要支援2とはどんな状態?受けられるサービスも紹介【ケアプラン例あり】

介護保険を利用して介護サービスを受けるためには、自治体で要介護認定をうけ、要支援または要介護であるという認定を受ける必要があります。
要支援と認定されると「介護予防サービス」を、要介護と認定されると「介護保険サービス」を世帯の収入に応じて、1~3割の自己負担で受けることができるようになります。
要支援は1と2の二段階、要介護は1~5までの五段階にわかれており、要支援1が介護の必要性がもっとも低く、要介護5がもっとも介護の必要性が大きいと認定されたことになります。
要支援1から要介護5ではそれぞれの認定区分で受けられるサービスや入居できる施設、利用できる介護給付金の限度額が異なります。
この記事ではその中でも「要支援2」について受けられるサービスや要介護1との違い、利用できる介護保険サービスの限度額などについて、詳しくご説明していきます。

要支援2とはどのような状態?

要介護認定における要支援2という状態とは、「要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態」と定められています。

要介護認定等基準時間については「要支援1」の記事内に記述しましたのでご参考にしてください。

つまりこれは、「歩行などに不安が見られ、排泄・入浴の際に軽く身体を支えたり、見守りが必要で身体機能に改善の可能性がある状態」と捉えて良いでしょう。

要支援2で受け取れる介護給付金の限度額

要支援2で受け取れる介護給付基準額は10,473 単位/月です。
お住まいの地域によって1単位の値段が変わってくるので一概には言えないのですが、目安として1 単位=10 円と考えると、104,730 円/月だけ介護給付金を利用できることです。
もちろん上記の金額を超えて介護サービスを利用することもできますが、その分は自費負担(10割負担)になってしまうのでご注意ください。

介護給付金の計算方法

介護給付金の上限は以下のように計算されます。

自分が利用したい介護サービス事業所の1 単位の単価が詳しく知りたい方は以下の記事を参考に計算してみてください。

介護保険の計算方法

参考:公的介護保険の単価は地域によって異なる

要支援2で受けられるサービス

要支援1~2の方は介護予防サービスを利用できます。(要介護1~5の方は介護サービスです。)
要支援2の方が利用できる介護予防サービスは主に要支援1の方が利用できるサービスと変わりません。
しかし、施設を利用する場合は認知症対応型共同生活介護が加わります。
要支援1~2で利用できるサービスを下の表にまとめましたのでご覧ください。

介護予防のサービス 介護予防+医療のサービス
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防通所介護(デイサービス)
  • 介護予防短期入居生活介護(ショートステイ)
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
    …軽度の認知症の方に共同生活を提供する
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防短期入居療養介護(ショートステイ)

要支援2の方のケアプランを立案する場合は上記の内容を含めたケアプランを練っていきます。

要支援2の方がショートステイを利用する場合

上記にある通り、要支援2の方でも介護保険適用のショートステイを利用することができます。

要支援2の方のショートステイの利用費用は以下の通りです。

  介護予防短期入居生活介護 介護予防短期入居療養介護
従来型個室 545円/日 721円/日
多床室 545円/日 768円/日
ユニット型個室
ユニット型的多床室
638円/日 781円/日

このほか施設によってはサービス加算やレクリエーション費用がかかります。

ショートステイとは?気になる費用や利用できる期間まで徹底解説

その他に介護保険を利用できる住宅改修費・福祉用具購入費支給

住宅改修費と福祉用具購入費の支給は要介護度に関わらず一定です。
詳しくは以下の記事をご参考にしてください。

要支援1とはどのような状態?利用できるサービスや限度額まとめ

要支援2の場合のケアプラン例【ケアマネ監修】

「予算内で何回の訪問介護が利用できるのだろうか?」
「要支援2の場合はデイサービスの利用は何回まで可能だろうか?」など、介護サービスついて疑問が増えてくるでしょう。

もちろん担当されているケアマネさんに質問すれば答えていただけますが、ご自身でも介護給付内で利用できるサービスについて理解しておくことで利用者様への理解が深まります。
以下に介護サービス利用方法を書いていくのでご参考までにご覧下さい。

要支援2のケアプラン例1

上記のケアプランの場合…
介護予防通所介護(3,377単位/月)+介護予防訪問看護(448単位)×4週間 +介護予防訪問介護(1,168単位/月)=6,337単位/月

1単位=10円とすると、一カ月で介護予防サービス料は63,370円(1割負担の場合は6,337円/月)です。
介護保険サービスを利用する場合は、担当のケアマネジャーが以下のような国の定めによる表を参考にして単位数を計算します。

時間

介護予防訪問看護の単位数

訪問看護の単位数

20分未満 300 311
20分以上30分未満 448 467
30分以上1時間未満 787 816
1時間以上1時間30分未満 1080 1118
理学療法士等の場合 286 296

参考:訪問看護 2018年度(平成30年度)介護報酬改定単価

特徴としては週に数回、介護予防通所介護(デイサービス)や介護予防訪問介護を利用するといったことがあげられます。
ですが利用用途としては身体介護とは異なり、他の利用者様と会話したり体操などの運動によってリフレッシュすることで介護予防を行うということがあげられます。

