水菜は栄養が少ない?管理栄養士が水菜に含まれている栄養やおすすめの食べ方、保存方法までご紹介!
シャキシャキとした食感が魅力の水菜は比較的安価で購入することができ、サラダや鍋などさまざまな料理に使い勝手のよい食材です。通年市場に出ているので、季節を選ばずいつでも食べられるというのも魅力ですね。
水菜は身近な野菜ではありますが、水分が多く栄養が少ないというイメージはないでしょうか?ここでは水菜にはどのような栄養が含まれているのかについて解説し、おすすめの食べ方や保存方法を紹介していきます。
目次
水菜のもつ栄養素と効能とは
水菜は淡色野菜と思われがちですが、実は緑黄色野菜の仲間です。緑黄色野菜は100gあたりのβ-カロテンが600μg以上と定義されているので、水菜にもβ-カロテンは多く含まれています。β-カロテンは抗酸化作用を持つ栄養素で、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待されています。
また、特に多く含まれる栄養素としてはビタミンKがあります。ビタミンKは血液の止血に関り、骨の健康にも役立つ栄養素です。その他、悪性貧血の予防に役立つ葉酸やシミ・しわ予防に役立つビタミンCも多く含まれています。
水菜は加齢に伴ってリスクが高まる生活習慣病や骨の健康が気になる方、美容面が気になる方などにおすすめの野菜といえます。
β-カロテン
β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変換され、プロビタミンAとよばれています。ビタミンAとしての働きは目の粘膜の機能維持や皮膚・粘膜の健康維持、抵抗力を高めるなどの働きがあります。また、β-カロテンは抗酸化作用をもち、活性酸素の発生を抑えて取り除く働きがある栄養素です。
活性酸素は老化に深く関わり、増えると生活習慣病やガンの原因となることがわかっています。β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる栄養素なので、水菜をはじめ緑黄色野菜をしっかり摂ることがこのような病気の予防に繋がるといえるでしょう。
ビタミンK
ビタミンKの主な作用は血液の凝固作用です。血液凝固因子であるプロトビンが肝臓で生成されるときに補酵素として使われるのがビタミンKとなっています。そのため、ビタミンKが欠乏すると血液中のプロトロンビンが減少して血液の凝固に時間がかかり血が止まりにくくなるというメカニズムです。
また、ビタミンKは健康的な骨づくりにも欠かせない栄養素です。骨にあるオステオカルシンというたんぱく質を活性化して骨の形成を促す作用を持っています。加齢に伴い骨量は減少して骨折などのリスクが高まります。ビタミンKは骨の健康を守るためには欠かせない栄養素の一つだといえるでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用をもつビタミンです。抗酸化作用によってがんや動脈硬化予防、老化防止に効果が期待されています。メラニン色素の生成を抑える働きがあるため、日焼けを防いだり、シミの生成を防いだりする働きもあるのです。
さらに、ビタミンCは骨や腱などにあるコラーゲンの生成に必須の栄養素となっています。加齢によって肌のハリが気になってきたという方にはビタミンCがおすすめです。
また、ビタミンCが不足すると壊血病という病気のリスクが高まります。壊血病の症状はイライラ、顔色が悪い、貧血、呼吸困難など幅広いものです。小さな身体の変化や症状は、もしかするとビタミンCが不足している可能性も考えられるでしょう。
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葉酸
葉酸はビタミンB12とともに赤血球の生産をサポートしています。その他たんぱく質の生合成を促すなど、身体の細胞の再生にも関わる重要なビタミンです。
加齢に伴う変化に関わる部分では、ビタミンB12と葉酸は動脈硬化の危険因子であるホモシステインをメチオニンに変換する反応を助ける働きがあると考えられています。メチオニンは血中のコレステロールを低下させる可能性が示唆されています。
