【管理栄養士が選ぶ】栄養価の高い野菜ランキング!

野菜

近年では、ガン、心臓病、脳卒中などの生活習慣病で亡くなる方が多くなっていますが、その予防として野菜に含まれる栄養素や成分の有効性が報告されています。

「野菜は1日350g以上食べましょう」と国が推奨していることもあり「野菜をなるべく食べるようにしなくては!」と思う方も多いとは思います。

しかし、実際にスーパーに行くとさまざまな野菜が売られているので、どの野菜の栄養価が特に高いのかわからなくて選びづらいといったお悩みはありませんか?

近年は季節に関係なくスーパーに野菜が並んでいますが、野菜には「旬」があり、旬を迎えた野菜ほど栄養価が高くなる傾向にあります。そこで今回は四季ごとに旬で栄養価が高いおすすめの野菜を紹介します。

五大栄養素のうち野菜に多く含まれる栄養素とは

人間は生命活動をおこなうために食べ物に含まれる栄養素からエネルギーをもらっています。

食べ物の中に含まれている栄養素のうち、糖質、たんぱく質、脂質の三つをまとめて「三大栄養素」と呼んでいます。この三大栄養素はエネルギー源や身体の構成成分として働いてくれています。

そして三大栄養素にビタミン、ミネラルを加えて「五大栄養素」と言います。三大栄養素の分解や合成といった代謝を助け、免疫や抗酸化作用の活性化、生体システムを円滑にする働きがあるのがビタミンとミネラルで、これらは野菜に多く含まれています。

これらの五大栄養素のうち特に野菜に多く含まれている栄養素をそれぞれ見ていきましょう。

ビタミン

ビタミンは私たち人間の生命活動に必要不可欠な栄養素で、必要量は少ないですが体内でほとんど作ることができないので、食品から摂取する必要があります。全部で13種類あり、大きく分けると「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」に分類されます。

水溶性ビタミンにはビタミンB群、ビタミンCが多く含まれますが、一度に摂りすぎるとため込むことができずに尿として排泄されてしまうため、毎食こまめに摂る必要があります。

脂溶性ビタミンはビタミンAやビタミンEなどが多く含まれ、油と一緒に摂ることで吸収率が上がるので、調理方法を工夫したいところです。

ミネラル

ミネラルには骨や歯といったか身体の構成成分になってくれるカルシウムやマグネシウム、酵素の構成成分となってくれるマンガンや亜鉛などがあります。

他にも神経や筋肉の興奮を調整してくれるカリウムなど、身体の調子を整え健康維持に欠かせない栄養素がミネラルなのです。

全部で16種類ありますが、ビタミン同様に体内で作ることができません。不足すると貧血や骨粗しょう症をはじめさまざまな疾病の原因にもなるため食事から摂る必要があります。

食物繊維

人間の消化酵素では消化できない成分のことで、以前は栄養にもならない「食べ物のカス」として扱われていました。

しかし現在ではその考えが見直され、腸内細菌による分解や発酵を経てエネルギー源になったり、短鎖脂肪酸に変化して代謝を促進したり、脂肪の蓄積を防いだりすることがわかっています。そのため現在では、食物繊維を「第六の栄養素」と呼ぶようになりました。

食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があります。

不溶性食物繊維は腸の働きを刺激し、腸内に発生した有害物質の排泄を促す作用から、便秘の改善に役立ちます。水溶性食物繊維は、コレステロールや糖質の腸内からの吸収を妨げ、脂質異常症や糖尿病の予防が期待されています。

春が旬の野菜栄養ランキングTOP3

春野菜は、冬の寒い時期に地中から芽を出し、害虫から身を守るための成分をゆっくりとため込みながら成長することから、【苦み】や【香り】が独特な野菜が多いのが特徴です。

春野菜独特の苦みは「植物性アルカロイド」という成分で、腎臓のろ過機能を向上させ、老廃物を排泄する解毒作用や、新陳代謝を促進する働きがあります。

セリ科の野菜から放たれる香り成分は「テルペン類」が多く含まれているため、血圧を下げたり、血行を促進したりする作用や心を落ち着かせる作用があります。

キャベツや菜の花などのアブラナ科の野菜には「グルコシノレート」という辛味成分も含まれていて、肝臓の解毒作用にも有効です。それでは早速、春に旬を迎える野菜には、どれだけ豊富な栄養が含まれているのか見ていきましょう。

