【管理栄養士が教える】万能野菜「かぶ」の栄養を無駄にしない食べ方

かぶ

かぶは、春の七草「すずな」とも呼ばれるように、日本人にとって古くから非常に親しみのある野菜の一つです。

かぶは、根と葉で含んでいる栄養素が異なり、根の部分は淡色野菜、葉の部分は緑黄色野菜に分けられます。

ビタミンが豊富なことから美肌やアンチエイジングの効果に加えて、かぶの根の部分には胃もたれや胸焼けなどにも効く消化酵素(アミラーゼなど)も多く含まれているのが特徴です。

今回は、根も葉も丸ごと食べたくなる栄養たっぷりのかぶを、無駄なく調理し、おいしく食べ、保存できる方法を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

かぶの根に含まれる栄養素・成分の効能とは?

かぶには根と葉の部分があり、この章でご紹介するのは根の部分です。

根の部分は生やすりおろし、加熱するなど、調理法を変えることでさまざまな食感を楽しめることも魅力のひとつです。新鮮なかぶは、白や赤の色が鮮やかでツヤがあるかどうか、傷がないかどうか、手に取ったときにずっしりと重いかどうか、形は丸く整っているか、などを基準にして選んでみてくださいね。

根の部分にしわがある場合は、収穫してから時間が経っており、かぶを手に取ったときに重みを感じないものは鮮度が落ち、スが入っている可能性もあります。

それでは新鮮なかぶには、どのような栄養素が含まれているのかを見ていきましょう。

食物繊維

食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない成分のことで、大腸まで消化されずに届くため、腸を刺激して腸内にある有毒物質の排泄を促し、便秘の予防、改善や腸に関する病気を抑制してくれます。

他にも、血糖値の急な上昇を抑え、コレステロールを腸内から吸収するのを妨げる効果があるため、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の予防にも効果があると期待されています。

カリウム

かぶには100g当たり280mgのカリウムが含まれています。カリウムには、細胞の浸透圧を維持する働きや、水分の調整を行う働きがあるため、塩分の多い食事をしたときや、むくみが気になる方は摂りたい栄養素です。

また、エネルギー代謝をスムーズにし、細胞が正常に働けるよう環境づくりも行っています。カリウムは水に溶けやすく「煮る」ことで、30%ほど損失があるので、汁ごと飲めるスープや味噌汁で食べると良いでしょう。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンというたんぱく質を作るのに必要な栄養素であるため、シミやしわが気になる方にも取り入れていただきたい栄養素です。

身体の酸化を押さえてくれる抗酸化作用もあるため、脳卒中や動脈硬化、心筋梗塞などを予防したり、風邪を予防したりすることに効果的ですので、積極的にメニューに取り入れたいですね。

また、鉄の吸収も助けてくれるので、植物性食品や卵・乳製品に含まれる鉄分の吸収率が低いといわれている「非ヘム鉄」と一緒に摂取すると体内への吸収率を上げることが出来ます。

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アミラーゼ

アミラーゼとは消化酵素の一種で、でんぷんやグリコーゲンを分解する働きがあります。

そのため、胃もたれや胸焼け、消化不良、食欲不振に効果があるので胃腸薬などの治療としても使われています。「今日はちょっと食べすぎたかな?」という日にはアミラーゼを含んだかぶの料理を1品プラスして食べると良いですね。

しかし、熱に弱く酸化しやすい特徴があるので、調理方法を工夫して無駄なく摂りたい成分です。

イソチオシアネート

イソチオシアネートは、白菜やキャベツ、だいこんなどのアブラナ科の野菜に含まれる辛味成分のことです。抗酸化作用があるので、免疫力をアップさせてくれるため風邪やがんなどの予防も期待できます。他にも殺菌作用があり、肝機能の向上にも一役買ってくれる成分です。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

捨てないで!かぶの葉は栄養がたっぷり

かぶ料理

かぶを購入すると「葉はすぐにしおれてしまうので、気が付けば食べるのは根の部分だけ」となっていませんか?

