じゃがいもの栄養とは?気になるカロリーや意外にも豊富に含まれる栄養を解説!

じゃがいも

春に収穫される「新じゃが」が有名なじゃがいも。しかし実のところ、じゃがいもの旬は春だけではないのです。じゃがいもの旬は春と秋、1年に2回訪れます。正確な時期は品種にもよりますが5~6月、10~2月ごろになります。

春には皮が薄くてみずみずしい新じゃがいもが、秋には皮が厚めで長期保存に向いたじゃがいもがとれます。

エネルギーのもととなる炭水化物の他にも栄養素を豊富に含んでいるじゃがいもの効能や、効率的に栄養を摂取できる食べ方、レシピをご紹介します。

じゃがいもに含まれる栄養素の効能とは

じゃがいもの主成分は「炭水化物」です。炭水化物はたんぱく質、脂質と並ぶ「三大栄養素」であり生命維持や活動に欠かせないエネルギー源です。

炭水化物はエネルギー源になる「糖質」と消化吸収されずエネルギー源にはならない「食物繊維」の2つに分けられます。

そしてじゃがいもは炭水化物以外にもビタミンやミネラルが含まれているのが特徴です。今回は、じゃがいものもつ栄養素と効能についてご紹介します。

大事なエネルギー源である「炭水化物」

炭水化物はたんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素とされており、人間にとっては欠かせない栄養素の一つです。

炭水化物は体内に取り入れられると糖質と食物繊維に分けられ、糖質は生命維持や活動に必要不可欠なエネルギー源になります。人間はエネルギー不足になると疲れやすくなり、集中力も減少してしまいます。

反対に摂り過ぎるとエネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になるので注意しましょう。糖尿病や糖尿病の予備軍の方で糖質の制限をされている場合は必ず主治医の指示に従ってください。

自身に見合った1日のエネルギー必要量を把握し、適正量を摂取するよう心掛けましょう。

加熱しても壊れにくい「ビタミンC」

身体の免疫力を高める、コラーゲンの生成を促す、鉄やカルシウムの吸収を高めるなどの効果が期待できるビタミンCですが、レモンやみかんなどの柑橘類に多く含まれるイメージがありますよね。実はじゃがいも(生)にもみかんと同等量のビタミンCが含まれています。

ビタミンCの1日あたりの推奨摂取量は100mgとされています。じゃがいも1個(100g)の中には35mgのビタミンCが含まれており、これは1日に必要な量の1/3に相当します。

ビタミンCは熱に弱いので、加熱調理で失われやすいことが知られています。しかし、じゃがいもの場合はでんぷんがビタミンCを守るので、加熱調理をしても失われにくいとされています。

むくみ予防や血圧が高めの方におすすめの「カリウム」

カリウムにはナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調整する上で重要な栄養素です。日頃からむくみがちな方や血圧が高めの方にも良いとされています。

カリウムが多いとされる食材・バナナには100gあたり360mg、にんじん(100g)には270mg、トマト(100g)には210mgのカリウムが、それぞれ含まれています。それに対してじゃがいも(蒸し)100gあたりのカリウム含有量は330mgです。

じゃがいもは、にんじんやトマトよりもカリウムを豊富に含んだ食材なのです。

不足しがちな「食物繊維」が豊富

食物繊維は便のかさを増やす、腸内の善玉菌を増やすなど、腸内環境を整えてくれるため便秘予防に効果があることで有名ですよね。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きもあり、生活習慣病の予防・改善効果が期待できます。

じゃがいもには、普段私たちが主食として食べている白米よりも多くの食物繊維が含まれています。不足しがちな食物繊維ですが、身近にあるいも類から簡単に摂ることができます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)

じゃがいものカロリーは実は低い

じゃがいもはでんぷんを多く含んでおり、主成分は炭水化物だとされています。フライドポテトなどのジャンクフードのイメージも強く、エネルギー量(カロリー)が高い食材だと思っている方も多いのではないでしょうか。

白米は100gで168kcal。それに対して、同じ分量のじゃがいも(蒸し)では84kcalとカロリーは約半分です。同じいも類のさつまいも(蒸し)には134kcalのエネルギー量が含まれることを考えると、じゃがいもはお腹が満たされる食材であるにも関わらずエネルギー量は比較的低めと言えるでしょう。

ただしじゃがいもはマヨネーズやバターとの相性も良く、一緒に食べると美味しいので、エネルギー量などを気にしている場合は調理方法には注意が必要です。

じゃがいもに含まれる栄養成分を効率的に摂取する調理法とは

エネルギー源となる糖質以外にも「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」など身体に大切な栄養素を豊富に含んでいるじゃがいもは、調理の工夫によって効率的に栄養を摂取することができます。

炭水化物が多いいも類の摂取を控えている方もいらっしゃいますが、ポイントを押さえて料理に取り入れてみてください。

冷やして食べることでレジスタントスターチが増加

レジスタントスターチとは人間の小腸などでは消化されにくく、大腸まで届くでんぷんのことを言います。ほとんどの炭水化物に含まれており、加熱後に冷やすことでその量が増加します。

