要支援1とはどのような状態?利用できるサービスや限度額まとめ

始めて介護が必要になり、要介護認定を申請すると「要支援1」と認定されました。
「要支援1ってどんなサービスが受けられるんだろう」
「他の要支援1の方ってどんなケアプランになっているんだろう」
など色々な疑問があると思います。

そこで今回は要支援1の方が利用できる介護給付金の上限、利用できる介護サービス、作成されるケアプランの例などをまとめていきます。

要支援1とはどのような状態?

要介護認定における要支援1という状態とは、「要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態」と定められています。

要介護認定基準時間とは

  • 直接生活介助
  • 間接生活介助
  • 問題行動関連介助
  • 機能訓練関連介助
  • 医療関連行為

の5分野について計算される介護に必要な時間のことです。(※要介護認定等基準時間とは目安であり、実際に介護サービスが提供される時間とは異なります)

つまりこれは、「自分でトイレに行ったりご飯を食べたりすることはできますが、掃除や洗濯などに関して、少しお手伝いがあれば助かるといった状態です」という状態と捉えて良いでしょう。

要支援1の介護給付金限度額はいくら?

要支援1で受け取れる介護給付基準額は5,003 単位/月です。
お住まいの地域によって1単位の値段が変わってくるので一概には言えないのですが、目安として1 単位=10 円と考えると、50,030 円/月だけ介護給付金を利用できることです。
もちろん上記の金額を超えて介護サービスを利用することもできますが、その分は自費負担(10割負担)になってしまうのでご注意ください。

介護給付金の計算方法

介護給付金の上限は以下のように計算されます。

介護保険の計算方法

もっと詳しく自分が利用したい介護サービス事業所の1 単位の単価が知りたい方は以下の記事を参考に計算してみてください。

参考:公的介護保険の単価は地域によって異なる

 

要支援1で利用できるサービス

要支援1~2の方は介護予防サービスを利用できます。(要介護1~5の方は介護サービスを利用)
介護予防サービスには、介護予防訪問介護や介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問リハビリテーションなどがあります。
施設を利用する場合、介護予防小規模多機能型居宅介護や介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)などがあります。
詳しくは下の表にまとめましたのでご覧ください。

介護予防のサービス 介護予防+医療のサービス
・介護予防訪問介護
…訪問介護員が自宅に訪問し、介護する

 

・介護予防訪問入浴介護
…浴槽が自宅に無い方などの入浴を行う

・介護予防通所介護(デイサービス)
…介護サービス提供事業所に通い介護を行う

・介護予防短期入居生活介護(ショートステイ)
…介護施設に短期で宿泊しながら介護する

・介護予防小規模多機能型居宅介護
…一つの事業所で訪問、通所、宿泊の介護サービスを提供する。

・介護予防認知症対応型通所介護(日帰りデイ)
…認知症の方向けにデイサービスを提供

・介護予防訪問看護
…療養上の介助、診断の補助など行う

・介護予防訪問リハビリテーション
…訪問介護員が自宅に訪問しリハビリを行う

・介護予防居宅療養管理指導
…専門家が自宅に訪問し、指導を行う

・介護予防通所リハビリテーション
…介護サービス提供事業所に通いリハビリを行う

・介護予防短期入居療養介護
…医療管理下で短期宿泊を行う

【介護保険サービス一覧】サービスの種類や内容をご紹介します

要支援1の方がショートステイをする場合

要支援1の方でも介護保険適用のショートステイを利用できます。

要支援1の方がショートステイを利用する場合の費用は以下の通りです。

  介護予防短期入居生活介護 介護予防短期入居療養介護
従来型個室 438円/日 580円/日
多床室 438円/日 613円/日
ユニット型個室
ユニット型的多床室
514円/日 623円/日

これに加えてサービス加算やレクリエーション費用がかかります。

ショートステイとは?長期利用のロングショートステイの費用や期間も解説

要支援1の方が介護サービスを受けるには

まず初めに、ケアマネジャーに利用者様専用のケアプランを立案していただく必要があります。
介護予防サービスは利用者様(要支援の方)がお住いの地域の市役所で申請できます。
また、利用者様が遠くに住んでいて区役所に直接訪問できない場合は、ご家族がお住まいの地域の地域包括支援センターに伺うことでケアプランの作成を代行していただけます。

