パイナップルの栄養と効果とは?保存方法や選び方を管理栄養士が解説

とげとげとした葉っぱと少し手触りが気になる皮をもつパイナップル。切り分けると芳香な香りと果汁があふれる魅惑の南国のフルーツです。栄養価も高く、食後のデザートにもピッタリ。

しかし、大きなパイナップルは冷蔵庫にも入りにくくて切るのも一苦労しますよね。大人数でなければ食べるのも大変です。食べやすく切り分けられているカットパインもあるので上手に利用しましょう。

パイナップルのもつ栄養素と効果とは

パイナップルは食物繊維が豊富に含まれている果物なので、消化器官の老廃物を体外に排出してくれます。そのため、便秘や下痢に悩んでいる方におすすめできる果物です。

また、パイナップルの酸味であるクエン酸は疲労回復に役立つ栄養素です。健康のために運動を行った後に食べれば、疲れを早く解消してくれる上、水分と糖分補給にも役立ちますよ。

パイナップルは甘いイメージが強く、カロリーが高いと思われがちですが、可食部100gで51kcal。茶碗1杯のご飯の1/5ほどと低カロリーな果物です。

お腹のスッキリ感に!食物繊維

パイナップル100g中に食物繊維は1.5g含まれています。パイナップルには不溶性の食物繊維が多く、便のカサを増やす役割があります。便のカサが増えると腸を刺激しやすくなるので、排便がスムーズに起こりやすくなります。

普段から便が緩いと感じる方は不溶性の食物繊維を意識して摂取すると、食物繊維が便の硬さを調節してくれますよ。

疲労回復を早めるクエン酸

パイナップルの酸味でもあるクエン酸は、筋肉でできる乳酸を速やかに分解する際に必要な栄養素です。クエン酸がしっかり確保できれば、疲労の素になる乳酸をスムーズに分解できるので疲れが取れやすくなります。

パイナップルは酸味があるのでビタミンCが多いイメージがあるかもしれませんが、ビタミンC自体には酸味はなく、パイナップルに含まれるビタミンCもそれほど多くはありません(100g中に27㎎)。

食後の胃もたれを防ぐブロメライン

ブロメラインは、パイナップルやキウイフルーツに含まれる「タンパク質分解酵素」です。人は消化器官の中にも分解酵素を何種類も持っているのですが、果物や野菜にも含まれているのです。

食後や食中にパイナップルを食べる事で、ブロメラインが肉や魚などのたんぱく質の消化を助ける働きをします。この酵素は食べる以外にも料理の下準備としても役立ちます。きざんだパイナップルに2時間ほど肉を漬けこむと、程よくたんぱく質が分解されて柔らかいお肉に仕上がります。

パイナップルを食べ過ぎると舌がピリピリするのはなぜ?

パイナップルを食べると舌を中心とした口の中がびりびり、ピリピリと痛んだ記憶がある方もいるのではないでしょうか。この刺激が苦手でパイナップルを好んで食べないという人もいます。

これが先に述べた「タンパク質分解酵素」であるブロメラインの働きによるものなのです。わかりやすくいうと、パイナップルの消化酵素が舌を溶かしている状態、これが舌がピリピリする原因です。

パイナップルを食べすぎたとしても舌が溶けてなくなるわけではないので心配はいりません。時間が経つと修復して痛みもなくなります。

この舌のピリピリを避ける方法は2つあります。1つはパイナップルを加熱すること。2つ目は完熟した、皮がオレンジ色に近くて果実も濃い黄色をしたものを選ぶこと。ただし、パイナップルを加熱するとブロメラインは分解されてしまいますし、完熟のパイナップルには未熟なものよりもブロメラインは少なくなってしまいます。ブロメラインの働きを重視するのであれば、皮が緑っぽい未熟なパイナップルを選んでください。

旬とおいしいパイナップルの選び方

野菜や果物には美味しく栄養素が豊富な時期である「旬」がそれぞれあります。ただし、輸入品が多いパイナップルは全世界の旬の時期のパイナップルが日本地届けられるので、店頭に並んでいるパイナップルは世界のどこかの国の旬なものだと思っていただいて大丈夫。

日本産もわずかですが生産されていて、4~6月が出回る時期です。

ここでは店頭で美味しいパイナップルの見分け方をご紹介します。

まるごとの場合

カットされていないパイナップルの場合、皮の色の濃さに注目しましょう。黄緑色がかっているパインは未熟で酸っぱいので要注意。皮全体がオレンジ色をしたパイナップルが、甘みが強くて柔らかく熟した合図です。熟しているとパイナップルの底の部分から甘い香りが漏れ出てきますよ。また、葉の色が濃くてツヤツヤしているものの方が鮮度が良いです。

