里芋で高血圧を対策!管理栄養士が栄養素とおすすめの料理方法を紹介

血圧対策におすすめの里芋

「年齢とともに血圧が上がってきた…」そんな方も多いのではないでしょうか。血圧の改善方法はさまざまあるといわれていますが、毎日の食事によっても高血圧対策が可能であれば嬉しいですよね。

そこで今回は、血圧改善に良いといわれているカリウムを多く含んだ食材「里芋」についてご紹介します。後半には血圧対策に効果のある里芋を使った料理もご紹介しますので、日々の食事にぜひ取り入れてみてください。

里芋が高血圧に効果がある仕組みとは

里芋には身体に良い成分が豊富に含まれていますが、その中でも血圧にとって重要な役割をする栄養素がカリウムです。

そもそも高血圧になってしまう多くの原因は、塩分の摂りすぎです。人間の身体は食塩を摂り過ぎると、塩分濃度を薄めようと体内の水分が増加します。すなわち血液の量も増えるので、血管に圧がかかり血圧が上がってしまうのです。

和食は使用する油の量が少なくヘルシーなイメージですが、煮物、汁物など、しょうゆを使った料理が多いので、塩分の過剰摂取になりがちです。そのため日本人の食事は諸外国に比べて塩分が多いといわれています。

里芋に多く含まれるカリウムには体内のナトリウム(塩の主成分)を身体の外に出しやすくする作用があり、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制してくれます。

余分な水分と一緒にナトリウムを尿中に排出したうえ、さらに尿の排泄を促進するため、血圧を正常に保つ働きがあるのです。

里芋が含む血圧以外にも健康に効果のある栄養素とは

普段はなかなか主役として扱われにくい里芋ですが、こうして改めて注目してみると血圧に良い影響をもたらす素晴らしい食材だということがわかりますよね。

そのうえ里芋には、血圧対策に効果があるカリウム以外にも、身体に良い成分が豊富に含まれています。

食物繊維

里芋には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維とは食べ物の中に含まれる人の持つ消化酵素では消化できない物質です。

食事によって摂取した食物繊維は、そのまま大腸まで運ばれ体外に排出されます。その過程で脂質、糖、ナトリウムを吸着して一緒に身体から排出されるので、コレステロールや食後の血糖値、血圧改善に役立ちます。食物繊維はお腹の調子を整える作用もあるので、便秘にも効果的です。

里芋以外の芋類にも食物繊維は多く含まれているといわれています。しかし、食物繊維がさつまいも100gと里芋100gにはそれぞれ同量の2.3gが含まれているのに対し、カロリーはさつまいもが132kcal、里芋が58kcalと2倍以上の違いがあることがわかります。

カロリーの摂りすぎも高血圧などの生活習慣病に繋がります。食物繊維は里芋を利用して、積極的に摂っていきたいですね。

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ガラクタンとムチン

里芋の皮をむくとヌルヌルしますよね。このぬめりは、ガラクタンとムチンによるものです。ガラクタンは水に溶けるとヌルヌルしたゲル状に変化をする食物繊維で、免疫力を高める効果があるといわれています。

ムチンは粘性糖たんぱく質という栄養素です。身体に入るとグルクロン酸という成分に変わり、肝臓を保護する働きや、胃と腸の粘膜を保護し、たんぱく質の消化と吸収を高める働きがあります。唾液腺ホルモンの分泌を促す作用もあり、食べ物の消化を助け、便通をよくします。ムチンには滋養強壮作用もあるので、体力維持にも役立ちます

ビタミンB群

里芋にはビタミンB1とB6も含まれています。ビタミン類は体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要があります。

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを助けます。水に溶けやすく調理法によっては失われてしまうことも多いので、ニンニクやねぎと一緒に食べるとアリシンという栄養素の働きによって身体への吸収が高まり、効率よく摂ることができます。

ビタミンB6はたんぱく質代謝に関わります。分解と合成をスムーズにして身体の中でたんぱく質が有効に使われるように働きます。皮膚や粘膜を丈夫にする働きもあり、皮膚炎や口内炎改善、また、髪の毛を丈夫にする作用があります

里芋を調理するときのポイント

里芋を調理する

健康に良い食材だからこそ、里芋には調理する際に気を付けたい点がいくつかあります。身体にとって大切な栄養素をいかに効率的に摂取できるか関わってくる点でもあるので、しっかり理解して調理の際に役立てていきましょう。

