管理栄養士が解説 しめじがもつ栄養とその効果とは?おすすめの食べ方や料理もご紹介

しめじ

きのこの種類はたくさんありますが、その中でも手に入りやすく簡単に調理もできるのが「しめじ」です。

しめじのおいしさの秘密は、うま味成分が含まれていることにあります。炒め物や、酢の物、鍋物など、しめじが入るとおいしさがアップして、和洋中のどの料理にも合わせやすいです。さらに、しめじは味が良いだけではなく、身体に良い効果もたくさんある優秀な食材です。

しめじの種類は育ち方の違いで分かれており、木の根に生息する「ホンシメジ」や、菌床栽培の「ハタケシメジ」などがあります。

一般的にスーパーでよく見かけるのは、人工栽培の「ブナシメジ」です。今回は安価で一年中出回っていることから、いつでも購入しやすいブナシメジについてご紹介します。

しめじに含まれる栄養素の効能とは

しめじのおいしさの秘密は、うま味成分の代表とも言えるグルタミン酸が含まれているからです。グルタミン酸は昆布に多く含まれますが、しめじにも同じ成分が入っています。

グルタミン酸の他にも、しめじにはさまざまな栄養素が含まれています。健康維持を助ける栄養素が豊富なので、「血圧が高め」「血糖値が気になる」「むくみを解消したい」「便秘がつらい」などのお悩みを持つ方におすすめです。

では、しめじにはどのような成分が含まれているか、またその効能について一つずつ説明していきます。

カリウム

カリウムは果物や野菜に多く含まれているミネラルの一つです。

カリウムには、体内の水分移動や調整をする働きがあります。体内のカリウムのほとんどは細胞内に存在し、ナトリウムとセットで働くことで細胞内の余分なナトリウムを排出します。このことから塩分の摂り過ぎによる血圧の上昇やむくみを防ぎます。

カリウムの一日の摂取量の目安は、成人女性は2,000mg以上でしめじ100g(1パック程度)にはカリウムが370mg含まれています。

カリウムが不足すると、腎臓の尿を凝縮する機能が低下するので頻尿の原因にもなります。

また、カリウムは神経機能や、筋肉の収縮にも関わっています。下痢や大量の汗によってカリウムが体外に排出され、血液中のカリウム濃度が下がると、筋肉の痙攣や倦怠感が起きることがあります。

食物繊維

食物繊維は、人の消化酵素で消化することのできない食物中に含まれる成分のことです。

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」 に分けられます。不溶性食物繊維は水分を吸収し腸壁を刺激して、腸内の老廃物を絡め取って排出します。

水溶性食物繊維は腸内でゲル化して余分な物質を吸着し、吸収を抑える働きをします。食物繊維は、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせない栄養素です。

しめじ100gには不溶性食物繊維が0.5g、不溶性食物繊維が2.5gと両方の食物繊維が含まれています。しめじ100gあたりの食物繊維量は3gで、食物繊維の多い野菜として挙げられるセロリ(1.5g)と比べ、約2倍含まれています。

また、それだけでなく食物繊維の一種「β-グルカン」も多く含まれているのです。

β-グルカンは免疫力を高めるので、ガンを始めとしたさまざまな病気の予防に役立つといわれています。

ビタミンD

きのこ

しめじを含め、きのこ類全般にはビタミンDが多く含まれています。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進し、骨の形成と成長を促します。

ビタミンDが不足したり、うまく作用しなかったりすると骨軟化症になる恐れがあるので、積極的に取り入れましょう。また高齢の方や閉経後の女性の場合、骨粗しょう症の原因にもなります。

骨粗しょう症の予防には、早い時期からビタミンDを摂取することが大切です。また、ビタミンDはカルシウムと一緒に摂ることで、さらに丈夫な骨や歯を作ることができます。しめじはカルシウムが豊富な乳製品を使って料理をしましょう。

ビタミンDは油脂に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、しめじを油で炒めるとビタミンDの吸収がアップします。

ビタミンB群(ビタミンB1、B2)

しめじにはビタミンB1とビタミンB2が含まれています。ビタミンB1は身体の中で糖質をエネルギーに変える助けをするものです。ビタミンB1が不足すると糖質の代謝がうまくいかず、体内に乳酸などの疲労物質がたまり、疲れやすくなります。

また、ビタミンB1は脳や神経のエネルギー源になるので、集中力や記憶力の向上に役立ちます。

ビタミンB2は脂質、糖質、たんぱく質を分解してエネルギーに変える働きがあります。また、身体を構成する細胞の再生を助けるので、肌荒れや髪のパサつきの防止、健康な爪を作るのに必要な栄養素です。

不足すると口内炎や口角炎、目の充血など、粘膜に異常が現れます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)

しめじとまいたけの栄養の違いは?

まいたけ

しめじとまいたけはスーパーでは仲良く並んで売られていることが多いですね。どちらもきのこの一種ですが、栄養に違いはあるのでしょうか?

