大根の栄養とおすすめの食べ方とは?その食べ方、栄養を逃がしているかも…

大根

大根は年間を通して市場に出まわっている野菜ですが、本来の旬は晩秋から初冬です。冬場は寒さでぐんと甘さが増して、食卓に欠かせない食材です。

大根の辛味には胃液の分泌を促し消化能力を高める効能があるほか、胃腸の働きを助ける消化酵素が複数種類含まれています。旬の時期にはたっぷり味わいたい身体にうれしい野菜です。

せっかく健康のためにと野菜を食べているにも関わらず、調理法を間違って大事な栄養をしっかり摂れていなかったら残念ですよね。今回は日本人には欠かせない野菜「大根」の栄養を逃さない、とっておきの調理法と食べ方をご紹介します。

大根に含まれる栄養素・成分の効能とは

大根は大部分が水分であるにも関わらず、特有の栄養素を多く含んでいる食材です。根の部分は淡色野菜で「ビタミンC」やでんぷん消化酵素の「アミラーゼ」を含み、葉の部分は緑黄色野菜で「β-カロテン」や「鉄」「カルシウム」が豊富に含まれています。

また、大根特有の辛味の正体「イソチオシアネート」によって基礎代謝を上げる効果が得られます。むくみを解消してくれる「カリウム」が豊富に含まれているのも女性にとって嬉しいポイントですね。

そのほかにも食物繊維によって便通の改善に繋がるなど、さまざまな効果が期待できるので、体質改善をしたい方におすすめの食材です。

ビタミンC

大根の代表的な栄養素としてまず「ビタミンC」があげられます。皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須な水溶性ビタミンの一種です。

抗酸化作用を持ち、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあります。また、病気などさまざまなストレスに対する抵抗力を強めて、鉄の吸収を良くする働きもあると言われています。

ビタミンCは水に溶ける性質を持っているため、火を通すと煮汁に栄養素が流れ出てしまいます。ビタミンCを中心に摂取したい場合は、サラダなどにして生のまま食べることをおすすめします。

また、ビタミンCは根の中心部に比べ、約2倍近くの量が皮に含まれています。なるべく皮は剥かずにきれいに洗ってまるごと食べることが余すことなく栄養を摂取するためのポイントです。

葉の部分にもビタミンCは多く含まれているので、葉つき大根を手に入れた際は捨てずに食べることをおすすめします。

β-カロテン(ビタミンA)

「β-カロテン」とはカロテノイドという色素の一種です。人参にも豊富に含まれていることで有名な橙色の脂溶性色素で、大根の根の部分には含まれていませんが、緑黄色野菜である葉の部分には多く含まれています。

β-カロテンには目の健康維持、皮膚・粘膜を丈夫にするといった抗酸化物質としての効果があると報告されています。油を使った料理ではβ-カロテンは体内でビタミンAに変化します。

「ビタミンA」は新陳代謝を高めて、皮膚や粘膜の乾燥を防いでくれる働きを持っているので美しい肌を保つために欠かせない栄養素です。

イソチオシアネート

大根の辛味の正体は「イソチオシアネート」という成分です。イソチオシアネートは胃液の分泌を促し肝臓の解毒作用を助ける働きがあるほか、生活習慣病の予防や血栓を作りにくくする効能があります。

ただし、イソチオシアネートは大根をすりおろしたり切ることで生成されます。大根おろしにするときなど、大根を細かくする過程で起こる化学反応によって生成される栄養素です。大根の細胞を破壊しないと摂取できないので調理方法を工夫する必要があります。

ジアスターゼ

大根には消化酵素の「ジアスターゼ(アミラーゼ)」が豊富に含まれています。ジアスターゼは、胃腸の機能を高め消化を助ける効果があることから、胃腸薬などにも含まれている成分です。

熱と空気に弱い性質があり煮こむと消えてしまうので、大根おろしやサラダなど生で摂取することがおすすめです。また空気に触れると酸化して効果が薄れることもあるので、なるべく食べる直前に調理することがポイントです。

食物繊維

大根の皮には食物繊維が多く含まれています。食物繊維は第6栄養素と言われるほど重要視されており、日本人にとって不足しがちな成分の一つでもあります。

食物繊維は水に溶けない不溶性と水に溶ける水溶性に分けられますが、両方とも便通を整えて便秘を防ぎ、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあります。肥満や脂質異常症・糖尿病・高血圧など生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できると言われています。捨ててしまいがちな大根の皮ですが調理法を工夫して摂取することで、食物繊維を余すことなく摂取できます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康

大根に含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

大根おろし

栄養を豊富に含んでいる大根ですが、部位によって多く摂取できる栄養素が変わります。また、食べ方によっても必要とする栄養を効率的に摂取できるか否かが変わってきます。

それぞれの栄養素には特徴があり調理方法や食べ方を少し工夫することによって、その栄養効果を最大限に活用することができます。大根の栄養を逃さない調理法と食べ方のコツをご紹介します。

