【管理栄養士が解説】お酢のチカラで血圧ケア!効果的な摂り方とおすすめ料理

日本では高血圧患者が多く、50代で3人に1人、60代で2人に1人※1と、高齢になるにつれて多くの方が高血圧と診断されています。

特に「昔は低血圧だったのに、最近になって急に血圧が高くなってきた」と悩みを持っている女性の方も多いのではないでしょうか?

実は、女性の血圧が上がる理由の一つとして、「エストロゲン」の減少があげられます。多くの更年期症状も、このエストロゲン減少によるもので、自律神経の働きが乱れることで血圧のコントロールに影響しているのだと考えられています。更年期を超えてくると高血圧になる確率が高くなるため、今はまだ診断されていないという方も今まで以上に健康管理が必要になってきます。

そこで血圧が気になっている方におすすめなのが、日ごろの食事に加えるだけで血圧ケアができる「お酢」です。

ここでは、お酢と血圧の関係性やお酢を使った身近な食材で手軽に作れるレシピをご紹介していきます。

※1厚生労働省,年代別・世代別の課題(その2),p.7,

(平成28年度国民健康栄養調査 出典情報)

お酢と血圧の関係

昔から、お酢は健康に良いと言い伝えられてきましたが、近年、お酢の研究が進み、お酢を使った料理や飲みものを毎日続けて摂取したところ、高めの血圧が下がったという研究結果が出てきています。

お酢の中に含まれる代表的な成分の「酢酸」には、血管を拡張し、血管にかかる圧力が減ることにより、血圧を下げる働きがあるとされています。

また、お酢にはクエン酸をはじめ、さまざまな有機酸が含まれており、代謝を良くし、脂肪を減少させるともいわれています。血圧上昇因子の一つである肥満対策にもなることから、血圧上昇を抑えることも期待できます。

お酢は、味噌やしょうゆなどと同じ発酵食品です。善玉菌を増やす「グルコン酸」が含まれているため、腸内環境を良くします。腸内環境が良くなると太りにくくなり、結果的に血圧ケアにも繋がります。

他にも、血糖の上昇を緩やかにする作用もあります。血糖コントロールにもなることで肥満予防や血圧ケアにもなるようです。

生活習慣病の予防やエイジングケア、疲労回復など、血圧ケア以外にも毎日摂取することで、身体により健康をもたらす食品といえます。

血圧のコントロールに効果的なお酢の摂り方

すべてのお酢には血圧の上昇を抑える「酢酸」が含まれています。

では、高血圧予防や健康のために積極的にお酢を摂取したい方はどれくらいの量を摂れば良いのでしょうか。ある研究結果※1によると、1日大さじ1~2杯(15~30ml)と言われています。

この大さじ1杯(15ml)という量は、酢の物の料理を1日に1品食べたときに摂れるか、摂れないかの量です。そのため1日に1品は、酢を使った料理を献立に加えるといいですね。

お酢による血圧ケアで大事なことは、毎日続けてお酢を摂らないと結果はでないということです。毎日継続してお酢を摂る方法をいくつかご紹介します。

※1参考文献:「食酢配合飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する降圧効果」(健康・栄養食品研究 6(1),51-68,2003)

普段の料理にプラス

お酢は意外にも熱に強く、煮物料理などの加熱した料理の隠し味にも使えます。お酢の主成分である酢酸の沸点は100度より高いため、加熱をしても栄養価が変わらないとされています。

煮物などに入れて煮込むと、酢に含まれる栄養素が加わることで栄養価が上がりますし、加熱によって酸味が徐々に揮発されて味がまろやかになります。酸は、たんぱく質を軟化させるので、お肉の入った料理にプラスして柔らかく煮込むのもおすすめです。

