老人ホーム見学のポイントとチェック項目を確認!注目すべきところはどこ?

老人ホームに見学に行くと、スタッフの対応や入居者の実際の暮らしなど、写真だけではわからない部分を入居前に見ることができます。そのため、インターネットや資料請求をして入居したい老人ホームが決まっても、一度は見学に行くことがおすすめです。

この記事では老人ホームへ見学に行った際にどういうことをチェックするべきなのかまとめていきます。それでは見ていきましょう。

老人ホームに入居する前には必ず見学をしておこう

老人ホームを見学する人

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写真だけではわからない老人ホームの雰囲気や、入居者の方がどんな生活をしているのか、スタッフがどのような雰囲気で働いているのかがわかる見学は、入居を検討した際に必ず行くようにしましょう。

もし老人ホームに見学に行かずに資料やインターネットの画像だけで入居を決めてしまうと、入居後に思っていた雰囲気と違ったなどの理由で解約することになってしまい、時間と手間が大きくかかってしまう可能性があります。

また、他の入居者の方や施設の雰囲気をよく見ることができる時間帯は、食事やレクリエーションの時間なので、見学の予約をする際にはその時間に見学させてもらうように施設の方に伝えるとよいでしょう。

見学ツアーを主催している施設もありますので、ツアーに参加して雰囲気を掴むのも良いでしょう。

コロナウイルスの影響で入居・見学ができない?

現在コロナウイルスの影響で、入居者や職員を守るために新規入居や見学の自粛、面会の謝絶をしている老人ホームが多くあります。

ただしすべての施設で新規入居・見学を禁止しているわけではないため、気になる施設があれば1件1件問い合わせをしていくことをおすすめします。

見学を行っている老人ホームでも、条件付きでの見学が多いのが実情で、主に下記のような対策をとっている施設が多いようです。

  • 検温の徹底
  • マスク着用
  • 手指の消毒
  • 共有施設の見学はできず一部分のみの見学

入居の予定時期に余裕がある場合には、見学できる範囲も小さく、通常の状態の施設を見ることができないためコロナが落ち着くまで待つことがおすすめです。

老人ホーム見学時の服装は?

見学に行く場合にはスーツなどのかしこまった服を着る必要はないので、入居希望者本人の服装はストレスがかからない普段着が良いでしょう。

ただし、あくまで共同生活をする場ではあるので、あまりにラフすぎるとだらしないというイメージを持たれ、他の入居者や職員から嫌がられてしまう可能性があるので避けたほうがよいでしょう。

そのため、少し綺麗めな普段着で見学されることをおすすめします。

老人ホームの見学時にチェックするべきポイント【設備】

見学する際に見るべきところは?

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それでは実際に見学に行った際にどのようなポイントを確認すればいいのか見ていきましょう。

専用居室

専用居室は入居しているあいだ自分の部屋として使うことになるので、なるべく入居者本人の希望に沿っている施設を選びましょう。日当たりや部屋の広さ、雰囲気はもちろんのこと、見学の際にはもしもの時に安心できる設備が整っているかも確認したほうがいいポイントです。コールボタンがちゃんと押しやすい場所に設置されているか、転んでしまった際に怪我をしないように配慮されているかどうかを確認しておきましょう。

以下どのような基準で見学すればよいか具体的に記載しました。

臭いを感じて見学する

最近は全室禁煙となっている老人ホームは珍しくありませので、前の入居者のタバコ等の生活臭が残っていることはあまりないでしょう。

ただ、確認はするべきです。高齢者は老化に伴いさまざまな臭いがします。例えば、排泄物、唾液、口臭等があり、部屋に染み付いている場合もありますので、臭いが気にならないか確認しましょう。

聴いて感じて見学する

建物の外から人々の話し声や、車の音がしないか窓を閉めた状態で確認しましょう。部屋のなかまで騒音が聞こえてくるようなら要注意です。睡眠を妨げる原因にもなりますので、防音性は重要です。

また、隣との音が漏れないかも確認します。耳が遠くなり大音量でTVを観る高齢者は決して珍しくありません。壁が薄いと足音まで聞こえてきますので、部屋の上下左右から音漏れがないか、もしあるとすれば生活に支障がないかまで確認しましょう。

触って感じて見学する

高齢者にとって床の素材は重要です。例えば、ワックスが効きすぎていれば滑りやすくなり、転倒・転落のリスクが高くなります。前の入居者がTVコードをテープで床に張り付けていて、ベタベタした状態でしっかり清掃されてなければ、足元が引っかかりこれも転倒・転落のリスクのひとつとなります。

