ごまで高血圧を抑えよう!管理栄養士が解説するごまの栄養価とおすすめの料理法とは

ごまの画像

昔から食されている干物や漬物に加え、外食産業やインスタント食品の発展により現代の日本人には塩分過多の傾向があり、高血圧で悩んでいる方も多いですよね。身近な食品である「ごま」には、血圧管理に効果があると言われています。

もともと栄養価が高いことで知られるごまの主成分は脂質が約50%、たんぱく質が20%で、残りの約30%がビタミン・ミネラル・食物繊維でできており、私たちの身体に必要な栄養素がぎっしり詰まっています

ごまの栄養成分の中でも血圧ケアに良いと注目されているのは主に「セサミン」という成分ですが、その他にも高血圧で悩んでいる方におすすめの成分が含まれています。今回は、ごまの持つ栄養素を効率的に摂取する方法と料理法を紹介していきます。

参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ごまが高血圧に効果がある仕組みとは

血圧を正常に保つ働きのあるごまの成分は主に2つあります。

1つ目は、ごまの油脂分に多く含まれる「リノール酸」です。

リノール酸は体内に摂取されることによって、プロスタグランジンという血圧を低下させる作用のある生理活性物質を生成します。プロスタグランジンは血管内で血小板が凝縮し、血栓を生成しようとする現象を抑制、血液をサラサラにしてくれます

2つ目は、「ゴマペプチド」という成分です。

ゴマペプチドは特定保健用食品で「血圧が高めの方」に利用されている成分で、ごまに含まれる良質なたんぱく質を酵素で分解することで得られます。血管収縮を促進する物質であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを阻害し、血圧上昇を防ぐ作用があると報告されています。

また、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きが抑えられると、ブラジキニンという血圧を下げる働きのある物質の分解が抑制され、さらなる血圧降下作用が期待できます。

参考:KISCO株式会社 ゴマペプチド臨床試験結果 / 「健康食品」の安全性・有効性情報

ごまが含む血圧以外にも健康に効果のある栄養素とは

栄養素を多く含むごまの画像

あらためてごまに含まれる栄養素に目を向けてみると、その優等生ぶりには驚かされるものがあります。高血圧に効果がある栄養素としてご紹介したリノール酸、ゴマペプチド以外にも、ごまには私たちの健康に欠かせない大切な栄養素が多く含まれています。

ゴマリグナン(セサミン)

ごまにはゴマリグナンという、ごま特有の有用成分が含まれています。

ごま1粒に対する含有量としては全体のわずか1%程度ですが、強い抗酸化力を持ち、細胞を衰えさせる原因でもある活性酸素の多量発生を防いでくれます。ごま油がその他の食用油と比較して酸化しにくいのも、ゴマグリナンが含まれていることによって酸化安定性に優れているためです。

他にもゴマグリナンには肝機能を高める作用があり、健康維持への効果が期待されます。ゴマリグナンはセサミン、セサモリン、セサモール、セサミノールなどの成分によって構成されていて、最も含有量が多いのはセサミンとセサモリンです。

セサミンは体内に吸収されると肝臓の代謝を高め、さらに高い抗酸化性を発揮するようになります。余分な活性酵素を取り除き、老化防止(アンチエイジング)に役立つと近年注目されています。

参考:リグナン類の機能性 特にゴマリグナンを中心に

ビタミンE

ビタミンEは別名若返りのビタミンと言われていて、抗酸化作用や血行を良くする働きがあります。

血行が促進されることによって全身の細胞に酸素が運び込まれ、内臓機能をアップさせます。さらに先程ご紹介したセサミンにはビタミンEを守る力があり、血中にビタミンEを送り出す手伝いをしてくれることがわかっています。

そのためビタミンEとセサミンを一緒に摂取すると、冷え性や肩こり緩和、美肌効果など相乗効果が得られます。

参考:山下かなへ,「食品成分相互作用による生体内抗酸化機能の増強効果-ゴマリグナンとビタミンE-」日本栄養・食糧学会誌,2009,62-4,155-163

カルシウム・鉄などのミネラル

ごまにはカルシウムや鉄も多く含まれています。カルシウムは骨を作るだけではなく、血管など細胞の活動にも大きな影響を与えます。

不足するとイライラや肩こりに加え、高血圧のさらなる原因にもなってしまいます。カルシウムはごまの皮に多く含まれており、ごまの皮が取り除かれたもの(みがきごまなど)に関しては、カルシウム自体も除去されてしまっていることになります。