お酢を飲む

最近では、飲むお酢がスーパーマーケットやドラックストアなどで売られるようになり、味も飲みやすく、手軽に飲めるようになりました。

お酢には血圧ケアの働きがある以外にも、胃酸を出させる作用があります。日本人は他国の人に比べて胃酸の出る量が少なく、また加齢によっても胃酸の分泌量は減っていくといわれているため、お酢の摂取により胃酸の分泌量を増やしたいところです。お酢を飲む際は1度に1日量を一気に飲むより、1日数回に分けて飲む方がおすすめです。水で薄めたお酢を食事の直前に飲むことで、胃酸の分泌を促すことができ消化吸収も良くなります。

ほかにもお酢には、酸性下においてたんぱく質を軟化させ消化を助ける作用や、血糖の上昇を緩やかにする作用がありますので、摂取するのは食前がおすすめです。しかし、空腹時に飲むと胃が痛くなるという方は、食中に食事と一緒に摂取することをおすすめします。

また、市販の飲むお酢には砂糖が多めに入った商品もあります。砂糖が多く含まれるものを長期的に摂りすぎてしまうと、肥満による血圧上昇につながる恐れもありますので、商品購入の際には砂糖の少ないものを選ぶように注意しましょう。

しょうゆの代わりにお酢を使う

血圧が高めの方や高血圧の方には減塩をおすすめします。日本食を食べる機会が多い場合、しょうゆなどの塩分の多い調味料を気がつかないうちに多く摂っていることがあります。例えば、しょうゆさしのように、お酢さしも用意し食卓に並べて、しょうゆの代わりにお酢を使ってみましょう。餃子のたれはしょうゆを使わずお酢のみにする、納豆にかけるしょうゆを減らしてお酢をかけるなどすると、納豆の糸も柔らかくなり自然に減塩をすることができます。

お酢を毎日摂り続けられ、身近な食材で手軽に作れるお酢レシピ

お酢を積極的に摂って血圧ケアをする食生活にするには、お酢を意識しないと摂れないものです。

身近にあって、手軽につまめることができたらいいですよね。

そこでここでは、お酢を使ったいつも冷蔵庫にストックしておける料理ものや、いつもの補水の代わりとなるドリンク、日本人が昔から親しんでいた料理で栄養の吸収も良くし、血圧ケアをする知恵の詰まった料理を紹介します。

 ピクルス

ピクルスは、海外のお漬物のようなものです。日本の漬物は塩で漬けますが、ピクルスはお酢で漬けたものになります。きゅうりや大根などの身近な食材をお酢で作ったピクルス液に漬ければ完成です。

市販でも売っており、購入して食べても良いですが、ピクルスの作り方はとても簡単ですので、冷蔵庫にある野菜で多めに作っておき、常備菜にしておいても良いですね。

お漬物の代わりにピクルスを食べれば、減塩にも繋がります。また、パプリカやにんじん、きゅうりなど色とりどりの野菜を漬ければ、メイン料理に添えるだけでも華やかになります。

お酢は、疲労回復に役立つクエン酸も多く含んでいるので、冷蔵庫の中にピクルスがあれば、疲れた時の栄養補給や間食にもおすすめです。

  • 材料(2~3人分)

・大根、にんじん、きゅうり、セロリ、などの野菜…各50gずつ

・パプリカ…1~2個

ピクルス液

・酢…300ml

・水…100ml

・砂糖…大さじ2

(お好みで鷹の爪 1本)

  • 作り方

①大根、にんじんは皮をむき、すべての材料を拍子切りにする。

②瓶または保存袋にピクルス液の材料を入れて、混ぜ合わせる。

③できたピクルス液に、①の材料をすべて入れ、30分以上漬ける。

わかめの酢の物

お酢を使った日本食には、栄養の吸収を良くする知恵が隠されています。

近年、日本人の海藻の摂取量は減ってきており、マグネシウムが不足しがちです。海藻には骨を形成するのに欠かせないマグネシウムが多く含まれています。マグネシウムには、カルシウムと拮抗して筋肉の収縮を抑えたり、血管を拡張させて血圧を下げたりする作用があるため、積極的に摂取してもらいたいミネラルです。