参考:銀座血液検査ラボ「栄養たっぷり!旬の春野菜を食べましょう

第1位:セロリ

個性的な風味が特徴のセロリは、淡色野菜には珍しい「β-カロテン」を多く含んでいます。β-カロテンは必要量だけビタミンAへと変換され皮膚や粘膜、目の健康を維持してくれます。他にも骨の形成にかかわるカルシウム、貧血を予防する鉄、便通を良くしてくれる食物繊維も豊富です。

可食部は茎だけと思われがちですが、葉には茎の約2倍のβ-カロテンが含まれているので一緒に食べるようにしましょう。

また、独特の香りの成分は「アビオイル」と「ピラジン」と呼ばれるもので、アビオイルは食欲増進作用、ピラジンは血流を良くし血行促進の効果も期待されます。

 

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セロリがもつ栄養とは?実は葉っぱが栄養たっぷり【管理栄養士が解説】

第2位:春きゃべつ

キャベツ

水分が多く、葉が柔らかい春キャベツは、有害な活性酸素から細胞を守ってくれる抗酸化ビタミンのビタミンCや食物繊維をはじめ、胃腸の粘膜を丈夫にし、消化を助けてくれるキャベツ特有の栄養素「ビタミンU(別名:キャベジン)」が含まれています。

生のキャベツが食べにくいという方でも、春キャベツは葉が柔らかくてみずみずしいので、千切りにするなどして付け合わせにしてみてはいかがでしょうか?

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キャベツに栄養がないってほんと?管理栄養士がキャベツのもつ栄養と調理法を解説

第3位:新玉ねぎ

年中、食べることができる野菜も多い中、この時期にしか食べられない野菜が【春〇〇】とついているものや【新〇〇】と呼ばれているものです。春キャベツ同様、この時期に収穫された野菜は通年で回っているものに比べて甘味やみずみずしさがあるのが特徴です。

玉ねぎには、糖質の代謝を促してくれるビタミンB1が他の野菜と比べても多く含まれるのですが、それと同時に注目したいのが辛味成分のもとになる「硫化アリル」です。

硫化アリルは、ビタミンB1の吸収率を上げるほか、血液をサラサラにし、コレステロールを抑えてくれるので生活習慣病の予防にも効果的です。

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【管理栄養士が解説】玉ねぎがもつ栄養素と効能とは

夏が旬の野菜栄養ランキングTOP3

6~8月が旬の夏野菜といえば、トマトやピーマン、なす、きゅうり、トウモロコシなど色がハッキリと鮮やかなものが多いのが特徴です。

また、夏バテになりやすい時期でもあることから、この時期に旬を迎える野菜は、水分やカリウムを多く含んでいるため、火照った体を内側から冷ましてくれる働きもあります。また、加熱をせずに生で食べることができる野菜が多いのも特徴です。

第1位:モロヘイヤ

刻むとオクラやとろろのような粘りが特徴のモロヘイヤは「王家の野菜」とも呼ばれるほど栄養素がたくさん含まれている野菜です。特に三大栄養素がエネルギーに変わるのを助けてくれるビタミンB2はほうれん草の約21倍も含まれています。

他にもほうれん草と比べてカルシウムは約7.5倍、ビタミンB1は5.5倍もの量が含まれています。夏バテの疲れがなかなかとれないときや、骨粗しょう症などの骨の健康が気になる方は積極的に摂りたい野菜です。

第2位:トマト

抗酸化作用の高いビタミンAとビタミンCが多く含まれています。またビタミンEが多いオリーブオイルと一緒に食べることで抗酸化力を上げてくれる作用があるので食べ合わせも気にかけたい野菜の一つです。

トマトには、血管を強くしてくれる「ルチン」も多く含まれています。ルチンは血圧を下げてくれる作用があるので高血圧の方にもおすすめの野菜です。

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第3位:ピーマン

ビタミンAやビタミンCが多く含まれるピーマンは、色とりどりの種類があり楽しませてくれます。緑色のものは、未熟なうちに収穫したもので、緑の色は葉緑素です。完熟するにつれてカプサイシンという赤色色素が増えて赤ピーマンに変色します。

