モロヘイヤがもつ栄養とおすすめの食べ方を管理栄養士が解説

モロヘイヤ

「モロヘイヤ」という野菜を知っていますか?濃い緑色をしていて、シソの葉に似た形をしています。細かく切るとネバネバと粘り気が出るのが特徴ですが、あまりなじみのない野菜ではないでしょうか?

しかし実は、美容と健康に欠かせない夏野菜なのです。エジプト原産のモロヘイヤは、アラビア語で「王様だけのもの(ムルキア)」という意味があります。古代エジプトの伝説によると難病を患った王様がモロヘイヤをスープにして食べたところ病が治ったり、クレオパトラも好んで食べたりしたため「神秘の野菜」として古くから栄養価の高い野菜として有名でした。

今回は、そんなモロヘイヤに実際どのような栄養があるかの解説とおすすめの食べ方を紹介していきます。

モロヘイヤに含まれる栄養素の効能とは

モロヘイヤ

古代エジプトから、栄養価の高い野菜として知られていたモロヘイヤ。これまで馴染みのなかった方でも、少しその魅力に気づいたのではないでしょうか?

病気を治したという伝説があるだけでなく、現代でも美容に良いとされているモロヘイヤには、いったいどのような栄養素が、どれくらい含まれているのでしょうか?

今回はモロヘイヤに含まれる栄養素の中でも、特にたくさん含まれている栄養素と、それらがもたらす効能についてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

β-カロテン

モロヘイヤには、体内に吸収されるとき、小腸壁で酵素によってビタミンAに変換される「β-カロテン」が豊富に含まれています。その含有量は100gあたり10,000μg。これはβ-カロテンが多く含まれていることで知られるニンジンの1.4倍に値します。

β-カロテンには、活性酸素を抑える抗酸化作用もあるため、免疫力や抵抗力を高め感染症の予防や、心筋梗塞や動脈硬化といった生活習慣病の予防も期待されています。

また、目が光を感じるために必要な網膜の色素「ロドプシン」という物質の合成にもβ-カロテンが必要なため、目の健康にも欠かせません。他にも、粘膜や皮膚の健康を保ってくれる効果があるのでシミやしわの予防など、美容にも必要不可欠な栄養素です。

カルシウム

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで、体重の1~2%を占めています。そのうち、99%は骨や歯といった固い組織に存在しています。私たち人間には必要不可欠なカルシウムですが、近年日本人が不足しがちな栄養素の一つでもあります。

そこで摂りたいのがモロヘイヤです。モロヘイヤに含まれるカルシウム含有量は100gあたり260mgと、牛乳とほぼ同等の量が含まれています。

カルシウムが不足すると、骨折や骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。特に閉経後の女性はホルモンの影響で骨量が減少しやすくなる傾向になるので、積極的に食べることが重要です。

このほかにも肩こりや腰痛の原因となったり、すぐにイライラしてしまうなど精神的にも影響が出やすくなったりするので、慢性的なカルシウム不足には注意しましょう。

食物繊維

モロヘイヤの特徴でもある、切ったときに出てくるネバネバの正体は食物繊維「ムチン」です。モロヘイヤに含まれる食物繊維は100gあたり5.9gとほうれん草の約2倍の量が含まれています。

食物繊維とは、ヒトの消化酵素では消化できない成分のことで、一昔前までは「食べ物のカス」と言われていました。しかし現在ではその有益性が認められ、腸内環境を整える働きなどが期待され便秘の解消や生活習慣病の予防効果もあります。

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は、腸の動きを刺激して、腸内にある有害物質の排泄を促す働きがあるため、便秘を予防してくれます。

水溶性食物繊維は、腸内でゲル状となり、糖質やコレステロールの上昇を抑える働きがあり、モロヘイヤは水溶性食物繊維の方が多く含まれています。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/平成30年国民健康・栄養調査

モロヘイヤに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

モロヘイヤには、ビタミン、ミネラル、食物繊維とたくさんの栄養素が含まれていることがわかりました。しかし、栄養たっぷりのモロヘイヤも、食べ方や調理の方法によって栄養素を最大限に活かしきれなくなってしまいます。

そこで、ここではモロヘイヤの栄養素を効率よく摂り入れる調理法について紹介していきます。

生で食べる

モロヘイヤ

モロヘイヤは生でも食べることができる野菜です。茹でて刻むなどの調理をせずに、手軽に楽しみたい場合やビタミンB2、ヨウ素といった水溶性ビタミンを積極的に摂りたいときは生食がおすすめです。

