「旅行が介護施設にやってくる」入居者向けの介護旅行サービスの旅介を取材

旅介による旅行

提供:東京トラベルパートナーズ

「旅行に行けるものなら、行ってみたい───。」

介護施設に入居されていらっしゃる方の多くは旅行をしたいという願望はあるものの、実際に旅行に行ったという人はごくわずかです。

行きたい願望はあるものの、現実的に行くことが難しい…。

そんな介護の現場の現状を変えるべく、東京トラベルパートナーズ株式会社では「旅行が介護施設にやってくる」をコンセプトにした『旅介(タビスケ)』を提供しています。

今回、同社代表の栗原茂行氏に旅介についてお話を伺いしました。

東京トラベルパートナーズ株式会社 代表取締役 栗原 茂行
前職は大手旅行会社に勤務。2016年、シマダグループの一社として東京トラベルパートナーズ株式会社を設立し、介護事業者向けのバリアフリーツアー『旅介(タビスケ)』を展開。

旅行が介護施設にやってくる「旅介」

─── 御社で行われているサービスを教えて下さい。

東京トラベルパートナーズ株式会社が提供する「旅介」は主に介護施設に入居されている高齢の方向けの旅行サービスと個人向けの旅行サービスになります。メインは施設に入居されている傾けのサービスになります。

─── どうしてこのようなサ-ビスを立ち上げられたのですか?

「絶対にうまくいかない───」

 

前職では大手旅行代理店に勤め、法人営業を担当していました。

2016年独立起業するタイミングで、前職法人営業で担当していたシマダグループに誘ってもらいグループの一員となりました。

シマダグループには介護施設を運営するシマダリビングパートナーズ株式会社があり、旅行と介護を組み合わせる発想が生まれました。

 

しかし当時旅行業界の協会の方にお会いする機会があり、介護旅行のサービス案を話してみたところ「絶対にうまくいかない」と言われました。

 

ただ旅行に行く側である介護施設の入居者の方のニーズについて調べたところ、およそ70%の方が旅行にいきたいと考えていることがわかりました。

そして旅⾏に⾏きたいと考える⽅の中で3年以内に実際に旅⾏に⾏ったことがある⽅はわずか6%しかいないということもわかりました。

旅行には行きたい。しかし実際に行く人は少ない。このような現状を変えることはできないか?そのような思いから旅介というサービスを提供し始めました。

─── 確かにお聞きしてニーズはあるように感じました。しかし一方で色々なハードルもありそうで、旅行協会の方が「絶対にうまくいかない」と仰ったのも理解できます。具体的にこのギャップをどのように埋めたのでしょうか

介護旅行を行うとなると人が付いていく必要もあるため、料金がどうしても高くなりすぎるという懸念がありました。

旅行には行きたいけれど金銭的に厳しい…、こういった理由で旅行をあきらめてしまわないよう様々な工夫を行いました。

 

通常の旅行であれば、車両の手配から、旅行プランの要望をヒアリングして作成するとなると大きな工数が発生します。

またバスを用意したものの集客が上手くいかなかった場合、人が集まらなかったことにより1人あたりの単価が高くなってしまいます。

 

そこで旅介では、介護タクシーの免許や二種免許、旅行添乗員の免許、介護の初任者研修を持つものが旅行に同席し、自社で車両を抱えることで費用を抑えました。

また100以上のバリアフリーの観光地から旅行プランを選んでもらうやり方に変更し、施設で集客をするようにしました。

在宅の個人の方を1人1人集めるのは難易度が高いですが、施設で5人旅行希望者を集めるのであれば比較的容易です。

 

安定的に集客が見込め、一回の旅行にかかる費用で抑えられるところを抑えることでリーズナブルな価格で提供することが可能になり、ビジネスとして成立させることができました。

オンラインツアーなど新たな試みから見えてきたもの

─── 介護旅行を提供していた東京トラベルパートナーズさんですが、新型コロナが猛威を奮い始めた際は介護旅行が難しいといった状況になったかと思います。それでもさくらプロジェクトや生中継オンラインツアーなどオンラインを駆使した新たな取り組みに柔軟に取り組んでおられましたね。

