入居可能な老人ホームを身体状況別にご紹介します

老人ホームにはたくさん種類があるので、どの施設に入居することができるのか、どんな生活を送ることができるのかなど、なかなかイメージがわかないと思います。

この記事では、老人ホームに入居する際に施設が重視する項目を確認し、身体状況別にどの施設に入居することができるのかも見ていきます。

ぜひ今の身体状況と照らし合わせながらどの施設に入居することが可能なのか、どの施設なら合いそうなのかという入居の参考にしてみてください。

入居する際に重視される3つの項目

3つのポイント

@New Africa/stock.adobe.com

老人ホームでは、各施設形態によって入居できるかどうかの基準が異なります。

入居の判断するうえで特に重要なのは、要支援・要介護度、認知症の有無や進行具合、そして年齢の3つの要素になります。

それぞれ確認すべき内容を見ていきましょう。

 

要支援・要介護度

老人ホームへの入居を検討する際に、まず確認しなければいけないのは要支援・要介護度についてです。

要支援とは現状では介護が必要ではないものの、現状のままでは要介護状態になる恐れがある状態のことを指し、要介護とは日常生活を送るうえで介護が必要と判断された状態のことを指します。

要支援は要支援1と要支援2にわかれており、要介護は1~5までに段階分けされ、数字が大きくなるほど介護の手を必要とする状態です。

介護の手が必要ないと判断され、要支援や要介護に該当しない人のことを「自立」といい、この自立、要支援、要介護のどれに該当するかが入居できるかどうかを判断する重要な要素の1一つになります。

この認定は、「要介護認定」という判定を受けなければ取ることができないため、まだ受けたことがない場合には、まずは「要介護認定」の申請をすることから始めるといいでしょう。

下の記事で「要介護認定」の流れについて詳しく説明していますので、併せてご覧ください。

要介護認定とは?認定基準や認定の流れをわかりやすく解説【2019年度版】

認知症の有無や進行具合

認知症を発症しているかどうか、発症している場合にはどのような症状が出ているのかによっても、施設ごとに入居できるかどうかが変わってきます。

他の入居者に影響がないような場合は、入居を断られるケースは少ないですが、激しい粗暴行為、突然大声を出し他の利用者が刺激を受ける、無断で他の利用者の居室に頻回に入るなどの場合は、入居を断られるケースが多いため、まずはどのような症状なのかを把握しておきましょう。

認知症の症状が進行して、家族の顔も名前も分からないような状態であっても、過度に他人に迷惑をかけるような行為がなければ、グループホームや特別養護老人ホームなどの認知症の症状が重い方も受け入れている施設には入居することが可能な場合が多いです。

認知症の症状が重くて介護施設などでの対応が難しいと感じた場合は、精神病院などの入院を視野にいれて、主治医に相談するのも一つの方法です。

介護施設から受け入れ拒否される5つの理由と対処法!

年齢

老人ホームでは、一般的に65歳以上の高齢者に入居を限定しています。

施設自体が、要介護認定を受けた人に提供する介護保険サービスを提供している場合には、このサービスを受けることができるのが65歳以上と定められているため、老人ホームでも同じように設定されています。

ただし、「特定疾病」と認定されている方は、40歳から介護保険サービスを利用できるため、老人ホームに入居できる場合があります。

 

それぞれの老人ホームの入居条件をご紹介

それではいままで確認してきたことをふまえて、各施設ごとにどのような入居条件あるのか表で確認していきましょう。

年齢 要介護度 認知症
介護付き有料老人ホーム 65歳以上 原則要介護1~入居可能

※施設によっては自立の方~入居可能

入居可能
住宅型有料老人ホーム 60歳以上 自立~要介護度5の方まで入居可能

※施設によって異なります

入居可能

※施設によっては入居不可のところもあり

サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上 自立~身の回りのことが自分でできる方まで入居可能

※施設によって異なります

入居可能

※施設によっては入居不可のところもあり

グループホーム 65歳以上 要支援2~入居可能 入居可能
特別養護老人ホーム 65歳以上 原則要介護3以上の方のみ入居可能 入居可能
介護老人保健施設 65歳以上 要介護1~入居可能 入居可能
介護医療院(介護療養型医療施設) 65歳以上 要介護1~入居可能 入居可能
ケアハウス(軽費老人ホーム) 65歳以上 自立~要介護度5の方まで入居可能

