要介護4の状態とは?在宅介護で利用できるサービスや費用について解説

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介護保険制度は社会保障制度のなかでも比較的新しい制度であり、少ない財源のなかでどんどん制度が変化し続けています。

国民の多くは、その変化について行けず、制度自体が理解できず苦しむケースも多々あるようです。

介護保険制度は、要支援1~2、要介護1~5の段階に分かれており、これに該当しないとサービスを受けるこはできません。

よって、家族が勝手に「介護が必要だからヘルパーさんにお願いしよう!」ということで利用はできず、介護保険の専門家であるケアマネジャーと相談しながら、申請からサービス開始を行うのが一般的です。

その中でも今回記事でご紹介する要介護4は、比較的重度であるため、多くサービスを受けられることになります。

以下、その内容について詳しく解説していきます。

介護保険に関する詳しい情報はこちらからご覧になれます。

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要介護4の身体と精神の状態や認定の基準とは

要介護4の状態であれば、身体的には車椅子での移動が主になり、人によってはベッド上での生活が主体になる方もいらっしゃいます。

精神面では、認知症によって日常生活に支障が出て、自分の場所が分からず這って部屋から出て行くようなケースもあります。

以下、身体面と精神面、全身の様子にわけて詳しい状態を解説していきます。

要介護4の身体面の状態

要介護4の状態では歩行器や杖、手すりなどを使用しても歩行することは難しいため、通常の車椅子、もしくはリクライニング機能付きの車椅子での移動となるでしょう。

その日の状態や、持病によっては、ベッド上での生活が主体となり、車椅子は短時間でしか利用できない方もいらっしゃいます。

排泄に関しては、尿意・便意がなく、オムツ内にされるようになり、認知症の影響で排泄物を手で触ったり、サイドレールや壁を汚すようなことも現れます。

入浴は家族だけで行なうのは大変困難で、浴室までの移動、洗身、洗髪など全てにおいて介護が必要になるばかりか、床がお湯で滑るため常に注意が必要な状態になります。

食事はなんとか自力で口まで運ぶことができますが、食べこぼしが多くなり、エプロンをして食べないと服が汚れてしまうでしょう。また、嚥下機能の低下が目立ち、トロミ剤をつけて食事をしないと誤嚥を起こす可能性が高まります。

寝たきり状態では、自分の唾液で誤嚥性肺炎を起こす方もいらっしゃいます。

要介護4の精神面の状態

高齢者の精神面で最も気になるの認知症ではないでしょうか?

要介護4での認知症は、意思の疎通がかなり難しくなり、状況によっては家族であっても顔と名前が一致せずに、他人であると認識することも少なくありません。

物忘れなどの症状に加えて、周辺症状と呼ばれる、被害妄想、物盗られ妄想、異食行為、暴行や暴言なども出現します。

例えば、いつも介護をしている嫁に対して「ここに置いておいた財布がない、あんた(嫁)が盗んだに違いに」というような訴えや、すでに食事をしているにも関わらず「昨日の朝から何も食べていない」と訴えることもあります。

要介護4と要介護5の認定基準で最も大きなポイントは

要介護4と要介護5では、自力で食事ができるかどうかが認定基準の大きなポイントになるでしょう。

一部介助でもなんとか口まで食べ物を運ぶことができたり、手づかみで食べることができれば要介護4になるケースが多いですが、要介護5では食事に関する全てのことに関して介助が必要となります。

認知症では、先述したような症状があったとしても、その頻度が少なければ要介護4であると認定され、常に誰かが見守りをしていないといけないような状態なら要介護5と認定されるようになります。

要介護5で受けられるサービスや在宅介護の注意点をご紹介

要介護4で受けられるサービスとは

介護の様子

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要介護4になると在宅介護を行なうのはかなり大変になりますので、1ヶ月の殆どの時間を介護保険サービスを受けるようになります。

介護の多くを介護保険サービスに任せて、時間的・精神的に余裕があるときだけ家族が介護をするようになります。

ショートステイや訪問介護

例えば、月曜日から土曜日までショートステイで過ごし、日曜日のみ自宅で介護をするケースも考えられます。

この日曜日に、最も介護が大変である食事の時間帯の朝、昼、夕に訪問介護を入れたりします。

要介護4にもなると、自宅で入浴をする人が少なくなりますので、デイケア、デイサービスなどに行った時に入浴をしてもらようになります。

医療に関しては訪問診療の必要性が高い方がいらっしゃいますが、自宅(家庭)に訪問して診療するだけではなく、ショートステイをしている施設まで行ってもらうことも珍しくはありません。

要介護4は利用限度額が上がっているため、実際に利用する介護保険サービスの頻度と時間も高くなります。

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要介護4では訪問入浴を利用する人が増える

入浴に関してはデイケアやデイサービスを利用し、そこで入浴も実施してもらうケースもありますが、自宅まで特殊浴槽を持参してもらい、入浴をしてくれる訪問入浴のサービスを検討する方が多いのは要介護4の特徴です。

