疲労回復に効果的!豚肉の部位ごとの栄養やおすすめの食べ方も解説

加齢とともに筋肉や体力の衰えを感じている方もいるのではないでしょうか。最近では「フレイル」という言葉もよく聞かれるようになり、要介護状態に進まずに済むためには食事からの健康管理も重要とされています。その点においてたんぱく質の摂取は非常に重要なもので、肉や魚、卵は主なたんぱく源の食品です。

ここでは肉のなかでも家庭でよく使われる豚肉について注目し、どのような栄養が含まれているのかやおすすめの食べ方について紹介していきます。

豚肉のもつ栄養素と効果とは

豚肉にはたんぱく質、脂質、ビタミンB1などの栄養素が含まれています。たんぱく質はアミノ酸から構成されていますが豚肉のたんぱく質はこのアミノ酸のバランスがよく「良質のたんぱく質」といわれる食品です。

ビタミンB1は牛肉や鶏肉など他の肉類には少ないビタミンです。糖質の代謝をサポートする働きがあるので疲労回復にも役立つとされています。また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをするナイアシンというビタミンも多く含まれています。

脂質にはコレステロールや中性脂肪を増加させる飽和脂肪酸が多く含まれているので食べ過ぎには気をつけなければなりません。よく食べられているロース肉であれば100gあたり291kcalほどになります。しかし、部位を選べば脂質を減らしてカロリーを落とすこともできるので工夫次第ともいえるでしょう。

豚肉には良質のたんぱく質が含まれており、代謝をサポートするビタミンB1も多い食品です。糖質の摂取量が多い方や効率よくたんぱく質を摂取したい方におすすめの食品といえます。

たんぱく質

たんぱく質は、糖質、脂質とともにエネルギー産生栄養素といわれている主要な栄養素です。私たちの体のなかには体重の約5分の1を占めるたんぱく質が存在しており、血液や筋肉、臓器など身体の組織を作るために必要な栄養素です。

その他、酵素やホルモンなど生命の維持に欠かせない物質の成分ともなっています。加齢による筋力低下の予防にも役立つ栄養素なので、体力維持のためには欠かせません。たんぱく質を構成しているアミノ酸には、身体のなかで作ることができない「必須アミノ酸」というものも存在しているため、毎日食べ物からのたんぱく質補給が欠かせないのです。

ビタミンB1

ビタミンB1は水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、かつて大流行した脚気(かっけ)という病気はビタミンB1の欠乏によって起こったと知られています。ビタミンB1の働きは主に糖質からのエネルギー産生を助けるもので、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする働きも持っています。また脳は糖質を栄養源として使っているので、ビタミンB1は脳神経系を正常に保つ働きにも関与しています。

肉類でビタミンB1が多く含まれているのは豚肉です。丼や麺類など、糖質の多い食事に偏りやすい方にはおすすめだといえるでしょう。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の一種でビタミンB1と同様の水溶性ビタミンです。体内にあるトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができます。ナイアシンはエネルギー産生栄養素である糖質、脂質、たんぱく質から細胞でエネルギーを産生するときに働く酵素の作用を補助する働きもあります。この働きによって皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きもあるので、ナイアシンは肌のトラブルを防ぎたい方におすすめの栄養素です。

また、ナイアシンは不足がすすむとペラグラという皮膚炎を主症状とする病気になることが知られていますが、食事による欠乏症は先進国では稀です。

豚肉の部位と栄養素

豚肉とひとまとめにいってもいろいろな部位があり、栄養素の構成も異なっています。ここではそれぞれの部位についてどのような特徴があり、どんな栄養素が含まれているのかを解説していきます。

ロース

肩の後ろから腰の近くまでの背骨の両側の部位がロースです。肉質が柔らかくきめが細かい特徴を持ち、赤身と脂身のバランスがよくほどよい旨味を持っています。外側に脂肪がついていますが、この部分に旨味が凝縮されていますので、全てとってしまうと旨味は落ちます。ロースは100gあたりたんぱく質を18gほど含んでおり脂質も高めです。

