桃に含まれる栄養について管理栄養士が解説!おすすめの食べ方もご紹介
みずみずしい甘さが美味しい桃は、果実だけではなくジュースやゼリーなどの加工食品も人気です。酸味がほとんどないので、酸っぱいフルーツが苦手な方でも食べやすいでしょう。「桃は甘いからカロリーが高いのでは?」と心配だったり、「身体にはどのような効果があるのか知りたい」という方に向けて、ここでは桃に含まれる栄養とその効果について詳しく見ていきたいと思います。
目次
桃のもつ栄養素と効能とは
桃は水分を多く含む果物ですが、主成分は糖質となっています。糖質にはさまざまな種類がありますが、桃に多く含まれるのはフルクトースと呼ばれる果糖です。果糖は砂糖の1.5倍強い甘みを持ち、エネルギーに変換されやすいので疲労回復に効果があるとされています。
また、桃にはカリウムや食物繊維も多く含まれています。カリウムはナトリウムの排出を促すミネラルで高血圧や浮腫の予防改善に。食物繊維は便通を整えたり、糖質やコレステロールの吸収抑制に働きます。
このような栄養素の働きから、桃は身体が疲れている方や血圧が気になる方、便通を整えたい方などにおすすめの果物といえます。
糖質
身体や脳を働かせるためには欠かせない栄養素です。エネルギーを産生し、身体を動かしたり脳を活性化させたりする働きがあります。
糖質は食物繊維とともに炭水化物に含まれており、「摂ると太る…」のように誤解されることも多いです。「糖質制限」という言葉もよく耳にするかもしれませんが、決して制限しすぎはよくないので正しく理解しましょう。
カリウム
カリウムは多量ミネラルの一種です。ナトリウムとともに体内の浸透圧を維持する働きがあります。
ナトリウムを摂り過ぎると高血圧やむくみのリスクが高まりますが、カリウムはナトリウムの量を調整するので、体外への排出を促してくれます。
高血圧は脳血管疾患や心疾患を誘発する原因となることも。血圧の管理は生活習慣病のリスク低減に役立ちます。
食物繊維
食物繊維には2種類あり、それぞれ働きが異なっています。まず、不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質を持ち、便量の増加や腸の動きの活性化を促します。
一方水溶性食物繊維は、糖質やコレステロールの吸収を抑え、血糖値の上昇を防いだり血中脂質の増加を抑えたりする効果があります。
桃には水溶性食物繊維、不溶性食物繊維どちらも同じ程度の量が含まれていますのでどちらの作用も期待できるということです。どちらをとっても身体にはよい作用をもたらしてくれますので、特に意識する必要はありません。食事からの食物繊維が少ないなと感じるときには、間食やデザートに桃をとり入れてみましょう。
桃の種類とその違いとは
ひとまとめに桃といっても、さまざまな種類があるのをご存知でしょうか。缶詰の桃をイメージするとわかりやすいかもしれませんが、桃には白い果肉の桃、黄色い果肉の桃があります。スーパーでは白桃ばかりが売られていますが、種類によってどのような違いがあるのでしょうか。ここでは桃の種類を大きく3つに分けて解説していきます。
白桃
日本で桃の元祖として知られているのが白桃です。白桃の代表的な産地は岡山県で、白桃を改良してさまざまな桃が誕生しています。白桃は果汁が多く含まれており、そのジューシーさが魅力の一つ。生食用はほとんどが白桃となっています。白桃の果皮はピンクと白のコントラストが美しく、見た目を楽しむことも白桃の醍醐味です。桃はもともと中国で親しまれていた果物で、「不老不死」の果物として考えられ、霊的な力があり邪気を払うといわれていました。日本でも古い書物にも記載があり、昔から愛されてきたことがわかります。今となってはさまざまな桃が誕生していますが、ほとんどの桃の起源がこの白桃なのです。
黄桃
黄桃は缶詰でよく見かける品種です。肉質が硬いというのが缶詰で利用される主な理由でしたが、近年では肉質が柔らかく甘味のある黄桃も誕生しており生食用の黄桃も見かけるようになりました。生食ようの黄桃で有名な品種は「滝ノ沢ゴールド」や「黄貴妃」といったもの。果実のなかまで黄色で、断面が美しいといった魅力があります。また。「黄金桃」は特に黄桃のなかでも質が高く、甘くてジューシーな特徴は人気があります。見た目もしっかりとした肉質も、マンゴーのようで美味しいとの評価です。
白鳳
大きく分けると白桃に分類されますが、白桃と橘早生をかけ合わせてできた品種です。1925年に神奈川県の農事試験場で交配され、1933年に白鳳という名前が付けられました。白鳳からはさらにさまざまな品種が開発され、桃山白鳳、みさか白鳳など、さまざまな品種が派生しています。白鳳系の桃は繊維が少なく果汁が多いのが特徴で、酸味はほとんどなく甘味の強い品種です。食べたときにボタボタと果汁が滴るほどジューシーな桃となっています。
缶詰の桃でも栄養価は一緒?
