梅干しの持つ栄養素とは?ビタミンたっぷりの梅干しの旬や栄養を逃さない食べ方を管理栄養士が解説!

おにぎりの具材からソース、調味料としても役立つ梅干しは活用の幅が非常に広い食品です。酸味の強いもの甘味のあるものなど、梅干しといってもさまざまなタイプの梅干しがあるので好みも人それぞれですね。ここではそんな梅干しの旬や含まれる栄養素について紹介し、栄養を逃さない食べ方や気になる塩分の落とし方などについて詳しく解説していきたいと思います。

梅干しのもつ栄養素と効能とは

梅干しには栄養素と呼ばれるものはそれほど多く含まれていません。ただ、梅干しは塩漬けにされて作られるものなので、ナトリウムは多くなります。ナトリウムは塩分に含まれる成分なので摂りすぎはもちろんよくありませんが、身体にとって必要な栄養素であることは確かです。ナトリウムは体液のpHや体液の量を調整したりしています。1日に必要な量は塩分に換算すると2gほどとされているので不足することはほとんどありません。

梅干しに含まれる成分で注目しておきたいのはクエン酸などの有機酸。クエン酸はエネルギー代謝を促して溜まっている疲れを取り除いたり、肩こりや腰痛などを緩和させたりする効果が期待されています。

梅干しは栄養補給という意味では有効な食品とは言い難い部分がありますが、有機酸の効能により活力的に動きたいという方や身体を楽にしたい方にはおすすめの食品といえるでしょう。

ナトリウム

摂りすぎると高血圧の原因となります。日本人は塩分の摂りすぎが指摘されていますので、どちらかといえば不足よりも過剰摂取の方に気をつけたい栄養素ではあります。

ナトリウムの働きとしては、カリウムとバランスを摂りながら体内の水分量の調整をしているので血圧に影響します。また、細胞内の浸透圧を維持したり、体液のpHの調整をしています。

筋肉の弛緩作用を持つ栄養素でもあるので、不足すると筋力の低下、けいれん、食欲の減退にもつながります。一般的な食事をしていれば不足をすることはありませんが、極度に食事量が低下してしまったときなどは少ない量で補給できる梅干しが役立つ場面もあるかもしれません。

クエン酸

酸味の元となるクエン酸は、唾液の分泌を促して食欲を増進させる作用があります。また、胃液をはじめとする消化酵素の分泌も促してくれるので、栄養素の吸収を助けるというのも機能の1つです。

また、「クエン酸は疲労回復を促す」といわれることもありますが、これは少し噛み砕いた表現であり、実際はエネルギー産生栄養素の代謝を助けるというのが正解です。エネルギー代謝が行われる回路ではクエン酸が必須となります。この回路に関わることで疲労感が軽減すると解釈されたと推測できますが、実際にはっきりとしたエビデンスはまだなく、結論は出せていない状態です。

しかし、酸味が唾液の分泌を促すことは確かです。唾液には食べ物を飲み込みやすくしたり、細菌などから身体を守るという働きもあります。

そのほかの有機酸

梅干しにはクエン酸の他にもリンゴ酸、コハク酸、ピルビン酸などの有機酸が多く含まれています。有機酸とは有機化合物の総称であり果物に多く含まれるものです。梅干しにも有機酸は含まれています。

有機酸の働きとしては、腸内環境を整えたり悪玉菌の発生を抑えたりするもの。酸とは言いますが、自然界に存在しているため安全性が高いとされています。

腸内には善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌が存在しており、日和見菌は数が優位な方に合わせて姿を変えます。悪玉菌が多いと腸内環境は悪化し、便臭や便の状態が悪くなったり、免疫細胞が多いことから感染症などにかかりやすくなります。

梅干しに含まれる有機酸には、腸内環境を整えることでそのような症状を防止するためにも役立つでしょう。

梅干しに含まれている塩分はどのくらい?

