オクラのネバネバは栄養の証!管理栄養士が教える効果的な調理法

オクラや山芋、納豆などのネバネバ食材は身体に良いといわれていますが、そのネバネバ成分の正体や、なぜ身体に良いのかみなさんご存知でしょうか。

食材に含まれている栄養素や成分が私たちの身体にどのような作用をもたらすのか、どういった調理法だと効果的に栄養を摂取できるのかを知ると、より一層その食材を日々の食事に取り入れたくなりますよね。

今回は、ネバネバ食材の代表であるオクラに含まれる栄養素や身体への効果についてご紹介します。

オクラに含まれる栄養素・成分の効果とは?

独特な粘り気とプチプチとした食感が特徴的なオクラは、日本人にとって馴染みのある食材ですよね。

オクラのもつ栄養は主にペクチンとムチンで、ネバネバの正体でもあります。ペクチンには腸内環境を改善して便秘を予防する効果が期待でき、ムチンは胃の粘膜を守ってくれるため胃炎や胃潰瘍を防ぐ効果が期待できます。そのため、オクラは胃腸の健康が気なる方に特におすすめしたい野菜です。

オクラは7月から9月が旬の夏野菜ですが、輸入や温室栽培物も多く出回っているため、年間を通して食べることができます。スーパーの店頭にも季節を問わず並んでいるので、手軽に購入できるオクラは普段の食事にも取り入れやすい食材です。

色合いも鮮やかで輪切りにすると星型に見えるため、料理の彩りにピッタリです。

そんなオクラの栄養素や効果について詳しく解説していきます。

ネバネバの正体その1­.ペクチン

オクラのネバネバ成分であるペクチンの正体は、水溶性食物繊維です。

食物繊維はたんぱく質や脂質などと違い体内に吸収されない栄養素で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類が存在します。どちらも腸内環境を改善し、便秘予防に効果的です。

オクラに多く含まれている水溶性食物繊維は腸内環境改善に効果がある他、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。食事を摂ると一時的に血糖値は変化するのですが、糖質が多い食事ほど血糖値は急激に上がります。血液中の糖の量が一気に増えると、血糖値を一定に保とうと膵臓からインスリンというホルモンを分泌します。この作用によって摂りすぎた糖は、体内に脂肪として蓄えられます。

糖質が多い食事を摂取し続け、血糖値が高い状態が続くと肥満や糖尿病のリスクが高まるので、血糖値の上昇を緩やかにするために身体に吸収されない水溶性食物繊維を多く含む食材を食事に取り入れると良いでしょう。

ネバネバの正体その2.ムチン

ムチンは、糖とたんぱく質が結合したことによってできる糖たんぱくの一種です。オクラや長芋などに含まれるヌメリ成分には植物由来のムチンが含まれており、動物由来のムチンは、上皮細胞や粘膜、唾液腺が生産する粘性物に含まれています。

人間の胃粘膜にも含まれているムチンは、強い胃酸から胃を守っています。生活習慣やストレスによって胃を保護する粘膜が上手く分泌されないとバリア機能が低下し、強い酸を持つ胃液からダメージを受けやすくなります。

そういった時にオクラなどネバネバ食材に含まれているムチンを摂取することで、胃の粘膜を正常に保ち胃炎や胃潰瘍を防ぐことができます。

参考文献:Akio Tsuru. et al. “Negative feedback by IRE1β optimizes mucin production in goblet cells”, PNAS, February 19 2013,110(8),2864-2869.

βカロテン(ビタミンA)

オクラなどの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、さらに体内でレチノールという物質に変換されます。レチノールは細胞の分化を促進し目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。

ビタミンAが不足すると角膜や皮膚の乾燥を引き起し、粘膜が乾燥することによってウイルスが体内に侵入しやすくなってしまいます。風邪を引かないためにも、ビタミンAの基となるβカロテンはしっかりと摂取しましょう。

参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンB1

ビタミンB1は水溶性ビタミンの中の一つで、体内のブドウ糖をエネルギーに変換する際に重要な成分です。ビタミンB1が不足すると体内でエネルギーが不足し、だるさなどの疲労感を感じやすくなります。

ビタミンB1が含まれる食材としては玄米や豚肉などが多く知られていますが、オクラにもビタミンB1は含まれます。

オクラだけをたくさんは食べられないという方は、他のビタミンB1が多く含まれる食材と組み合わせて摂取しましょう。飽きずに続けることができる組み合わせを、ぜひ見つけてください。

