ブロッコリーの持つ栄養素や成分を管理栄養士が解説!栄養を効率的に摂る食べ方もご紹介
みなさんは健康のために意識して食べている食品はありますか。テレビやインターネットでは日々、健康に良いとされる食品が紹介されています。しかしながら、それもたくさんありすぎて結局何を食べたら良いのだろうと悩む方も多いと思います。
もちろんそれぞれの食品には素晴らしい栄養素が含まれていて、私たちの身体に良い効果をもたらしてくれます。普段の生活で健康に良いといわれる食材を十分に活用したいところですが、管理栄養士の視点から見ても完璧に使いこなすのは難しいですし、そんな必要はありません。
そこで今回は、そのようなお悩みをもつ方のためにおすすめしたい野菜、ブロッコリーの素晴らしい栄養素についてご紹介します。
目次
ブロッコリーに含まれる栄養素とその効能とは
ブロッコリーは、身体の調子を整える栄養素ビタミンやミネラルが豊富に含まれ、健康維持に役立ちます。
ブロッコリーには、普段の食事で不足しがちなこれらの栄養素がバランスよく含まれているため、野菜を摂る習慣のない方や、食事をたくさん食べられない高齢者の方にとっては、効率良く栄養バランスを整えることができる野菜です。
そんな豊富な栄養素の中でも、ブロッコリーを象徴する栄養素とその働きを説明していきます。
ビタミンC
ビタミンCの名前は知っている方や、意識して摂っている方も多いのではないでしょうか。
まずビタミンCは、ビタミンA、ビタミンEと合わせてビタミンACE(エース)として抗酸化作用をもつことが一般的に認知されています。それによって、身体を老化させ、がんの発生源の一つともいわれている活性酸素を除去しています。
また、身体の粘膜を健康に保つ役割があったり、鉄などの吸収率の低いミネラルの吸収を良くしたり、体内において直接的・間接的に幅広く需要があります。このような働きがいつまでも若々しさを保つことやがんの予防、高血圧の改善、免疫力の向上など、さまざまな健康効果をもたらしてくれます。
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ビタミンB群
ビタミンBと名の付くものはいくつかありますが、その多くは体内で代謝に関わるものが多いのが特徴です。生きていくうえでとても重要なビタミンですが、それぞれの食品に含まれる量は決して多くなく、十分に満たすには難しいという問題もあります。
このビタミンB群の中で代謝に関係の深いB1、B2、は、食事で摂った糖質や脂質をエネルギーとして代謝し、パワーを生み出し消費活動をするために必須です。また、ビタミンB6は食事で摂ったたんぱく質を代謝する補酵素として重要な役割を担っており、私たちの身体のつくりだすための必須栄養素です。
これらが不足することで、ただ代謝が悪くなるだけではなく、太りやすい原因や、だるさや疲れの原因、身体のあらゆる不調に繋がってしまいます。ブロッコリーにはそのような代謝に関係の深いビタミンB1、B2、B6が含まれています。約1房食べるとビタミンB1、B2は1日の半分以上、B6に関しては1日に必要な量を摂ることが可能です。
ビタミンE
ビタミンEは、先ほど紹介した抗酸化作用のあるビタミンACEの一つです。
ブロッコリーにはこのビタミンEも豊富に含まれています。抗酸化作用によって身体にある不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、細胞膜を健康に保つ役割があります。それだけではなく、血液中の赤血球が壊れないように守り、コレステロール値の正常化にも効果があるとされています。
葉酸
葉酸は妊婦さんが積極的に摂る栄養素として一般に知られるようになりましたが、その役割についてご存知でしょうか。
葉酸は赤ちゃんがお腹の中で成長する過程で、神経系をはじめとした身体の形成に必要とされており、先天性神経管閉鎖障害を予防できるとされているため、積極的に摂るように推奨されています。
成人においても葉酸は赤血球の形成やたんぱく質の代謝に関与しているとされており、貧血の改善にも用いられています。ブロッコリーにはこの葉酸も豊富に含まれているのです。
ブロッコリーの保存方法
ブロッコリーは効率的に栄養バランスを整えられる野菜であるため、常にストックして食べたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ブロッコリーを冷蔵庫で保存する際は、ポリ袋に入れて房を上にして立てた状態で保存しましょう。