もしかすると、尿路結石などでシュウ酸の含有量が気になる方がいらっしゃるかもしれませんが、モロヘイヤのシュウ酸含有量は低く、一度に多量に食べない限り摂取し過ぎる可能性は低いです。

しかし、生で食べる場合はモロヘイヤ独特の粘り気を楽しめなかったり、えぐみがあるため食べづらくなったりしてしまいます。そのため、生でも細かく刻むなど工夫をして食べやすくし、モロヘイヤ独特の粘り気も楽しみましょう。

また、スーパーで買う場合は心配ありませんが、モロヘイヤの茎、種、さやの部分には、めまい・動悸・吐き気を引き起こす可能性がある成分が含まれているので、家庭菜園など自分で収穫した場合には気をつけましょう。

茹でて食べる

生で食べるときの長所は、水溶性の栄養素が抜け出ないことです。しかし、生で食べると歯ごたえがあったり、かさが多すぎたりするので食べづらさもあり、たくさんの量を食べるときには向いていないので加熱して食べることをおすすめします。

その加熱法のうちの一つが茹でて食べる調理法です。水溶性の栄養素をなるべく逃がさないためにも、サッとお湯に通す程度にしてモロヘイヤの葉の色が鮮やかになったらすぐに引き上げましょう。

モロヘイヤを切ると出てくるネバネバの成分「ムチン」も水溶性の栄養素なので、ゆで汁にムチンが流れ出ないように茹でた後に細かく切って粘りをだすのがおすすめです。茹ですぎてしまっても粘り気がなくなることはありませんが、茹ですぎは食感も悪くなるのでサッとお湯にくぐらせるようにしましょう。

油と一緒に食べる

モロヘイヤには油と相性のいい脂溶性ビタミンも多く含まれていて、先ほど紹介したβ-カロテンのほかに、ビタミンEやビタミンKも含まれています。

そのため、生で食べる場合にはオイル入りのドレッシングをかけたり、油を使用して炒めたり、またはてんぷらなどのように揚げて食べたりすることで、モロヘイヤに含まれる栄養素を無駄なく摂ることができます。

加熱方法の中でも茹でるのと違って、水に触れることがないので水溶性の栄養素は抜け出ることがなく、脂溶性の栄養素の吸収率は高くなります。調理法によって、摂り入れることができる栄養素も変わってくるので、他のおかずの様子を見ながら、いろいろな食べ方をしてみてはいかがでしょうか?

モロヘイヤのおいしい食べ方2選

モロヘイヤ

モロヘイヤは、古代エジプトの時代から健康にも美容にも欠かせないたくさんの栄養素が含まれていることが知られており、そしてこれらの栄養素は食べ方を少し工夫するだけで、無駄にすることなく食べられることなどがわかりました。

最後にまとめとして、モロヘイヤを使った美味しい料理を2つご紹介するので、これからの献立作りにお役立てください。

モロヘイヤのネバネバサラダ

ネバネバを代表する食材をたっぷり使った一品です。モロヘイヤをサッと湯がいてから、細かく刻むことで水溶性の栄養素も出にくくなります。モロヘイヤの他にも、オクラやながいも、なめこ、めかぶといった食材をお好みで合わせてみてください。

ドレッシングは、和風ドレッシングの他にも、ポン酢、めんつゆ、梅干しなどを合わせて食べるとさっぱりしていて、暑い夏でものどごしが良くなります。食欲がない日のサラダとしてもおすすめです。

モロヘイヤと夏野菜のスタミナ炒め

モロヘイヤに夏野菜のなす、コーン、ズッキーニ、パプリカを、ニンニクや鷹の爪といった香辛料と一緒に炒めてみてはいかがでしょうか?

炒めることで、モロヘイヤに含まれる脂溶性ビタミンの吸収率も上がることから疲労回復にも役立つ上に、ニンニクや鷹の爪に含まれるビタミンB1やカプサイシンがさらにスタミナを補給してくれます。さらに、豚や鶏肉、卵などを合わせて炒めるとボリューム感のある一品が手軽にできますね。

まとめ

普段の食卓にあまりモロヘイヤを出すことがなかったという方も、栄養価の高さに気づかずに食べていた方も、モロヘイヤの数々の魅力に驚かされたのではないでしょうか?そのままだと、ほうれん草などの葉野菜と変わらない見た目ですが、刻むことで粘り気が出てくるのもモロヘイヤの楽しみ方です。

モロヘイヤは生活習慣病をはじめとした健康や、美肌などの美容にも欠かせない栄養素が豊富な野菜なので、いろいろな食べ方で楽しみながら、これからの食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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