 

要介護度を上げないようにするためには

要支援2の次は要介護1となります。
要介護1とは入浴や排泄に一部介助が必要な状態のことを指します。つまり身体介助の必要性が高まるということです。

入浴や排泄、着替えの介助はとても大変です。
また要支援2というのは「身体機能の改善の可能性がある」状態です。要支援2の状態の時にどのように過ごすかで、今後の介護生活が変わってくるといっても過言ではありません。
そこで、ここでは要介護度をこれ以上上げないために何ができるか?をまとめてみました。

自分でできることは自分で行ってもらう

被介護者のことを「介護が必要な方」と捉えると、どうしても「自分が助けてあげなきゃ!」と考えてしまいます。
例えば掃除であったり、食器洗いであったり、料理などです。

要支援2と判断されても、介助が必要なこと以外は自分でできます。
被介護者自身でできることを他の方が行ってしまうと、被介護者は「自分は何にもできない人間になってしまったんだ」と考えるようになります。
そのような自己否定感と疎外感に陥ると老人性鬱のような症状や認知症などが発症しやすくなります。

参考:老人性鬱

そうならないためにも被介護者自身にできることはやっていただくようにするか、他の方が手伝う際も「一緒に○○しましょうか?」といったように声掛けをするよう意識しましょう。

体を動かす機会を作る

被介護者は上記のように自己否定感から自分の殻に閉じこもりがちになります。
それに加えて、要介護度が上がるにつれて外出する(できる)機会も減っていきます。
これらの要因から、体を動かす機会が減っていきます。

体を動かすことで体の血流がよくなり脳を活性化させたり、ストレスを解消することで認知症予防や介護予防に繋がります。
参考:歩行は、なぜ認知症予防につながるのか?
参考:これからの介護予防

©naka/stock.adobe.com

介護保険を利用する場合、通所介護(デイサービス)を利用し介護事業所内でレクリエーションを行うことで体を動かすことができます。

介護予防の為にパワーリハビリテーション(パワーリハビリ)を導入している通所介護事業所も増えています。パワーリハビリとは医療用のトレーニングマシーンを用いて、筋力の回復に努める運動です。
高齢者でも楽に動かせる程度の重りを使うので負荷をかけずに、日常生活をおくるのに必要な筋肉をつけることができるのが特徴です。

また最近ではスポーツジムがデイサービスを行っている場合もあり、より整った設備の中で体を動かすこともできます。

これからの介護生活に備えて

現在は要支援2の状態であり、在宅で介護生活送っていらっしゃるかもしれません。
しかし、日本の健康寿命(介護が必要になってくるような重大な病気に罹るまでの年齢)と平均寿命の差が約10年であることから、介護生活も10年以上続けていかなければならないかもしれません。

時には要介護度が上がってしまい、在宅介護が大変になってくるときもあるでしょう。
そこで考えに浮かぶのが施設での介護を利用することです。
現段階で施設のことを考えても
「他人に家の人を見てもらうことはできないわ…」
「老人ホームってなかなか入れないんじゃないの…?」
など様々な疑問がでてくると思います。

確かに、利用料が安い特別養護老人ホームなどは入居待ちが多く、すぐには入居しづらいといわれています。
参考:特別養護老人ホームの入居者状況


また民間が運営する有料老人ホームも利用者の状態によっては受け入れ拒否するということもあります。そこで、施設にお世話になる時に確実に入居するためにも「下準備」が必要になってくるのです。

例えば介護施設の資料請求をし、実際に見学して、スタッフと事前面談したりしてみることです。そこで職員の方と今後の介護生活について相談してみたり、施設利用について質問などし関係を築いておきます。
また、被介護者自身が納得すれば要支援のうちからショートステイを利用しておくという方法もあります。
ショートステイ先は特別養護老人施設や老人保健施設などの介護施設となります。
また、有料老人ホームでも介護保険外でデイサービス(有料デイ)を行っている施設もあります。
以前から利用経験があると、万が一要介護状態になった時にスムースに入所手続きしやすくなるだけでなく、施設側からも信頼があるので受け入れやすいという状況をつくることができます。

以下に他にも施設を利用するときに入居を断られないようにする方法をまとめました。
今は必要ないかもしれませんが、今後施設を検討する際にはご活用ください。

介護施設から受け入れ拒否される5つの理由と対処法!実際の事例も交えてご紹介

まとめ

今後の介護生活のことを考えると、介護費用が年々かかってくるのか?多くの時間をとられるようになるのか?など不安になってくることもあります。
しかし、介護予防のサービスによって効果が出ていることも事実です。
参考:介護予防の効果に関する実証分析

要介護を進行させないために」という視点で介護予防サービスを利用する一方、「進行した場合の対処法」も考えておくことで、少しでも介護における先が見えない不安を取り除けるでしょう。

また、要支援2でも住宅改修費を申請すれば支給されたり、福祉用具購を介護保険内で購入できるので担当のケアマネジャーに相談してみて下さい。

要介護認定区分とは?認定の流れから介護保険の利用限度額まで詳しく解説!

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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