ジェロントロジーとは?南カリフォルニア大学のオンライン講座で人生100年時代へのパスポートを手に入れよう
人生100年時代において、「20年間勉強し、40年間働き、その後年金で老後を暮らす」という旧来型の人生設計は崩壊しつつあります。
日本人の平均寿命は今後120歳まで伸びるとも言われている中で、いつまでも若々しく生きていきたい、人生の後半を迎えるにあたり少しでも自分らしくイキイキと暮らしていきたい、それを実現するために「きっかけ」を探している方も多いのではないでしょうか?
そんなあなたに今回おすすめするのがジェロントロジーという学問です。
ジェロントロジーとは、「加齢における研究」で、医学や心理学、生理学、社会科学などあらゆる分野を網羅する学際的な学問で、老化の仕組みを知って、老化を遅らせ、生活の質を向上させて生きがいを見つけて、いつまでも身心ともに自分がわくわくとした生活を送るかということを目的としています。
南カリフォルニア大学から始まったこのジェロントロジーですが現在世界の167カ国の大学で学ばれています。
ジェロントロジーは大学の学科ということもあり取っ付き難い印象を抱くかもしれませんが、そんなことはありません。
学術論というよりは、日々の生活に活用できる内容なのが特徴となっています。
またジェロントロジーを今から学ぶのは東京大学の大学院に入学したり、海外の大学に入学する必要がありハードルが高いのではないか?と考える方もいらっしゃるでしょう。
実は南カリフォルニア大学のジェロントロジー学科の授業は「ジェロントロジー・スカイ・キャンパス」という学校法人山野学苑・山野正義総長が南カリフォルニア大学と共同開発したものになります。
そして南カリフォルニア大学ジェロントロジー学科通信教育課程修了という学歴になるのも特徴です。
そんな「ジェロントロジー・スカイ・キャンパス」について今回は飯田ヤスヒサ氏に取材致しました。
飯田ヤスヒサ氏
学校法人山野学苑 一般財団法人
美齢学ジェロントロジーセンター理事
1985年から25年間、アメリカニューヨークで生活。
2010年に日本に戻り、現在は学校法人山野学苑 一般財団法人 美齢学ジェロントロジーセンター理事を務め、Dreamway Societyという美意識と健康に関心のある方々との交流会を運営し、ジェロントロジーの普及活動を進めています。
https://www.facebook.com/groups/bubblyiida/
目次
初めてでもわかるジェロントロジーについて
─── 改めてにはなりますが、ジェロントロジーとは何かを教えてください。
ジェロントロジーという言葉は造語で、ジェロンはギリシャ語で「老人」、ロジーは「学問」という意味であるため、日本ではジェロントロジーを老齢学や加齢学と訳されることが多いです。
このような訳され方をすることが多いためどうしても高齢者や介護の分野の話だと考えがちですがそうではありません。
南カリフォルニア大学のジェロントロジーでは、年をとるということは人によってスピードが異なるという前提がまずあります。
そもそも高齢者とはなんでしょうか?日本では65歳~74歳が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者と定義されています。
しかし65歳になったら高齢者はみんな同じように老けていくのかというとそうではありません。
老化には大きくわけて3つあります。ここではまず2つ説明します。
1つ目は健康面の老化が挙げられます。これは分かりやすいでしょう。健康面の老化を防ぐためにジェロントロジーでは医学の知識・予防・栄養学・運動について学ぶことができます。
2つ目は外見面(コスメトロジー)の老化です。同じ一卵性双生児でも生活した環境や経済状況によって、老化の進行は異なります。
人間の老化は20歳前後から既に始まっていて、老化のスピードは遺伝子や人生経験、ライフスタイル、社会的、心理学的などの要素により人それぞれ変わります。
老化の仕方は人それぞれ異なるものだという考え方がまずジェロントロジーの基本にはあります。
そして老化を遅らせるには老化の仕組みを知る必要があります。
そのため冒頭でも説明しましたが、ジェロントロジー学は老化の仕組みを知って、身体・精神・美容面において逆にいかに老化を遅らせ、生活の質を向上させて生きがいを見つけて、いつまでも身心ともに自分がわくわくとした生活を送るかということを目的としています。
ジェロントロジーを学ぶということは高齢者のみならず、年齢に関係なく「未来のあなた」が、生き甲斐を持ってときめく人生を送るためにあります。
ジェロントロジーは高齢者のためだけのものではない

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─── ジェロントロジーは高齢者の方のためだけではないという考えについてお伺いしたいです。
ジェロントロジーを学ぶということは、高齢者の問題だけでなく、20歳以上の方々が将来生きがいを持って、ときめく人生を送るために必要だと私は考えています。
若い人からすると関係ない、と思うかもしれませんが高齢者は未来のあなたです。
老化に対する考え方は若いうちから身に着けておくことが大事です。
南カリフォルニア大学の若者に高齢者のイメージを調査した際の内容を例として共有します。高齢者のイメージについて質問した際に返ってきた回答は「じじくさい」、「将来が見えない」、「夢がない」などといったものでした。高齢者に対する固定観念を抱いていますね。これはよくありません。
なぜかというと、マーラ・マザー博士が行った心理医学と社会医学の医師協会の研究はで、老化をポジティブに受け入れた人は、そうでない人よりも、死亡率が低く、調査結果では寿命の差は7.5年も長生きすることが発表されているからです。
これは単にポジティブ思考だと長生きするという意味ではありません。老化の固定概念を持つことは人の寿命に大きな影響を及ぼします。
そして人はどんな時に年を取ったと思いますか?
それは60~65歳、病気や友人、家族の死に直面して、老年期の入り口にあると気づき始める時です。
先ほどのような固定観念を持っている人がその年代になると、年をとってしまったな~と思うようになってしまい寿命に悪影響を与えます。
そのため老化に対する自分の考え方が大事になります。
年齢はただの数字です、意識して固定観念を持たないことが大事ですね。
人生100年時代、いきいきと暮らしていくためにはどうしたらよい?