肩ロースと比べてビタミンB1やナイアシンの含有量も多く、栄養価の高い部位といえるでしょう。

肩ロース

肩ロースは赤身の中に脂肪が網目状に広がっています。ロースよりも脂身が多いので濃い味わいが好きな方にはオススメの部位です。下処理の際に筋切りをすると焼いたときの肉の縮みを防ぐことができます。用途としてはシチューやカレー、ソテー、ステーキなど幅広く使いやすい部位です。

肩ロースの栄養は、ロースよりも脂質とタンパク質の含有量が少なくカロリーも100グラム当たり40キロカロリーほど低くなっています。肩ロースには鉄が多く含まれ、豚肉の部位としてはヒレの次に多い含有量です。

ヒレ

ヒレはロースの内側に位置し、ひとつの豚から僅かしか取れない希少な部位です。豚肉の各部位のなかでもきめ細かく柔らかい肉質を持っています。ヒレは柔らかいのでヒレカツやステーキなどさまざまな料理に使うことができますが、油を使った料理ではもちろんカロリーが高くなります。

また、ヒレは鉄や亜鉛などの不足しやすいミネラル成分が多く含まれており、糖質の代謝をサポートするビタミンB1のなかでは最も多い含有量です。ヒレは低脂質高たんぱくで栄養価の高い部位といえるでしょう。

モモ

もも肉は豚のお尻の部分で、ヒレ肉ほどではありませんが比較的低脂質高たんぱくのあっさりとした味わいの部位です。もも肉はスライス肉や角切りブロックなどさまざまな形態で販売されており、料理への幅広い活用が楽しめます。

また、もも肉には糖質の代謝をサポートするビタミンB1が多く含まれていますが、各部位の中で最も多いのがナイアシンとなっています。肌や粘膜の健康が気になる方にはおすすめの部位といえるでしょう。

バラ

バラ肉は脂質を多く含んでいる部位です。他の部位と比較するとダントツで脂質が多く、カロリーはヒレ肉の4倍にもなります。一方でたんぱく質の含有量は少なめで、健康のことを考えるとあまり適している部位とはいえません。

しかし、バラ肉はファンも多いのも事実で、こってりとしたボリュームがありつつも手ごろな価格で購入できるのが魅力です。バラ肉の用途は幅広く、チャーハンやチャーシュー、酢豚、角煮などさまざまな料理があります。

レバー

レバーは肝臓のことをいうので、肉ではなく内臓に分けられます。脂質の含有量は少なくたんぱく質が多く含まれている部位であり、肉とは栄養素の構成が大きく異なっているのです。

レバーにはビタミンやミネラルが多く含まれており、特に多く含まれているのがビタミンAです。ビタミンAは脂溶性のビタミンで、摂りすぎると身体に余分に蓄積されてしまい、頭痛や脱毛などの症状が現れることがあります。このため、レバーが栄養豊富な食品だとはいっても、食べ過ぎには注意する必要があるのです。

ハツ

ハツは心臓のことをいいます。食感は固く筋肉の繊維が細く密になっているので、コリコリとした特徴のある食感をしています。豚のハツは牛のハツに比べてさっぱりしており、淡白な味わいが好みの方におすすめです。

ハツもレバー同様ミネラルやビタミンが豊富に含まれていますが、レバーとは異なりビタミンAはほとんど含まれていません。ハツにはビタミンB12が多く含まれており、葉酸と合わせてとると赤血球のヘモグロビンの生成をサポートする役割があります。ビタミンB12は取りすぎても必要以上に吸収されないため過剰性の心配はありません。

豚肉を加工した食品の栄養素

肉加工品はそのまま食べたり、簡単な調理を施したりするだけで使うことができ、大変便利な食材で普段使いに重宝します。肉加工品はあまり身体によくないというイメージもあるかもしれませんが実際はどうなのでしょうか。

ここではハム、ソーセージ、ベーコンと3つの肉加工品についてどのようなものなのかを解説していきます。

ハム

ロースハムは豚肉のロース肉を使って作られるハムのことをいいます。家庭でもよく使われる身近なハムです。ロースハムは柔らかい食感と細かいキメが特徴で適度に脂肪を含んでいます。1枚あたりのたんぱく質は4g弱、脂質が3g弱となっています。塩分量が多いので栄養補給として食べてしまうと食塩のとりすぎになるので気を付けましょう。