※自立型のケアハウスの場合は要介護の認定をされていると入居できない場合があります

入居可能

このほかにも、どのような医療処置が必要なのかや保証人・身元引受人の有無、収入、生活保護を受給しているかどうかによっても入居できるかどうか変わる場合があります。

入居を検討する際には、併せて確認するようにしましょう。

それでは次に身体状況別に入居できる施設はどこなのかを見ていきましょう。

要介護度3以上の方が入居できる老人ホーム

要介護3以上になると、自宅で介護をすることが難しくなってくることも多いかと思います。

介護施設でも受け入れをしている施設が限られてきますので見ていきましょう。

 

終身で利用可能な特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは介護老人福祉施設とも呼ばれ、在宅での生活が困難な中~重度の要介護の高齢者を対象とし、終身で利用することも可能な施設です。

重度の要介護者を対象としているため、入居条件は原則として要介護度3以上の方に限定され、その中でも家族の事情などで施設での介護の必要性が高いと判断された方から入居することができます。例外として要介護度3未満の方でも認知症の状態や、家族の介護力が著しく低いと判断された場合には入居が可能です。

安価な費用と終身で入居できるため人気が高く、入居をするためには空きが出るまで待たなければいけないことが多くあるため、注意が必要です。

特養とは?気になる費用や入居条件について詳しく解説!【2019年度最新版】

在宅復帰を目指すための介護老人保健施設

介護老人保健施設は老健とも呼ばれ、要介護認定を受けた方のうち病状が安定しており入院治療の必要がない方が、在宅復帰できるよう支援する介護保険施設です。そのため、介護と同時に医療的な支援やリハビリテーションもおこなっています。実情としてはなかなか在宅復帰ができるケースは珍しく、長期にわたる入所や退所した後に自宅ではなくロングショートに移行するケースが多いです。

入居をするためには65歳以上で、要介護1以上の認定をされている必要があります。ただ、基本的には在宅復帰を目指す施設のため短期滞在が想定されており、長期間にわたる利用は難しいという特徴があります。

老健とは?費用やサービス、入居条件まで徹底解説

資金面に不安がある場合はケアハウス(介護型)がおすすめ

ケアハウスは体の機能の低下や、家庭環境、経済状況などの理由により、一人で暮らすことが難しい高齢者が入居する施設です。ケアハウスは一般型と介護型にわかれており、その中でも介護型のケアハウスであれば要介護3以上の方でも入居することが可能です。

介護型のケアハウスでは都道府県から「特定施設入居者生活介護」という指定を受けており、施設で介護保険サービスを提供することができるため、サービスを利用できる65歳以上で要介護1以上の方に入居の条件を限定しています。

下の記事でケアハウスについて詳しく解説しているので、気になった方は是非ご覧ください。

ケアハウスとは?費用や入居などをわかりやすく解説!

多様なサービスから合う施設を選ぶことができる介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは都道府県から「特定施設入居者生活介護」という指定を受けた有料老人ホームで、施設自体が介護保険サービスを提供できるため、他の有料老人ホームと比べて手厚い介護を受けることができるという特徴があります。

施設ごとに介護体制が異なっているため、全ての介護付き有料老人ホームが要介護3以上の方を受け入れているわけではありませんが、医療機関との連携がしっかりしていたり、介護体制が手厚い施設であれば要介護3以上の方も入居することが可能です。

他の施設と比べて入居費用が高くつくことがデメリットではありますが、民間が主体となって多様なサービスや設備を用意しているという特徴があります。

下の記事で介護付き有料老人ホームについて詳しく解説しているので、気になった方は是非ご覧ください。

介護付き有料老人ホームとは?サービス内容や入居条件を徹底解説【介護福祉士監修】

介護医療院(介護療養型医療施設)は高度な医療ケアが必要な方が入居可能

介護医療院とは2018年から介護サービスが提供され始めた施設で、慢性期の医療行為や看取り、ターミナルケアを、重篤な身体疾患などにより長期の療養生活を要する要介護者に提供している施設です。