葉酸単独での働きというわけではありませんが、ビタミンB12と一緒に摂取することで虚血性心疾患の予防に繋がるのではないかと考えられているのです。
水菜の栄養を逃さない食べ方
せっかく食べるのであれば、少しでも栄養価の高い状態で食べたいですよね。ここでは栄養を逃しにくい水菜の食べ方を紹介していきます。
まず、おすすめの食べ方としてはやはり生が一番です。食品に含まれている栄養は洗うときに水に溶けたり、加熱をすることで壊れてしまうものもあります。
このようなことからも、一番栄養価の高い状態で食べられるのが生の状態といえるでしょう。生の状態で食べるには、サラダや付け合わせ、和え物などがあります。洗うときには水に浸け過ぎず、汚れをとる程度にサッとすすぎましょう。
また、栄養が逃げてしまいやすい食べ方としては炒め物や茹でる方法が挙げられます。特にビタミンCは加熱によって損失しやすい栄養素です。ビタミンCは加熱によって約半分にまで落ちてしまうので注意しましょう。
反対に、β-カロテンやビタミンKは脂溶性のビタミンであり、油と一緒に摂る方が吸収がよくなります。炒め物に使う油をオリーブオイルなど質の良いものにしたり、オイル入りのドレッシングをかけて生の水菜を食べるようにしたりと工夫をして召し上がってくださいね。
水菜を長持ちさせる保存方法
水菜は傷みやすく日持ちしづらい野菜です。冷蔵庫の中は乾燥しやすいので新聞紙で包んでからさらにビニール袋を被せるなどして保存するようにしましょう。この方法では3日程度の保存が可能です。さらに長く保存したいときは水に数分さらして水気を拭き取り、キッチンペーパーに包んで容器に入れて保存をします。
また、水菜は冷凍保存することも可能です。保存用の袋に平らになるように入れて、なるべく早く冷凍させます。冷凍させてしまうと生食には向かないので加熱する料理に使うのがおすすめです。
水菜を使ったおすすめ料理3選
栄養満点で日頃からとり入れやすい水菜はいろいろな料理と相性抜群です。同じ料理だけでは飽きてしまうので、バリエーションを増やしてさまざまな食べ方を楽しんでみてくださいね。
水菜と焼きのりのサラダ
水菜を洗って適当な長さに切り、パリッとした焼きのりと合わせたサラダです。味付けはごま油と塩だけとなっており、時間がないときでもサッと作ることができます。
生の状態は栄養素の損失が少ないというのがメリットです。さらに、ごま油を一緒に摂るので脂溶性のビタミンもとりやすく栄養価を維持しながら食べられる料理といえるでしょう。
水菜の浅漬け
水菜を洗ってカットして醤油に浸けてもみ、冷蔵庫に入れておいておきます。水分が出たら水気を絞って器に盛り、完成です。時間がないときでも簡単に作れるお手軽レシピです。程よい塩気でそのままでも美味しく食べられます。
味を変えたいときは柚子やレモンなどの柑橘類を加えたり、辛味がほしいときは唐辛子を加えるなどして味のバリエーションを増やしてみましょう。
卵と水菜の炒め物
栄養たっぷりの卵と合わせた料理。にんにくとごま油で炒めることで中華風の味付けになります。
まず、炒り卵を作ってから水菜を加えることで水菜がしなしなにならずシャキッとした状態を維持できます。水菜は炒めすぎると栄養素が失われやすくなるので注意をしましょう。
塩分が気になる方は、味付けは薄めにするのがポイントです。塩分のとり過ぎはむくみや高血圧の原因になるので注意しましょう。
まとめ
水菜はあっさりとした味わいからか栄養があまりないと思われがちですが、実はそれとは反対に栄養価の高い緑黄色野菜の仲間です。特にビタミン類が豊富で生活習慣病予防やアンチエイジングに役立ちます。また、ビタミンKは骨の健康をサポートしてくれるなど加齢に伴う諸症状の予防・改善に強い味方をしてくれる野菜といえるでしょう。
栄養価を考えると水菜は生で食べるのが一番ですが、油と一緒に摂ることで吸収が高まる栄養素もあるので、工夫次第では加熱したものでも栄養価を維持しながら摂ることができます。水菜はいろいろな食べ方が楽しめる野菜です。お気に入りの料理を見つけて、普段の健康づくりに活かしてみてくださいね。
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