見て感じて見学する

高齢者に多い目の疾患といえば、緑内障や白内障が有名です。程度に差はあっても多くの人は視力に不安を持っています。例えば床と壁の色が同じだと奥行きが分かりにくくなり、生活がしずらく感じます。色にメリハリのある、『茶色と緑色』『ピンクと水色』『青色と紫色』など区別のつきやすい壁紙や床になっているか確認します。

共用スペース

老人ホームの共用スペースは主に食堂や浴場、エントランス、談話室やレクリエーションルームのことで、老人ホームでの生活では意外と滞在する時間が長いのでしっかりとチェックしておきましょう。

ここで特に確認しておきたいのは、自室から共用スペースまでスムーズに移動することができるかということです。居室から遠すぎないか、通りにくい通路はないかどうかはしっかり確認しておきましょう。

アクセス・周辺環境

家族が訪問しやすいような立地にあるかどうか、ということも見学する際に確認しておきましょう。

また、実際に周辺を歩いてみて坂道がきつくないか、犬が苦手な方は良く吠える犬がいないか、近くに買い物することができる施設があるか、車通りが多く外出するには危ないエリアではないかどうかも確認してみましょう。

清掃・メンテナンス状況

人手が足りていない場合や、スタッフの教育が行き届いていない施設ではどうしても清掃が雑になってしまい、衛生環境が悪くなってしまったり、汚れが目立ってしまう場合があります。

見学に行った際には施設内の居室や共用スペース、浴室などで目に見える汚れはないか、においが気にならないかどうか確認しましょう。

人手が足りていないと清掃だけでなく、食事やレクリエーションなどで入居者にどう接しているのかにも影響してくるので、細心の注意を払っておきましょう。

災害に対する取り組み

火災や豪雨、地震、津波などの災害時にどのように対応することになっているかも見学時に確認してみましょう。

具体的にチェックしておきたいのは、どのくらいスタッフが訓練しているのかや、避難場所を認識しているのかということです。

他にもスプリンクラーの設置状況や入居予定の部屋からの避難経路の確認もしておきましょう。

その他のチェック項目

食堂のテーブルの下に汚れはないか

食べ物が落ちやすく、しっかり掃除が行なわれていないと不潔な状態になっています。ひどい施設は何日も前のごはん粒がこびり付いている場合もあります。

テーブルの消毒はしているか

アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒ができているか確認します。職員に直接どうやってテーブルを拭いているか尋ねても構いません。

 車椅子の空気は入っているか

個人が利用する車椅子もありますが、共用の車椅子を設置している場合もあります。時間がない、人手が少ないと車椅子のタイヤの空気が十分に入っておらず、少しタイヤが潰れているのが見て分かります。

照明が切れているところはないか

部屋の照明が切れており、そのまま放置されているという話はあまり聞きませんが、廊下やホール等の照明が切れたままになっている施設は決して珍しくありません。目にも悪いのでしっかり照明が付くか確認します。

老人ホームの見学時にチェックするべきポイント【スタッフ・入居者】

介護付き有料老人ホームの老人と介護士

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老人ホームに入居する前に見学することの一番のメリットは、資料や写真ではわからない実際にそこで働いているスタッフや、生活している入居者の人の姿を見ることができることです。

入居を決めればそのスタッフや入居者と一緒に暮らして行くことになるので、建物や設備だけでなくこういった部分も見学の際に確認するようにしましょう。

それでは実際にどんなポイントをチェックすればいいの確認していきましょう。

スタッフ・入居者

施設で働いているスタッフの働き方や挨拶がしっかりしているかどうか、そこで暮らしている入居者の方の表情が明るく生き生きとしているかどうかは見学時に必ずチェックしておきましょう。

人手が足りていなかったり、職場環境が悪ければどうしてもスタッフの対応が悪くなりますし、入居者も身だしなみが整っていなかったりして、見学で気付くことができる場合も多くあります。見学をして直接目にしないとわからない部分でもありますし、入居した後にこんなはずではなかったとならないためにも注目しておきたいポイントです。