冷えたじゃがいもの一部は、食物繊維と同じような働きをし便として排出されるので、便秘で悩んでいる方にも効果が期待できます。また血糖値の上昇抑制に効果があるとも言われています。消化されずに腸内を移動することで消化が緩やかになるため、血糖値の急上昇が抑えられるからです。

じゃがいものレジスタントスターチ含有量は白米の1.5倍、冷やすとさらにその量は白米の2倍以上になると言われています。じゃがいもを使った冷たい料理といえば「ポテトサラダ」「マッシュポテト」「じゃがいもの冷製スープ」などがあります。

また冷やしたあと、マヨネーズを使用した場合、レジスタントスターチは増加したという報告もあります。

じゃがいもは蒸し料理や煮汁ごと食べられる料理が賢い食べ方

ビタミンCやカリウムなどの水溶性の成分は水に溶けだしてしまう性質があるため、でんぷんに守られているといっても茹でこぼすような調理法はせっかくの栄養素を逃してしまう可能性があります。

ビタミンCを無駄なく摂るためには蒸し料理や煮汁ごと食べる料理が適しています。じゃがいも料理の定番である「肉じゃが」や「カレー」などは理にかなった食べ方の一つだということがわかりますね。

じゃがいもは皮にも栄養満点

じゃがいもの伝統的な料理といえばマッシュポテト、ポテトサラダ、粉ふきいもなどがありますが、多くの方が皮を剥いた状態で調理しているのではないでしょうか。しかし、それはもったいない栄養の摂り方です。

じゃがいもに含まれる栄養素であるビタミンやミネラルの約20%は、実は皮に含まれています。また、皮には食物繊維も含まれているので、皮を剥かずにまるごと食べるのは賢い食べ方です。

皮ごと食べるときはよく洗い、じゃがいもの芽の部分はソラニンやチャコニンという毒素があるため取り除いてから食べるようにしてください。

参考文献:松田寛子,中澤暁輝「ポテトサラダを想定したジャガイモ中のレジスタントスターチ含有量に与える調味料添加の影響」日本調理科学会大会研究発表要旨集, 30(0), 15, 2018
参考:農林水産省/「食品に含まれるソラニンやチャコニン

じゃがいもを使ったおすすめ料理3選

おいしく健康的にじゃがいもを摂取するため、「茹でる・蒸す・煮る」を上手に活用して調理しましょう。

じゃがいもを使った料理というとカレーや肉じゃがなどのメニューを思い浮かべますよね。それら以外にもじゃがいもは洋食・和食を問わず使用でき、年中出回っている食材です。その利点を毎日の献立に活かしてみてください。

マッシュポテト

じゃがいも

先ほど紹介したレジスタントスターチの効果が発揮できる料理といえば「マッシュポテト」です。じゃがいもを一度加熱した後に冷ますことでレジスタントスターチがさらに増加します。

レジスタントスターチは食物繊維と同じような働きをし、便として排出されます。そのためレジスタントスターチを多く摂取できるマッシュポテトは、便秘で悩んでいる方や腸内環境を整えたい方におすすめの料理です。牛乳を足すことでカルシウムやたんぱく質も一緒に補給することができます。

シンプルな食べ方ではありますが、じゃがいもの風味が感じられ満足感もあり、アレンジもきくので一品あると助かるレシピです。

じゃがいものスープ

じゃがいも

スープにすることで、水に溶けだしたじゃがいものビタミンCをまるごと摂取できます。

一緒に煮込む具材を工夫することで野菜もたっぷり食べられますし、豚肉や魚介類などを加えるとたんぱく質も補給することができて満足感も高まります。スープに最適なじゃがいもの品種は煮くずれの少ないメークインなどです。

またカリウムも水溶性の栄養素なので、煮込むことによって流れ出てしまいます。煮汁を残さず飲み干せるスープにすることで、効果を存分に発揮できるといえるでしょう。カリウムは塩分を身体の外へ排出してくれるので、血圧が気になる方はその他のカリウム豊富な野菜と合わせて煮込みましょう。

じゃがいもの煮っころがし

じゃがいも

「里芋の煮っころがし」ならぬ「じゃがいもの煮っころがし」も皮ごと食べられて、おすすめの調理法です。特に新じゃがいもは皮が薄くてやわらかいので、皮ごと食べられます。

じゃがいもの皮には全体含有量のうち20%のビタミンやミネラル、そして豊富な食物繊維が含まれています。旬のおいしさを味わえる新じゃがいもはビタミンCが普通のじゃがいもより多く、皮ごと食べやすいのでさらに栄養が効率よく摂取できます。

まとめ

今回はエネルギー源となる糖質以外にも、腸内環境の改善や生活習慣病予防が期待できる食物繊維、抗酸化作用のあるビタミンC、血圧低下やむくみ解消が期待できるカリウムなどが含まれるじゃがいもについて紹介しました。身体に嬉しいさまざまなメリットがありましたね。

今までじゃがいもは含まれているエネルギー量(カロリー)が気になって避けていた方も多いかと思いますが、食べ方に気を付けるだけで私たちの味方になってくれます。普段から手に入りやすい食材なので、健康や美容のために上手に日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:日下緑

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保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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