要介護認定区分とは?認定の流れから介護保険の利用限度額まで詳しく解説!

介護保険を利用するためにはまず、要介護認定をうけてその結果『要支援』か『要介護』の結果が出なければ、利用することができません。

要支援は1・2に、要介護は1~5に細かく分類され、数字が大きくなるほど介護の必要性が高くなり、受けられるサービスの量も増えていきます。

要支援状態とは本格的に介護を必要とする前の段階で、要介護状態とは介護を受けながらも自分らしい生活を送られるようにする支援することです。

今回は、そんな要介護認定の区分について基準や各等級の状態について解説していきます。

要介護認定とは?認定基準や認定の流れをわかりやすく解説【2019年度版】

要介護認定の流れ

介護保険サービスを利用するために必要な要介護認定は下記のような流れになっています。

  1. 介護保険サービスを受けたい旨を居宅介護支援事業所か地域包括支援センターに連絡
  2. ケアマネジャーなどが代理申請書類を作成
  3. ケアマネジャーなどか自治体(市区町村)に申請書類を提出
  4. 自治体から主治医に連絡し、意見書の依頼が行われ、同時に訪問調査の日程調整が行われる
  5. 訪問調査が実施される
  6. 認定の結果が出る

認定の結果、『自立』という結果なら介護保険サービスは利用できません。

申請をしてから結果が出るまで概ね1ヶ月が目安とされていますが、申請が混雑しているときは2ヶ月ほどかかるケースもあります。

要介護認定区分のそれぞれの基準とは

申請を行ったあと、『自立』『要支援』『要介護』に分かれます。

『自立』では介護保険の対象外ですが、『要支援』と『要介護』に該当すればそれぞれの状態に応じたサービスを受けることができます。

『要支援』では1と2に細分され、『要介護』では1~5に細分されます。

以下、それぞれの状態の内容について解説していきます。

要支援1

要支援1は本格的な介護を必要としない段階で、なるべくこの状態を維持することで独居生活を継続させることも可能です。

掃除や洗濯など、簡単なことは行うことはできますが、複雑なことになるとできません。

自宅内での移動は手すりや壁を頼りながら歩きます。

食事・入浴・排泄は介護を必要としないで、ほとんどのことを自分で行うことができます。

認知症であることを医師から診断されるケースもありますが、生活に支障が出るほどでは無いでしょう。

介護保険サービスはデイサービスや訪問介護などが使えますが、支給限度額の関係で頻度は少なくなります。

要支援1とはどのような状態?利用できるサービスや限度額まとめ

要支援2

要支援2とはなんとか身の回りのことは自分でできる状態で、これ以上悪化すれば要介護状態になってしまいます。

なんとか自分のことは自分で出来る状態ですが、必要に応じて同居人などからの介護を受ける状態です。

基本的に食事・入浴・排泄は介護を必要としませんが、その時の体調や調子で出来ないこともあるので、臨機応変な介護を求められる場合もあります。

掃除や洗濯など、簡単なことは行うことはできますが、量が増えたり複雑なことになると出来なくなるでしょう。

要支援1同様、認知症と診断されていても生活に支障が出るほどではありません。

介護保険サービスはデイサービスや訪問介護などが使えます。

家族が旅行に行く場合など、ひとりにさせるのが不安な場合には短期間のショートステイも利用できます。

要支援2とはどんな状態?受けられるサービスも紹介【ケアプラン例あり】

要介護1

要介護1は自宅での生活は継続できますが、自分で自由に家庭内を移動するのは難しい状態です。

そのため歩行では杖などがあれば便利だと感じます。

手すりを設置するケースが増えて、住宅改修を必要とするでしょう。

食事は自分で箸やスプーンを使用し、食べることができます。

入浴では誰かの見守りがあれば安心で、浴槽に入ることが少し難しくなるでしょう。

排泄においては、時々失禁などがあり尿取りパットや失禁パンツを利用する人もいます。

外出もできますが、自分の身体が自由に動かないことが原因で長距離の外出ができなくなります。

家族以外の人と関わることで良い刺激を受けて、脳を活性化させる目的でデイサービスの利用ができます。

一人暮らしの場合なら、訪問介護の頻度が少しずつ増え始め、機能訓練に興味がある方へはデイケアも利用する人が出てきます。

要介護1ってどんな状態?受けられるサービスや費用について徹底解説

要介護2

要介護2の状態は、自分の身の回りのことが出来なくなってきます。

そのため、食事を作ったり、風呂を洗ったりすることは家族などの支援が必要となるでしょう。

歩行は屋内ならなんとか可能ですが、屋外になると車椅子で移動する方が便利で身体への負担が少なくすることができます。

食事はお膳が目の前にあれば自分で食べることができます。

入浴は自分で入るのが困難になり、洗身も自分ではできず、浴槽への移動も手伝いを必要とするでしょう。

排泄は関しては失敗が少しずつ増えてきます。

認知症と診断された方は、明らかな物忘れが目立つようになり日常生活に支障が出ます。

介護保険サービスは毎週定期的に計画され、例えば『月・木はデイサービス』『土・日・月はショートステイ』というプランが作成されます。

要介護2で受けられるサービスや1人暮らしで注意すべきことについて徹底解説!

