【2021年改正版】要介護認定について認定基準や認定の流れをわかりやすく解説

国の社会保障制度には、医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5つがあります。

その中でも、「介護保険」は全ての65歳以上の国民が対象の保険制度ですが、受給するためには「要介護認定」を受け、対象者が支援または介護が必要な状態と認められる必要があります。

 

この記事では要介護区分や要介護認定の基準などを紹介します。

また親の介護などで、要介護認定を受けさせる必要がある方がスムーズに申請できるように要介護認定の申請方法の流れについても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

解説は高齢者住まいアドバイザー兼ファイナンシャルプランナーの目黒が行っていくので、よろしくお願いします。

【これだけはまず抑える】要介護認定について知っておくべきこと

要介護認定申請書

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要介護認定とは、原則65歳以上の高齢者が、介護が必要になった時に介護保険を申請する制度のことです。

※例外として老化を起因とする特定疾患に罹患している40~64歳の方も対象になります。介護保険の年齢に関する記事は以下をご覧ください。

介護保険を利用できる年齢は何歳から?いつからいつまで支払うかも徹底解説!

介護保険を申請し要介護状態として認定をされることで、介護保険サービスを受けることができるようになります。

被保険者の要介護度については「どのような介護が、どれくらい必要か?」ということを市の担当者による聞き取り調査やかかりつけ医による意見書をもとに、コンピューターによって判断していきます。

※この基準は全国で一律になります。

 

そして、それぞれ認定された要介護度によって利用できる介護サービスや介護サービスの利用にかかる費用などが変動します。

また、どの要介護度と判断(認定)されるかによって介護保険給付金も変わり、受けられるサービスの種類や頻度にも関係するため、要介護認定は非常に重要です。

要介護認定者数の推移と割合

現在日本では被介護保険者の数が年々増えており、H28年には3,382万人まで増加しました。

これは人口(1億2,693万人)の26.6%であり、国民の4人に1人が「要支援・要介護が必要な状態にある」と言えます。

要支援者や要介護者は今後も増加していくことが予想されています。

要介護認定者の割合は以下の通りです。

要支援・要介護が必要な状態にある高齢者の人口推移

出典:平成27年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイント

要介護の認定基準について

要介護認定は介護の必要度合いによって要介護認定区分が設定されており、要支援1・2、要介護1~5の7段階に分かれています。

※上記の7段階のどれにも当てはまらない場合は「自立」

どの要介護度にあたるかどうかは、各チェック項目と時間換算でどれだけ介護が必要かを表す「要介護認定等基準時間」によって判定されます。

要介護認定等基準時間の目安は以下の通りです。

区分:要介護認定等基準時間

  • 非該当:25 分未満
  • 要支援 1:25 分以上~ 32 分未満
  • 要支援 2・要介護 1:32 分以上~ 50 分未満
  • 要介護 2:50 分以上 ~70 分未満
  • 要介護 3:70 分以上 ~90 分未満
  • 要介護 4:90 分以上 ~110 分未満
  • 要介護 5:110 分以上

 