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─── 人生100年時代においてこれから人生の後半を歩む人はどのように暮らしていけばよいでしょうか?
まずは夢を持つことです、英語ではDreamです。
これを一歩踏み出すと夢は目標になります、英語ではGOALですね。
具体的な目標や生き甲斐(ゴールテープ)に向かって走ることが大事です。
具体的な生きがいをもつことに年齢は関係ありません。
定年後に何もやることもないという人もいれば、いきいきしている人もいます。
夢や目標がなく何もすることがなければ、定年後すぐに老けてしまいます。
そうなると自分が思っていた固定概念どおりの人間になってしまいます。
もう一つは大事なのはストレスを減らすことです。先ほど説明した老化の3つ目が精神面の老化になります。
精神面の老化の原因はストレスにあります。
慢性的なストレスの減らし方として重要なのは、毎日うきうきワクワク暮らすことです。
しかし、じぶんだけワクワクしていてもストレスは減りません。
あなたにとって大切な人をワクワクさせて笑顔にさせることで、自分も笑顔になってストレスが減ります。
どうやったら毎日ウキウキワクワク生きていけるか?
ウキウキ、ワクワクは老化の進行を遅らせる。その話はよく聞くけど根拠はあるのか?と思います。その根拠を学術的に教えているのがジェロントロジーなのです。
そして誰もが健康で長きすることを望めば社会は必然的に高齢化します。
人生100年時代。与えられた時間を如何に楽しく、健康に生きるか、二周目の人生における幸せの形を見つけることが大事になってきます。
平均寿命は延びましたが健康寿命の差は男性で9年、女性で13年あります。要介護状態は非常にストレスのたまることです。
超高齢社会ではなくこれからは、健康長寿社会で自立した生活を送るが重要になってきます。
健康長寿のための3つの柱は、①身体活動、②栄養、③社会参加です。
しかし目標もないのに健康長寿のために3つを精力的に取り組むことは難しいです。そのため目標や生き甲斐を持つことがまず大事になってきます。
ジェロントロジーを学ぶことで得られるもの

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─── ジェロントロジーを学ぶことで得られるものについて最後にお伺いしたいです。
ジェロントロジーを学ぶメリットは主に3点あります。
1つはストレスフリー・若くいられることです。
美意識の高い人や美容家、元気に若々しくいきたい人、などにおすすめです。
2つ目は実際に介護や福祉、健康ビジネスに携わっている人です。より高齢者の気持ちがわかることで自分の仕事におけるスキル向上にも繋がります。
また在宅で家族を介護している人やご自身が大病した人にも役に立ちます。
3つ目はご自身のキャリアにも活かせる点です。
ジェロントロジーという学問は医学や心理学、生理学、社会科学を学際的に学べるのでご自身の生活やビジネスにも幅広く活かすことができます。
またこれはスカイキャンパスならではですが、スカイキャンパスを修了すると、南カリフォルニア大学ジェロントロジー学科通信教育課程を修了することになり学歴を得ることができます。
学歴という目標に対して勉強するのも、きっかけとしては良いと考えています。
まずは目標を持ってしっかりと学んで修了する。修了すると人に話したくなります。
ジェロントロジーってどういう学問?と聞かれると答える必要があります。答えることにより復習にも繋がり自分の知識が定着し、自分の生活にも還元できますね。
まとめ
ジェロントロジーを学び活用する人を増やすことを使命とする飯田ヤスヒサ氏。今回はジェロントロジーの魅力についてふんだんに語ってもらいました。
ヒトシア編集部の私も毎月山野美容専門学校ではスカイキャンパス講座の無料の体験講座に参加しています。
※新型コロナの影響で今は講座を開いていませんが、今後再開を予定しています。
現在講座は開いていませんが、ジェロントロジーについて解説する飯田氏のyoutubeアカウントが先日開設されているのでまずはこちらを見てみるとよいでしょう。
Youtubeの他にもAppleのPodcastでも聞くことができます。
参考:AppleCLIP2:Apple Podcast内の「ジェロントロジーって?」:2020年3月13日
また日本でジェロントロジーという言葉が広まったきっかけとなった寺島実郎氏のジェロントロジー宣言という本もあります。
この本をきっかけに知識人がジェロントロジーという言葉を使い出したことで広まり現在に至ります。
※5/15現在Kindle unlimitedでも読めるのでこちらを読んでみるのもよいでしょう。
そして山野正義総長も美齢学という本を出されています。
※画像をクリックするとAmazonのURLに遷移するので是非ご覧ください。
この記事やyoutubeをきっかけに、ジェロントロジーに興味が湧いた、スカイキャンパスに申し込みたい、まずは話を聞いてみたいというそこのあなた。
お問い合わせ・お申し込みは下記のメールアドレスにメールを頂ければ、ご連絡差し上げます。
ジェロントロジーはいわば人生100年時代へのパスポートのようなもの。
もうすぐ定年を迎える方や子育てが終わって一安心された方。人生の後半を上り坂にするかどうかはあなた次第です。
これを機にジェロントロジーを学んでみるのはいかがでしょうか?