ベーコン

ベーコンは肉加工品のなかでも特に脂質が多く、血中脂質を上昇させる飽和脂肪酸の割合が多いので気をつけながらとり入れたい食品です。独特の香りや風味を活かして、スープや付け合わせ、炒め物などに使われることが多いですが、あえて油を使わずにベーコンの油を活かして調理することで脂質を抑えることも可能です。

ソーセージ

ソーセージと呼ばれるものにはウィンナーを始めとしていろいろな種類がありますが、家庭でよく食べられるのはウィンナーです。焼いたり電子レンジで温めたりするだけで手軽に食べられるので時短料理としても便利ですね。

ソーセージにもたんぱく質が含まれていますが、脂質や塩分の含有量が多いので食べる量には注意が必要です。

新鮮な豚肉の選び方

せっかくお肉を食べるなら新鮮でおいしいものを選びたいものですね。ここではスーパーやお肉屋さんで豚肉を買うときの選び方のポイントについて説明していきます。

まず、肉はパックに入っていることが多いですが、傾けたときに「ドリップ」という赤い汁が出ているのは時間が経っている可能性があるので控えた方がよいです。本来肉に含まれる旨味や栄養がドリップに流れてしまっています。

また、肉表面の艶もいい肉を選ぶポイントになります。見た目が乾燥している肉はうまみが少ない可能性があるので、表面がみずみずしく艶のある肉を選びましょう。

ビタミンB1の吸収率がアップする食べ方は?

ビタミンB1はエネルギー産生栄養素である糖質の代謝をサポートするビタミンです。ビタミンB1が不足すると糖質の代謝がスムーズに行われず、疲労感などの原因になる場合もあります。また、ビタミンB1は食欲を増進させる作用もあるので食欲不振の方や日々疲れが取れないと感じている方におすすめです。

ビタミンB1はアリシンと呼ばれる栄養素と一緒に摂取すると吸収率が高まるといわれています。アリシンはニンニクや玉ねぎに含まれる成分です。これらの食材には肉の臭みを取り除いたり柔らかくしたりする効果もあるので、豚肉と一緒に合わせてみてはいかがでしょうか。

豚肉を使ったおすすめレシピ

豚肉は家庭で使われることの多い肉類ですが、いつも同じ調理法や味付けになって困っているという方もいるのではないでしょうか。ここでは豚肉を使った栄養たっぷりのレシピを紹介していきます。豚肉レシピのバリエーションを広げて普段の食事をより楽しいものにしていきましょう。

豚肉の味噌にんにく炒め

フライパンにごま油をしいてみじん切りにしたニンニクを炒めます。そこに豚肉を入れて好きな野菜を合わせ、味噌ダレで味をつけたレシピです。

豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を高めるニンニクと合わせることで栄養を逃さないように工夫されています。野菜も一緒にたっぷり取れるので、ボリュームを保ちながらもカロリーを抑えることができる満足メニューでもあります。

豚しゃぶ

野菜をたくさん摂りたいときや、さっぱりとしたおかずを摂りたいときにおすすめなのが、茹でた豚肉を野菜と一緒に好みのたタレで食べる豚しゃぶです。もやしやキャベツなど、安価で購入できる野菜と合わせれば節約メニューとしても活躍します。

合わせるタレはごまダレがおすすめですが、よりあっさりさせて食べたいときにはポン酢もよく合います。

ヒレステーキ

豚肉のなかでも最も脂質が少なくカロリーが少ないのがヒレ肉です。肉質も柔らかく食べやすいので、身体のことを考えるときには一番に選びたい部位ですね。ヒレ肉といえばヒレカツを思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、カツは衣を付けたり油で揚げたりとなかなか手のかかるもの。手軽に食べたいときはフライパンで焼くだけのステーキがおすすめですよ。焼くときにニンニクを加えて、ビタミンB1の吸収率をアップさせましょう。

まとめ

豚肉には脂質が多く含まれるバラ肉、たんぱく質が豊富で低カロリーのヒレなど、さまざまな部位があります。部位によってたんぱく質と脂質の比率の違いに大きな差はありますが、ビタミンB1やナイアシンなどの微量栄養素にはそれほど大きな違いはありません。

新鮮な豚肉を選ぶポイントや、ビタミンB1の吸収を高めるポイントを意識して、身体にとってより健康的な食べ方をしていきましょう。

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この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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