ケアプランとは?作成方法から実際の例までケアマネジャーが解説!

「そろそろ介護について考えていかないと…」と思いつつも、どうやって介護保険サービスを利用すればいいか分からないという方は多いのではないでしょうか?

ホームヘルパーやデイサービスといった介護保険サービスを利用するには、まず要介護認定を受けて要介護または要支援状態であると認められたうえでケアプランの作成が必要です。

ここではそんなケアプランの役割や作成の流れ、介護保険で利用できるサービスについて、あわせて要介護度1・要介護度3のケアプラン事例をご紹介させていただきます。

要介護認定を受けた人も今後受ける可能性がある人もぜひ記事を参考にしていただき、今後の介護の計画に役立てていただければと思います。

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ケアプランとは

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ケアプランとは、介護保険サービスを利用するための利用計画書のことで、本人がどのような形の生活を望むのかを考え、それに対して必要な介護保険サービスの種類や頻度などに基づいて作成されます。

また、地域の知り合いや家族、親戚などのサポートも、フォーマルサービスとして活用されるため、ケアプランに記載されます。

正式には居宅サービス計画書(介護予防サービス計画書)・施設サービス計画書と呼ばれ、「利用者ひとりひとりの状況を考慮し、その方らしい生活を目指します。そして、生活にメリハリを持って、いきいきとした生活が送られるように支援していくための計画書」なのです。

例えば、認知症があっても住み慣れた地域で1人暮らしを続けたい・寝たきりになっても外出して社会的な交流を続けたいなどの希望を実現するために、どんなサービスをどれくらい利用すべきかということが記載されています。

介護度によって利用できる介護保険サービスの種類に違いがあり、個々によって頻度などが異なるため、1人1人に合わせたより良い生活を目指すために改善すべき点や取り組むべき内容が反映されています。

ケアプランを作成するにあたり、本人の心身の状態や生活のニーズ・目標を把握し、本人を含め関わる人全てが目標に向かって意識と方向性の統一を行い、適切なケアを可能にします。

また、要介護度によってケアプランの作成者が異なり、要介護1~5の方は居宅介護支援事業所のケアマネジャー、要支援1・2の方は地域包括支援センターのケアマネジャーとなります。一部の介護予防プランでは地域包括支援センターから委託を受けた居宅介護支援事業所のケアマネジャーが介護予防ケアプランの作成をするケースもあります。

ケアマネジャーは本人や家族が安心して生活していくため、人によって異なる生活環境や価値観を考慮し、本人や家族に寄り添い尊重しながら作成し、高齢者の方の生きるモチベーションやADL(日常生活動作)・QOL(生活の質)の向上、生きる楽しみにつなげていきます。

ケアプランが必要になる介護保険サービスの種類

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介護保険サービスは大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分けられ、居宅サービスでは、介護サービスを利用して在宅生活を継続させる目的があり、訪問介護・デイサービス・訪問看護・ショートステイなどや福祉用具貸与や住宅改修が含まれます。

施設サービスでは、介護保険施設に入所し施設介護を受けるサービスで特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設が対象となります。

また、住み慣れた地域で自分らしく過ごしたいという方のために「地域密着型サービス」がありますが、こちらは小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護・グループホームなどが対象となります。

これら「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の介護保険サービスは、要介護認定を受け、ケアプランがないと利用することができません。

本人や家族抜きで、勝手にプランが遂行されるのを防ぐため、ケアプランへの同意がなければサービスの開始は制度上の認められません。

ケアプランの作り方と流れ

介護保険サービスは、状態や介護度に応じた介護保険サービスの種類と頻度が反映されたケアプランに基づいてサービスが提供されます。その際、基本的にはケアマネジャーがケアプランを作成しますが、本人または家族が作成することも可能です。

ケアマネジャーに依頼する場合と本人または家族が作成する場合それぞれのケアプランの作成のやり方と流れについてご説明します。

ケアマネジャーに作成を依頼する

ケアマネジャーにケアプラン作成を依頼する場合、下記のような流れになります。

  1. アセスメント…厚生労働省の「課題分析業準項目」などの項目に基づき本人や家族の希望・心身の状況・生活環境などを面談し課題の抽出を行います。
  2. ケアプラン原案作成…課題を分析し、利用する介護サービスの種類や時間、頻度などをまとめケアプラン原案を作成します。
  3. サービス担当者会議…ケアマネジャー・利用者・家族・介護サービス事業者が集まり、課題に対してそれぞれがどのような介護サービスを提供していくか話し合います。
  4. ケアプラン作成…サービス担当者会議の結果をもとに、本人と家族に説明し希望に沿ったプランか確認し、同意を得て署名・捺印をもらいケアプランが完成されます。
  5. サービス開始…ケアプランが確定したら利用者が介護サービス事業者と契約し、サービスが開始されます。
  6. モニタリング…本人の自宅を定期的に訪問し、ケアプランが計画通りに進んでいるか確認します。調整が必要な場合はケアプランの見直しをします。