新型コロナの影響により緊急事態宣言が出され全国で外出自粛が進む中、介護の現場でも例外なくご家族の面会謝絶などが行われました。

そして施設に入所されている方はご家族と会えない、外出も難しいという状態が続き精神面や健康面での悪影響の懸念もあげられました。

 

外出が難しい…、しかし少しでも入居者の精神面の負担を軽くしたい…、その思いから弊社でできることがないかと考えて、さくらプロジェクトという企画や、生中継のオンラインツアーによる鎌倉・長谷寺 あじさい路散策を企画して行うなど、外出が難しいなりに工夫をしました。


※第1回の「鎌倉・長谷寺 あじさい路散策」の会は上記youtubeでご確認頂けます。

─── こういった生中継のオンラインツアーに対する入居者様のご感想はいかがでしたか?

結論としては施設の入居者様にも好評で今後も勢力的に行っていきたいと考えています。

「鎌倉・長谷寺 あじさい路散策」のオンラインツアーを介護施設様にお声がけをした際は、介護医療施設81施設からお申込みを頂き、一般視聴者と合わせて1,000名以上の方にご視聴頂きました。

 

ニーズもあり大変盛況であったことはもちろんのこと、オンラインツアーにより旅介が提供できる新たな価値も見出すことができました。

介護施設に入居されている方で実際に旅行に行けるのは、実は全体のうちの20%程になります。

金銭面の工夫は先ほどの通りではありますが、健康面の理由により旅行にいけないという方が実際には多いため、今回のリアルタイムのオンラインツアーは健康な方以外にも多くの方々に楽しんでもらうことができました。

また、通常の介護旅行の場合、バリアフリーの場所を選ぶ都合上どこにでも行けるというわけではありませんが、オンラインツアーであればそういった制約はありません。それこそ海外なども可能といったところも魅力でしょう。

鎌倉オンラインツアーの様子

提供:東京トラベルパートナーズ

もちろん撮影許可を頂いたり、映画の撮影会社と協力したりと準備することも多いですが、次にオンラインツアーを予定している石垣島では、現地の方々も島を上げて行ってくださります。

今から8月が楽しみです。

参考:旅介オンラインツアー 石垣島・竹富島

 

引き続き通常の介護旅行サービスも提供はしていきつつ、健康面などで外出が難しい方のためにもオンラインでの旅行も力を入れていこうと考えています。

旅介が描く今後の高齢者の未来について

─── 栗原氏は高齢者の方にどう過ごして欲しいと考えていらっしゃいますか?また今後のビジョンについて教えてください。

東京トラベルパートナーズでは観光庁のユニバーサルツーリズム推進事業にも携わっており、全ての人が旅行を楽しめる社会を作るというビジョンを実現すべく目の前のやるべきことをしっかりと行っていきたいと考えます。

参考:ユニバーサルツーリズムについて | 観光産業 | 政策について | 観光庁

 

今後も介護旅行というサービスの体制作りをオンライン、オフライン問わず構築し、受け入れの整備・強化を行い、この介護旅行というビジネスモデルの関係者を増やしていければと考えます。

オンラインツアーの旅介を見る介護施設の入居者の方々

提供:東京トラベルパートナーズ

直近ですと8月に石垣島・竹富島と長野のオンラインツアーを、そして9月にはパリのオンラインツアーも計画しています。

ゆくゆくは介護旅行という価値観を全国に広げ、全ての人が旅行を楽しめる社会を作るという世界観を実現するよう努めます。

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今回は介護施設に入居されている方が「旅行に行きたい」という願いをかなえる、介護旅行サービスを提供する東京トラベルパートナーズ株式会社さんをインタビューしました。

この記事を読んで東京トラベルパートナーズ株式会社に興味を持った方はこちらのホームページをご覧ください。

https://www.tokyotravelpartners.jp/

ヒトシア編集部

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