スタッフを確認するポイント

  • 玄関を入った瞬間に明るい挨拶があるか
    外からのお客さんに気がつかないで、挨拶もない老人ホームでないかどうかを確認します。
  • 介護にふさわしい服装か
    金髪に派手なアクセサリーを身に付けないか確認します。見た目の問題だけでなく、指輪やネックレスで入居者にケガをさせてしまう可能性があります。
  • 清潔感があるか
    汗がダラダラ流れているのそのままで仕事をしていたり、体臭がきつくないか確認します。自分の清潔も保てない人は入居者の清潔まで配慮ができない傾向にあります。
  • スタッフ同士の言葉遣い
    先輩後輩に配慮した言葉遣いになっているか確認します。先輩が後輩に対して乱暴なことを言っていれば要注意です。入居者に対しても乱暴な言葉遣いになっている可能性があります。

入居者を確認するポイント

  • 衣類が極端に傷んでないか
    よれよれの服をそのまま着用させたりしていないかを確認します。特に、首元のよれよれや、靴下のゴムが伸びきっていたら要注意です。
  • 整髪はしっかりできているか
    スタッフの人数が不足していたり、余裕がないと整髪がおろそかになってきます。寝癖がついて、そのままホールなどに放置されていれば注意しなけばなりません。
  • 目やにや口の周りは清潔に保たれているか
    目やにが眼について、そのまま固まっている場合もあります。また、食事のあと口の周りを蒸しタオルなどで拭けているか確認します。特にトロミ剤を使用して食事をされる入居者は、口の周りがカチカチに乾燥します。

食事

入居者の方にとっては食事が大きな楽しみの一つなので、味やメニューがバランスよく作られているか、季節ごとに旬の献立が組まれているか、1日合計何カロリーの食事が提供されているのか、アレルギーや糖尿病などの食事制限がある場合に対応してくれるのかどうかということをスタッフに確認しておきましょう。

また食事中は誤飲や窒息をしてしまう可能性もあるため、スタッフの数がしっかり揃っているか、入居者のペースに合わせて介助をしてくれているかどうか見ておくといいでしょう。

施設によっては見学に参加すると、食事の試食をすることができるので、機会があればぜひ食べてみましょう。

老人ホームの食事は工夫がいっぱい!普段のメニューからイベントの食事までご紹介

人員体制

人員体制は介護職員や看護師などの配置と有資格者がどのくらいの割合いるのかを見ることができます。

人員が足りないと質の低い介護になったり、食事やレクリエーションの質が下がる可能性が高くなるので、注意しましょう。

また夜間にはどのくらいの職員が残っているのかも確認しておきたいポイントです。

医療・健康管理体制

介護施設では一般的に病院と協力関係を結んでいます。見学の際にはどこにある病院と協力関係を結んでいるのか確認しておきましょう。必要な際に迅速に対応してくれるのかどうかや、医師が入居者とちゃんとコミュニケーションを取ってくれているのかも重要なポイントなので併せてスタッフに確認しておきましょう。

また、訪問診療の頻度や健康診断の頻度も確認しておきましょう。

老人ホームの見学時に質問・確認しておきたいこと

注意しておきたいポイント

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入居条件や退去条件について

実際に見学が終わって、施設への入居を検討する際には入居条件はもちろんのこと、退去条件も確認しましょう。

退去条件を確認せずに入居を決めてしまうと、入居してすぐに退去しなくてはならない可能性が出てきてしまいます。

契約内容について特に確認しておきたいのは、下記3点です。

  • 身体状況や要介護度がどのくらいの状態まで入居し続けることができるのか。
  • もしも長期入院の必要が出てきた場合に、どのくらいの期間戻らないと退去することになってしまうのか。
  • 認知症などの症状で他の入居者に迷惑をかける可能性がある場合には、どのくらいの症状までは入居し続けることができるか。

老人ホームから退去勧告受ける可能性のある5つの理由とその対処法とは?

契約内容の不明点について

老人ホームへの見学とあわせて、重要事項説明書や契約書などでしっかりと入居時に契約内容を確認しておきましょう。

特にサービスや入居一時金の取り扱い、自己負担額といった費用面については入念に質問・確認しておきましょう。

確認しておきたい書類と項目については以下の記事でまとめています。

老人ホームとの契約に必要な書類とは?確認するべきポイントを詳しく解説!

まとめ

ここまで見てきたように、老人ホームをについての資料と実際の老人ホームの雰囲気が違うこともあり、自分の目で見てみないとわからないことがたくさんあります。

そのため、気になる老人ホームがあれば積極的に見学に行き、入居後に後悔しない老人ホームを探しましょう。

不安がある方は見学とは別に体験入居をしてみることも重要ですね。

老人ホームの入居までの流れ|入居までの期間など、介護の専門家が解説!

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監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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