カリウム

カリウムとはミネラルの一種で、血圧やむくみの改善に効果的な栄養素です。

みなさんは塩分の多い食事を摂った後、のどが渇いたり飲み物が欲しくなったりする経験があるのではないでしょうか。これは体内のナトリウム(塩分)を適切な量に保つため身体が反応し、水分を取り込もうとしている生理的現象になります。体内のナトリウム濃度を一定に保つために取り込んだ水分は排出が追いつかないと血液量が増え、血圧の上昇に繋がるのです。

そんなときにカリウムは、身体に溜まり過ぎた水分を排出するよう働きかけ、体内の水分量を適切に保ってくれます。

また、むくみも身体に溜まり過ぎた水分が原因になるので、カリウムを摂取すると予防に繋がります。

オクラの種類

スーパーや八百屋で見かけるオクラは、細長く緑色で、星形をしたものが多いでしょう。しかし、オクラにはそれ以外にも種類が豊富にあることをご存知でしょうか。

種類によって栄養価や食感が異なるためスーパーなどで見かけた際は参考にしてみてくださいね。

赤オクラ(紅オクラ)

赤オクラは名前の通り、緑色ではなく濃い赤紫色をしています。赤色のもとであり、ブルーベリーにも含まれているアントシアニンは茹でると水に溶けだし、赤オクラはくすんだ緑色に変色してしまいます。そのため、鮮やかな赤色を楽しみたい赤オクラは生食がおすすめです。

赤オクラは産毛が多くやや硬めの食感であるため、刻んだり薄めにスライスしたりすると良いでしょう。食卓に彩を添えてくれます。

白オクラ

スーパーなどで、いつも売られているオクラより色の薄いオクラを見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。栄養が少ないわけではなく、色の薄いオクラは「白オクラ」とよばれ、通常のオクラよりも淡い緑色をしています。

色は薄いながら、粘り気は通常のオクラよりも強いため、ネバネバした食感を楽しみたいときにサラダにしてみてはいかがでしょうか。

丸オクラ

オクラといえば星形が特徴的ですが、丸オクラは五角形で丸に近い形をしています。また、通常のオクラよりも5cmほど長く、やわらかい食感が特徴的なため、生食でもおいしくいただけます。代表的な品種として沖縄の「島オクラ」や八丈島の「八丈オクラ」があげられます。

ミニオクラ

通常のオクラの長さが5~7cmほどなのに対し、ミニオクラは2~3cmほどの長さしかないオクラです。ミニオクラは通常のオクラが大きくなる前に収穫したものであるため、長さこそ小さいものの、風味や粘り気は通常のオクラに劣りません。

また、通常のオクラが成長しきる前に収穫するため、ガクまで柔らかく、まるごといただけます。サラダや和え物にすると良いでしょう。

花オクラ

花オクラとは、実ではなく花びらの方を食用とするオクラのことです。淡い黄色の花弁は、オクラの実と同じように刻むと独特の粘り気があり、サラダにトッピングする、煮物やスープの飾りつけに使うなど、生食でいただくことが多い野菜です。

オクラの保存方法

オクラは、夏が旬な野菜なので低温が苦手で5度以下の環境で保存すると低温障害を起こし、傷んでしまいます。低温障害とは、暖かい気候で育つ食材や低温に弱い食材を冷蔵庫などの温度の低い場所に保存することによって黒く変色したり、傷んでしまったりする現象のことをいいます。気温が低い冬場などは、オクラは新聞紙に包んで風通しの良いところに保管しましょう。

またオクラは賞味期限が短い食材で、4~5日で使い切らないと黒くなり痛んでしまいます。冷凍保存をすると栄養素はそのままで1ヶ月ほど持ちますが、解凍時に水分と一緒に栄養素が溶け出てしまう場合があります。そのためオクラを冷凍保存するときは切らずにそのまま冷凍し、使用する際は解凍せずにそのまま料理に使用すると栄養素が流れ出るのを防げます。

保存が効くと気軽に料理に使用することができますね。

オクラの栄養は熱で変わる!おすすめの調理方法・食べ方

食品や食材には調理した方が栄養価を増やすものや、逆にそのまま生の状態で摂った方が良いものがあります。

オクラの栄養や成分も加熱や調理方法で変化しますので、どのような食べ方や調理法がおすすめか解説していきます。

茹でてから切る

オクラには水溶性成分が多く含まれており、カットしてから茹でると栄養素が水に溶け出てしまうため、まずは茹でてからカットするようにしましょう。

生食や和え物にして食べる場合は、オクラ特有のネバネバを感じることができ、消化しやすくするためにも細かく刻むのがおすすめです。緑が鮮やかで切り口が星型に見えるため、輪切りにして料理に添えたり散らしたりすると見た目も楽しめます。