すりごまはいりごまをそのままの状態ですったものなので皮も入っていて、カルシウムを摂取するにはおすすめです。またごまには血行改善のために必要なミネラルの1つである鉄も豊富に含まれています

食物繊維

ごま1粒には全体の約10%の食物繊維が含まれていて、便秘予防にも効果的です。不溶性食物繊維が多く含まれており、腸内で水分を吸って膨らみ、それによって腸を刺激し排便を促す働きがあります。またコレステロールの排出を促す働きもあります。

食物繊維は不足すると便秘になりやすくなるので、腸内環境を整えるためにも食物繊維は積極的に摂ることを心がけましょう。腸内環境が整うと身体の代謝機能が高まり、高血圧の予防にもつながります。

ごまを使ったおすすめの料理3選

前章まではごまが高血圧に効果があることや、身体に有用な栄養素を多く含むことに関してご紹介してきましたが、これらの栄養素をより効率的に摂取するためには気をつけたいポイントがあります

栄養を効率的に吸収するには、ごまをすったり、ペースト状にしたりして食べるのがおすすめです。なぜかというと、ごまの皮はかたいので粒状のまま食べても栄養がなかなか吸収されないからです。

ごまを食べる時は、ごまを炒り、すり鉢ですったり、包丁で叩いたり、練りごまを使うのがごまの風味もより味わえておすすめです。

また、ごまはいろいろな食材と一緒に食べることで、栄養を補足する効果が期待できるので様々な料理と相性が良いのも優れている点です。その中でも和食はごまの栄養を効率よく摂取するために最適な調理法でもあります。

不足しがちなカルシウム・鉄が一緒に摂れる「ごま和え」

ごまを使った料理で最初に思いつくのがごま和えではないでしょうか。特にその中でもほうれん草のごま和えは定番ですが、とても理にかなった食べ方です。

ほうれん草に含まれるシュウ酸は食べすぎると尿路結石のリスクを高めると言われています。ほうれん草の唯一の欠点と言っても過言ではないシュウ酸ですが、摂取を抑えるためにはカルシウムを多く含む食材と食べ合わせることがポイントです。

特にカルシウムを多く含むごまと一緒に食べるごま和えはおすすめの食べ方です。さらに女性に不足しがちな鉄やカルシウムを補給することができます。もちろんごま和えは、ほうれん草だけでなくいんげんなど他の野菜との相性も抜群です。

ほうれん草とアーモンドの和え物

良質なたんぱく質が摂れる「豆腐の白和え」

ごまの成分の約20%はたんぱく質です。これだけでも肉や魚にも負けない含有量のたんぱく質ですが、大豆を一緒に食べ合わせることによってさらに良質のたんぱく質を摂取することができます。

そのため豆腐とごまで作る白和えは最強の組み合わせです。豆腐とごまそれぞれに含まれる必須アミノ酸のうち互いに不足しているアミノ酸を補足し合うので、アミノ酸バランスも良く栄養価値が高まります。

他にも柿やアスパラなど様々な具材で調理することによって、食感や味が大きく変化して飽きずにごまを摂取できます。その時に使用するごまは、練りごまを使用すると濃厚さが増すと同時に栄養が吸収されやすくなります。

食物繊維がたっぷり摂れる「きんぴらごぼう」

きんぴらごぼうにごまをトッピング

根菜の中でも食物繊維の豊富なごぼうとごまを組み合わせるきんぴらごぼうは、便秘気味な方に特におすすめです。食物繊維は腸内環境を整え、腸内細菌を良好に保つと言われています。

その中でもごまの食物繊維はほとんど消化されることがないまま腸へたどり着くため、より便秘解消に効果を発揮してくれます。

ごま油を使用し炒めて、最後にすりつぶしたごまをふりかけることで、体内に食物繊維が吸収されやすい一品に仕上がります。ごまを利用することで風味付けできるので食塩が少なくて済み、減塩にもつながります。

まとめ

ごまと高血圧改善の関係などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?普段何気なく使っていたごまには高血圧予防の他、さまざまな健康効果が期待できます。ごまの効果を知り早速取り入れてみようと思った方も多いのではないでしょうか。

高血圧対策は継続することが重要です。まず減塩を意識し食事のバランスを整えつつ、栄養豊富なごまを日々の食事に取り入れてみてください。

今回はごまの栄養を最大限に活用するために和食中心の料理を紹介しましたが、ごまは様々な料理との相性が優れているので、自分なりに上手くごまを利用して高血圧対策をしていきましょう。

参考:日本ゴマ科学会

この記事を書いた人:日下緑

この記事を書いた人:日下緑この記事を書いた人:日下緑

保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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