【最新】徘徊対策に期待される見守りボタン「Help Me(ヘルプミー)」とは?

認知症のご家族を介護されている方にとって日常の心配事やご苦労は多くあり、物取られ妄想や暴言・暴行、排泄トラブル、それに加えて昼夜問わない徘徊も挙げられます。

特に徘徊に関しては、介護者が一緒に住んでいない場合には「もしかしたらなかなか見つけられず、街中で迷子になるかもしれない…」「街中で周りの人に迷惑をかけるかもしれない…」など、一層不安で心配になるでしょう。

そんな不安の解消の助けとなってくれるサービスが見守りボタン「Help Me(ヘルプミ―)」です。

ティアラ社による見守りボタン「Help Me」とは?

見守りボタン「Help Me(ヘルプミー)」大・小サイズ

このQRコード付きボタンは株式会社ティアラによって開発され、今夏の販売開始を予定しております。
今回のインタビューは株式会社ティアラのソーシャル事業ディレクター 大沢 治美さんにヘルプミ―について伺ってきました。
この記事ではヘルプミーの使い方や、今後の展望などについて詳しく取り扱っていきたいと思います。

株式会社ティアラ
代表取締役 小野寺 秀一
本社:東京都練馬区豊玉北4-20-3
1990年東京都練馬区にて創業

大沢 治美

2002年 株式会社ティアラに入社
2015年から大手ECサイトにて売上1位を記録している「花粉対策スティック微電なごみ」の販売を担当。
現在「ヘルプミー」で、徘徊における社会問題の解決に挑戦中。

 

─── 御社で行われているサービスを教えて下さい

徘徊対策として見守りボタン「Help Me(ヘルプミー)」を使って、一刻でも早く徘徊された方を見つけ出す手助けを行っております。
他にも認知症対策としてのQR印字付きチェーンストラップやQR印字付き腕時計など販売しています。

QR印字付きチェーンストラップ

QR印字付きチェーンストラップ

QR印字付き腕時計

QR印字付き腕時計

 

─── どうしてこのようなサービスを立ち上げられたのですか?

私たちの会社の代表である小野寺が知人から、「家族が使う徘徊対策製品をつくれないか?」と依頼されたのが始まりです。
というのも私たちは元々ジュエリーに使われる部品のデザインカット(貴金属加工)を行なう会社なので介護の知識は無かったのですが、弊社の技術力に注目していただいたという経緯です。

専門外ではありますが、「お困りの方がいるなら弊社の技術が何かお役に立てないものか…」と思い、QRコード付き腕時計型の製品を作らせていただきました。
しかし、介護現場の方に「認知症の方は、このようなものをわざわざ付けて外に出ていかない。」とご指摘を頂きまして、そこから様々な改良を加えていきました。
そしてようやくボタン型のヘルプミーが完成し、多くの方から共感を得られるようになってきました。

 

─── 具体的にはどのようなサービスを提供していただけるのですか?

2020年夏頃より6つのボタンがセットになったスターターキットの販売を予定しています。

その際、ご使用人の名前や介護者の緊急連絡先など無制限でご登録していただきます。
いつも着ていらっしゃるシャツのボタンや、いつも使っているカバンのボタンなど目立つ場所に装着してください。

付けていただいたボタンにはQRコードが印刷されており、スマホで読み込むと専用サイト(下図)にアクセスできるので、こちらから介護者まで連絡を届けることが可能といった仕様になっております。

QRコードを読み取るとこのような画面が現れる

QRコードを読み取るとこのような画面が現れる

 

─── どのような方がサービスを利用されておりますか?

介護者との同居・別居関係なく、様子をずっと見ることができないという方であったり、ご家族が徘徊されて少しでも怖い思いをされたり、動揺した経験がある方などです。
最近では色々な見守り用の商品が発売されているのですが、ご使用人が普段身に着けていないものだと、ご自身で取ってしまう可能性が大きいです。
徘徊する際は、これらの製品を身に着けないで着の身着のまま外に出ていってしまうのが普通です。
そのようなこともあり、これまでに他の見守り用の道具を使われて上手くいかなかった方にもお試しいただきたいと思っています。

また、ヘルプミーはまだ認知症の症状のない方のご使用も想定して作っておりますので、最近物忘れが気になってきた方やTVなどで徘徊について知り、自分ごとのように思われる方にも手に取ってもらい、アクティブに過ごすためにお使いいただければと考えております。

