老親の一人暮らしが心配!見守りサービスや頼れるサポートを紹介

すぐに様子を見に行けないほど離れた場所で一人暮らしをしている親がいる方は、「親にもしものことがあったらどうしよう…」と考えることが一度はあるのではないでしょうか。

特に、親が60代や70代とだんだん高齢になり一人ではできないことが増えてくると、「転んでけがをしてしまうのではないか」「このまま一人暮らしを続けていて大丈夫なのだろうか」など、不安になることが多いでしょう。

今回は、一人暮らしをする老親が心配な方たちに、安心して過ごすための対策を紹介いたします。

高齢の親の1人暮らしに潜むリスクとは

老親の1人暮らしの不安を拭い去るには、高齢者の1人暮らしにどのようなリスクがあるのかを把握して対策を立てることが大切です。ここでは、高齢者の1人暮らしに潜む様々なリスクや危険を紹介していきます。自分の親にはどのようなリスクが当てはまるかチェックしてみましょう。

食生活の乱れ

「年をとってきて、買い物に行くのが億劫になってきた」「毎日献立を考えるのが難しい」「一人で食事をとる気にならない」などの理由で、高齢になると食事をおろそかにしてしまう可能性があります。

また、料理のできない父親の1人暮らしであれば、毎食コンビニやスーパーで買ってきたお惣菜で済ませることもあり得ますが、そうすると栄養バランスが偏ってしまいがちです。

近年では身体機能が落ち、介護が必要な前段階である「フレイル」を予防することが注目されていますが、健康的な食生活はフレイル予防にも大切なため、食生活の乱れには注意したいものです。

生活リズムが崩れやすい

高齢になると一日なにもやることがないということも多くなり、毎日をどのようにして過ごすか悩む方も多くいらっしゃいます。

悩んで、自分で何かやることを探すくらいならいいのですが、やるとこがないまま一日が終わるのをひたすら待つようだと、生活にメリハリがなくなりリズムが崩れやすくなります。

その結果、昼夜逆転などになりやすく、それが原因でさらに精神的に不安定になったり食生活が乱れてしまう可能性もあります。

精神的に不安定になりやすい

高齢者は自分の身体機能の衰えや、友人や仲間の死を身近に感じています。

一日終わって、誰とも会話をしなかったということも珍しくなく、それだけ孤独ということになります。

本人の性格的なものもありますが、高齢者は基本寂しさを感じやすく、それが原因で精神的に不安定になりやすいのです。

精神的に不安になると、身体面への影響もあり、不意の転倒や転落のリスクも高まります。

急病や事故、自然災害などでもすぐに対応できる人がいない

高齢者は浴室や浴槽での事故が多いです。特に室温が急激に下がることで血圧が高くなり、そのまま意識を無くし倒れ込むケースがあります。

日常生活の中でも一過性脳虚血発作などを起こしやすくなり、一時的に意識を失うことも珍しくありません。

そのような状況の中、高齢者の一人暮らしなら誰にも気付かれず、放置されるリスクが高くなり、最悪の場合には死に至ることもあります。

また、地震や台風、洪水など自然災害の多い日本では、有事の際に高齢者一人で避難することが困難な場合もあります。大規模な地震が発生すると連絡が取りにくくなったり、交通事情ですぐに駆け付けられなかったりと親の安否確認が難しくなるため、平時からの対策が欠かせません。

詐欺に巻き込まれる可能性

「オレオレ詐欺」に代表される振り込め詐欺以外にも、判断力が低下した高齢者を狙う詐欺は後を絶ちません。

例えば、「すぐに家の補修工事をしないと家が傾いてしまう」など高齢者の不安を煽り、実際には工事をしないにもかかわらず多額の工事費用を請求するなど、悪質な手口で商品やサービスを売りつけるなどが挙げられます。身の周りにすぐ相談できる家族がいない1人暮らしの高齢者は、詐欺被害に遭いやすいでしょう。