2つとも食物繊維、ビタミンB群、ビタミンDを多く含んでいます。ただし、肝臓の働きをサポートするオルニチンはしめじの方が圧倒的に多いです。

一方まいたけには、たんぱく質分解酵素のエンドペプチターゼが含まれており、お肉を柔らかくする作用があります。お肉を焼くときに、ちぎったまいたけを数時間まぶしておくと柔らかくなって食べやすくなりますよ。

同じ理由から、茶碗蒸しにまいたけを入れてしまうと卵のたんぱく質が分解されて固まらないので要注意です。茶碗蒸しを作るときはまいたけではなく、しめじを入れてくださいね。

しめじに含まれる栄養成分を効果的に摂取するには

身体に良い成分がたくさん含まれているしめじを効率よく摂るにはどうしたら良いのでしょうか。調理方法や食べ方を少し工夫するだけで、さらにしめじの栄養価やおいしさがアップします。

しめじは洗いすぎると風味が落ちるので、水でさっと洗います。根元についている固い石突きを取り除いたら、食べやすいようにほぐしましょう。このとき、包丁を使わずに手で裂くと香りが引き立ちます。

保存方法ですが、パック入りの物はそのまま冷蔵庫の野菜室へ入れてください。使いかけのしめじはよく水分を拭き取り、ラップで包んで野菜室で保存します。傷まないうちになるべく早く使うようにしましょう。

干ししめじ

しめじを天日干しにすると、カルシウムの吸収に役立つビタミンDの量がアップします。

干ししめじのつくり方をご紹介します。まず、しめじの石づきをとって食べやすい大きさにほぐしてください。その後、重ならないようザルに広げて1~3日ほど、ひなたで干しておきます。急いでいるときは、料理をする前に30分干すだけでも効果的です。

乾燥したしめじはうまみ成分もアップします。汁物に入れるとおいしい出汁がとれます。

煮汁も一緒に

しめじに含まれるビタミンB群は水溶性のため、煮汁ごと食べられる調理法がおすすめです。スープに入れたり、卵とじにしたりすると良いですね。ちなみに、電子レンジでの調理にすれば、お湯で茹でるよりビタミンの流失を少し抑えることができますよ。

また、ビタミンB群はニラやネギ、ニンニクと一緒に摂ることをおすすめします。ニラやニンニクに含まれるアリシンの働きで調理によるビタミンB群の損失を防ぐからです。

乳製品や小魚と一緒に食べて歯や骨を丈夫にする

しめじに含まれるビタミンDはカルシウムと一緒に摂るとより吸収率が高まります。カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品や小魚に多く含まれています。

しめじをグラタンやクリームシチューに入れたり、酢の物に入れたりしてしらすやわかめを和えるのもおすすめです。

骨を強くするためには適度な運動も必要です。食べ物の栄養だけに依存しないように気をつけましょう

しめじを使ったおすすめ料理3選

ここまで、しめじに含まれているおいしくて身体に良い成分や、効果的な摂取の仕方をご紹介しました。ここからは、しめじを他の食材と組み合わせてさらに栄養アップするお料理をご紹介します。どれも簡単にできるので、ぜひ作ってみてくださいね。

しめじごはん

しめじ

簡単にできる炊き込みごはんです。石づきをとって房をばらしたしめじと、油揚げや鶏もも肉をしょうゆ、酒で和えて一緒に炊きこみます。

しめじに含まれるビタミンB1はごはんの糖質をエネルギーに変える助け、食物繊維が血糖値の上昇を抑える働きをするので、食後の急な血糖値上昇の防止に役立ちます。

ごはんと一緒に炊き込むことでしめじが香り立ち、うま味もでるので、減塩のために調味料は控えめにしてもおいしくいただけます。

しめじとオクラの冷や奴

豆腐は水切りして、食べやすい大きさに切ります。しめじとオクラはさっと茹でてかつおぶしを混ぜ、豆腐の上にのせます。

豆腐は柔らかい食感で食べやすく、たんぱく質を摂ることができます。さらに骨粗しょう症の予防に効果があるイソフラボンとカルシウムも含んでいるのです。

しめじにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDが含まれているため、一緒に食べることで骨や歯の健康を保つことができます。また、オクラはβ-カロテンがたっぷりの緑黄色野菜です。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、視力や粘膜の健康を保ちます。

しめじの担々素麺

しめじを細かく刻み、電子レンジで軽く加熱します。めんつゆ、すりごま、酢、ラー油で味付けしたら、茹でて冷やした素麺にのせていただきます。

食欲がないときでもつるっと食べやすく、ラー油の辛みと酢の酸味が食欲を刺激するので、夏バテしたときなどにおすすめです。麺類を食べるときにしめじを一緒にたべると、しめじの食物繊維が食後の血糖値上昇を抑えてくれます。

また、ごまのセサミンという成分は、血中コレステロールを下げる効果があります。

参考:厚生労働省/e-ヘルスネット「緑黄色野菜」

まとめ

今回はしめじの成分と効能についてご紹介しました。高血圧やむくみの改善効果があるカリウム、お腹の調子を整える食物繊維など、しめじには健康に良い成分がたくさん含まれています。

しかも、しめじは一年中手に入りやすく、手軽に調理しやすい食材です。いろいろな食材とも相性が良く、和洋中のお料理に使うことができます。ぜひ今日のお食事にしめじを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:大矢 眞弓

この記事を書いた人:大矢 眞弓この記事を書いた人:大矢 眞弓

保有資格:管理栄養士
クリニックにて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の栄養指導に従事。長年の経験により、食べる楽しみを損なう事なく、減塩や減量など、患者さんに一人ひとりに合わせた、オーダーメイドのお食事を提案する。
また、企業や自治体での特定保健指導や、小学生から高齢者まで幅広い世代に料理教室を行っている。生徒さんの「今日のメニュー、美味しかったね!」と話される時の笑顔が、栄養士としてのパワーの源。

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