要介護3

要介護3は自分一人での生活に限界を感じ、誰かの助けがなければ生活が難しくなります。

自宅では移動することが減り、TVの前のソファやベッドの上など、特定の場所で過ごすようになります。

部屋から部屋に移動したり、廊下を歩くことが困難になり、ベッド周辺をサイドレールにつかまりながら何とか歩ける程度です。

食事は準備ができればスプーンや箸で口まで運べますが、時々食べこぼしがあります。

入浴は介助者がいれば一般的な浴槽で入浴が可能ですが、浴槽内・脱衣所などに住宅改修が必要になります。

排泄に関しては紙パンツや尿取りパットが欠かせなくなり、一日数回は交換する必要性が出てきます。

人によっては夜間はオムツで対応して、トイレに行かなくてもいいような準備が必要とされます。

要介護3になると比較的安価な施設である、特別養護老人ホームへの入居条件を満たすことになるため、この区分から老人ホームへの入居を決める人が多くなったり、宿泊を伴うショートステイなどを利用する人が多くなります。

要介護3になると特養に入居できる!状態や認定基準など詳しく解説

要介護4

要介護4では自力での移動ができず、自分が思った通りに行動できない状態です。そのためベッドが生活の拠点になり、移動は車いすがメインになります。

食事は一部介助か見守りがあれば、自分で食べることができますが、器を適切な場所に移動したりしないと、箸やスプーンを上手く使えません。

入浴は自宅の一般的な浴槽では行うことができず、介護保険サービスを利用して入ることになります。

排泄はオムツを着用する人が急に増えます。

尿意・便意がなく、オムツ内が汚れている時間が増えますので、家族がいつも気にかけておく必要があります。

認知症については、物忘れなどに加えて、介護への抵抗、感情が不安定になる、幻聴・幻覚、昼夜逆転、物とられ妄想などがあり、家族は頭を抱えることが増えるでしょう。

要介護4の状態とは?在宅介護で利用できるサービスや費用について解説

要介護5

要介護5は最も重度で生活に全てにおいて介助が必要になります。

車いすを利用するのはもちろんですが、自分自身で身体を支えることができず、リクライニング車椅子を利用することになります。

ベッド上の生活がメインですが、自分で体位を変えることができず、夜中でも介護者が体位変換をしないといけません。

食事は介助なしでは食べることができないばかりか、認知症が影響して口に入れても「ペッペッ」と自分で吐き出してしまうこともあります。

入浴・排泄はプロによる支援でないと難しいでしょう。

介護保険サービスは毎日利用でき、ロングショートなど多くの時間をプロに任されるようになります。

要介護5で受けられるサービスや在宅介護の注意点をご紹介

それぞれの区分の介護保険の利用限度額とは

介護保険は1~3割の自己負担で利用できますが、決まった範囲内でしか適用になりません。

決まった範囲のことを『支給(利用)限度額』と呼ばれ、設定された一か月で受けた全てのサービスの合計費用を超えてしまったら、その分は全額自己負担になってしまうのです。

下の表をご覧ください。

要介護度 支給限度額
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,650円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

出典:健康長寿ネット 介護保険の支給限度額とは

要支援1では約5万円の支給限度額が設定されていますが、要介護5では約36万円にもなるのが分かります。

この金額の差が、介護の必要性の差ということにもなります。

一般的には支給(利用)限度額以内でサービスを利用しますが、都合によりそれを超えて利用することもあります。

そのような必要性を感じたら、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。

要介護認定区分の変更方法とは

心身状態に合わせたサービスを受けるために、常に正しい要介護(要支援)認定を受けておく必要があります。

そのためには、日々変化する心身状況見落とすことがないようにし、例えば「3ケ月前に比べたら足腰が弱っている」と感じたらまずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。

要介護認定区分の変更手続きを行ってくれます。

もし、どうしても自分で手続きを行いたいのであれば、自治体(保険者)に行って、所定の書類に必要事項を記入しそのまま提出します。

その際、手元にある介護保険証は必ず持参しましょう。

まとめ

認定を受けた結果、『要支援』か『要介護』になれば、それぞれの段階に合わせたサービスを受けられることになります。

今回、それぞれの段階は一般的な状態を記載していますので、必ずしもこのような状態だとは限りません。

例えば、スタスタ歩けるけど重度の認知症により要介護4や5になり方もいらっしゃいます。

「この心身状態って段階的にどれぐらいだろう・・・」と気になるご家族も多いかと思いますので、ひとつの目安として参考にして頂けければ幸いです。

要介護認定区分について

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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