また要介護認定を受ける際チェックされる項目は主に以下の5つです。

  1. 身体機能・起居動作
  2. 生活機能
  3. 認知機能
  4. 精神・行動障害
  5. 社会生活への適応力

これらの項目を総合的にみて、被保険者の要介護度を判定していきます。

【丸わかり】要介護認定区分と心身状態の目安

要介護度ごとの大まかな状態は以下のように定義されています。介護される方がどれにあてはまるチェックできるのでご参考ください。

1.自立

支援を必要としなくても、日常生活をおくることができる状態。

区分支給限度基準額はもちろんなし。

2.要支援1

自分でトイレに行ったり、ご飯を食べたりすることができ、掃除や洗濯などに関しては、少しお手伝いがあれば助かるといった状態。

区分支給限度基準額は5,032単位/月。

3.要支援2

歩行などに不安が見られ、排泄・入浴の際に軽く身体を支えたり、見守りが必要で身体機能に改善の可能性がある状態。

区分支給限度基準額は10,531単位/月。

4.要介護1

立ち上がりが不安定で杖歩行の場合あり、排泄・入浴などに一部介助を要する状態。

区分支給限度基準額は16,765単位/月。

5.要介護2

立ち上がりが自力では困難で、排泄・入浴などに部分的介助ないし全介助が必要な状態。

区分支給限度基準額は19,705単位/月。

6.要介護3

立ち上がり・起き上がりなどが自力でできずに排泄・入浴・衣類の着脱など日常生活全般に部分的介助ないし全介助が必要な状態。

区分支給限度基準額は27,048単位/月。

7.要介護4

寝たきりに近く排泄・入浴・衣類着脱など日常生活全般に全介助が必要な状態。

区分支給限度基準額は30,938単位/月。

8.要介護5

日常生活全般に全介助が必要で、意思伝達も困難な状態。

区分支給限度基準額は36,217単位/月。

区分支給限度基準額とは

区分支給限度基準額という言葉は、要介護度別の介護保険給付金の限度額を表しています。

1単位の値段は地域によって変わってきますが、目安として1単位=10円で計算されることが多いです。

ご自身がお住まいの地域について気になる方は以下の厚生労働省の記事をご覧下さい。

参考:要介護認定の仕組みと手順 厚生労働省

要介護認定申請から認定までの流れ

要介護認定を自分で行う方のご参考までに、申請から認定が出るまでの流れを図にしてみました。

大まかには、このような流れになっております。

要介護認定申請から通知までの流れ

要介護認定を受けるための申請・変更申請は、直接自身や家族が市長村に申請する場合と、第三者である『地域包括支援センター』と『居宅介護支援事業所』が申請してくれる場合があり、変更申請も代行してくれます。

要介護認定は基本的に1ヶ月で結果がでますが、変更申請が込み合っているなどで訪問調査が混雑している場合には、最長で2ヶ月ほどかかる場合があります。もしも結果が出るのが遅くなりそうな場合は、自治体から事前に通知があり教えてくれます。

申請から通知までの期間は大体1ヶ月~2ヶ月かかると見積もっておきましょう。

要介護認定の申請手順

要介護認定の申請手順

© zasabe/stock.adobe.com

では以下より要介護認定の申請手順に関してより詳しくご説明させていただきます。

要介護認定の申請場所

要介護認定を受けたいという方は市区町村の介護保険申請窓口または地域包括センターで必要書類を提出しましょう。

要介護認定を申請する際の持ち物

要介護認定を申請するにあたって、市区町村の窓口や地域包括センターに持っていくべきものをご説明させていただきます。

1.介護保険申請書(要介護認定申請書)

WEBで「○○市 介護保険申請書」と検索し、市役所や区役所のホームページからお住まいの地域に対応している介護保険申請書を調べることができます。

同封されている見本を見ながら、その申請書を印刷し記述項目を埋めましょう。

また、お住まいの地域の福祉センターや地域包括支援センターで頂くこともできます。

 

参考までに東京都新宿区の介護保険申請用紙はこのようになっています。

要介護認定の申請書
出典:新宿区 要介護認定に必要なもの

2.介護保険被保険者証(介護保険証)

介護保険被保険者証

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65歳以上の方は市区町から以下のような介護保険被保険者証が家に郵送されます。

また、40歳~64歳の老化が起因による特定疾患に罹患されている方は、健康保険証を持参する必要があります。

3.マイナンバーカード

マイナンバーカードは地域によって提出義務があるところとそうでないところがあります。

WEBや地域包括支援センターで提出義務があるのか確認しておきましょう。

4.身分証明書

身分証明書についても、提出義務の有無は地域によって異なります。

5.主治医の意見書

意見書とは、主治医により被介護者が罹患している疾病や負傷についての状態を記載したものになっており、要介護認定の一次判定に使われます

要介護認定を申請した後に、行政が被介護者の主治医に対して意見書の提出を求めます。

医師は、病状など医療に関することは充分に把握できますが、日常生活の様子についてはなかなか把握できないのが現状です。

よって被介護者の担当ケアマネジャーやご家族からヒアリング(聴衆)を行います。

ゆえに正確に一次判定の結果を出すために、被介護者の認知症の症状、日常生活動作について詳細に伝えることは重要なことです。

ちなみに医師が意見書を記述した後、そのまま行政に提出する流れになっているので、介護者被介護者ともに意見書を目にすることはありません。

主治医意見書

出典:介護保険の主治医意見書とは

介護保険を申請してからサービスを利用するまでの詳しい流れについては以下の記事で詳しくまとめておりますので参考にしてみてください。

介護保険の申請方法 | 申請できる年齢や申請のタイミング、流れをわかりやすく解説します

要介護認定の申請は代行してもらえる

要介護認定はもちろん自分で申請することもできますが、以下の場所を訪れ、要介護申請の旨を伝えることで代行していただくことができます。

  • お近くの地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが在籍する事業所)