加熱はせずになるべく生食で

大根に含まれるジアスターゼは熱と空気に弱い性質があるため、空気に触れると酸化して効果が薄れる場合があります。したがってなるべく食べる直前に調理することが大切です。

よく料理の添えとして登場する大根おろしはとても理にかなった食べ方の一つです。加熱せずなるべく生食で食べることで、ジアスターゼはより効果を発揮します。

また同じ生の大根でも、あの独特な辛味が苦手な方は漬物など発酵食品にすると食べやすくなるかもしれません。消化機能にアプローチしたい方は、大根は加熱はせずになるべく生で食べると良いでしょう。

大根の葉は栄養もりだくさん

大根の葉は普通の青菜と同じように生のままでも、炒めたり茹でたり火を通しても美味しく食べることができます。大根の葉は緑黄色野菜でβ-カロテンや鉄、カルシウムが豊富に含まれているので、摂取したい栄養素に合わせて調理法を変えるのがおすすめです。

「ビタミンC」を摂りたいときには生のまま、「ビタミンA」を摂りたいときは油で炒めて食べる、「カルシウム」を効率良く吸収したい場合は酢と一緒に食べるなど、食べ方次第で身体に嬉しい栄養素を効率良く摂ることができます。葉つき大根を手に入れた際は、葉を捨てずに食べることをおすすめします。

皮は剥かずにそのまま食べるのがおすすめ

大根は調理の際、皮を剥くことが多いと思いますが、大根の皮には実は栄養が豊富に含まれています。先述した大根に含まれる栄養素である「ビタミンC」や「食物繊維」、辛味成分の「イソチオシアネート」や消化酵素の「ジアスターゼ」などは、皮を剥かない方が多く摂取できます。

特に、ビタミンCが多く存在するのは皮付近です。皮の風味や旨味を楽しむためにも、皮は剥かずにそのまま使うことがおすすめです。皮を剥かずに干し野菜にすると食べやすくなりますよ。

大根を使ったおすすめ料理3選

大根の持つ栄養成分は食べる部位や調理方法によっても摂れる栄養素がかわってくることを説明してきました。今回は大根の効能を失わずに摂取できる、栄養素の特性を活かした大根料理を3つ紹介していきます。

生で食べる場合と加熱して食べる場合、両方のレシピをご自身の食生活に合わせて活用してみてください。

さっぱりヘルシーな「なめこおろし」

なめこおろし

大根は栄養面から言えば、茹でたりせずに生のまま皮ごと食べるのが一番おすすめです。大根はおろしにすると、効率良く根の部分に含まれる栄養を摂ることができます。大根おろしを焼き魚や肉に添える以外にも納豆やなめこ、青菜で作るおろし和なども簡単にできておすすめです。

大根は料理に添えれば消化力倍増。大根おろしで食べると消化薬のような働きが期待できます。すりおろしてから時間がたつと効能が減少してしまうので、食べる直前に調理するのがポイントです。

食物繊維たっぷり皮ごと作る「金平大根」

大根を生で食べると辛味が気になるという方には、皮ごと作る「金平大根」がおすすめです。

皮ごと調理しても良いですし、余った大根の皮のみで金平にするという方も多いかと思います。大根は皮をむいたものより、皮をむかずに調理する方がより食物繊維を多く摂取できるのでおすすめです。

ただ大根の皮は固いので、その食感を活かす料理法がおいしくいただくためのポイントです。千切りにして油で炒める金平大根は食感もあり食物繊維も摂れるので一石二鳥です。

ご飯のお供に最適!「大根の葉のふりかけ」

大根の葉のふりかけ

葉つきの大根を手に入れたときは、常備菜になる「ふりかけ」にしてみてはいかがでしょうか。

大根の葉は、根の部分にはないβ-カロテン(ビタミンA)が含まれています。β-カロテンは、油と一緒に摂ると吸収が良くなる脂溶性ビタミンなので、刻んだ大根の葉をごま油でさっと炒めた「生ふりかけ」がおすすめです。

また、捨ててしまいがちな大根の皮を刻んで入れたり、じゃこやごまを加えたりすることで食感も栄養価もアップします。常備しておくと、ご飯のお供としていつでも使うことができて便利です。

まとめ

今回は定番野菜の「大根」の栄養を逃さない、とっておきの調理法と食べ方をご紹介いたしました。

大根は根の部分と葉っぱの部分とでは多く摂取できる栄養素が変ってきます。それだけでなく皮も炒め物に使えるため、捨てる部分がなく、重宝する食材です。それぞれの部位の特性を活かした大根料理を試してみてください。

メインにも脇役にも変幻自在な大根は、栄養も豊富であり普段から使いやすい食材の一つです。自分や家族の健康維持のためにもぜひ取り入れて、楽しく健康的な生活を送ってください。

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この記事を書いた人:日下緑

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保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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