【管理栄養士が解説】玉ねぎがもつ栄養素と効能とは

「玉ねぎ」は血液をサラサラにするなどの健康効果があることは、すでにみなさんもご存じかと思います。

炒め物やスープ、サラダなど幅広いジャンルの料理にマッチする玉ねぎは、普段使いしやすく身近な食材の一つです。日頃からよく使う野菜として常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。

今回は野菜の中でも「玉ねぎ」がもつ栄養素やその効能について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

玉ねぎに含まれる栄養素・成分の効能とは?

たまねぎ

玉ねぎはビタミンやミネラル、たんぱく質など一般的に広く知られる成分はほとんど含まれていませんが、それ以外の特定の栄養が豊富に含まれています。その代表的な成分が「硫化アリル」と「ケルセチン」です。

玉ねぎを食べることによって血液がサラサラになるなどの健康効果や、強い抗酸化作用が働き免疫力がアップする効果が得られます。普段の食事から風邪を予防し、いつまでも健康で元気に生活するためにも積極的に摂りたい食材です。

今回は玉ねぎの持つ4つの栄養素とその働きについて説明していきます。

血液をサラサラにする「硫化アリル」

硫化アリルは玉ねぎを含むねぎ類全般、にら、にんにくに共通した特有の刺激的な匂いと辛味の基の成分です。

玉ねぎを切ったときに涙が出るのも硫化アリルの影響で、玉ねぎの細胞膜が破れ気化した硫化アリルが目や鼻の粘膜を刺激することによって、涙が流れます。

硫化アリルには血液の凝固を防ぎ、血栓を予防する働きがあるため、血液をサラサラにしてくれます。そのため動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞などの生活習慣病や高血圧を予防してくれるのです。

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老化や免疫力低下を防いでくれる「ケルセチン」

ケルセチンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールは植物の色や苦味のもととなる物質で、玉ねぎの薄黄色はケルセチンによるものです。

もともとポリフェノールは植物が自分自身を酸化から守るために分泌する物質なので、強い抗酸化作用を持っています。抗酸化作用により紫外線から肌を守ってくれるので、シワやシミなど肌の老化防止に効果を発揮します。

その他にも免疫力の低下を防ぐことで風邪の予防にも良いといわれています。また、脂肪の吸収を抑える働きがあるのでダイエットにも最適です。

品種によってケルセチンの含有量に差があり、赤玉ねぎ、黄玉ねぎ、白玉ねぎの順に多いといわれています。

女性に嬉しいデトックス効果がある「カリウム」

カリウムは塩分の摂り過ぎを調整するうえで重要なミネラルです。身体の中の余分な水分や塩分の排出を促し、むくみを改善してくれるのでデトックス効果が得られます。

また筋肉の収縮にも関わる成分です。したがって痙攣を起こしやすく、倦怠感を強く感じる時はカリウム不足を身体が訴えているのかもしれません。

ただ、腎臓の機能に障害を持っている方は調整がうまくいかず、高カリウム血症などになってしまう場合があるので注意が必要です。腎臓に持病を抱えていらっしゃる方は病院で主治医に相談のうえ、指示に従いましょう。

腸内環境を整えてくれる「食物繊維」

玉ねぎには不溶性と水溶性の2つの食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維は水分や老廃物を吸着して便のかさを増やします。それによって腸を刺激、排便を促すことで便秘の改善に役立ち、お腹の中の老廃物をごっそり排出してくれます。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のえさになり、腸内環境を整えます。

その他、玉ねぎにはオリゴ糖も含まれています。オリゴ糖は人間の消化酵素では分解されないので、消化吸収されず腸に達します。腸内で善玉菌のえさになると善玉菌の増殖を促進、腸内環境が整うので便秘予防や解消に繋がるとされています。

玉ねぎの3つの種類

たまねぎ

玉ねぎは和・洋・中と様々な料理に使えるオールマイティな野菜です。生で食べる場合は辛味と香りで料理のアクセントになり、加熱すると甘さと深みが増すのでメイン料理の付け合わせにも最適です。