香り成分の元でもある「ピラジン」は血液をサラサラにしてくれ、血栓を防いでくれる効果があります。

色によっても少しずつ栄養価が変わり、黄色の品種にはビタミンCやビタミンEが、黒色のものにはアントシアニンの色素が混じっているので、さまざまな色のピーマンを食卓に並べると目で見て楽しめるうえに、栄養素もたくさん摂れるのが嬉しいですね。

秋が旬の野菜栄養ランキングTOP3

9~11月が旬の秋野菜は、厳しい夏の暑さを乗り越えて育ったサツマイモや里芋、山芋などのイモ類や、野菜の収穫量が減る冬まで保存ができる、にんじんやゴボウ、れんこんなどの根菜類が多いのが特徴です。

夏の暑さで疲れ切った体を回復させてくれるビタミンや、冷たいものの摂りすぎで弱った胃腸を保護し、腸内環境を整えて取り入れた栄養素が吸収されやすいようにしてくれる食物繊維も豊富です。

そのため、糖質や脂質の吸収を遅らせる働きもあることから、肥満の予防にもなり生活習慣病が気になる方にもぜひ食べていただきたいのが秋野菜です。

第1位:ごぼう

ごぼうで注目したいのは、なんといっても食物繊維の多さです。他の野菜と比べても群を抜いて多く含まれています。食物繊維は大腸で発がん物質を吸着させて便として排泄したり、脂肪の蓄積を抑制したり、血糖値の正常化にも役立ってくれます。

また、ポリフェノールの一種「タンニン」は皮の方に多く含まれていて、血流の改善にも効果があるので、皮はなるべくピーラーで剥かずに土をこすり落とす程度にとどめておくと良いでしょう。

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皮にも栄養満点!ごぼうがもつ栄養素とおすすめの食べ方を管理栄養士が解説

第2位:さつまいも

さつまいもは食物繊維の他にビタミンCも豊富です。さつまいもは芋類に含まれ、正確には野菜に分類されませんが、他の野菜と違って熱の影響で壊れやすいビタミンCがでんぷん質に守られているため、加熱調理しても比較的壊れずに残りやすいというのが特徴です。

また、皮にはポリフェノールの一種でもある「アントシアニン」という、ガンの抑制効果や抗酸化作用のある成分が含まれています。また、高血圧の予防にも効果的な細胞の正常な働きを助けてくれるカリウムもたくさん含まれています。

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第3位:しょうが

しょうがは寒くなってくる季節に食べたい食材の一つです。血行促進作用があることから身体を温めてくれる働きがあります。

生のしょうがに多く含まれている「ジンゲロール」という辛味成分は、身体の中から血行を良くして温め、発汗を促してくれるので寒くなる季節には積極的に取り入れてはいかがでしょうか?

また、しょうがを加熱や乾燥させるとジンゲロールが「ショウガオール」という成分に変化します。ショウガオールは胃腸を刺激し、身体全体を温めてくれます。

香り成分でもある「ジンゲロン」は身体を温めるだけではなく、脂肪分解作用もあるのでダイエット効果もあります。

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生姜の栄養とおすすめの食べ方とは?管理栄養士が詳しく解説!

冬が旬の野菜栄養ランキングTOP3

12月~2月に旬を迎える冬野菜は、白菜やほうれん草、ねぎ、ダイコン、にんじんといった葉野菜や根菜類が多いのが特徴です。

また、冬野菜には血行促進作用のあるビタミンEが豊富な野菜が多く、これらは身体を温めてくれます。風邪をひかないよう免疫力をアップさせるビタミンAやビタミンCも多く含まれている野菜も多いです。

冬野菜が旬を迎えると甘味を増すのは、厳しい寒さから凍るのをさけるために水分を減らし、糖分を増やすからなので、旬の時期に食べるとより一層甘味を感じ、美味しくいただけます。

第1位:ほうれん草

ほうれん草

冬に旬を迎える数少ない緑黄色野菜の一つがほうれん草です。β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、鉄、カルシウムなどの栄養素が豊富です。