梅干しを食べるのに気になるのはやはり塩分。1個あればごはん1膳でも食べられるほど、食が進む濃い味付けがされています。この塩分は梅の保存性を高めるために必要なもので、パッケージには大抵塩分濃度が表示されています。塩分濃度が低ければ低いほど保存性は低く日持ちがしないので注意しましょう。

食品成分表に書かれている塩分量から推測すると、10gの大きさの梅干しの塩分量は1個あたり1.8gとなっています。日本人の1日あたりの食塩摂取量は男性が7.5g未満、女性が6.5g未満とされているので他の食事からの塩分量を考えると1日1個までとするのが理想的です。

梅干しを塩抜きする方法とは

梅干しが好きな方には、塩分への心配を減らして安心して食べられるように「塩抜き」をおすすめします。塩抜きは塩分濃度が0.1%の水またはお湯に梅干しを浸けて塩を抜く方法や、普通の水やぬるま湯に入れてゆっくりと塩抜きをする方法があります。

塩抜きした梅干しは塩分が減ってしまう分保存性が低くなります。ポイントとしては短期間で食べられる量だけ行うこと、冷蔵庫に保管することなどが挙げられます。塩を抜いた梅にはちみつを加えて漬けるアレンジも可能です。

ただしょっぱいだけではなく、甘味を付けたり塩を薄めたりして好みの梅干しにアレンジするのが今の梅干しのスタイルといえるのかもしれません。

梅干しを使ったおすすめ料理3選

それではここで、梅干しを使ったおすすめの料理を紹介していきます。梅干しはごはんのお供としてただそのまま食べるだけではなく、調味料代わりとして和え物やドレッシング、ソースなどさまざまな使い道が可能です。濃い味付けを利用して上手にとり入れましょう。

いわしの梅煮

頭や内臓を処理したいわしを、醤油、みりん、生姜、梅とともに圧力鍋で煮て作る料理。生姜の独特の爽やかさと、梅の酸味が加わりさっぱりとした味付けに仕上がります。みりんの甘味が加わるので、梅干しの酸味は和らぎます。酸っぱい味が苦手な人でも食べやすい料理です。また、いわしは梅干しと一緒に煮ることで生臭さが消え、骨まで柔らかくなるというメリットもあります。骨まで食べることができるので、カルシウム補給としても役立つ料理です。

きゅうりの梅おかか和え

あと1品なにかおかずがほしいときや、箸休めなどにおすすめしたいのがこちらの料理。みずみずしいきゅうりは口の中をさっぱりさせたいときにも便利です。きゅうりは味が染み込みやすいように、麺棒などで叩いてから使うのがおすすめ。梅干しは種を除いてから実をちぎって加えましょう。味付けは梅干しとごま油を加えると香ばしさが加わりより美味しくなります。かつお節を加えることで、自然な旨味も加わります。和食のような中華風の味付けは、家庭料理ならではですね。

梅しそチャーハン

中華料理の代表的な存在であるチャーハンに、梅干しと大葉を具材として使った料理。ごはんを炒めて小さくした梅干しを加えて全体をかき混ぜ、塩と醤油で味を調えて大葉を混ぜたら完成です。冷蔵庫に食材がなくても、使う食材がこれだけなら準備しやすいですよね。焼き魚や煮物などの和食のおかずとも相性の良いさっぱり系のチャーハンなので、食欲がないときにもおすすめ。白ごまやかつお節などをトッピングすれば見た目も華やかな料理になります。

まとめ

梅干しには必須栄養素と呼ばれる栄養素は多く含まれていません。ミネラルであるナトリウムは多く含まれていますが、これは摂りすぎると高血圧の原因となるので梅干しの食べ過ぎはおすすめではありません。健康面を考えても、梅干しは食べる量と食べ方に気をつけてほしい食品です。水やぬるま湯で塩抜きをしたり、量に気をつけたりして上手にとり入れてくださいね。調味料代わりにも使うことができるので、梅干しを使った料理のレパートリーを広げてみましょう。

この記事を書いた人:片村 優美

この記事を書いた人:片村 優美この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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