、有償ボランティアなど交通費、昼食代、時給を負担してくれるボランティアもありますので、事前にチェックしてみましょう。

ボランティアでのレクリエーションは何をやればいい?

ボランティアによっては、レクリエーションの企画を任される場合があります。

施設のスケジュールは決められていますので、利用者は同じ生活を送っています。そのため、「新鮮さ」を感じられるレクリエーションが好ましいですが、0から新しく企画を考えることは難しいかもしれません。

レクリエーションをおこなう際には、時間や場所、利用者などを考慮したうえで具体的に企画を練ることが大切です。

ここでは老人ホームの利用者も一緒に楽しめるレクリエーションをご説明致します。

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体を使うレクリエーション

無理せず体を動かすことで認知症を予防したり、自立支援のサポートに繋げたりすることができます。

たとえば、歌体操やフラダンスなどは立っていても、車いすに座ったままでも実施でき、安全に体を動かすことが出来ます。簡単な動作を覚えながら音楽に合わせて体を動かすことは高齢者であっても楽しむことができるため、非常に喜ばれ大いに盛り上がるレクリエーションになります。フラダンスではチームでボランティアに参加してダンスを披露することもできるため、日頃の練習の発表の場としても活用することができるでしょう。

脳を使うレクリエーション

脳をつかうことで、脳を活性化させて認知症の進行を遅らせることが期待されます。

能を使うレクリエーションとは具体的には、小学校1~2年生レベルのクイズ、計算問題、漢字の問題などがあります。

たとえば、単に問題を解くだけではなく算数の授業として計算問題を行ったり、国語の授業で漢字の問題を解いたりする先生役になったりします。小学校の頃の様子を思い出し、そのような雰囲気のなかで昔を回想すると脳は活性化すると言われています。入居者の話を引き出したり、場を盛り上げることができるような企画にすると効果的です。

歌や楽器の演奏など音楽のレクリエーション

歌を歌う、楽器を弾くなどの音楽療法は高齢者の身体機能の向上・改善にも注目されています。

また、認知症予防にもなると言われています。

音楽のレクリエーションをおこなう際には、童謡や入居者の年代の曲など老人ホームに入居されている方が楽しめる曲にすることを心がけましょう。

参加型でみんなで歌うようにする場合には歌詞カードやCD、楽器などを準備しておく必要があります。
施設によってはピアノが用意されているところもあるので、事前に確認しておきましょう。

ボランティアへの参加申請方法

次にどこでボランティアの応募を行っているか、また申請場所ごとの特徴はどのようになっているかについてご説明します。

申請場所は主に4つあります。それぞれ特徴が違いますので、それも踏まえて紹介させていただきます。

介護施設(NPO法人や社会福祉法人等)に直接申請する

多くの介護施設でボランティアの募集をしています。

各介護施設のホームページに電話番号やメールアドレスが記載してあるのでそこから応募でしましょう。
「今後この施設で働きたい」と考えている介護職志望の方は、施設の雰囲気を感じることができます。

出典:社会福祉法人 三徳会

社会福祉協議会のボランティアセンター

社会福祉協議会の窓口にいらっしゃる相談員の方にボランティアに参加したい旨を伝えましょう。

さまざまなボランティアなボランティアを紹介していただけますので、「沢山の活動の中から自分にあったボランティアを選びたい」という方におすすめです。

地域の地域包括支援センター

お近くの地域包括支援センターでも相談することができます。

ここでもさまざまなボランティアを紹介してもらうことができるでしょう。

また、ボランティアセンターの中には参加者にポイントを付与し、一定数貯めることで商品券などに交換できるなどの取り組みを行っている地域もあります。(ボランティア手帳の発行が必要)

出典:社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会

まとめ

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老人ホームのボランティアには、応募する場所、服装、コミュニケーションなど注意しなければいけないことがたくさんあります。また、人の命を背負うので責任も重いです。老人ホームでボランティアをする際には、その自覚を持ち、一つ一つの業務を丁寧に取り組んでいきましょう。

施設によっては利用者とBBQやハイキングなどのボランティアもできます。

この他にも、自分に合ったボランティアを見つけることができるかもしれません。

自分が実施したい介護施設に直接問い合わせたり、社会福祉協議会のボランティアセンターから紹介を受けて自分にあったボランティアを見つけてみましょう。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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