玉ねぎは甘玉ねぎと辛玉ねぎの2つに大別され、品種はそれほど多くありません。見た目の色では黄玉ねぎ、白玉ねぎ、赤玉ねぎの3種類に分けられます。

玉ねぎのそれぞれの特徴を知り、普段の料理に活用してみましょう。

黄玉ねぎ

黄玉ねぎは日本で最も多く出回っている玉ねぎです。

皮が薄茶色で球形に近い形をしていて、硬くしまっているのが特徴です。辛味が強く、加熱することで甘みや旨味が出てくる玉ねぎです。日持ちするため、収穫後1カ月程度乾燥させてから出荷されます。

見た目がふっくらと丸みがあり、先端がきゅっとしまって硬いものを選ぶと水分をしっかりと保っているため、おすすめです。

白玉ねぎ

白玉ねぎは皮が薄く、形は扁平、水分を多く含んでいて果肉が柔らかいのが特徴です。

辛味が少なく生食に向くので「サラダ玉ねぎ」や「サラダオニオン」とも呼ばれ、売られている店によっては「新玉ねぎ」として扱うこともあります。白玉ねぎは刺激が少なく甘みがあるので、基本的に水にさらす必要はありません。

また普通の玉ねぎと同様に炒めたり煮込んだりと加熱して食べてもおいしいです。

ほどよく扁平形でふっくらとしていて、表面につやがあり、重量感のあるものがおすすめです。また先端から芽が出ているものは芽の成長に栄養が取られてしまっているので、その分味が落ちます。芽の出ていないものを選びましょう。

赤玉ねぎ

赤玉ねぎは表皮が赤紫色をした玉ねぎです。

「紫玉ねぎ」や「レッドオニオン」とも呼ばれ輪切りにすると年輪のような模様をしているのが大きな特徴です。

特徴的な赤紫色はアントシアニンという色素が多く含まれているからです。アントシアニンは主にブルーベリーに多く含まれる色素で、抗酸化作用が期待できます。

一般的な黄玉ねぎほど辛味はなく甘みが強いので、生食に向いています。サラダの彩りとして利用されることも多い食材です。

表皮がよく乾燥していて、色鮮やかなもの、上部と根の部分がきゅっとしまっていて、持った時に重みを感じるものがたっぷりと水分を含んでおいしい証拠です。

参考文献:玉木雅子、鵜飼光子,「長時間炒めた玉ねぎの味、香り、遊離糖、色の変化」日本家政学誌,54(1),69-76(2003) 

玉ねぎに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

玉ねぎに含まれる栄養成分は空気や熱、その他の物質と反応して何十種類もの物質に変化するといわれています。

その変化した物質こそ血液をサラサラにする効果を発揮する場合もあるので、玉ねぎは食べ方や調理方法によって効果が変化することも知っておくと良いでしょう。

ここからは玉ねぎのパワーを最大限に発揮できる食べ方や調理方法をご紹介していきます。

生で食べる時は繊維を切るようにスライスする

玉ねぎを生で食べるとき、辛味を薄めるため水に長時間さらすのは避けましょう。玉ねぎに含まれる栄養素は水に溶けやすいものがほとんどです。

辛味を消したい場合は、縦に入っている繊維を横に断ち切るようにスライスしましょう。早く辛味が抜け、生で食べても甘みを感じられるようになります。切り方を工夫するだけでも味に違いが出ますし、先ほど紹介した白玉ねぎや赤玉ねぎを使用するのもおすすめです。

スープにして玉ねぎの栄養をまるごと摂取

玉ねぎの辛味成分である硫化アリルやケルセチンは水に溶けやすい性質をもっています。そのため、スープのように煮汁ごとすべて食べられる料理であれば、煮込んで水分に溶けだした栄養も一緒に摂取することができます。