また、認知症により悪質な訪問販売などにひっかかっる、通信販売で使わない商品をいくつも購入するなど、老後資金を使い込んでしまうなどのリスクも考えられます。この場合、クーリングオフを行ったり消費生活センターに相談するなどしましょう。

認知症が進行し介護が必要になることも

夫婦二人で暮らしていた頃は元気だった親も、どちらかが亡くなり1人暮らしで引きこもりがちになると、話し相手もおらず認知機能が低下して認知症になってしまうことも考えられます。

また、引きこもりがちの1人暮らしでは、認知症の発見が遅れてしまうことも往々にしてあります。認知症は初期の段階であれば薬で症状の進行を遅らせることができますが、発覚が遅れ症状がある程度進行してしまうと、介護が必要になることもあるため、親との連絡はこまめにとっておきたいものです。

孤独死の可能性

近所付き合いが希薄になっていったり、気軽に会える友人が少なくなっていくことで他者との交流が減少したり、家から出るのがだんだんと億劫になって人づきあいをしなくなるなど、高齢者の1人暮らしは引きこもりになりがちです。

引きこもりがちになることで、体調に異変があった時や倒れたときなどに助けを求めることができず、1人で亡くなってしまうのです。さらに普段から顔を合わせる人がいないと、遺体の発見も遅れてしまいます。

もしもの時に備えて考えておきたい対応策

自分の親にどのようなリスクがありそうか、チェックできたでしょうか。具体的にどのようなリスクがあるかを把握すると、年老いた親を1人暮らしさせておくのが増々不安になってしまうかもしれませんが、焦らずに適切な対策を講じていきましょう。

ここでは、老親のもしもに備えておきたい対応策を5つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

見守りサービスを活用する

見守りサービスといっても色々なものがあります。

民生委員や地元社会福祉法人の地域貢献活動、ヤクルトや夕刊配達員によるものまで多岐に渡ります。

もちろん、介護保険サービスを利用するようになれば、訪問介護も広義では見守りサービスといますが、無料または安価で受けられるような見守りサービスを活用していくことをおすすめします。

特に、自治体が行っている「地域支援事業」やNPO・地域ボランティアの活動では様々なサービスが無料もしくは低額で用意されているため、積極的に活用したいものです。

どのようなものがあるか分からなければ、地域包括支援センターに相談してみたり、ネットで親が住んでいる市区町村の「地域支援事業」が掲載されているページを探してみましょう。また、地域の支援施設やサービスがのった「地域資源マップ」などもネットで調べることができます。

本記事でも、次の章で頼れる便利なサービスを紹介いたします。

親のご近所さんや民生委員とつながりを構築しておく

「親と連絡がとれない」といった緊急時に親の様子を代わりに見に行ってもらうだけでなく、今後もし遠距離介護が必要になった際に頼りになるため、親のご近所さんと関係を作っておくことは大切です。

帰省をした際、親が親しいご近所さんや自分の面識のあるご近所さんに挨拶をして親の状況などを話しておくと良いでしょう。

また、ご近所つながりがない場合は、親が住む地域の民生委員とつながっておきましょう。民生委員に高齢の親が1人暮らししており、どのような点で心配なことがあるのか相談したり、緊急時含め、普段から見回りをお願いすると良いでしょう。

参考:ご存じですか?地域の身近な相談相手「民生委員・児童委員」(政治広報オンライン)

生活にちょっとした不便が出てきたら、介護保険サービスの利用を検討する

介護保険サービス」ときくと、いよいよ寝たきりで一日中介護をしなくてはいけない時や、認知症になった時に必要なものだと考えていませんか。

実は、「自立して暮らしているが、掃除や洗濯など少し生活に手伝いが必要」な程度でも「要支援1」という区分になり介護保険サービスを利用することができます。

介護保険サービスを利用すると、訪問看護やリハビリなどを1~3割負担で受けられたり、住宅に手すりやスロープを付ける際に20万円まで補助金をもらえるため、まずは申請してみるのがおすすめです。

介護保険サービスを利用するには「要介護認定」が必要ですので、親の住んでいる市区町村の窓口か「地域包括支援センター」を探して要介護認定の申請しましょう。

▼要介護認定の区分を知りたい方はコチラ

要介護認定区分とは?認定の流れから介護保険の利用限度額まで詳しく解説!