手順としては以下のようになっています。

要介護認定とは?認定基準や認定の流れをわかりやすく解説【2019年度版】

介護保険の申請方法 | 申請できる年齢や申請のタイミング、流れをわかりやすく解説します

要支援1の場合のケアプラン例【ケアマネ監修】

要支援1の方のケアプランを参考までにご紹介します。
特徴としては介護予防なので、本格的な介護を必要とする前段階でのサービスとなります。

ですので、リハビリで定期的に身体機能の維持・向上を行なわれているのが分かります。サービス時間も短いのが特徴です

要支援1の場合、どのようなサービスをどれくらい利用できるのでしょうか?
以下でケアプランの例をご紹介します。

例1

要支援1の方のケアプラン例1

こちらはある要支援1の方のケアプランです。
週に2回の訪問リハビリテーションと介護予防訪問看護を利用することで

290単位 ×2 回×4週=2,320単位(訪問リハビリテーション)
300単位 ×1 回×4週=1,200単位(介護予防訪問看護)

合計3,720単位が一カ月でかかることになります。
(1単位=10円とすると、37,200円/月)

これは介護給付金50,030 円/月の枠内に収まるので、利用者様は1カ月に介護サービス利用料の1割である3,720円だけ支払えばいいということになります。

また、別例も見ていきましょう。

例2

要支援1の方のケアプラン例2

こちらも別の要支援1の方のケアプランです。
訪問リハビリテーション(1,160単位/月)とは別に、週1回の通所介護(デイサービス)を利用することで1,647単位/月かかり、合計で1,160単位 + 1,647単位=2,807単位/月 だけかかります。

1単位=10円とすると、28,070円/月となります。

こちらも介護給付金50,030 円/月の枠内に収まるので、利用者様は一カ月に介護サービス利用料の1割である 2,807 円だけ支払えばいいということになります。
参考: 介護予防通所介護費

ケアプランとは?作成方法から実際の例までケアマネジャーが解説!

介護保険で介護サービスの他にできること

介護サービスが1割負担(利用者の収入によっては2~3割負担)で受けられる以外にも、介護保険を利用して安く抑えることができるものもあります。

住宅改修費支給

自分の家で介護をすることに決めた際、以下のように介護を行っていく上で住宅改修しなければならないこともあるでしょう。

  • 階段に手すりを付けたい
  • 部屋の入り口などにある段差をなくしたい
  • 和式トイレを洋式トイレにしたい
  • 滑りにくい床に変えたい
  • 開き戸を引き戸に変えたい

このような悩みは「住宅改修費支給制度」という介護保険制度を利用することで、20万円まで負担してもらうことができます。(自己負担額が1割かかります。利用者の収入によって2~3割負担に変わります。)

以下の記事に利用できる住宅改修サービスや料金の計算方法について書かれていたので
気になる方はご参考にしてください。
参考:「介護保険制度」を利用して住環境を整える。

また、制度の利用方法は担当のケアマネジャーに相談すれば説明していただけます。

福祉用具購入費支給

住宅改修と同じく入浴補助用具や杖なども介護生活には必要になってくるでしょう。
そこで福祉用具を購入する際にも介護保険を利用できます。(こちらも原則自己負担1割です。収入によって2~3割負担になる時もあります。)

介護保険が適用される福祉用具というのは、以下の項目を指します。

  • 腰かけ便座
  • 入浴補助用具
  • 特殊尿器

また、介護保険を利用して介護用具の貸与(レンタル)もできます。
要支援1の方は以下の用具のレンタルもできます。

  • 歩行器
  • 歩行時補助杖
  • 簡易スロープ

詳しくは以下の記事にまとめてあります。
参考:福祉用具をレンタルするときに知っておきたいこと

こちらも担当のケアマネジャーに相談していただければ、購入、レンタルの説明をしてくださいます。

まとめ

初めて介護サービスを利用する方にとっては、色々とわからないこと不安なことがあると思います。
介護生活に困った場合、地域包括支援センターやケアマネジャーと相談してみてください。
そして介護サービス事務所の利用だけではなく、身体状況に応じた住宅改修や介護保険適用の車椅子などの購入などを大いに活用して介護予防に取り組むことが重要になってきます。

要介護認定区分とは?認定の流れから介護保険の利用限度額まで詳しく解説!

 

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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