いくつもの課題があり難航した製品化

ヘルプミーを製品化する際に、いくつかの解決しなければならない課題があり、とても悩みました。

1つ目は【身に着けやすさ】です。

認知症の方は物への執着をお持ちの場合があり、新しいアイテムを持たせることは介護者にとっては一苦労。
介護者の負担を最小限にすることを考えて試作を繰り返し、今回のボタン型にたどり着きました。ご本人がいつも身に着けている衣類に縫い付けるだけで対策が出来ます。また見守りアイテムとしては小さくスタイリッシュなデザインで、ご本人様の尊厳にも配慮した形になっています。

2つ目は【使いやすさ】です。

日常的にお使いの衣類に付けるのですから、洗濯機で洗えるように加工しました。
外枠はジュラルミン製でとても硬く変形しません。QRコードもレーザー印字しているので水で洗っても消えません。

3つ目が、【仕組み】です。

「位置情報」を知るためのGPSには電池交換や身に着け辛さと様々な課題もありました。
今回はそれを使わない形での「位置情報通報」の仕組みを考えました。皆さんの助けをお借りしながらこの仕組みを最大限活かしていきたいです。

 

─── 逆にヘルプミーに関しての弱点、課題点もあるのでしょうか?

街中で「QRコード付きのアイテムを付けている方」の意味が世の中に周知されていないと通報していただくことが出来ないということです。

ヘルプミーの仕組みを沢山の人に知って、使っていただくためには、一般の方の周知が必要になります。
オレンジ色のボタンを身に着けている方を街中で見つけた際に、徘徊の可能性があると気づいていただくことと、発見した方が安心してボタンを読み取れる、信頼できる仕組みに育てていくことが大きな課題です。

そのために行政や、自治体など公的機関と連携することが大切だと考えています。
例えばマタニティマークやヘルプマークなどはすでに社会に認知され、優先席を譲っていただけるなどの効果がでています。

マタニティマーク

マタニティマーク

それと同じように私たちはオレンジ色のボタンやQRコードを身に着けている高齢者を見かけた際に、「もしかしたら徘徊されてるかもしれないから注意しよう」と周囲の人が見守れるような社会づくりをしていきたいと考えています。

また、介護職の方などに協力を頂き、認知症の方への声掛けはどのようにすればいいか?ということも知識としてもっておく必要があります。
一般の方の中には認知症で徘徊している人への声掛けは自信がない方もいらっしゃると思いますが、これを補っていくためにも声をかける時の留意点なども合わせてご案内していきたいと考えております。

これからの超高齢社会には、ほんの少しの繋がりが必要

これから高齢者の数も認知症の症状をおもちの方の数も増えていきます。
またそれに伴って、家族だけでの在宅介護はますます難しくなっていきます。

そこで私たちは地域全体で高齢者を支えていけるような社会を目指しています。その一歩目が※オレンジボタン運動です。

※オレンジボタン運動…身につけているQRコードを読み込むと通報できる仕組みを多くの方に知っていただき、徘徊見守りの新しい形を目指す運動

オレンジボタン運動が広まっていけば、若い人でも自分の周りの高齢者の様子にも気付くようになり、地域全体の助け合いの意識も上がっていくのではないでしょうか。
少しの助けが有難い方」と「少しならお手伝いできる方」がうまく繋がり合うことに、「ヘルプミー」がお役に立てれば嬉しいです。

まとめ

今回はQRコード付きのボタンによって認知症の方の徘徊対策に努めるティアラ社にインタビューしてまいりました。

ここ数年でマタニティマーク(ストラップ)が世の中に周知されたように、ヘルプミーも今後世の中に知られていくと思います。
一方「どのように声をかけたらいいかわからない」「マークをつけているけど本当に妊婦さんなのだろうか?」と声掛けに躊躇してしまうといったことも増えてくると考えられます。

これは徘徊対策用ボタンであるHelp Meに関しても同じことが言えると思います。
ボタンを付けている方、介護している方以上に世の中の子供から大人までの力が必要です。

商品作りだけでなく、自治体との連携や介護職の方への講評を伺いに行くなど様々な活動を通して社会づくりをされているティアラ社の活動には是非注目です。

ティアラ社の活動は以下のURLから確認できます。
↓オレンジボタン運動について気になった方も以下の画像をクリックして確認してみてください。↓

ヒトシア編集部

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