玉ねぎは血圧の上昇を抑制する?おすすめの食べ方もご紹介【管理栄養士が解説】

玉ねぎが血圧ケアに期待できることをご存知ですか?玉ねぎは、日常的によく食べられている身近な野菜のひとつ。最近よくテレビでも「高血圧にいい」「血圧を下げる効果がある」など、健康番組で特集されて注目されていますね。

血圧を管理するためには、適度に運動する習慣を持ったり、飲酒や喫煙の量を減らしたりなどの生活習慣の改善だけでなく、食事の塩分量を減らしたり、野菜を多く食べたりなどの【食生活改善】がとても大事になってきます。

今回は玉ねぎと血圧の関係を解説していくとともに、玉ねぎを使ったおすすめのレシピについてご紹介していきます。

玉ねぎが血圧に対して働く仕組みとは

玉ねぎが健康に良いというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は玉ねぎには血圧を下げると言われている「硫化アリル」という成分が含まれています。

硫化アリルは血管内で血液が固まるのを防ぎ、血栓をできにくくすることから、脳梗塞や心筋梗塞などの予防に役立つと言われています。血液の流れがスムーズになることで、血管にかかる圧力は少なくなるので、その結果血圧の低下が起こるのです。それ以外にも、硫化アリルの働きによって血中の余分な糖分や脂質が少なくなるので、生活習慣病の予防効果もあるといわれています。

また、玉ねぎを刻んだ時に目にしみたり、食べると辛いと感じたりすることがありますが、これは硫化アリルの催涙性が原因です。玉ねぎを切ることで、中に含まれる硫化アリルが空気中へ放出されるため、目や鼻を刺激して涙や鼻水が出るのです。

硫化アリルのほかにも、玉ねぎは健康効果の期待できる成分として「ケルセチン」を含んでいます。ケルセチンはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持っており、血圧上昇を抑えたり、LDL-コレステロール値を低減させたりなど、生活習慣病の予防につながると言われています。最近では、認知機能改善も示唆されており、認知症や要介護状態の予防も期待されています。

加熱調理でも成分がほとんど壊れなかったり、油と一緒の摂取でケルセチン吸収率がアップしたりするので、油で炒めるなどしてさまざまなメニューに取り入れることで摂取していきたいですね。

血圧ケアに効果的な玉ねぎの使い方

健康効果があると分かった玉ねぎですが、具体的にどのように活用していくのが良いのでしょうか。選び方や調理法などの活用術について解説していきます。

生と加熱はどちらが良い?その調理法は?

先述した玉ねぎの栄養成分「硫化アリル」は、水溶性のため水にさらすと流れ出てしまいます。栄養を逃さず摂りたい場合は、水にさらさず切ってからすぐに食べるようにしましょう。

しかし、生の玉ねぎは辛みがあるので、そのままだと食べにくいですよね。新玉ねぎなど辛みが少ないものはこの方法を使えますが、玉ねぎの栄養を効果的に摂るためには加熱して食べることがおすすめです。

加熱して食べる際は、スープなどの水分ごと食べるメニューや、油で炒めるものと相性が良く、玉ねぎの栄養成分をまるごと摂ることができます。

どこの部分に栄養が多いの?

玉ねぎは皮の部分に「ケルセチン」が豊富で、皮が濃い茶褐色をした玉ねぎに多く含まれています。植物は外側ほど日光を浴びて光合成し、栄養分を多く作り出すため、皮の部分に栄養が集まっているのです。

しかし、玉ねぎの皮は通常捨ててしまうものなので、摂取することはなかなか難しいですよね。玉ねぎの皮にある栄養まで摂取するためには、玉ねぎの皮を使って玉ねぎ茶にする方法があります。皮をよく洗って10分煮出すことで作ることができ、手軽に摂取できるので玉ねぎの皮は捨てないで活用したいですね。

栄養のある玉ねぎの選び方は?

新鮮で栄養のある玉ねぎを選びたい時は、玉ねぎの上部の先端が尖っていて、身が硬くしまりどっしりとした重みのあるものを見分けましょう。

玉ねぎはしっかり乾燥させてから出荷するため、表面の皮が乾いていてツヤのあるものを選ぶのもコツです。形に関しては球型に近いほど質が良いとされています。平らなものは熟しすぎている可能性があるので、丸い形のものがおすすめですね。

玉ねぎと食べる時の注意点

玉ねぎには硫化アリルという成分が含まれており、腸の動きを活発にして刺激を与える働きがあると言われています。調子の良くない時などに玉ねぎをあまりに多く食べすぎると、腸への刺激が強くなりすぎてしまう可能性も否めませんので、摂取量には気をつけましょう。心配な方は生で食べるよりも加熱して食べるといいでしょう。

玉ねぎを使ったおすすめ料理と作り方

今回は血圧ケアにおすすめの玉ねぎを使ったレシピを3つ紹介していきます。

血圧が気になる方は食生活習慣の一つとして、日々の食事から玉ねぎを摂取していきましょう。生で食べる場合と、加熱して食べる場合、両方のレシピをご自身の食生活に合わせてぜひ活用してくださいね。

