薬木として昔から知られるビワの持つ栄養とその効果とは?葉に含まれる栄養まで管理栄養士が解説

皮をむいて実を出し、優しい甘さを堪能するビワ。ビワは古くから身体にもよいとされ、咳や痰を鎮めたり嘔気を止めたりとさまざまな症状に対して活用されてきました。葉は入浴剤として使われたり、焼酎漬けにして打身や捻挫の治療薬としても使われることもあります。ここでは、そんなビワにはどのような栄養素が含まれており、どんな効果が期待されているのかを詳しく紹介していきます。

ビワのもつ栄養素と効能とは

ビワの実にはβ-カロテンやカリウム、食物繊維などが多く含まれています。β-カロテンは強い抗酸化作用を持っており、体内ではビタミンAに変換されるプロビタミンです。ビタミンAの作用としては、肌や粘膜を正常に保つ働きがあり、感染症を予防したり、抵抗力を高めたりするのに役立ちます。

カリウムは主要なミネラルで、ナトリウムとともに体内の浸透圧のバランスを調整しています。この働きによって高血圧を予防、改善したり、むくみを解消したりします。また、食物繊維は排便を促したり腸内環境を整えたりとさまざまな作用が期待されている栄養素です。

ビワに含まれるこのような栄養素の働きから、ビワは肌の健康を保ちたい方や生活習慣病の予防に役立てたい方、便通を整えたい方などにおすすめの食品といえます。

β-カロテン

色の濃い緑黄色野菜や果物に含まれる栄養素で、体内で必要に応じてレチノールに変換され、ビタミンAとして働きます。ビタミンAとしての働きは、まず皮膚や粘膜の健康維持です。ビタミンAは皮膚や粘膜にある細胞の形成に必要な栄養素で、粘膜の乾燥を防いで細菌の感染を防ぐ働きがあります。また、視覚を正常に保つ働きによって暗いところで目が見えにくくなる夜盲症の予防にも役立ちます。さらに、ビタミンAは抗酸化作用があり、肺がん予防の効果も期待されています。

カリウム

カリウムは体内で細胞内の水分量を調整する役割をしています。ナトリウムとバランスをとり合う関係があり、ナトリウムが過剰になると排泄する作用があります。日本人は食事からの食塩摂取量が多く、カリウムの摂取が重要視されています。カリウムの働きは血圧を調整したり、筋肉の収縮や弛緩、体液のpHの調整などに関わります。高血圧の予防やむくみの予防などに効果的です。カリウムは茹でると流出しやすい栄養素なので、生のままで摂取できる果物は貴重なカリウムの補給源となります。

食物繊維

食物繊維には水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維があります。ビワに多く含まれる食物繊維は不溶性食物繊維で、腸の動きを活発にしたり、有害物質を体外に排出したりする働きがあります。また、満腹感を向上させるので、少量でも満足感を得られやすくダイエット中の間食としても役立つでしょう。一方で、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を防いだり、食事中のコレステロールの吸収を抑えたりもします。血圧の低下にも役立つ栄養素なので、生活習慣病予防にも期待ができます。

ビワの葉に含まれている栄養とビワの葉茶の作り方

ビワの葉は古くから健康によいものとして民間療法などに用いられてきました。ビワの葉にはサポニンやタンニンという成分が含まれています。サポニンは発泡性のある成分で、水に入れると泡立つ性質があります。健康面では、脂肪やコレステロールを取り除いたり、抗酸化作用を持っていたりと生活習慣病予防に役立つ栄養素です。

タンニンはお茶にも含まれる渋みとなる成分です。ビワの葉が薬用に用いられてきたのはこのタンニンの効果によるもので、抗菌作用や消臭、殺菌効果などを持っています。

ビワの葉に含まれる栄養を摂取するには、お茶として成分を抽出する方法があります。ビワの葉を洗って汚れを取り除き、しっかりと乾燥させたものをお湯に入れて、普通のお茶と同じように煮出します。ビワの葉をお茶用のパックに入れて抽出させると便利です。

また、ビワの葉には産毛がついています。気になるようでしたらお茶を抽出させる前にしっかりと取り除きましょう。お茶に浮かぶのが特に気にならなければそのままでも大丈夫です。

ビワの旬とおいしいビワの見分け方

ビワの食べごろは5〜6月頃の初夏です。しかし、今はハウス栽培も盛んなので早いものでは1月頃から市場に出回ります。ビワは追熟させれば美味しくなるというものではないので、買ったらすぐに食べるのがベストのタイミングです。皮はお尻の方から軸に沿って剥くと簡単に実を取り出すことができます。また、ビワの皮をむいたら実が茶色く変色してしまうので、レモン水に浸すと変色を予防することができます。

家庭でビワを栽培していたり、お裾分けでもらうこともあるかもしれません。あまり熟していないビワはシアン化合物というものが含まれている場合があります。シアン化合物を大量に摂取してしまうと健康を害してしまうことがあるので注意が必要です。

市場に出回っているビワを食べる分には問題ありませんが、自家製のビワを食べる場合には食べごろを見極めて、美味しく安全に食べられるように気をつけましょう。

ビワの種は食べれないので注意!

未熟なビワの実同様、種の部分にも有害物質が含まれています。果実の場合は熟すことでシアン化合物は減っていきますが、種の場合は残っている可能性があります。そのまま種を食べることは少ないかもしれませんが、「ビワの種は身体によい」と誤情報が伝えられることもあることから注意しなくてはなりません。

また、健康食品としてビワの種子を粉末状にした製品も販売されており、シアン化合物が高濃度に検出されて回収された事例もあります。書籍によってはシアン化合物の一種である「アミグダリン」をビタミンの一種として「ガン予防に効果がある」などと謳っている場合もあります。アミグダリンの効果に関しては十分な科学的根拠がなく、体内で青酸を生産することによって健康への悪影響が懸念されているので注意が必要です。

まとめ

ビワには体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンやカリウム、食物繊維などの栄養素が含まれています。また、ビワの葉に含まれているサポニンやタンニンはさまざまな効能を持っており、昔から健康に役立つものとして使われてきた背景があります。種や未熟な実の摂取には気をつけなければならないという注意点はありますが、優しい甘さが美味しいビワは、安全性に配慮しながら食べて健康に役立ててみてくださいね。

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この記事を書いた人:片村 優美

この記事を書いた人:片村 優美この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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