低カロリーが魅力!海藻がもつ栄養を種類ごとに管理栄養士が解説

低カロリーでヘルシーな食材として紹介されることの多い海藻は和え物やサラダ、スープなどさまざまな使い方ができる食材でもあります。

しかし、海藻といっても種類はさまざま。種類によってどのような違いがありどんな使い方ができるのかを紹介していきます。

海藻のもつ栄養素と効能とは

海藻の特徴として、まずは低カロリーという点が挙げられます。ボリュームのある量を食べてもカロリーを抑えることができるので、満足感を得られやすいのがメリットです。ダイエットをしているときはもちろん、加齢に伴ってリスクが高まる生活習慣病の予防にも役立てられることでしょう。

また、海藻類にはミネラルが豊富に含まれています。海藻の種類によって多く含まれるミネラルは異なりますが、貧血予防に効果的な鉄や骨や歯の健康を守るカルシウムなどが主です。

さらに、海藻には水溶性の食物繊維も多く含まれており、腸内環境の改善に役立ちます。水溶性の食物繊維にはコレステロールが体外に排出されるのを促したり、血糖値の上昇を抑えたりする働きもあります。

このような栄養素の働きから、海藻は肥満や生活習慣病の予防・改善、腸の調子を整えるなどさまざまな効果が期待でき、加齢に伴う諸症状についての悩みを持つ方におすすめの食品といえるでしょう。

水溶性食物繊維

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があり、海藻類に多く含まれるのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維は粘着性があり胃腸内をゆっくりと移動するため、満足感を得られやすく食べ過ぎ防止にも繋がります。また、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を穏やかにするという効果も。さらに、コレステロールの排出を促すという働きもあります。

食物繊維というと腸の調子を整える働きばかりが注目されがちですが、それだけではなくさまざまな疾病予防にも役立つ栄養素です。特に加齢に伴う生活習慣病の予防にも役立つので、体重だけではなく血中の糖や脂質の数値が気になる人にもおすすめです。

ヨウ素

ヨウ素は体内に10mgほど含まれており、そのほとんどが甲状腺に集中しています。ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分となり、全身の基礎代謝を促進したり酸素の消費量を増加させる働きがある栄養素です。

ヨウ素は過剰に摂取すると甲状腺ホルモンの合成ができなくなり、甲状腺が肥大して甲状腺腫となります。一方で、不足した場合も甲状腺は肥大し機能が低下するリスクがあります。ヨウ素は過剰でも不足でも身体に影響がある栄養素です。

カルシウム

海藻類のなかでも特に多く含まれているのがひじきです。カルシウムは骨や歯の主成分となる栄養素で、骨はカルシウムの吸収と形成を繰り返しています。血中のカルシウム濃度は常に一定に保たれており、濃度が低下すると骨から溶出させて血中に放出します。この溶出量が多くなることが、骨粗しょう症のリスクが高まる一因です。

また、カルシウムはそれ以外にもホルモンや酵素を活性化させたり、筋肉の収縮や弛緩を調整させたりする働きを持っています。カルシウムが不足するとイライラが起こるといわれているのは、カルシウムが神経伝達の働きにも関与しているためです。

海藻の種類と栄養素の違い

海藻類にはいろいろな種類があります。含まれている栄養素にも種類やその量に違いがあるので、それぞれの海藻でどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

わかめ

家庭での使用頻度も高いわかめは、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

また、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンもわかめにも多く含まれています。β-カロテンは抗酸化作用をもち、生活習慣病の原因などになる活性酸素の除去や働きを抑制する作用がある栄養素です。

わかめはサラダやスープなどいろいろな使い方ができ、保存もききやすいので、いつでも使えるようにストックしておきたい食材の1つです。

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ひじき

ひじきはかつて鉄が多い食材として知られていましたが、製法が変化してきたことにより現在ではそれほど鉄について語られることは多くありません。

しかし、ひじきに含まれている栄養素の特徴は、カルシウムが多いということです。カルシウムには骨や歯の健康維持をする働きがあります。加齢とともに減少しやすい骨量維持のためにもひじきは役立つ食品といえるでしょう。

ただし、ひじきに含まれているヒ素によって健康を害する場合もあります。いくら身体によいとはいっても食べ過ぎには注意する必要がある食品です。

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昆布

昆布は出汁をとるのに使われることが多い食材ですが、ミネラルのなかでもカリウムが多く含まれているので、高血圧やむくみの予防改善などに対しておすすめです。その他昆布にはアルギン酸が含まれており、コレステロールの降下作用が期待されています。