実はかぶの葉には、根の部分に比べてビタミンやミネラルも多く含まれているので、捨てるにはもったいない部位です。緑色にくすみがなく鮮やかで、しなびずにシャキッとハリのあるものを選ぶと、収穫よりも日にちがあまり経っていない新鮮なものを食べることができます。

それでは、栄養たっぷりのかぶの葉には、具体的にどのような栄養素が含まれているのかを見ていきましょう。

β-カロテン

かぶの葉にはβ-カロテンが100gあたり2800µg含まれています。

かぶの根にはβ‐カロテンは含まれていません。葉に含まれるその量はトマトの5倍の量となっており、1日に摂取が必要な量とほぼ同量含まれています。

β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAへと変わり、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをするため感染症を予防し免疫力を高めます。目が光を感じるのに必要な粘膜の色素ロドプシンの主成分がビタミンAであるため、目の健康を維持するためにも必要不可欠なビタミンです。

β-カロテンは脂溶性のため、油と一緒に調理することで腸からの吸収も良くなり、生で食べるよりもかさが減るため一度にたくさんの量を食べることができます。

葉酸

ビタミンB群の一種で、その名の通り緑黄色野菜に多く含まれています。含有量は100gあたり110µgと、1日に必要な摂取量の約半分を占めます。

葉酸は「造血ビタミン」とも呼ばれていて、ビタミンB12とともに、新しい赤血球を作り出すために必要な栄養素です。

不足することはごく稀ですが、葉酸不足によりアミノ酸の一種のホモシステインの血中濃度が上昇した状態が続くと、動脈硬化を招くことも近年わかってきています。

カルシウム

かぶのカルシウムは根よりも葉に多く含まれていて、体内に最も多く存在するミネラルでもありながら日本人に不足しがちなミネラルの1つです。

約99%は骨や歯の形成に関与していて、ビタミンKとともにほとんどは骨に吸着されます。残り1%のカルシウムは、血液や筋肉、細胞に分布し私たちの体の機能のサポートをしてくれます。

カルシウムが慢性的に不足すると、骨量が減少し骨折や骨粗しょう症を引き起こす原因にもなります。閉経後の女性は、ホルモンの影響で骨量が減少しやすいので積極的に摂りたい栄養素でもあります。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

万能野菜であるかぶの栄養を効果的にとる食べ方

かぶの漬物

かぶには根の部分にも、葉の部分にも栄養がたくさん含まれていることがわかりました。しかし、調理の方法によっては栄養素を身体に吸収しやすい形にすることもできれば、知らないうちに栄養素を捨ててしまうこともあります。

そこで、無駄をつくらず効率よくかぶの栄養素を摂り入れる方法をお伝えします。

かぶの根にはアミラーゼやイソチオシアネートなどの酵素がたくさん含まれています。これらの酵素は熱に弱い性質があるため、サラダや浅漬けなど生で食べることをおすすめします。

しかし、旬が寒い季節ということもあって温かい料理で食べたいときもありますよね。

そんなときは、汁も一緒に飲めるスープや味噌汁にすることで、汁に溶け出た栄養素も無駄なく食べることができます。一緒に肉や魚なども汁と一緒に煮込むと、栄養たっぷりのおかずが1品かんたんにできますね。

かぶを買ってきたら、まずは根と葉の部分は切り離して保存します。葉をつけたままで保存すると、根の方へ葉の栄養が取られてしまうからです。

また、葉を切り落とすと傷みが早くなるので、栄養素をなるべく多く残すためにも葉の部分はすぐに調理します。

葉に含まれている栄養素は比較的、水に溶けやすい栄養素が多いためアク抜きをする場合はサッと湯通しする程度にしましょう。

また、β-カロテンなどの油と一緒に摂ることで吸収率のあがる栄養素も豊富に含まれているので、野菜炒めなどにして一緒に食べるのも良いですね。

栄養を逃さないための保存方法

たくさんの栄養素が含まれているかぶですが、この栄養価をなるべく保ったままにするためにも、適切な保存が重要です。

常温で保存する場合は、葉はその日のうちに使いきり根の部分は直射日光や高温を避けて冷暗所で保存することで1~2日は持ちます。

冷蔵庫での保存は、水分が逃げないようにポリ袋や新聞紙で包み、葉は翌日までに、根は1週間を目安に食べきりましょう。

かぶの根のやわらかさを保ちたい場合は、湿らせたキッチンペーパーなどでくるむことをおすすめします。かぶを大量にもらったときなど短期間での消費が難しい場合は、冷凍保存しましょう。

葉はサッと湯がいて食べやすい長さに切り、ラップに包んで冷凍保存することで1か月ほど持ちます。

根も好みの大きさに切り塩ゆでか塩もみした後、ポリ袋やタッパーに入れて保存します。葉とともに1か月ほど持ち、調理する際は解凍せずにそのまま使えるので、忙しい日の時短料理にもつながります。

まとめ

かぶは根にも葉にも栄養が豊富なため、丸ごといただきたいですね。部位によって含まれている栄養素も違うので、サラダや漬物、煮物や汁ものなど色んな調理法で毎日の食卓を彩ってくれそうですね。

今が旬のかぶは栄養もたっぷりなので、調理法なども参考に積極的に摂り入れましょう!

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この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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