要支援2とはどんな状態?受けられるサービスも紹介【ケアプラン例あり】

介護保険を利用して介護サービスを受けるためには、自治体で要介護認定をうけ、要支援または要介護であるという認定を受ける必要があります。

要支援と認定されると「介護予防サービス」を、要介護と認定されると「介護保険サービス」を世帯の収入に応じて、1~3割の自己負担で受けることができるようになります。

要支援は1と2の2段階、要介護は1~5までの5段階にわかれており、要支援1が介護の必要性がもっとも低く、要介護5がもっとも介護の必要性が高いと認定されたことになります。

要支援1から要介護5ではそれぞれの認定区分で受けられるサービスや入居できる施設、利用できる介護給付金の限度額が異なります。

この記事ではその中でも「要支援2」について受けられるサービスや要介護1との違い、利用できる介護保険サービスの限度額などについて、高齢者住まいアドバイザーの筆者が詳しく解説していきます。

▼そもそも介護保険とは何?という方はこの記事をチェック!▼

【最新】介護保険制度とは|仕組みや申請方法、2021年の改正も解説

要支援2とはどのような状態?

ヘルパーと被介護者

要介護認定における要支援2という状態とは、「要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態」と厚生労働省で定められています。

参考:【資料6】要介護認定の仕組みと手順 10ページ|厚生労働省

 

読者の皆さんは介護事業所に携わる方というわけではなく、恐らく親の介護などで調べている方が多いでしょう。

そのためここでは要支援2の状態のことを以下のように理解しておくとイメージが湧くでしょう。

日常生活で少し支援が必要なことはあるものの、介護予防サービスの利用で状態の維持や改善が見込める。

手段的日常動作を行う能力は要支援1よりも低く、支援が必要な状態。

手段的日常生活動作(しゅだんてきにちじょうせいかつどうさ)とは、電話の使い方、買い物、家事、移動、外出、服薬の管理、金銭の管理など、日常生活動作(ADL : activity of daily living)ではとらえられない高次の生活機能の水準を測定するものである。IADL(instrumental activities of daily living)とも呼ばれる。

引用:手段的日常生活動作 – Wikipedia

【補足】要支援2と要介護1の分かれ目はこの2つ

上記の厚生労働省の資料をご覧になった方はお気づきでしょう。要介護1も「要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態」と定められており、要支援2と同じになります。

要支援2と要介護1どちらになるかの基準は主に2つあります。

したがって、認知症高齢者の日常生活自立度は慎重な吟味が必要です。その上で介護認定審査会資料に提示された「認知機能の評価結果」及び特記事項、主治医意見書の記載内容をもとに、予防給付等の利用の理解が困難かどうか、総合的に判定する必要があります。

引用:状態の維持・改善可能性にかかる審査判定 (基準時間 32 分以上 50 分未満に相当する者についての判定方法)|厚生労働省

厚生労働省の資料では上記のように書かれていますが要するに以下の2点を抑えればよいです。

  1. 認知症により予防給付の利用が困難かどうか?
  2. 主治医の意見書により、半年以内に心身の状態が悪化する可能性があり、要介護度の再検討の必要があるかどうか?

要支援2で受け取れる介護給付金の限度額

要支援2で受け取れる介護給付基準額は10,473 単位/月です。

お住まいの地域によって1単位の値段が変わってくるので一概には言えないのですが、目安として1 単位=10 円と考えると、104,730 円/月だけ介護給付金を利用できることです。