申請の手順に自信がない場合や、被介護者が遠方に住んでいる場合は相談してみましょう。

また、その時重要なのが居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)の選び方です。

ケアマネジャーが要介護度に沿ったケアプランを書くことで介護サービスを利用できるからです(※ケアプランが無ければ介護サービスは受けられません)。

ご参考までに、ケアマネジャーの選び方についてまとめましたので参考にしてください。

良いケアマネジャーの選び方とは?チェックしたいポイント5つを紹介

要介護判定を正確に受けるための注意点

要介護判定を受ける高齢者

©keatikun/stock.adobe.com

ご家族の方やケアマネジャーの方にも立ち合っていただき、要介護者が緊張しない環境を作ることが大切です。

要介護認定を受ける場合はまず市区役所の担当者による聞き取り調査から始まります。

高齢者の方は、初対面の方の前では「できないと思われたくない!」との思いからか、普段できないことも「できます。」とおっしゃってしまうことがあります。

しかし、聞き取り調査は原則一度しか行われません。

それによって、実際に必要な要介護度より低く認定されてしまうこともあるのです。

そこで、ご家族が被介護者の日常生活(立ち上がり、排泄、食事、着替えなど)での支障をあらかじめ理解しておくことが重要です。

また、一日の中でも朝、昼、夜と被介護者の生活動作などが変わってきます。

一番介護が大変なときは一日の何時なのかその時はどんな様子なのかをご家族は把握し、聞き取り調査の際に伝えられるようにしましょう。

要介護認定の有効期間は?

要介護認定の有効期間

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要介護認定は一度受けたらずっとその要介護度が適用されるわけではありません

1回の要介護認定の有効期間は新規で要介護認定申請をされた場合6カ月、更新の申請をされた場合は12カ月となっています。

詳しくは以下をご覧ください。

新規申請の場合

原則の有効期間は6ヶ月。設定可能な有効期間は3~12カ月。

更新申請の場合

更新申請の場合も、原則の有効期間は6ヶ月。設定可能な有効期間は3~12カ月。

区分変更申請の場合

前回要支援で今回要支援の場合は原則の有効期間は12カ月。設定可能な有効期間は3~36カ月。

前回要支援で今回要介護の場合は原則の有効期間は12カ月。設定可能な有効期間は3~36カ月。

前回要介護で今回要支援の場合は原則の有効期間は12カ月。設定可能な有効期間は3~36カ月。

前回要介護で今回要介護の場合は原則の有効期間は12カ月。設定可能な有効期間は3~36カ月。

ただし、要介護認定の申請数増加により、原則通り12カ月後に更新申請を行える方は稀で、多くの方の有効期限が約24カ月(2年)~36ヶ月(3年)まで延びているのが現状です。

【要点だけ抑える】要介護認定の有効期間に関する疑問について解説

要介護認定の区分変更をしたい場合

「親の状態から要介護3だと思ったのに、要介護申請の結果が違った…」

「体調が悪くなったから2回目の要介護認定を受けたのに、要介護度が変わらなかった…」

など、ご自身が予想されていた要介護度と認定の結果が違うこともあるでしょう。

そのようなときには要介護認定の有効期間内であっても区分変更申請や不服申請(不服申し立て)という制度によって要介護区分を変更できる場合があります。

区分変更申請について

要介護認定の有効期限内であるのに要介護者の心身状態が急激に変化することなどがあります。

それにより「重度向けの介護が必要なのに、要介護度が低いからサービスを受けられない」という悩みを抱えていらっしゃる方のために、要介護度の区分変更申請という制度があります。

要介護度の区分変更をしたい場合、区分変更申請書を提出する必要があります。

区分変更申請の申請用紙は各自治体のホームページから印刷できます。また、お住いの市役所の窓口からも頂くことは可能です。

それ以降の申請方法は、上記の要介護認定の手順と同じです。

不服申し立て制度について

また要介護認定の不服申請(不服申し立て)というものもあります。

こちらは要介護認定自体を最初からおこないなおしてくれる制度です。

ただし、対象の方は「行政処分を受けた本人、またはその処分によって、直接自己の権利や利益を侵害された方」に限られていることや、審査請求できる期間は要介認定の結果が届いてから3カ月以内(期間は地域によって異なります)となっていること、結果が出るまで数カ月かかることからあまり使われている制度ではありません。

不服申し立てについて詳しい記事は以下をご覧ください。

要介護認定の不服申し立ての方法とは?変更申請についても解説

まとめ

要介護認定についてのまとめ

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介護生活の始まりと言っても過言ではない要介護認定。

慌てることのないよう、お住まいの地域の申請方法について調べておきましょう。

2回目以降の要介護申請については担当されたケアマネジャーに代行していただくことが多いですが、変更申請など制度についての選択肢をもっておくことは大切です。

要介護認定についてわからないことや気になったことがあれば、お近くの地域包括支援センターに相談してみてください。

「親の介護費用が足りるか心配」「介護をしない兄弟がいる」「介護のために仕事を辞めようか考えている」など、介護に関する悩みをお持ちではありませんか?

「親の介護」特集ページでは、在宅介護にまつわるお悩みの解決策をケアマネジャーが解説した記事を紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

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この記事を書いた人:ヒトシア編集部

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
高齢者住まいアドバイザーの知見を活かしたわかりやすい解説を行っていきます。

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