調味料の量に気をつける

里芋の調理をするときは調味料の量に気をつけましょう。里芋は塩分の排出効果があるカリウムが豊富に含まれていますが、煮物などで調味料をたくさん使ってしまうと、せっかくの効果が台無しです。

里芋を煮るときは味付けを行う前に、だし汁などで里芋を柔らかくして下味をつけておくと、調味料を減らすことが出来ます。中まで味が染みこんでいなかったとしても、表面に調味料がついていれば最初に舌先に塩分を感じることができ、満足感を得られます。

皮をむく際のかゆみは洗い流す

里芋の皮をむくとヌルヌルとした触感とは別に、手がかゆくなることがあります。

これは皮の近くに含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。シュウ酸カルシウムは針状の結晶で、皮膚に刺さるとかゆみがでます。強くかいてしまうと、結晶がより深く皮膚に刺さるので、さらにかゆくなってしまいます。

里芋を扱った際に手がかゆくなったら、よく水で洗い流してください。滑らないような手袋をつけて皮をむくのもいいですね。

里芋を使ったおすすめの料理3選

ここまで里芋が高血圧予防、コレステロール値の低下、免疫力増強など身体にとって嬉しい効果をもたらす栄養素を多く含む食材だということに関してご紹介してきました。

ここからは、栄養がたくさん詰まった里芋の少し変わった料理を紹介していきます。

里芋は煮物にすることが一般的に多いとされています。しかし洋風のおしゃれな料理や、カロリー控えめなダイエット料理、塩分控えめの料理など、調理の方法次第でさまざまな料理に変身します。

血圧改善には継続することが何よりも重要になります。他の食材と組み合わせることによって身体に必要な栄養素を補い合いながら、美味しく飽きずに摂取しましょう。ぜひ、さまざまな調理法を試してみてくださいね。

里芋のポテトサラダ

里芋のポテトサラダ

ポテトサラダはじゃがいもで作るのが一般的ですが、里芋を使用していつもとひと味違ったポテトサラダはいかがでしょうか

ゆで卵はたんぱく質が多く含まれることで有名ですが、その他にもビタミンAやビタミンB2、ビタミンDなど里芋には含まれていないタイプのビタミンが含まれています。合わせてサラダにすると、身体に必要なビタミン類が一緒に摂取できるのでおすすめです。

里芋はマッシュされることによって粘り気が出て口当たりが良くなるので、ゆで卵との食感の違いを楽しめるサラダになります。マヨネーズの代わりに粒マスタードを使うと、カロリーも塩分も控えることができますよ。

豚肉の里芋巻き

豚肉のたんぱく質には、コレステロールを体外へ排出する働きがあります。里芋の食物繊維と一緒に摂取することで、より血管を健やかに保つことができます。

また、豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える効果があるので、メタボ予防には必要不可欠な栄養素です。芋類の中でもカロリーの低い里芋と合わせると、ボリューム満点かつカロリーも抑えられて、満足感の得られる食事になります。

里芋のグラタン

里芋のグラタン

グラタンによく使用されるマカロニですが、原材料の小麦粉は多量に摂取すると消化機能の低下や、肌荒れの原因になってしまうことがあります。

そんな時は、マカロニの代わりに里芋を使用したグラタンがおすすめです。里芋に含まれるカリウムは熱を通しても効果が失われないので、血圧改善効果は保ったまま調理することが可能です。

またグラタンのホワイトソースに使う牛乳のカルシウムは、里芋に含まれるリンと協力して骨や歯を丈夫にしてくれます。口当たりが良く食べやすいので、小さなお子さんにもおすすめしたい組み合わせです。

まとめ

里芋の高血圧への効果や、その他の身体に良い成分についてご紹介しましたが、いかがでしたか。

高血圧にはまず毎日の食事を見直すことが必要不可欠です。里芋はカリウムや食物繊維などが豊富な食材なので、今回ご紹介した組み合わせでバランスの整った食事をぜひ試してみてくださいね。

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この記事を書いた人:大矢 眞弓

この記事を書いた人:大矢 眞弓この記事を書いた人:大矢 眞弓

保有資格:管理栄養士
クリニックにて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の栄養指導に従事。長年の経験により、食べる楽しみを損なう事なく、減塩や減量など、患者さんに一人ひとりに合わせた、オーダーメイドのお食事を提案する。
また、企業や自治体での特定保健指導や、小学生から高齢者まで幅広い世代に料理教室を行っている。生徒さんの「今日のメニュー、美味しかったね!」と話される時の笑顔が、栄養士としてのパワーの源。

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