もちろん上記の金額を超えて介護サービスを利用することもできますが、その分は自費負担(10割負担)になってしまうのでご注意ください。

介護給付金の計算方法

介護給付金の上限は以下のように計算されます。

自分が利用したい介護サービス事業所の1 単位の単価を詳しく知りたい方は以下の記事を参考に計算してみてください。

介護給付金の計算方法

要支援2で受けられるサービス

要支援1~2の方は介護予防サービスを利用できます(要介護1~5の方は介護サービスです)。

要支援2の方が利用できる介護予防サービスは主に要支援1の方が利用できるサービスと変わりません

しかし、施設を利用する場合は認知症対応型共同生活介護が加わります。

要支援1~2で利用できるサービスを下の表にまとめましたのでご覧ください。

  • 介護予防のサービス
    • 介護予防訪問入浴介護
    • 介護予防通所介護(デイサービス)
    • 介護予防短期入居生活介護(ショートステイ)
    • 介護予防小規模多機能型居宅介護
    • 介護予防認知症対応型通所介護
    • 介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)…軽度の認知症の方に共同生活を提供する
  • 介護予防+医療のサービス
    • 介護予防訪問看護
    • 介護予防訪問リハビリテーション
    • 介護予防居宅療養管理指導
    • 介護予防通所リハビリテーション
    • 介護予防短期入居療養介護(ショートステイ)

要支援2の方のケアプランを立案する場合は上記の内容を含めたケアプランを練っていきます。

要支援2の方がショートステイを利用する場合

上記にある通り、要支援2の方でも介護保険適用のショートステイを利用することができます。

要支援2の方のショートステイの利用費用は以下の通りです。

  介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護
従来型個室 545円/日 721円/日
多床室 545円/日 768円/日
ユニット型個室、ユニット型的多床室 638円/日 781円/日

このほか施設によってはサービス加算やレクリエーション費用がかかります。

▼ショートステイの記事はこちら▼

ショートステイとは?気になる費用や利用できる期間まで徹底解説

その他に介護保険を利用できる住宅改修費・福祉用具購入費支給

住宅改修費と福祉用具購入費の支給は要介護度に関わらず一定です。
詳しくは以下の記事をご参考にしてください。

▼介護保険サービス一覧の記事はこちら▼

【保存版】介護保険サービス一覧全25種解説(2021年改正版)

要支援2の場合のケアプラン例【ケアマネ監修】

「予算内で何回の訪問介護が利用できるのだろうか?」

「要支援2の場合はデイサービスの利用は何回まで可能だろうか?」など、介護サービスついて疑問が増えてくるでしょう。

もちろん担当されているケアマネさんに質問すれば答えていただけますが、ご自身でも介護給付内で利用できるサービスについて理解しておくことで利用者様への理解が深まります。

以下に介護サービス利用方法を書いていくのでご参考までにご覧下さい。

要支援2のケアプラン例1

上記のケアプランの場合…
介護予防通所介護(3,377単位/月)+介護予防訪問看護(448単位)×4週間 +介護予防訪問介護(1,168単位/月)=6,337単位/月

1単位=10円とすると、一カ月で介護予防サービス料は63,370円(1割負担の場合は6,337円/月)です。
介護保険サービスを利用する場合は、担当のケアマネジャーが以下のような国の定めによる表を参考にして単位数を計算します。

時間

介護予防訪問看護の単位数

訪問看護の単位数

20分未満 300 311
20分以上30分未満 448 467
30分以上1時間未満 787 816
1時間以上1時間30分未満 1080 1118
理学療法士等の場合 286 296

参考:訪問看護 2018年度(平成30年度)介護報酬改定単価

特徴としては週に数回、介護予防通所介護(デイサービス)や介護予防訪問介護を利用するといったことがあげられます。

ですが利用用途としては身体介護とは異なり、他の利用者様と会話したり体操などの運動によってリフレッシュすることで介護予防を行うということがあげられます。

要介護度を上げないようにするためには?

要支援2の次は要介護1となります。

要介護1とは入浴や排泄に一部介助が必要な状態のことを指します。つまり身体介助の必要性が高まるということです。

入浴や排泄、着替えの介助はとても大変です。

また要支援2というのは「身体機能の改善の可能性がある」状態です。要支援2の状態の時にどのように過ごすかで、今後の介護生活が変わってくるといっても過言ではありません。

そこで、ここでは要介護度をこれ以上上げないために何ができるか?をまとめてみました。

自分でできることは自分で行ってもらう

被介護者のことを「介護が必要な方」と捉えると、どうしても「自分が助けてあげなきゃ!」と考えてしまいます。

例えば掃除であったり、食器洗いであったり、料理などです。

要支援2と判断されても、介助が必要なこと以外は自分でできます。

被介護者自身でできることを他の方が行ってしまうと、被介護者は「自分は何にもできない人間になってしまったんだ」と考えるようになります。

そのような自己否定感と疎外感に陥ると老人性鬱のような症状や認知症などが発症しやすくなります。

参考:老人性鬱|厚生労働省

そうならないためにも被介護者自身にできることはやっていただくようにするか、他の方が手伝う際も「一緒に○○しましょうか?」といったように声掛けをするよう意識しましょう。