看護師も同行しますので、寝たきりの方でも安全に快適に入浴することができます。

要介護4のケアプランの例

要介護4で作成するケアプランは、家族だけでは継続して介護をし続けていくことが難しくなるため、ショートステイを中心に週末の余裕のある時間に家族と過ごすようにするか、家にいてもらいながら訪問介護を受けて負担を軽減していくケースが多くなります。

具体的なケアプランは下記のようになります。

・ショートステイを中心とするケアプラン

  月曜日 ショートステイ 出発
  火曜日   〃
  水曜日   〃  訪問診療
  木曜日  ショートステイ 帰宅
  金曜日  デイサービス    (9:00~15:00)
  土曜日 訪問介護      (12:00~13:00)
  日曜日 デイサービス    (9:00~16:00)

・なるべく家で介護をする場合のケアプラン

  月曜日 訪問介護(朝・昼・夕) 日中に訪問看護
  火曜日    〃
  水曜日    〃 訪問入浴(14:00~15:00)
  木曜日    〃
  金曜日    〃
  土曜日    〃 訪問入浴(14:00~15:00)
  日曜日    〃 訪問診療

※上記のケアプランは例であり、実際には事業所の加算等で異なる場合があります。

要介護4での利用限度額は約30万円

板橋区の要介護度別限度額

出典;板橋区 介護サービスの利用者負担と支給限度額

上記の表にある通り、要介護4では、10月より30.938単位(約30万9,380円)と記載されています。

これは、介護保険の適用を受けて利用できる限度額であり、これを超えた部分に関しては全額自己負担になります。

例えば、ショートステイやデイサービスなどの介護保険サービスの月間の合計利用金額が309,380円ならば、1割負担の場合だと30,938円を実際に支払うことになります。

仮に、合計金額が400,000円になれば、限度額を超過した金額の90,620円が自費になり、90,620円+30,938円=121,558円になります。

ここでは1割負担の場合でご紹介しましたが、所得等によっては2~3割負担となる場合もありますでご注意下さい。

在宅介護はもう限界だと感じたら

要介護4では、家庭環境が充実していなければ介護に対する不安やストレスは強いでしょう。

在宅介護に限界を感じた場合には、まずは担当のケアマネジャーの相談することをおすすめします。

すぐに施設入所を希望してもなかなか入居できない場合は、なるべく家族の負担を軽減したケアプランに変更してくれます。

そして、本人の心身状態に合わせて施設を紹介してくれたり、一緒に見学に行ったりもしてくれます。

施設介護に切り替えるタイミングについては、こちらでご覧頂けます。

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ロングショートという選択肢

入所申し込みをしても順番がなかなか来ないで、介護負担やストレスばかりが蓄積される場合は、連続したショートステイの利用『ロングショート』をご検討されるのも一つの方法でしょう。

ロングショートは、施設に入所を希望することを前提にして、施設待機者として利用できます。

要介護4であれば、支給限度額的にも考えてもロングショートは可能で、31日間利用した場合でも、特養に入所するのと同じぐらいの費用で利用ができます。

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要介護4での一人暮らしは限度額内での介護保険サービスでは難しい

100%一人暮らしはできないということではありません。

但し、家族の協力が得られないということを前提とするならば、支給限度額を超えたサービスをしなければ現時的に安心した生活を送ることはできないでしょう。

要介護4で利用できる介護施設とは

要介護4になり、施設介護を検討される場合に、どのような施設に入所することが可能か解説していきます。

特別養護老人ホーム

実際に入居される方は、要介護4・5の方が多く、心身状態で重度で介護の必要性が高い人が利用できる施設です。

人生の最期を迎えることができるため、一度入所すれば、次の行き先を探さなくても構いません。

介護保険施設であるため、初期費用は不要で、1~3割の負担と、食事代・居室代で入所することができます。

要介護4であれば、12万前後で入所できるでしょう。

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老人保健施設

特別養護老人ホームと同じく介護保険施設であるため、初期費用はかかりません。

金額も特別養護老人ホームとほとんど変らず、金銭的な負担も少ないと言えるでしょう。

家庭と病院との中間地点として位置づけられるため、リハビリテーションに力を入れており、在宅復帰を目指しています。

介護職員よりも看護職員の方が多く、医師も常勤でなければなりません。

特別養護老人ホームに似ていますが、やや医療的な対応が強くなっています。

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介護医療院

介護保険施設でありますが、病院のひとつとして扱われます。

そのため、医師・看護師が中心で、介護と同時に医療も必要な方が入所(入院)されます。

病院なので生活の場である特別養護老人ホームとは雰囲気が異なり、医療色が強く出ています。

脳梗塞などで倒れて大きな病院で処置をした後、ある程度病状が安定した再に入所(入院)されるケースなどがあります。

費用は、特養に比べて若干高いですが、介護保険の適用を受けるため1~3割負担となります。

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まとめ

要介護4になると在宅介護はかなり厳しくなり、なんらかの介護保険サービスの利用は不可欠となります。

介護者の負担やストレス軽減がかなり強くなるので、在宅介護とは言いながらも、実際の生活の拠点はサービス事業所となります。

限界を感じる前に施設への入所に向けて取組むことをおすすめします。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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