介護保険の自己負担の割合や軽減の方法を解説【2019年10月最新版】

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介護保険制度は、要介護認定を受けて要介護1以上の認定を受けた人が利用することができ、サービスにかかる費用の7~9割を保険で負担し、実際に自己負担する金額は1~3割におさえられる制度です。

加入者は、65歳以上の第一号被保険者と40歳以上65歳未満の第二号被保険者に分けられ、介護保険を利用できるのは第一号被保険者ですが、加齢と関係のある特定疾患を患っていれば、第二号被保険者でも利用することはできます。

この記事では介護保険制度を利用する際に発生する自己負担額について、1~3割の割合を決める規定や、例外となる費用などについて解説していきます。

介護保険制度の自己負担額とは

介護保険は医療保険と同じように実際にかかった費用を全額支払う必要はありません。

社会全体で高齢者を支えて介護をしていこうという趣旨のもと誕生した制度ですので、実際に個人が負担する費用は、サービスにかかった費用の1~3割になります。

世帯年収によって介護保険の自己負担の割合が変わる

介護保険を受ける際に自己負担する金額は、基本的にはサービスにかかった費用の1割だと考えて頂けば結構です。

但し、所得が多い人はそれ以上に支払ってもらう必要があります。

具体的には、2割の負担となる人は、本人の合計所得金額が160万円以上で、同じ世帯の65歳以上の人の『年金収入+その他の合計所得金額』が単身世帯の場合280万円以上、2人以上世帯の場合346万以上の人が対象になります。

さらに所得の多い人は、3割の負担をしなくてはなりません。

この場合、本人の合計所得金額が220万円以上で、同じ世帯の65歳以上の人の『年金収入+その他の合計所得金額』が単身の場合340万円以上、2人以上世帯の場合465万円以上の人になります。

施設に入所した場合の料金

介護保険施設に入所した場合の支払いについて解説をしていきます。

ここでは、庶民的で最も人気が高い特別養護老人ホームを例に出して解説していきます。

先に、介護保険を利用する場合は通常1割であることを解説しました。

特別養護老人ホームでも同じで、通常1割の負担をしますが、これだけの支払いではありません。

自己負担額(1割)以外にも、居住費食費、それに管理費が必要になるのです。

居住費とは、生活を主とする居室を借りために必要な金額で、食費とは3食の食事に関わる費用になります。

管理費については、施設によって差があり、電気代、清掃代、共有の新聞代、エレベーターの保守点検代などがあります。

個別に徴収される施設もありますが、月々で指定された金額を請求される場合もあります。

特別養護老人ホームは居室のタイプによって金額の設定が違います。

これは、国が定めているものであり、施設が個別に決めているものではありません。

例えば、最も高額なユニット型個室で要介護5の場合、介護保険の自己負担額とあわせて月々約13万円程が必要になります。

もちろん、医療にかかる費用は別料金になります。

在宅介護では上限額の設定が存在する

自己負担の割合は1割~3割ですが、いくら利用しても上限なくその負担額を支払えばいいというわけではありません。

在宅介護場合、『支給限度額』というものが存在し、その金額を超えた場合は、全額自己負担になるです。

支給限度額は1ヶ月単位で設定されており、要介護状態によって下記の表のように段階的に増えていきます。

要介護度 支給限度額
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

例えば、要介護3の方がデイサービスやショートステイ、訪問介護など様々なサービスを組み合わせて利用して、月々の支払いが300,000円になったとします。

介護保険の対象となる負担割合を1割だとした場合、支給限度額の269,310円に対して支払う金額は26,931円になります。

それに加えて支給限度額をオーバーした分を計算すると、300,000円-269,310円=30,690円が額自己負担になります。

合計すると、26,931円+30,690円=57,621円を支払わなければなりません。

介護保険の対象とならない費用とは

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介護が必要になった後の全ての費用が介護保険の対象となるわけではありません。