体を動かす機会を作る

被介護者は上記のように自己否定感から自分の殻に閉じこもりがちになります。
それに加えて、要介護度が上がるにつれて外出する(できる)機会も減っていきます。
これらの要因から、体を動かす機会が減っていきます。

体を動かすことで体の血流がよくなり脳を活性化させたり、ストレスを解消することで認知症予防や介護予防に繋がります。

参考:歩行は、なぜ認知症予防につながるのか?

参考:これからの介護予防|厚生労働省

ウォーキングをする高齢者

©naka/stock.adobe.com

介護保険を利用する場合、通所介護(デイサービス)を利用し介護事業所内でレクリエーションを行うことで体を動かすことができます。

介護予防の為にパワーリハビリテーション(パワーリハビリ)を導入している通所介護事業所も増えています。パワーリハビリとは医療用のトレーニングマシーンを用いて、筋力の回復に努める運動です。
高齢者でも楽に動かせる程度の重りを使うので負荷をかけずに、日常生活をおくるのに必要な筋肉をつけることができるのが特徴です。

また最近ではスポーツジムがデイサービスを行っている場合もあり、より整った設備の中で体を動かすこともできます。

これからの介護生活に備えて

現在は要支援2の状態であり、在宅で介護生活送っていらっしゃるかもしれません。

しかし、日本の健康寿命(介護が必要になってくるような重大な病気に罹るまでの年齢)と平均寿命の差が約10年であることから、介護生活も10年以上続けていかなければならないかもしれません。

時には要介護度が上がってしまい、在宅介護が大変になってくるときもあるでしょう。

そこで考えに浮かぶのが施設での介護を利用することです。

現段階で施設のことを考えても

「他人に家の人を見てもらうことはできないわ…」

「老人ホームってなかなか入れないんじゃないの…?」

など様々な疑問がでてくると思います。

確かに、利用料が安い特別養護老人ホームなどは入居待ちが多く、すぐには入居しづらいといわれています。

参考:特別養護老人ホームの入居者状況|厚生労働省

 

また民間が運営する有料老人ホームも利用者の状態によっては受け入れ拒否するということもあります。そこで、施設にお世話になる時に確実に入居するためにも「下準備」が必要になってくるのです。

例えば介護施設の資料請求をし、実際に見学して、スタッフと事前面談したりしてみることです。そこで職員の方と今後の介護生活について相談してみたり、施設利用について質問などし関係を築いておきます。

また、被介護者自身が納得すれば要支援のうちからショートステイを利用しておくという方法もあります。

ショートステイ先は特別養護老人施設や老人保健施設などの介護施設となります。

また、有料老人ホームでも介護保険外でデイサービス(有料デイ)を行っている施設もあります。

以前から利用経験があると、万が一要介護状態になった時にスムースに入所手続きしやすくなるだけでなく、施設側からも信頼があるので受け入れやすいという状況をつくることができます。

以下に他にも施設を利用するときに入居を断られないようにする方法をまとめました。

今は必要ないかもしれませんが、今後施設を検討する際にはご活用ください。

まとめ

今後の介護生活のことを考えると、介護費用が年々かかってくるのか?多くの時間をとられるようになるのか?など不安になってくることもあります。

しかし、介護予防のサービスによって効果が出ていることも事実です。

参考:介護予防の効果に関する実証分析

要介護を進行させないために」という視点で介護予防サービスを利用する一方、「進行した場合の対処法」も考えておくことで、少しでも介護における先が見えない不安を取り除けるでしょう。

また、要支援2でも住宅改修費を申請すれば支給されたり、福祉用具購を介護保険内で購入できるので担当のケアマネジャーに相談してみて下さい。

▼要介護認定に関する記事はこちら▼

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この記事を書いた人:ヒトシア編集部

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
高齢者住まいアドバイザーの知見を活かしたわかりやすい解説を行っていきます。

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