実は梨の栄養はたっぷり!梨の効果やおいしさを保つ保存方法を解説
秋の果物である梨。みずみずしくてシャリっとした食感と、他にはない香りが特徴です。皮も薄いので皮ごと食べてしまう人もいるのではないでしょうか。
梨には大きく分けて和梨と洋梨があります。今回は和梨に注目して、梨に含まれる栄養素とおいしい梨の選び方、保存方法などをご紹介します。
目次
梨のもつ栄養素と効果とは
梨は中くらいの大きさの梨1個当たりは330gで、このうち皮や芯などを取り除いてみると約280gになります。280gあたりのカロリーは120kcalで、100gあたりは43kcal。
梨は疲労回復を早めてくれるクエン酸やアスパラギン酸、貧血を予防する銅などを含んでいる果物です。
解毒効果デトックス効果に期待!アスパラギン酸
梨には100g中に140㎎のアスパラギン酸が含まれています。
アスパラギン酸はエネルギーや窒素の代謝に関わるアミノ酸です。エネルギーの生成に関わることにより、疲労回復のスピードを速め、窒素の代謝に関わることにより、体内のアンモニアを無毒化する働きもあります。
また、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを体の隅々にまで運搬する働きも持っています。
貧血改善に!銅
銅は梨100g中0.06㎎とわずかですが、他の果物類よりも多めに含まれています。
赤血球中にあるヘモグロビンは鉄が無ければ生成されません。銅は鉄をヘモグロビンの正常な位置まで運搬する働きを担っています。このため、銅がなければ鉄を摂取していても赤血球が作れず、貧血になることがあります。
抗酸化作用で若返る!ポリフェノール
梨の皮を食べたことがある方は、少しえぐいような、渋いような味を感じたと思います。これがポリフェノールが含まれている証拠です。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があります。血管を丈夫にしたり、発がん物質を無力化する働きもあり、病気を予防することができるのです。
疲れを緩和するクエン酸
梨の酸味はクエン酸によるものです。クエン酸は、運動したときに体内で生成される乳酸をスムーズに代謝するために必要な栄養素です。
クエン酸を運動前や運動中に摂取することで、疲れやすさが変わったり、次の日に疲れを引きずらなくなるとされています。運動前のエネルギー補給には梨を食べると良いですね。
梨は栄養がないって本当?
梨は色が白くて栄養が少ないと思われがちです。確かに梨にはビタミン類は少ないものの、ポリフェノールやアスパラギン酸、クエン酸、カリウムなどの栄養素は含まれています。
また比較的カロリーが低く、食物繊維が多い果物です。アスパラギン酸とカリウムのデトックス効果と、食物繊維の腸内環境を整える働きもあることから、ダイエット中のデザートにおすすめな果物です。
また、梨にはたんぱく質を分解する酵素が含まれており、肉や魚などのたんぱく質と一緒に摂取することで消化や吸収を助けてくれます。
このように、梨には体に良い働きをしてくれる栄養素がしっかり含まれています。
梨とりんごの栄養の違い
梨とりんごは形がそっくりですよね。しかし、食べたときの食感や味が違うように、含まれている栄養素にも違いがあります。
りんごは100gあたり54kcalで、梨は43kcalとエネルギー量は4/5。これは、りんごの方が梨よりも炭水化物を多く含み、甘みが強いことが理由です。食物繊維もりんごの方が1.5倍ほど多く、ビタミン類も微量ですがりんごの方が多く含んでいます。
また、りんごは切り口がすぐに褐変してしまいます。これはりんごに含まれているポリフェノールの働きです。皮にもたっぷりとポリフェノールが含まれていますよ。じつは梨よりもりんごのポリフェノールの方が多く、優秀です。
ただし、りんごにはアレルギー反応を持つ人も多く、食べたいけれど食べられないという人も多いのが事実。それに対して梨アレルギーを持つ人は少ないです。
来客があった時に果物を出すときには、りんごよりも梨を選んで出した方が安心ですが、中には梨も食べられないダメという方人もいるので注意が必要です。
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梨の種類
冒頭で述べたように、大きく分けて梨には和梨と洋梨の二種類があります。あなたはどちらの梨がお好きですか。なんとなく違いが分かるかもしれませんが、ここではこの2種類の違いをわかりやすくお伝えします。
和梨
和梨は「和」とついていますが原産は中国。中国の梨を品種改良しています。
和梨の中でも皮の色で2つに分けられ、皮が黄褐色をしている赤梨 系が「幸水」や「豊水」、「新高梨」など。皮が薄い黄緑色の青梨系が「二十世紀」、「菊水」などです。
りんごのような見た目をしており、食感はシャリシャリでみずみずしいのが特徴。
洋梨
洋梨も実は中国が原産。見た目は和梨と違い、ヒョウタンのような下部が膨らんだ形をしています。洋梨は追熟するトトロっととろけるような舌触りとなり、香りも芳香で独特。
栄養価はというと洋梨の方が和梨よりもカロリーが高く 、100gあたり54kcal と和梨の1.2倍ほどのエネルギー量を持ちます。炭水化物の量が多く甘みが強いことが影響しています。食物繊維は和梨の2倍以上。よく聞く品種はラフランスや、ル・レクチェ、パートレットです。旬の時期が短く、日本では栽培に適した土地が少ないのであまり流通しないのが残念ですね。
旬とおいしい梨の選び方
梨にもさまざまな品種があり、品種ごとに収穫時期が分かれます。早いものは7月下旬から出回りますが、早い品種は比較的硬くて酸っぱいことが多いです。しかし、幸水という品種は8月に収穫できる上、実が柔らかくジューシーで甘い品種です。9月~12月に出回る梨は甘くて香りがよいですよ。豊水という品種は9月に出回る黄金色の梨です。甘みと酸味のバランスが良い人気の品種です。
和梨の場合、収穫してからすぐがおいしい時期なので、なるべく鮮度の良いものを購入しましょう。
おいしい梨の見分け方は、梨に張りがあってふっくら丸くずっしり重いものを選ぶと良いです。梨は熟しすぎたり長く置いておくと柔らかくなりすぎてしまい、あまりおいしくありません。
梨のみずみずしさを保つ保存方法
梨は収穫したて仕立てがおいしい果物です。収穫後5日が美味しさのピークと思っても大丈夫。購入後はなるべく早く食べ切るようにしましょう。
梨は乾燥と熱に弱いため、冷蔵保存がおすすめです。ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すると1週間くらいは美味い状態が保てます。
食べ切れなくて冷凍する場合は食べやすい大きさに切り、食べる半日前に冷蔵庫に戻して半解凍状態で食べるか、スムージーなどに氷の代わりに入れると良いです。完全に解凍してしまうと梨の食感がなくなってしまうので、注意しましょう。
まとめ
梨の栄養価から美味しい梨の見分け方、保存方法までをお伝えしました。
梨はデトックス効果のある栄養素を多く含む果物です。比較的安価に手に入るのもうれしいですよね。夏場の不摂生をリセットするためにも梨は大変おすすめです。