 そのままでも料理に使うことができる万能「酢玉ねぎ」

お酢は血圧上昇を抑えると言われており、玉ねぎに加えて酢玉ねぎとして摂取することで、より血圧を正常に保つ働きが期待できます。酢玉ねぎは一度作っておけば、常備菜としてそのまま食べることもできますし、料理に使ってアレンジもできるのでとても便利な一品です。

<レシピ>

  • 材料

・玉ねぎ…2個

・塩…小さじ1

・酢…150ml程度

・はちみつ…大さじ1~2

※酢はりんご酢、米酢、黒酢など醸造酢であれば可

  • 作り方

①玉ねぎを洗って皮をむき、半分に切って薄切りにする

②薄切りにした玉ねぎを広げて15~20分ほど空気にさらす

③塩を振りかけ、よくかき混ぜる

④密閉できる容器に玉ねぎを入れて、お酢を入れて混ぜる

⑤はちみつを少量のお湯で溶かし加える

⑥しっかりと密閉させて、冷蔵庫で保存

(賞味期限は冷蔵庫で1週間から10日間保存が目安)

1日に40~50gを目安に摂り入れましょう。サラダにトッピングしたり、メイン料理に添えたりするのも良いかと思います。

定番料理で美味しく玉ねぎを「豚肉のしょうが焼き」

食卓にもよく並ぶ料理である豚肉のしょうが焼きは、玉ねぎを摂取することのできる定番メニューの一つです。油で調理をすることにより、ケルセチンの吸収率アップを期待できます。

豚肉の旨味としょうがの風味で食欲をそそり、美味しく玉ねぎを摂取できますが、意外にも調理法は簡単なので、普段の料理に取り入れやすい一品です。

※写真はイメージです。

  • 材料(2人分)

・豚こま切れ肉…160g

・玉ねぎ…1個

・しょうゆ…大さじ1

・みりん…大さじ1/2

・砂糖…大さじ1/2

・おろし生姜…小さじ1

・油…少々

・キャベツ…2枚

・ミニトマト…4個

  • 作り方

①豚肉に砂糖、みりん、しょうゆ、おろし生姜をもみこむ

②玉ねぎを薄切り、キャベツは千切りにする

③フライパンに油をひき、玉ねぎと豚肉を炒める

④お皿にキャベツ、ミニトマトを盛り付けて完成

豚肉のしょうが焼きは誰もが知る定番メニューではありますが、玉ねぎの栄養をしっかり摂ることのできるおかずなので、日々の献立にぜひ取り入れてみてください。

 スープに玉ねぎの栄養満点「玉ねぎのまるごとスープ」

最後に紹介するのは、玉ねぎをまるごと使った「玉ねぎのまるごとスープ」です。玉ねぎの栄養は水に溶けやすい性質があるため、スープのように水分と一緒に摂取出来る調理法が向いています。

今回は電子レンジを用いて時短しながら作るスープなので、忙しい時でも簡単に作れます。玉ねぎとベーコンの旨味にシンプルな味付けは、寒い冬の時期にほっとする温かいメニュー。見た目も華やかなため、あと一品追加したい時におすすめのレシピです。

※写真はイメージです。

  • 材料(2人分)

・玉ねぎ…2個

・ベーコン…2枚

・水…300ml

・コンソメ顆粒…小さじ1

・乾燥パセリ…少々

・こしょう…少々

  • 作り方

①皮をむいた玉ねぎに十字の切込みを入れる。ベーコンは細めの短冊切りにする

②レンジで柔らかくなるまで加熱する(ふんわりとラップし600W・5分目安)

③炒めたベーコンに水、コンソメを加えてコンソメスープを作る

④コンソメスープに玉ねぎを加えて5分程度煮込む

⑤器に盛り付け、パセリとこしょうをふって完成

今回は玉ねぎをまるごと使用しボリュームもある一品ですが、量を食べられない方には玉ねぎをみじん切りにしたスープもおすすめです。玉ねぎをバターで炒めてからコンソメと塩・こしょうで味付けすることで美味しいスープに仕上がります。

まとめ

今回は玉ねぎと血圧の関係や、玉ねぎを使ったおすすめレシピについてご紹介してきました。玉ねぎは野菜の中でもとても身近な食材なので、日々の食生活に取り入れやすいかと思います。

食べ方や調理法によっても栄養素の失われる量が変わってくるため、今回ご紹介した調理法をぜひ参考にしてみてください。特に血圧が気になっている方は、色々なメニューを試しながら玉ねぎを食べることを習慣化していけると良いですね。

また、いくら玉ねぎが血圧ケアに良いからと言っても、1つの食材ばかりを食べ続けることは管理栄養士としてはおすすめ出来ません。

バランスの良い食事が最も大切なことですので、特定の食材に偏ることのないように、さまざまな食材を取り入れることを忘れないでくださいね。

この記事を書いた人:日下緑

この記事を書いた人:日下緑この記事を書いた人:日下緑

保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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