介護を受けていても、受けていなくても生活を営む上で費用がかかってくるものがありますがそれらは介護保険の例外となり、別途料金が発生しますので必ずおさえておきましょう。

余暇活動などに関わる費用

家庭で介護を受けていれば(在宅介護)、美味しいおやつを食べたり、TVを観たりします。

当然のことながら、これらの費用は介護保険の対象にはなりません。

特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所しても、これら余暇活動に関わる費用は別途請求される場合が多いです。

例えば、電気代だと、居室ごとにメーターが設置されており、使用した電力分を個別に支払ったり、コーヒーやおやつは別で請求されることもあります。

医療に関わる費用

医療については、介護と切り離して考えなくてはなりません。

医療と介護の関係性は深いですが、診療に関わる費用や薬代は医療保険(後期高齢者医療制度)になりますので、介護保険と混同しないようにしましょう。

また、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザの予防接種は医療保険の対象にはなりませんので、実費が必要となってきます。

日常生活に関係のない範囲での掃除や洗濯

在宅介護で訪問介護を依頼して、掃除や洗濯を希望する場合もあるでしょう。

掃除や洗濯を行なえる範囲は、本人が日常生活を営む範囲のみとなるため、別の家族の部屋を掃除したり、毛布やシーツを洗うことはできません。

生活空間以外の住宅改修

介護保険の在宅介護サービスのひとつに『住宅改修』があります。

年齢を重ねても住みなれた環境でいつまでも生活するようにするためには、手すりやスロープなどを設置し、整えていくことが大切です。

しかし、それは、介護を必要とする人の生活空間での話であって、別の家族の部屋やその人が使用しないところに手すりやスロープを設置することは、介護保険の例外になります。

介護保険にかかる自己負担額の軽減方法

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在宅介護よりも施設介護の方が圧倒的に費用はかかります。

そこで、施設介護(ショートステイも含む)を利用されている方を対象にして、個人の負担を少しでも軽減させる制度がありますのでご紹介していきます。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

特別養護老人ホームや老人保健施設などで、食費と居住費を公費により一部を負担してくれる制度です。

所得や預貯金などによって、3段階に別けられ、特別養護老人ホームの場合、従来型個室という居室のタイプですと、本来1,150円/日の居住費が第1段階になることによって320円/日になります。食費は本来1,380円/日のものが第1段階になることにより300円/日の利用者負担で構いません。

高級老人ホームやグループホームなどは対象外なので、お気をつけ下さい。

高額介護サービス費用

公的介護保険を利用し、自己負担の合計の額が、同じ月に一定の上限を超えたとき、申請をすると「高額介護サービス費」として払い戻される制度です。

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

全ての社会福祉法人が該当するわけではありませんが、自治体に登録している社会福祉法人は、その社会福祉法人が食費及び居住費の一部を負担してくれる制度です。

申し込みは入所を希望する(入所している)施設に直接申し込む必要があります。

負担してくれる金額は自治体が決定しますので、申し込みを受けた施設も知り得ることはできません。

医療費控除制度

医療費控除制度は医療に関わるものだけが、その対象だと思われているケースが多いのですが、実は介護に関わるものの一部も控除を受けるとができます。

例えば介護老人保健施設や特別養護老人ホームに施設サービス費(介護費・食費・居住費)として支払った額の1/2がそれに該当します。

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療保険と介護保険における1年間の医療保険と介護保険の自己負担の合算額が著しく高額であった場合に、自己負担額を軽減する制度です。申請をすることによって負担額の一部が払い戻されます。

まとめ

介護保険を利用する費用は在宅介護より施設介護の方が圧倒的に高額になります。

実際に負担する費用は所得や預貯金によって違い、1~3割に別けられています。

介護はとてもお金がかかり、日常生活を営むのが難しくなる場合もありますが、個々の負担を最小限に抑えるための各種軽減制度もありますので、積極的に活用するようにしましょう。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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