医療ケアが必要なため、他の施設には断られてしまっても介護医療院に入居が可能な場合があります。

介護医療院に入居できるのは65歳以上で要介護度1以上の高齢者と定められていますが、条件を満たしていれば誰でも入居できるのではなく、施設ごとで行う入居判定会議を経て入居できるかどうかが決まります。

下の記事で介護医療院について詳しく解説しているので、気になった方は是非ご覧ください。

介護医療院とは?費用やメリットをわかりやすく解説!【2020年版】

要介護度1,2の方が入居できる老人ホームとは

ケアハウスで話し合う高齢者達

@beeboys/stock.adobe.com

続いて、要介護1,2の状態で入居ができる施設も見ていきましょう。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、生活支援や緊急時対応などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設のことで、介護保険サービスを受ける際にはデイサービスなど外部のサービスを利用しなければいけないという点で、介護付き有料老人ホームと異なります。

基本的には自立~身の回りのことであれば自分でできる方を入居の対象としている施設が多いですが、中には要介護認定を受けていたり、要介護度が高い方でも入居可能な施設があります。

介護付きと同様に入居費用が高くつきますが、設備やサービスが充実しているという魅力があります。

また、先ほど紹介した介護付き有料老人ホームでも要介護1,2の方が入居することが可能なので、併せてご覧ください。

住宅型有料老人ホームとは?気になる費用やメリットをご紹介!

認知症の方が共同で暮らすグループホーム

グループホーム(認知症対応型共同生活介護とは、認知症の方が一つの施設当たり18人という少人数で生活し、身の回りのことについてできる限り自分たちの力で協力し合いながら共同生活をおくるための施設です。施設の介護スタッフも認知症ケアの専門家なため、認知症の方が自分らしく暮らすことができます。

入居条件は65歳以上で要支援2以上の認知症の方となっており、入居できるのは住所がある地域のグループホームに限定されます。そのため、人気の地域では入居のための待機が必要となる場合があり、注意が必要です。

最近では要介護度が高くなり、今までであれば特別養護老人ホームに入居する必要があるような方も入居し続けられる施設が増えていますが、基本的には要介護度が高くなった場合には退去しなければ多いです。

下の記事でグループホームについて詳しく解説しているので、気になった方は是非ご覧ください。

グループホームとは?気になる費用や入居条件を徹底解説!【介護福祉士監修】

ケアハウスなら一般型と介護型の2つの種類から選ぶことができる

先ほど紹介したケアハウスですが、要介護1,2の場合でも入居することが可能です。

ケアハウスは一般型と介護型にわかれており、一般型は自立~軽度の要介護度の方が対象となっており、介護型は要介護度1以上の方が対象となっています。

要介護1,2の方の場合には自立型にも介護型にも両方とも入居することが可能ですが、自立型では要介護度が上がった場合に外部の介護サービスを利用するか、退去をしなければならないため注意が必要です。

 

自立~要支援の方が入居できる老人ホーム

自立している老夫婦

@milatas/stock.adobe.com

自立~要支援の方が入居できる老人ホームは民間が運営している有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅になります。

それぞれ見ていきましょう。

レクリエーションが魅力の住宅型有料老人ホーム

先ほど紹介した住宅型有料老人ホームでは自立や身の回りのことが自分でできるといった方を入居の対象としているため、自立~要支援の方も入居することが可能です。レクリエーションやサークル活動が充実している施設が多く、サービスや設備も施設によって様々なので、ご自身に合った施設を探すことができるという魅力があります。

ただ、施設によっては要介護が上がってしまうと退去しなければならない施設もあるため、入居を検討する際には退去の条件についても確認しておくことをおすすめします。

住宅型有料老人ホームとは?気になる費用やメリットをご紹介!