災害時に備えてできることは?

基本的なことですが、まずは災害に備えて食料や水の備蓄、防災グッズや避難するときの非常用持ち出し袋を準備しておきましょう。

また、連絡が取りにくくなった時に備え災害用伝言板の使い方を親と確認しておいたり、家の周りで危険な場所がないかハザードマップを確認しておくと良いでしょう。

加えて、1人での避難が心配な場合は各自治体が作成している「避難行動要支援者名簿」に親の名前を登録しておきましょう。災害発生時に避難を支援してもらえたり、気にかけてもらえる対象になります。

老人ホームやサ高住への入居を検討する

本人が納得すれば、思い切って生活の場所を変えるのもひとつの方法です。

例えば、「まだ介護は必要ないけど、1人で暮らすのは心配…」という場合は、バリアフリーになっており生活相談が受けられるサ高住、食事や家事などの生活援助サービスを提供している住宅型有料老人ホームを検討するとよいでしょう。

サ高住も有料老人ホームも費用は決して安くはありませんので、ある程度の資金や収入がある人になりますが、上手く活用するといいでしょう。ヒトシアでも、介護施設や老人ホームへの入居相談を承っておりますので、公式LINE@へご連絡ください。

介護施設や老人ホームなど高齢者住宅・施設の全種類を解説|費用や特徴、選び方や種類ごとの違いとは?

頼りになる見守りサービスや生活サポート

親のもしもに備える対策で見守りサービスを紹介しましたが、見守りサービスといっても市区町村や地域が提供しているものから、企業が提供するものまで様々あります。自分が不安なことや親の生活スタイルに照らし合わせて、適切なものを選びましょう。

ここでは介護保険サービス以外で、老親の1人暮らしを支えてくれる便利な見守りサービスや生活サポートを紹介します。この他にも高齢者向けのお茶会や趣味サークル、ゴミ出しや買い物のサポートなど様々なサービスがあるため、親の住む市区町村や地域包括支援センターのHPを調べてみることをおすすめします。

食事の手配と見守りを一緒に行ってくれる宅食サービス

高齢になると食事がおろそかになりがちなことは説明しましたが、そんな時に利用したいのが食事の宅配サービス。

栄養バランスのとれた食事を自宅まで届けてくれるサービスで、利用者へ手渡しで届けることが多く安否確認も兼ねています。なかには、もし利用者に異変があった場合、家族へ連絡してくれるところもあります。

民間企業が行っているイメージがありますが、実は地域支援事業として自治体がサービス提供していることも多く、比較的安価にサービスが利用できます。ただし、対象者や利用回数に制限がある場合もあるため、まずは親の住む自治体でサービス提供していないか調べてみるのがよいでしょう。

民間企業による各種見守りサービス

近年では、民間企業による様々な見守りサービスが登場しています。具体例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 親の安否や健康を確認するために毎日電話をかけてくれるサービス
  • 電気ポットやガスの利用履歴を通知してくれるサービス
  • 冷蔵庫の利用頻度を通知してくれるサービス
  • 玄関やトイレにセンサーを設置し、一定時間人が通らないと通知してくれるサービス

このように様々なサービスがあると、何を利用すればよいか迷ってしまうかもしれませんが、大切なことは親の生活スタイルにあったものを選ぶことです。

例えば、お湯を沸かしてお茶を入れる習慣のない親に、電気ポットの使用履歴を通知してもらう見守りサービスは不向きでしょう。親の生活スタイルを把握し、適切なサービスを選択したいものです。