また、一度にたくさん食べきれない場合は、冷凍保存もおすすめです。生のままでも良いですし、加熱する場合は粗熱を取ってからジップロックなど保存袋に入れて冷凍します。この状態で1ヶ月ほど保存することができます。
ただし、冷凍したブロッコリーは解凍すると柔らかくなって食感が変化してしまいます。
冷凍したブロッコリーはサラダなどにするのではなく、スープなど食感が気にならない料理に使うのがおすすめです。
ブロッコリー栄養を逃さない食べ方
このように、身体に嬉しい栄養素が豊富に含まれているブロッコリーですが、それぞれの栄養素には特徴があり調理方法や食べ方を少し工夫することによって、その栄養効果を最大限に活用することができます。
ブロッコリーは茎や葉も食べるのがおすすめ
まず、みなさんは生のブロッコリーを購入して調理する際は、どこからどこまでを食べますか。ブロッコリーはみなさんがよく見る一番上の花蕾(カライ)という部分から、葉も茎もすべて食べられる野菜です。
花蕾のみを食べて、残りの葉や茎を捨てている方は非常にもったいないです。茎は皮をやや厚めに剥き、花蕾よりやや長めに加熱すれば美味しく食べられます。豊富な栄養素を含むブロッコリーですので、なるべくすべてを食べたいですね。
ビタミンB群とCは、茹でずに大き目カットでまるごとスープがおすすめ
ビタミンB群とビタミンCは水に溶けるという性質をもっています。そのため、切り分けてから洗ったり、茹でたりすると水溶性のビタミンが流れ出てしまいます。
栄養を逃さないために、ブロッコリーは切る前に洗いましょう。水に溶けやすい性質を利用し、スープやシチューなどの煮込み料理に使うことで、栄養素を無駄にせずしっかり食べられます。
また、加熱調理する際は茹でるのではなく、電子レンジなどで蒸す調理法がおすすめです。
さらに、ビタミンCはより壊れやすい栄養素です。花蕾は生の状態でも食べられますので、加熱調理する場合、加熱時間は短めにすると良いでしょう。
ビタミンA・Eは動物性たんぱく質と相性が良い
抗酸化作用をもつビタミンACEのうち、ビタミンA・Eは脂に溶ける性質をもっています。せっかくの栄養素も実は脂質をカットした調理方法だと吸収が良くないことがあります。
そこで、このビタミンを効率良く摂取するためにも、動物性のたんぱく質を一緒に摂りましょう。例えば、卵や肉類はたんぱく質も豊富ですが、脂質も含んでいます。先に述べたスープに一緒に入れたり煮込んだりすることで吸収の良い状態で美味しく食べることができます。
ブロッコリーを使ったおすすめ料理
それでは、これまでに紹介したブロッコリーの栄養素を失わず、まるごと美味しく食べられるおすすめの料理を紹介します。
レンジで簡単!鶏むねとじゃがいもとブロッコリーのカレーマヨ和え
野菜が苦手な方もカレーマヨで和えれば、食べやすくなります。
また、食欲が低下しがちな高齢者の方には、カレー粉のスパイスの刺激で食欲を増進させることができるためおすすめです。
じゃがいものビタミンCは強い
デンプンが多く、敬遠されるじゃがいもですが、実はビタミンCを含む野菜でもあります。
また、じゃがいもに含まれるビタミンCは丈夫な細胞に守られており、加熱に強いという特徴があります。ブロッコリーと一緒に食べれば加熱で失ってしまう栄養分も補充が期待できます。
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水分は野菜のみ、ヘルシー鶏むね肉でビタミンまるごと
加熱時のポイントはレンジ調理で済ませることで、栄養をしっかり摂ることができます。また、水分は野菜からでるため追加する必要はありません。
鶏むね肉で脂質も最低限に抑えながら、しっかりとビタミンとミネラルをまるごと摂取することができます。
まとめ
今回身体に良いとされる食品の中からブロッコリーに注目し、その豊富な栄養素と栄養効果について紹介いたしました。何気なく食べていた方も、あまり食べる機会がなかった方も、これを機に手にとってその効果を意識しながら食べてみたくなったのではないでしょうか。
このように普段何気なく食べている物や、漠然と健康に良いと思って食べている物も、その栄養パワーを知ることでより身近な存在になり、食材の特徴を知ることで最大限にその栄養素を美味しく取り入れることが可能になります。
ブロッコリーは冷凍保存ができるので、使わなかった分は長期保存も可能です。また、旬の時期に収穫されたものが冷凍食品としても販売されています。冷凍された状態でも栄養素は摂取が期待できるとされています。
ぜひ、今日から万能食品ブロッコリーを食卓に取り入れてみましょう。
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