まだ元気だけど何かあったときに不安という方におすすめのサービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅とは、「サ高住」とも呼ばれ、単身・夫婦世帯の高齢者が安心して住めるように配慮してつくられたバリアフリーの住宅のことです。

入居費用は一般の賃貸住宅と変わらず敷金と月額の家賃を支払う形で、介護保険サービスを利用する場合には外部のサービスを利用する必要があります。

入居の対象となるのは自立や身の回りのことが自分でできる60歳以上の方で、要介護度が高かったり認知症の症状が進行していると入居することが難しい施設です。

サ高住とは?気になる費用や実態を徹底解説!【2019年最新版】

ケアハウス(一般型)なら他の施設比べて安価に利用できる

一般型のケアハウスは自立~軽度の要介護度の方を対象としているため、自立~要支援の方の入居が可能です。

家庭環境や経済環境などの理由によって1人で暮らしていくことに不安がある高齢者の方が入居する施設のため、他の施設と比べて費用がおさえられるという特徴があります。

ただ、一般型のケアハウスでは、要介護状態になった場合に外部のサービスを利用するか、退去する必要があります。

ケアハウスとは?費用や入居などをわかりやすく解説!

認知症が進行している方が入居できる老人ホーム

路頭に迷う老夫婦

@beeboys/stock.adobe,.com

認知症が進行してしまい、突然大声をだしたり、暴力をふるうようになってしまうと入居できる施設が限られてしまいます。

その中でも認知症ケアが得意で、入居ができる施設をご紹介します。

 

認知症ケアの専門家が集まるグループホーム

グループホームは認知症ケアの専門家が集まっており、少人数での暮らしやもともと住んでいた地域で暮らすことができるという認知症の方が住みやすい環境が整っているため、認知症が進行していても入居することが可能なケースが多いです。

入居をすることができるのは65歳以上で要支援2以上の認知症の方となっており、住所がある地域のグループホームに限定されるため、人気の地域では入居のための待機が必要となる場合があります。

認知症が進行し、要介護度が上がってしまった場合には退去を迫られる場合が多いため、入居をしたもののすぐに退去をする必要が出ないよう、入居を検討する際には退去条件を確認しておきましょう。

グループホームとは?気になる費用や入居条件を徹底解説!【介護福祉士監修】

要介護3以上であれば特別養護老人ホームに入居可能

特別養護老人ホームでは、認知症が進行していても入居することが可能です。ただし、入居をするためには要介護3以上の認定を取っている必要があり、緊急度が高い人から順番に入居をしていくため、入居するまでの間はしばらく待機しなければならない可能性があります。

例外として要介護度が3未満の方でも施設での介護の必要性が高いと判断された場合には入居が可能です。

特養とは?気になる費用や入居条件について詳しく解説!【2019年度最新版】

介護医療院(介護療養型医療施設)は高度な医療ケアが必要な方が入居可能

高度な医療が必要な老人

©ake1150/stock.adobe.com

介護医療院とは2018年から介護サービスが提供され始めた施設で、慢性期の医療行為や看取り、ターミナルケアを、重篤な身体疾患などにより長期の療養生活を要する要介護者に提供している施設です。

高度な医療ケアが必要なため、他の施設には断られてしまっても介護医療院に入居が可能な場合があります。

介護医療院に入居できるのは65歳以上で要介護度1以上の高齢者と定められていますが、条件を満たしていれば誰でも入居できるのではなく、施設ごとで行う入居判定会議を経て入居できるかどうかが決まります。

介護医療院とは?費用やメリットをわかりやすく解説!【2020年版】

まとめ

要介護度が高い方向けの施設が特別養護老人ホームで、自立の方のための施設がサービス付き高齢者向け住宅など、老人ホームは施設形態ごとに受け入れ条件が異なることが確認できたと思います。

現在の身体状況で入居できる施設を確認できたら、入居できる老人ホームがどんなサービスを提供しているのか、どのくらいの費用がかかるのかなど詳しく調べて、最も合う施設を探していきましょう。

老人ホームの種類をまとめて解説!全7種類の費用や特徴を徹底比較!

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

関連する記事

記事のカテゴリ