養護老人ホームの入所基準とは?入所が認められる理由を紹介

費用負担が軽い養護老人ホームは、生活保護を受けている方でも入居できるため、低所得な高齢者のセーフティネットとなっています。

しかし、誰でもすぐに入所できるというわけではなく、入所基準に基づいた審査が自治体で行われます。本記事では、養護老人ホームの入所基準と、入所を希望する際はどうすればよいか、詳しく解説します。

養護老人ホームの入所基準

【確認】養護老人ホームとは

養護老人ホームとは、身寄りがない、経済的に困窮しているなどの理由で自立して生活を送ることが難しい高齢者が、社会生活を送れるように養護する施設です。

高齢の生活困窮者が自立するための援助を行う施設ですので、施設職員による介護サービスの提供はありません。ただし、2006年に「特定施設」と認められてから、介護が必要な場合は外部サービスの利用ができるようになりました。

▼養護老人ホームの特徴やメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック

養護老人ホームとは?費用から特養との違いまで徹底解説!

養護老人ホームの入所基準

養護老人ホームの入所基準とは

養護老人ホームに入所するための入所条件は以下のとおりです。

  • 原則、65歳以上の方
  • 環境上の理由及び経済的理由により居宅での生活が困難であると判断された方

年齢はわかりやすいですが、環境上の理由や経済的理由とはどういうものなのか?どういった判断基準なのかという点がわかりづらいと思いますので説明していきます。

「環境上の理由」と「経済的理由」の判断基準

養護老人ホームに入居するには市区町村により「環境上の理由」もしくは「経済的理由」があると判断される必要があります。

環境上の理由は項目すべてに該当する必要があり、経済的な理由は項目のいずれかに該当する必要がある点に注意してください。

養護老人ホーム入所基準の「環境上の理由」と「経済的理由」の判断基準項目

要介護度が重い方や寝たきりの方、所得の多い方などは入居することができません。

ただし65歳未満であっても、初期の認知症の方などは入居できる可能性もありますので、気になる方は市区町村の窓口で確認しましょう。

実際の主な入居対象者の例

環境上の理由による例

  • 身体・知的・精神障害を持つ高齢者
  • 他の施設に入れない高齢者
  • その他、地域において生活が困難な高齢者
  • 被虐待高齢者
  • 要支援・要介護者
  • 身体・知的・精神的病弱者
  • 社会に適用、順応できない高齢者

経済的な理由による例

  • 経済的困窮者、無年金者
  • 生活保護の受給者
  • 独居高齢者、ホームレス

参考:全国老人福祉施設協議会 資料2-1.養護老人ホームの現状等について

入所には身元引受人も必要

一般的に養護老人ホームや高齢者向けの介護施設へ入所する場合には、入所者について万が一の際、代わりに責任を負う身元引受人が必要です。

そしてそれは養護老人ホームの場合でも同じです。

身元引受人になると、入居者が何かあった場合に連絡が入ります。また、入居者が亡くなった際の身柄の引受をしたりというような義務が発生します。

原則、身元引受人は入居者の親族でなければなりません。

しかし養護老人ホームに入所する方のなかにはさまざまな理由で身元引受人がいないという方もいらっしゃいます。

もし入居者に身寄りが無いなどのやむを得ない理由で身元引受人になってくれる方が周りにいないという場合には、自治体に問い合わせてみましょう。また、成年後見人制度を利用するという方法もあります。

参考:成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A(法務省)

措置控えの問題

養護老人ホームは所得が低い高齢者のセーフティネットとなっており、その運営費用は地方自治体によってまかなわれています。

近年では社会保障費の増大により養護老人ホームの予算が十分に確保されず、入所の許可を減らす「措置控え」の状態になる自治体が出てきており、問題視されています。

措置控えで養護老人ホームの運営に必要な財源が十分に確保されないことから、定員割れしているにもかかわらず、養護老人ホームへの入所がしにくい状況となっているのです。

とはいえ、自治体が低所得の高齢者を見捨てているわけではなく、養護老人ホームへの入所ではなく介護保険サービスの利用や生活保護の利用によって、本人がなるべく自立して生活できるような道を促しています。

養護老人ホームへ入所するには?

養護老人ホームの入所手続き

養護老人ホームへの入所を希望する際は、まず民生委員や地域の福祉課、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などに相談をします。相談を受けたのち、入所判定委員会で入所の必要があるかどうか、審査が行われます。ただし、虐待など本人の命にかかわるような状況であれば、審査を通さず入所できる場合もあります。

注意したいのは、養護老人ホームは施設に入所を申し込むのではなく、自治体に入所を相談する点ですこれは養護老人ホームが「措置施設」とされており、提供する福祉サービスの内容や入所者を行政が決定しているためです。

そのため、入所を希望する際は施設ではなく自治体の窓口に相談しましょう。お住いの市区町村のHPに、どこへ相談すればよいか窓口が掲載されていることがほとんどですが、電話などで直接きいてみてもよいでしょう。

養護老人ホームはいつまでいられるの?

養護老人ホームは環境上・経済上の理由で自宅での生活が難しい高齢者を養護する施設であり、入所者の自立を促しているため、基本的には短期での利用が想定されています。

「同居家族の急死で住む家がない」「虐待から逃れる」などの理由で他施設への入居を待つ間に入所するなど一時的に利用する方のための施設ではありますが、近年は法改正により長期での利用も珍しくなくなっています。

ただし、介護度が重くなり介護保険サービスの利用による介護だけでは生活が難しくなった場合、3か月以上の入院があった場合は退去となります。また、認知症の症状が重くなり、自立した生活や共同生活が難しくなった場合も、退去もしくは住み替えとなります。

養護老人ホームの費用

養護老人ホームの入所にあたって必要な費用は、月額費用のみです。養護老人ホームの費用は本人、もしくは本人の扶養義務があると認められた者(多くは配偶者か子)が支払いますが、その金額は本人・扶養義務者の所得によって異なります。

費用は本人が支払う場合は0~14万円、扶養義務者が支払う場合は0~20万円程度となっており、費用負担が軽いことが分かります。

▼養護老人ホームの詳しい費用を知りたい方はこちらの記事をチェック!

養護老人ホームの費用|費用徴収の基準や料金をご紹介

まとめ

今回は、養護老人ホームの入所基準について詳しく解説しました。

養護老人ホームの入所の基準は、原則65歳以上で環境上及び経済上の理由により自宅での生活が困難な方ですが、入所にあたり審査が必要になります。

「経済的に困窮しており生活が立ち行かない」「離れて暮らしている親がいるが、自分も生活保護で面倒をみれない」など、養護老人ホームへの入所が必要と思われる場合は、地域の福祉課などに相談しましょう。

▼こちらもおすすめ!老人ホームなど高齢者向け施設・住宅の入居条件まとめ

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この記事を書いた人:目黒 颯己

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
大学卒業後、株式会社ネオキャリアに入社。総合求人サイトの立ち上げの経験後、老後を自分らしく過ごすための情報サイト「ヒトシア」の立ち上げを経て介護施設・老人ホームの紹介事業を行っております。
現在はヒトシアと並行して介護士向け求人サイトも兼務しており、介護全般に精通しています。
参考:http://ksa-kentei.com/adviser/3695

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