また生の玉ねぎの食感や味が苦手な方は、玉ねぎをスープにしてあげることで味がしっかり染み込み、食べやすくなります。玉ねぎの栄養をまるごと摂取したい方も、スープにして食べることをおすすめします。

油脂と一緒に摂取する

ケルセチンは油と一緒に摂取することで吸収率が高まるといわれています。炒め料理や脂身のある肉と一緒に食べることで栄養を効率的に摂取できます。

みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルなどと混ぜ合わせて、ドレッシングとして使うのもおすすめです。

火を通すことで甘みが引き立つ点も玉ねぎの特徴の一つなので、油でしっかり炒めた後、カレー、シチュー、肉野菜炒め、オニオンスープ、ハンバーグなど様々な料理に活用するのも良いでしょう。

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玉ねぎの皮は栄養たっぷり

たまねぎの皮

玉ねぎの皮の部分にケルセチンが豊富に含まれています。普段捨てている玉ねぎの茶色い外皮のうちきれいなものを選別して水で洗い、乾燥させることで玉ねぎ茶にすることができます。

つい捨てがちな玉ねぎの皮ですが実は栄養がたっぷり含まれているので、いつも捨ててしまっていた方は玉ねぎ茶に挑戦してみてください。

玉ねぎを使ったおすすめ料理3選

玉ねぎのもつ栄養成分は食べ方や調理方法によって、より効率的に摂取ができることを説明してきました。

今回は日々の食事から玉ねぎを美味しく摂取できるように、玉ねぎの効能を引き出すおすすめ料理を3つ紹介していきます。

血液をサラサラにしてくれる「玉ねぎサラダ」

血液をサラサラにする効果を得るためには、スライスした玉ねぎを生で食べることをおすすめします。

玉ねぎは薄くスライスしたものにドレッシングをかけるだけで食べられるので、とても簡単に玉ねぎを摂取することができます。お好みでかつお節などをまぶしても、おいしく召し上がっていただけます。

玉ねぎに含まれる硫化アリルは熱に弱く水に溶けやすいので、スライスしたら水にさらさず食べることがポイントです。また酢に漬けることで、栄養が体内に吸収されやすく免疫力もアップします。漬けていた酢に玉ねぎの有効成分が溶け出しているので、こちらも一緒に摂取すると良いでしょう。

すりおろした玉ねぎをトッピングするとさらに効果がでます。

デトックスしたい方におすすめの「オニオンスープ」

玉ねぎを煮込んでスープにするのもおすすめです。煮込んでスープに溶け出した硫化アリルやケルセチンをまるごと摂取することができます。

ここに玉ねぎ以外のトマトやキャベツ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、しいたけやしめじなどのきのこ類を入れると満腹感が増します。野菜をたくさん取れるのでデトックスに最適で、豊富な食物繊維により便秘解消にも繋がります。

玉ねぎ本来の甘さをたっぷり味わえる「焼き玉ねぎのマリネ」

輪切りにした玉ねぎをフライパンで香ばしく焼き上げたあと、マリネ液に15分程漬けるだけでできる一品です。油と一緒に炒めた玉ねぎはケルセチンの吸収率もアップします。

玉ねぎの本来の甘さを味わえて、簡単に作れるので忙しいときにもぜひお試しください。

作り置きにして、一品追加したい時に食卓に並べるのもおすすめです。作り置きした焼き玉ねぎのマリネを食べる際には味付けを少しアレンジすると、飽きずにおいしくいただけます。

まとめ

今回は玉ねぎの栄養と効能についてご紹介してきました。玉ねぎには健康に良い効能がたくさんあることがわかりましたでしょうか。普段何気なく食べている玉ねぎの栄養や効能を知ることで、より積極的に日々の料理に取り入れたくなりますね。

玉ねぎはさまざまな料理と相性の良い食材なので、ご家庭に常備していただいくと良いかと思います。効果的な調理方法で毎日適量ずつ摂取することで、美味しく食べて健康な生活を目指しましょう。

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この記事を書いた人:日下緑

保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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