そして、しらすなどの小魚にはカルシウムが豊富で、マグネシウムと一緒に働いて、骨や関節を作っています。

カルシウムとマグネシウムは、年を重ねた方は積極的に摂りたいミネラルですが、吸収が悪いという欠点があります。そこで、お酢を料理に加えることで、お酢の中に含まれるクエン酸がミネラルと結びつき、吸収を良くしてくれます。

今回ご紹介するわかめの酢の物は、血圧対策に良い栄養素、カルシウム・マグネシウムが良く吸収できる組み合わせの料理といえます。

  • 材料(2人分)

・わかめ(戻したもの)…50g

・きゅうり…2本

・しらす…大さじ2杯

・酢…大さじ2杯

・砂糖…大さじ2杯

・しょうゆ…小さじ1

・水…大さじ1

・すりごま…少々

  • 作り方

①わかめは一口大、きゅうりは小口切りに切る。

②酢、砂糖、しょうゆ、水、すりごまを合わせ、①としらすを混ぜる。

③②をしばらく置いて味をなじませる。

④器に盛り、すりごまをかける。

果実酢

スーパーマーケットや薬局でも飲むお酢が売られるようになり、百貨店などでは、飲むお酢を売る専門店も出てきています。種類は豊富で、お酢にフルーツを漬けた果実酢などがたくさんあります。いろいろな味を楽しむのも良いですし、果物によって摂れる栄養素も異なるので、その時の体調に合わせて選ぶのも良いと思います。

飲むお酢をご家庭で飲む場合は、原液のままではなく、お水や炭酸水で割って飲みましょう。飲みにくい場合は、はちみつや生姜のすりおろしなど加えると、女性の冷え性対策にもなるのでおすすめです。

ここでは、日本人に馴染みのある柚子を使ったレシピを紹介していきます。

ゆず酢

・ゆず…2個

・お好みの酢…100g

・砂糖…60g

準備 保存容器は煮沸消毒をしておきます。

① ゆずは薄い輪切りにし、種を取り除きます。

② 輪切りにしたゆず、酢、砂糖を鍋に入れ溶かします。

③ 粗熱をとり、容器に移し冷蔵庫で保存します。

ドリンクだけでなく、和風煮物などゆずの香りをつけ足したい料理にも使えるので、いろいろな用途で使ってみてください。

もちろん、ゆずの代わりに他の果物に変えれば、別の果実酢を作ることができます。

まとめ

お酢は発酵している食品であるため有機酸が豊富で、血圧ケアだけでなく、脂肪燃焼、代謝促進、疲労回復、腸内環境を良くするなど、女性には特に嬉しい調味料です。

料理の最中にお酢を加えると、たんぱく質を軟化させお肉を柔らかくしたり、栄養の吸収をスムーズにしたりする作用もあります。今まで使っていなかった手法としてお酢を調理に取り入れ、お酢を飲む習慣をつけるなどして、血圧ケアや日々の健康増進に繋げてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:那須由紀子

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保有資格:管理栄養士、NST専門療法士、一般社団法人オーソモレキュラー認定ONP
プレ・ニュートリション 日本栄養士会認定栄養ケア・ステーション 代表
病院管理栄養士として臨床経験を積みながら、分子整合栄養医学を学ぶ。独立後、精神疾患における栄養療法も行う管理栄養士として、栄養指導、うつ病による休職者の復帰プログラムに取り組んでいる。特定保健指導、歯科、スポーツ、乳幼児における栄養療法など幅広く栄養ケアを行い、講演会、セミナー、メディア出演、執筆など、多岐に渡り活動している。
著書に『栄養で人生は変わる-食はあなたの人格を作り、人生の良し悪しを決める!-』(旭屋出版)『疲れた心がラクになる食べ方大全』(永岡書店)がある。

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