桃にはカリウムや食物繊維をはじめさまざまな栄養素が含まれていますが、生の桃と缶詰の桃の栄養価ではどのような違いがあるのでしょうか。
100g当たりの量で比べると、生の桃に比べると缶詰の桃はカロリーが2倍ほど高くなります。また、カリウムは生の状態よりも缶詰の桃の方が100mgほど少なくなりますが、食物繊維の量はほとんど変わりません。
大きく量が変わる栄養素は少ないですが、多少なりとも変動はあります。しかし、少なくなるだけではなく、ビタミンEのように缶詰の方が多く含まれる栄養素もあるので、缶詰の方が栄養価が低いとは一概には言えません。
桃が旬の季節と保存方法
一般的に桃の旬は7〜8月となっていますが、品種が多いため早いものは5月くらいからスーパーに並びます。また、遅いものでは10月くらいまで食べられるので、比較的長い間楽しめる果物といえるでしょう。時期はずれてしまいますが、一番美味しく食べられるのは夏から秋にかけての時期です。みずみずしく美味しい桃を食べたいときは、タイミングを選んで購入してみてくださいね。
桃の保存は基本的には常温がおすすめです。1〜2日ほど常温に置いておくと、固い桃も柔らかくなります。すでに柔らかい場合は新聞紙に包んで冷蔵庫などに入れて冷やして保存しましょう。冷蔵庫の中は乾燥しますので、直接冷気を当てないことがポイントです。
桃を使ったおすすめ料理3選
それではここで、桃を使ったおすすめの料理を紹介していきます。桃は甘味が強いのでデザートの印象が強いですが、料理にも活用できる果物です。果物を料理に使うのはハードルが高く感じるかもしれませんが、ぜひ旬の桃を使って美味しい料理のレパートリーを広げてみてください。
桃の冷製パスタ
比較的よく見られる桃料理の代表的な存在です。細めのパスタに、桃と生ハムを合わせてにんにくやオリーブオイルで調味したものを飾った冷製パスタ。熱いものを受け付けない夏の料理には特におすすめのパスタです。お洒落なカフェやレストランのメニューに登場することも多い、ちょっと都会的なメニュー。さっぱりとフルーティーな味わいと、生ハムの塩味が程よくマッチします。モダンな食べ物ながらも作り方は簡単なので、暑くて食欲がわかないというときにはぜひ、ご自宅でも挑戦してみてくださいね。
桃モッツァレラ
名前のとおり、桃にモッツァレラチーズを合わせた料理です。味付けは黒こしょうや白ワインビネガーなどがおすすめ。桃の自然な風味とモッツァレラチーズ の程よい塩味がマッチしてワインのお供にもおすすめの味わいとなっています。意外な組み合わせですが、普通のおつまみに飽きてしまったときには、たまによいかもしれませんね。さらに生ハムやバジルなどをトッピングして食べても美味しいです。チーズが加わることでたんぱく質アップもはかれ、栄養面でもメリットがあります。
フルーツサンド
パンにフルーツとクリームを挟んで作るフルーツサンドが話題になりましたが、桃を使って作ることもできます。クリームは生クリームを使ってもよいのですが、おすすめは断然水切りヨーグルト。爽やかな酸味とまろやかな口当たりは桃の甘味とよく合います。食欲が落ちやすい夏でも、さっぱりとしたヨーグルト風味のサンドイッチであれば美味しく食べられるかもしれません。フルーツサンドにヨーグルトを使うときは、しっかりと水分を抜いて使うのがおすすめです。
まとめ
桃は水分を多く含むフルーツですが、エネルギー源となる糖質や高血圧・むくみ予防のカリウム、腸内環境を整える食物繊維などが多く含まれています。甘味が強く食べやすいのでそのまま食べるだけでも十分に美味しいフルーツですね。桃は白桃はもちろん、その他にもさまざまな種類が存在しています。そのまま食べるだけではなく、料理にも活用することができるのでいろいろな食べ方を試してみてください。カロリーは高くなりますが、デザートを作るときや簡単に食べたいときは缶詰の桃がおすすめです。
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