また、昆布に含まれるうまみ成分のグルタミンは水に溶けやすい性質を持つので、使用するときは水で洗わず布巾で表面を拭く程度の処理がおすすめです。

海苔

海苔は正確にはあまのりの干したものを指します。「海の牛肉」といわれることもあるほどたんぱく質が豊富で、海苔に含まれるペプチドの血圧降下作用が期待されています。

また、他の海藻類と比較すると海苔はナトリウムの含有量がとても低いので、血圧が気になる方や塩分量が気になる方などにもおすすめの海藻です。食物繊維も多く含まれているので、少量でも食物繊維をしっかり摂りたい人には活用しやすい食品といえるでしょう。

あおさ

あおさにはマグネシウムが多く含まれています。マグネシウムは半分以上が骨に存在しており、血中のマグネシウムが減少すると骨から放出されるようになっています。マグネシウムはカルシウムと関わりが深く、ともに筋肉の働きを調整したり心臓が正常に動くように働いたりする栄養素です。

また、あおさは他の海藻類よりも銅が多く含まれています。銅は鉄の利用を促進したり活性酸素の除去をしたりする働きを持つ栄養素です。あおさは貧血が気になる方にも役立つ食品だといえます。

めかぶ

めかぶはわかめの上のほうにある部分で、厚みがあり折り重なってひだ状になって存在しています。

めかぶに含まれる栄養素の特徴としてはフコイダンが挙げられ、風邪やインフルエンザなどの感染症に対する抵抗力を向上させる作用があるとされています。毛母細胞を活性化させるフコイダンは、健康的で美しい髪を作る効果があるともいわれています。

また、めかぶに含まれるアルギン酸は胃腸の調子を整え排便を流す効果や、血圧効果、血中コレステロールの上昇を抑えるなどの効果が期待されています。

海藻は食べ過ぎに注意?

ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成成分で発育や基礎代謝の促進に深く関わっており、重要な働きを持っています。ヨウ素は不足も過剰もよくないことについては述べましたが、具体的な症状について解説したいと思います。

まずヨウ素を摂りすぎることによって起こる疾患には甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症があります。日本では海藻によるヨウ素の過剰摂取によって甲状腺機能亢進症が起こることはほとんどないと考えられています。

ヨウ素を摂りすぎると甲状腺のホルモンが増加すると感じるかもしれませんが、実際には過剰なヨウ素は甲状腺の働きを弱めて機能を低下させるリスクの方が高いようです。

さらに、甲状腺に異常のない方がヨウ素を大量に摂取しても甲状腺機能低下症を引き起こす事はあまりありません。甲状腺機能低下症を起こすリスクが高いのは慢性甲状腺炎や放射性ヨウ素治療などの理由によって甲状腺が小さくなっている方です。

また、通常の食事から過剰摂取が起こることは少なく、何らかの症状が起こるのは根昆布療法を行っていたり、うがい薬を使ってていたりする方が多く、海藻の摂取が原因になることは少ないと考えてよいでしょう。

ただし、どんな食品でも過剰摂取による栄養バランスの偏りのリスクはあります。1食に使う量や頻度などを考えながら自然な形でとり入れていきましょう。

海藻を使ったおすすめ料理2選

それでは栄養を豊富に含む海藻を使った料理を紹介していきます。海藻は乾燥したものが多く、常備食材としても役立ちます。低カロリーでお腹を満足させたいときにも、海藻を使った料理を取り入れて肥満予防や生活習慣病予防に役立ててみてください。

海藻サラダ

海藻サラダはいろいろな種類の海藻を組み合わせてつくります。食品の種類が増えると摂れる栄養素の幅も増えるので、足りない栄養素をお互いに補填しながらバランスよく仕上げることが可能です。

市販の商品にも便利な「海藻ミックス」というものがあるので、野菜やこんにゃくなどと組み合わせてサラダを作ってみましょう。食物繊維たっぷりのサラダはお通じの調子を整えてくれる効果も期待できます。

海藻スープ

海藻は料理のジャンルを問わずいろいろな味付けにマッチする食材です。料理が一品足りないときや体を温めたいとき、水で戻すだけで使える海藻は手間がかからずとても便利。

海藻類に卵や鶏肉など好きなたんぱく質源の食材を組み合わせて、低カロリーで栄養価の高いスープを作ってみてください。水分はお腹にたまりやすいのでダイエット中の食事にもおすすめです。

まとめ

海藻類の最大のポイントは低カロリーで食物繊維を多く含むという点です。海藻といってもさまざまな種類がありますが、このポイントはどれも共通しています。カロリーを抑えながら食事の満足感を上げたいときや、生活習慣病を予防したい方などいろいろな方に海藻類はおすすめしたい食品です。

また、海藻類は保存性が高いこともメリット。さまざまな料理に気軽に使えるので、ストック食材として普段の食事に役立ててみてくださいね。

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この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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