ケアマネジャーは介護や医療の専門知識や経験に基づいて、利用者のQOL(生活の質)を高めるケアプランを作成します。介護事業者間の調整代行を行うため、利用者や家族の手間が軽減されるメリットがあります。

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ケアマネジャーに依頼せず本人またはその家族で作成する

セルフケアプランを作成する流れは以下の通りです。

  1. ケアプランの自己作成の届出…自治体(保険者)の窓口で、自己作成の申告します。
  2. ケアプラン作成…どのサービスがどれくらい必要かを検討し、手書きでケアプランを作成します。
  3. 介護サービス事業所との調整…希望する事業所に連絡し、利用する時間帯や頻度など調整します。
  4. ケアプラン提出…作成したケアプランを自治体の窓口へ提出し確認印をもらいます。
  5. サービス利用開始…介護サービス事業所へケアプランの写し、サービス提供票・サービス提供票別表を提出し、サービスの利用が始まります。
  6. 実績報告…月末にサービスが終了したら実績を記入したサービス提供表と別表を自治体窓口へ提出します。実績とは、居宅介護支援事業所と介護保険サービス事業所が、実際にサービスを利用したことに間違いがないか確認して書類にまとめることです。

個人でケアプランを作成することはセルフケアプランといいますが、セルフケアプランには必要なサービスの利用の厳選とOQLの向上のメリットがあります。

とはいえ、ケアマネジャーは介護の専門家ですので、よほどの理由がない限りはケアマネジャーに作成を依頼するとよいでしょう。

ケアプラン作成を依頼しても自己負担はなし

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2020年1 月現在ではケアプランの作成は介護保険の給付対象となり、ケアマネジャーへ依頼した場合も利用者の自己負担は一切ありません。

しかし、2021年度に行われる介護保険制度改正に向けてケアプランの有料化の導入が議論され、導入は見送りになりましたが今後有料化される可能性もあるでしょう。

ケアプラン有料化を導入することで介護給付費抑制やケアプラン作成の質の向上、セルフケアプラン増加による利用者の自立支援の拡大などメリットがありますが、介護保険サービスの利用控えや専門職によるケアマネジメントができないデメリットがあります。

実際のケアプランの例

実際のケアプランがどのようなものになるか要介護度1と要介護度3の方について、それぞれケアプランの例と狙いをみてみましょう。

□要介護度1 Aさん(女性)独居

下肢の筋力低下が認められ、ふらつきが多い。入浴時転倒のリスクが高く、1人で入浴できず近くにいる娘が週に2回訪問し入浴介助している。入浴や生活の一部サポートが必要。

【本人の意向】

サービスを利用しながら、できるだけ一人暮らしを続けて近隣の友達との交流を楽しみたい。

【娘の意向】

仕事をしているため週に2回が限界。安全に一人暮らしを続け活気良く過ごしてもらいたい。

【ケアプランの狙い】

安全な生活を継続のためサービス利用により心身機能の向上を目指し、娘様の介護負担の軽減を図り、導入する介護保険サービスは、通所介護(2回/週)訪問介護(生活支援2回/週・身体介助 1回/週)が検討されます。

□要介護度3  Bさん(女性)高齢の夫と二人暮らし、老々介護

下肢筋力の低下あり、歩行時はふらつきが強く介助が必要。排泄や入浴の動作などは全介助。認知症により意欲低下、昼夜逆転、夜間せん妄あり。夫も高齢で持病があり介護負担が大きい。

【本人の意向】

夫とずっと一緒に過ごしたい。

【夫の意向】

妻のことはできるだけ自分でしたいが、持病が悪化してしんどい。

【ケアプランの狙い】

Bさんの心身機能の低下を防止し安全な日常生活のサポートとともに、夫の介護負担の軽減を図り、夫婦2人の安全な生活が持続するよう支援します。

導入する介護保険サービスは、通所介護(3回/週)訪問介護(生活支援3回/週・身体介護 2回/週)、ベッドや車いす等の福祉用具貸与が検討されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ケアプランの役割や作成の流れ、介護保険で利用できるサービスについて詳しくご説明させていただきました。

介護はゴールが見えず、長期的な視野をもって考える必要があります。

適切なケアプランによって適切な介護を受けられ、本人や家族の意向を尊重し自分らしい生活が継続できるメリットがあります。

本人や家族が頑張りすぎないケアと自立した生活の実現を目指し、ケアマネジャーとよく相談してケアプランを協同して作成することが大切です。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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