緊急時に安心なサービス

親が病気で倒れたり、転倒して動けなくなった場合などに備えて緊急ボタンを用意しておくと、迅速に対応ができるため安心です。

メーカーなどから販売されているものもありますが、多くの自治体で「緊急通報システム」として緊急ボタンの貸与を行っています。緊急ボタンはペンダント型になっており、ボタンを押すと地域住民や警備会社の職員などが駆け付け、必要に応じて救急車を呼んでもらうことができます。

この緊急ボタンは無料か低額で貸与を受けられるため、親が住んでいる自治体で貸与が行われているか確認してみましょう。

親の1人暮らし、緊急時はどうする?

1人暮らしの親と離れて暮らしていると、緊急時はすぐに駆け付けられなかったりと不安になってしまうことが多いでしょう。

ここでは、「親と連絡がとれない」「親が倒れ、入院することになった」際の対応を紹介します。あらかじめ対応を知っておくと、緊急時に慌てず冷静に判断することができますよ。

離れて暮らしている親と連絡がとれない…

離れて暮らしている親と連絡がとれないことが続くと、心配になりますよね。その場合、まずは自分以外の人からも親に連絡してもらいましょう。兄弟や親戚、親の友人など複数の人から連絡してもらったり、親の住む地域の民生委員や親のご近所さんとつながりがあれば、見回りをお願いしても良いでしょう。

それでも親と連絡がとれず安否が分からない場合は、警察への通報や相談を考えます。通報してよいか分からず不安な時は、「警察相談専用電話(#9110)」に連絡すると、通報せずとも警察と相談することができます。

病院から急に呼び出しが…

脳梗塞や脳出血などで親が倒れ、突然病院から連絡が来た場合、なるべく早く駆け付けるのと同時に当面の予定も調整しておきましょう。

親の入院にあたって必要な書類を取りそろえたり、入院生活で必要な衣類や日用品などを準備する必要があるためです。

さらに、親自身での判断が困難な場合は手術や治療の説明をうけ同意書にサインする必要がありますし、親が入院する際の保証人になると、容態の急変で日中でも連絡が来たりすることがあります。そのため当面の予定は調整してキャンセルするか、どうしても病院に駆け付けられないならば、兄弟や親戚に駆け付けてもらうようにお願いしましょう。

また、病院にはいつまでもいれるわけではなく、入院できる期間に決まりがあったり、入院90日以降は退院や転院を促されるため、退院後にどうするのかを考えておく必要があります。介護が必要になりそうであれば、要介護認定の申請を入院中にしておくのがおすすめです。要介護認定の調査員は病院にも来てくれるため、入院中に要介護認定の申請をしておけば、退院後スムーズに介護を始められるでしょう。

なお、入院中や退院後の生活に関する不安は「医療ソーシャルワーカー」に相談しましょう。ある程度の規模がある病院では「医療相談室」などに在籍しています。

▼要介護認定の申請方法を知りたい方はコチラ

介護保険の申請方法 | 申請できる年齢や申請のタイミング、流れをわかりやすく解説します

まとめ

老親の一人暮らしは子供として心配になることが数多くあるでしょう。そのため、親に定期的に電話をして確認する方もいらっしゃいますが、親は「心配させたくない」「迷惑をかけたくない」とつい元気なふりをしてしまうもの。親の気持ちを尊重しつつ、高齢になった親の1人暮らしをサポートする方法を考えていきましょう。

また、当サイトでは高齢者住まいアドバイザーによる介護に関するお悩み相談も承っております。「年老いた親を1人暮らしさせておくのは心配だけど、何から対策すればいいかわからない」「親におすすめの老人ホームを紹介してほしい」など、介護が始まる前の相談も受け付けておりますので、ご希望の方は公式LINE@にご連絡ください。

「親の介護費用が足りるか心配」「介護をしない兄弟がいる」「介護のために仕事を辞めようか考えている」など、介護に関する悩みをお持ちではありませんか?

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監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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