すぐ食べないからといって黄緑色をしたパイナップルを買ってはいけません。バナナは収穫後、色が黄色くなって黒いポツポツが出てくることで食べごろを迎えますが、パイナップルは一度収穫してしまうとそれ以上美味しくならない(追熟できない)果物なのです。スーパーでおいしそうなパイナップルを選び、なるべく早く食べるようにしましょう。

カットされている場合

カットされたパイナップルは比較的外れはありません。プロが甘いパイナップルを厳選してカットしているからです。その中でも薄い黄色の物よりも、濃い黄色をしているパイナップルの方が甘くて熟しています。

甘すぎるパイナップルよりも少し酸味があるほうがいい、という方は黄色が薄めの物を選んでみると良いですよ。選び方がわかると自分好みのパイナップルを選ぶことができますね。

パイナップルの食べ頃

パイナップルの食べごろで悩んだ経験はありませんか。皮が硬そうな見た目から、日持ちがしそうに思いますが、パイナップルは買ったその日が食べごろといえます。

先に述べた通り、バナナと違ってパイナップルは収穫した後に追熟しない果物です。パイナップルは約90%を海外から輸入している果物です。船や飛行機に乗って長い時間をかけて日本に運ばれているのです。そのため、追熟しないパイナップルは買ってすぐに食べた方が、変に果肉が柔らかくなったり、腐敗する心配が無いので安心です。

パイナップルの切り方

パイナップルは、とげとげした葉と硬そうな皮の見た目から、皮を剥くのが大変そうだと思われがちです。しかし、いざ切ってみると包丁がスっと入るくらいの柔らかさ。たくさん食べたい時や、来客時に果物を出すときにはパイナップルがあると豪華に見えるのでご自分でカットに挑戦してみてはいかがでしょうか。

パイナップルの切り方には、おしゃれな切り方もありますが、食べやすく簡単にカットできる基本的な切り方をご紹介します。

  1. 頭の部分と底の部分を1㎝程切り落とす。
  2. 縦に半分に切り、さらに食べやすく3~4等分に長く切る。
  3. 中心にあるスジ張った芯を切り落とし、皮から身をはがすように包丁を入れる。(大体皮から5㎜くらいのところに包丁を入れる)
  4. 一口大になるように切れば完成。

パイナップルの芯はそのまま食べると筋張っていて食べにくいですが、細かく刻んで砂糖と一緒に煮てジャムにすると捨てずに食べることができますよ。

パイナップルは廃棄率(葉や皮などの食べられない部分)が45%と、ごみが多く出てしまうことだけは難点ですね。

パイナップルのおいしさを保つ保存方法

「買ったらすぐに食べた方がいい」とお伝えしましたが、買い物に行くタイミングとパイナップルを食べるタイミングが合わない場合は冷蔵保存しておきましょう。保存のコツと、食べきれない時の保存方法もお伝えします。

常温に置きすぎると果肉が柔らかくなりすぎて切りづらくなってしまうこともあるので要注意。

冷蔵保存の場合

皮を剥かずに保存する場合は葉の根元を1㎝程残して葉のみ切り落とし、野菜室に保管しましょう。葉っぱに栄養を取られて実が干からびてしまうことを防ぎます。

冷蔵室に保管すると4~5日は鮮度を保つことができます。野菜室がない場合は冷蔵室でも大丈夫です。

カットした後は清潔な密閉容器などに入れ、冷蔵保存で2~3日で食べ切るのが理想です。

冷凍保存の場合

食べやすい大きさにカットした後、フリーザーバックに重ならないようにパイナップルを入れ、冷凍庫に入れましょう。食べるときは冷凍のままアイス感覚で食べたり、冷蔵庫で2時間ほど解凍して半解凍で食べるのがおすすめ。

冷凍のまま小さなタッパーに入れて持ち運び、運動後に半解凍の状態で食べるとスポーツドリンク代わりになりますよ。

まとめ

パイナップルの旬から栄養素、保存方法までをご紹介しました。

栄養豊富なパイナップルは大きさの割にリーズナブルな果物です。ぜひ美味しいパイナップルの見分け方を参考にし、自分好みのパイナップルを選んで食べてみてください。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

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