また、低温になると耐寒のために、養分濃度を高めて細胞を凍りにくくする性質があるため、ビタミンCの含有量は冬に収穫したほうれん草の方が夏に収穫したほうれん草より3倍も多いといわれています。

さらに鉄も野菜の中では豊富なことから女性の悩みに多い貧血でお困りの方は特におすすめです。

第2位:ねぎ

ねぎは、白い部分と緑の部分で含まれる栄養素が違うので使い分けることでさまざまな栄養素を一度に摂ることができます。

白い部分に多く含まれる独特の香りと辛味の成分である「硫化アリル」は、糖質の代謝を円滑にしてくれるビタミンB1の吸収率を高めてくれるほか、消化液の分泌を促して食欲を増進させてくれたり、血行を良くしてくれたりする作用があります。

緑色の部分には、抗酸化力が強く風邪をひかないように免疫力を上げてくれるβ-カロテンやビタミンCなどが多く含まれています。

第3位:白菜

白菜は消化を良くしてくれる「イソチオシアネート」と、腎臓の老廃物の排泄を促してくれる「カリウム」との相乗効果で内臓の調子を整えてくれます。また、イソチオシアネートは抗がん作用や抗酸化作用も報告されています。

鍋やスープとして食べる機会の多い白菜は、煮込むことでかさも減るのでたくさんの量を一度に食べることもでき、ビタミンCなどの水溶性の栄養素も無駄なく摂ることができます。

番外編:栄養があまりふくまれていない栄養ワーストランキング

これまで、野菜にはさまざまな栄養素が含まれていることを紹介してきました。しかし、野菜は水分をたくさん含んでいることから、その水分量によっては他の栄養素が少なく、結果的に栄養が少ない野菜といわれているものもあります。

しかしながら、少ない栄養素でも食べる量や食べ方を工夫することで健康的な身体作りに嬉しい効果もあるので参考にしてみてください。

ワースト3位:きゅうり

ギネス世界記録に「Least calorific fruit(最もカロリーが低い果実)」として掲載されており、これを見た人々が栄養のない野菜と思い込んでいます。

実際にきゅうりは95%が水分でできており、確かに100g当たり14kcalと低いですが、きゅうりにはナトリウムの排泄を促し、むくみや高血圧を解消してくれるカリウムが豊富に含まれています。

また、カリウムには利尿作用もあり体内にこもった熱の排出を促してくれるので、暑い夏には水分補給も兼ねて食べたい野菜です。

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「きゅうりには栄養がない」はウソ!管理栄養士が教える栄養と調理法とは

ワースト2位:レタス

レタスもきゅうりと同様に、全体の95%が水分となっています。よく他の食品の食物繊維量を比べるときに「レタス〇個分」と表記されることも多いですが、含有量が100g中0.5gということから、野菜の中で食物繊維がずば抜けて多いというわけではありません。

しかし、ビタミンやミネラルはとてもバランスよく含まれている野菜です。レタスにもさまざまな種類があり、結球しているレタスよりもリーフレタスのような結球していないタイプの方がわずかながら栄養価は高いので料理によって食べ分けて楽しんではいかがでしょうか?

ワースト1位:もやし

もやし

もやしも水分量が90%以上と多いため、含有している栄養素は他の野菜に比べると少ない傾向にあります。しかし、もやしは種子の時にほとんど含まれていないビタミンCが発芽の段階で急増します。

ビタミンCは、抗酸化作用があったり、コラーゲンの生成を助けてくれたりするので、美肌や骨の形成にも役に立ちます。

もやしは年中価格も安定していて、食卓にも並べやすい野菜でもありますが、もやしに含まれるビタミンCは加熱に弱いので火の通しすぎには注意し、工夫しながら食べたいですね。

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もやしに栄養がないってほんと?管理栄養士がもやしの栄養について他の野菜と比較しながら解説!

まとめ

今回は、季節ごとに旬の野菜を栄養価が高い順にご紹介していきました。もちろん、今回ご紹介できなかった野菜もさまざまな栄養素を含んでいます。

また、今回ご紹介した野菜がすべての栄養素を網羅した野菜というわけではありません。そのため、それぞれの栄養素の長所を意識したり、旬を感じながら、いろいろな野菜を食事で楽しんでくださいね。

この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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