オクラは熱に弱いので、生食がおすすめ

オクラは下茹でするなど火を通して食べるのが一般的ですが、オクラに含まれるネバネバ成分のムチンは、加熱に弱い成分です。

オクラは季節や硬さにもよりますが、柔らかいものは下茹せずに生で食べることができます。生のオクラにはうぶ毛がついているので、オクラに塩を振りかけてまな板の上で手の平で転がす板ずりをすると食べやすくなります。ぜひ試してみてください。

オクラの栄養を最大限引き出すおすすめレシピ3選

オクラに含まれる栄養素や身体にもたらす効果の次は、実際におすすめの料理を知り、実践してみましょう。

オクラ特有の粘り気やシャキシャキした歯ごたえを残しつつ、忙しいときにも簡単にできる時短料理を紹介していきます。

オクラと山芋の刻み和え

オクラや山芋のネバネバには、ムチンという胃腸を保護したり細菌感染を抑制したりする効果があります。オクラと山芋はムチンを含むネバネバ食品として相性が良く、食べやすいのでおすすめです。

刻み和えはそのまま一品として食べるのも良いのですが、蕎麦やそうめん、丼物、サラダにしても美味しいですね。アクセントにワサビやゴマ油を加えると飽きることなく楽しめます。

胃腸の調子が悪く、食欲のないときにもさらさらと食べることができますが、オクラには便通を良くする水溶性食物繊維も多く含まれており、食べ過ぎるとお腹を壊す可能性がありますので食べすぎには注意が必要です。

オクラの豚肉巻き

オクラにはビタミンB1が含まれていますが、オクラだけで1日分の必要量をまかなおうとすると大量に摂取する必要があります。豚肉などのビタミンB1を多く含む食材と組み合わせた摂れば、飽きずにビタミンB1の必要量を摂取できるのでおすすめです。

また、オクラをカットせずに豚肉を巻いて調理すると、栄養素が切り口から流れ出るのを防ぐことができます。そのうえ切る手間も省けて一石二鳥な簡単レシピになります。味付けは、シンプルに塩・こしょうや生姜焼き風にするとごはんも進みますよ。

オクラのトマトスープ

オクラはペクチンやムチンなど水溶性の栄養素を多く含んでおり、調理の際に成分が溶け出てしまうことはお伝えしましたが、せっかく身体に良い成分が摂れないのはもったいないですよね。そこで、スープにすると溶け出た栄養素も一緒に摂ることができます。

オクラと同じ緑黄色野菜であるトマトを加えるとさらにβカロテンが摂れ、おすすめです。冷蔵庫に余った野菜を刻んで入れて、栄養満点なスープを作りましょう。

▼トマトの栄養素やその他のおすすめレシピを知りたい方はコチラ

トマトがもつ栄養とおすすめの食べ方について管理栄養士が解説!

まとめ

ネバネバ食品の代表であるオクラについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。ネバネバ成分を含め、オクラが身体に良いことが分かっていただけたかと思います。

オクラはスーパーなどで比較的安価に購入することができます。巷で流行している健康に良い食材でも馴染みがなかったり、高価だったりすると続けることは難しいですよね。日本人にとって馴染みのあるオクラは調理法も簡単なので、紹介した食べ方やレシピを実践し、食事から健康的な生活をつくりましょう。

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この記事を書いた人:小林 絵里佳

この記事を書いた人:小林 絵里佳この記事を書いた人:小林 絵里佳

保有資格:管理栄養士、栄養教諭二種、フードスペシャリスト

スポーツ栄養学に特化した短大を卒業後、管理栄養士を目指し大学へ編入。透析専門のクリニックにて末期腎不全や糖尿病の患者様に対して栄養指導を行い、食事からの疾患予防や心と身体の健康の大切さを認識。その後、管理栄養士キャスティング事業に携わり、様々な管理栄養士の価値観や想いを知る。現在はフリーランスの管理栄養士として活動しながら、イベント運営やコラム執筆・Webコンテンツの監修を行い、人々に健康と最大限の可能性を広げる活動をしている。

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