【管理栄養士が解説】小松菜がもつ栄養素とおすすめの食べ方とは?

小松菜

ほうれん草とともに冬の葉野菜の代表でもある小松菜にはどのような栄養素が含まれていて、私たちにどのような効果をもたらしてくれるのかご存じでしょうか?

小松菜には、目の角膜を正常に保つ働きのある「β-カロテン」、美肌やアンチエイジングに欠かせない「ビタミンC」、欠乏すると貧血やめまいなどの症状を引き起こす「鉄」など、女性に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。

調理法を工夫することで小松菜の栄養を無駄なく摂取することができます。また、小松菜と見た目が似ているため同じ野菜と思われがちである、ほうれん草との違いについてもあわせてご紹介していきます。

小松菜に含まれる栄養素とは

小松菜は年中スーパーで見かけますが、12月~2月が旬の冬野菜です。この時期に最も美味しくなる理由として、寒さで自らが凍るのを防ぐために葉を厚くし、糖度を高めるためといわれています。

そんな冬を代表する野菜、小松菜には特に高血圧や心筋梗塞などの生活習慣病が気になる方、暗闇で目がかすみやすくなった方、シミやしわなどお肌のお悩みが増えてきた方に必要な栄養素が含まれています。

それでは、私たちにとって良い作用をもたらしてくれる理由を栄養素に分けてご紹介していきます。

β-カロテン

「β-カロテン」は体内で「ビタミンA」に変換されてさまざまな効果を発揮します。

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を維持し、免疫力の向上にも役立ちます。また、活性酸素を抑える抗酸化作用もあるため、心筋梗塞や動脈硬化といった生活習慣病の予防も期待されています。

他には視細胞での光刺激反応に関係するロドプシンという物質の合成にも必要なため、視力保持にも重要な栄養素です。β-カロテンは体内に必要な分だけビタミンAとして使われるため、過剰症の心配はありません。

ビタミンC

小松菜には、意外かもしれませんが100gあたり39mgの「ビタミンC」が含まれており、その量はレモン(果汁)の約2個分にあたります。ビタミンCはβ-カロテン同様、私たちの体にとって害となる活性酸素を除去し、細胞を保護する抗酸化作用の働きもあります。

他には、コラーゲン生成にも必要な栄養素で美肌効果にも役立ちます。鉄と一緒に摂取することで、鉄の吸収力も上げてくれる効果があるため、貧血気味の方には積極的に摂っていただきたい栄養素でもあります。

赤血球の構成物質であるヘモグロビンの主成分で、体内の約7割の「鉄」がヘモグロビンの成分となるため、私たち人間には必要不可欠な微量ミネラルの一種です。鉄が不足すると、貧血になりやすくなり、息切れやめまいといった症状を引き起こす可能性が高くなります。

食品中に含まれる鉄には2種類あります。一つが肉や魚などの動物性食品に含まれ吸収率の高い「ヘム鉄」で、もう一つが野菜や大豆などの植物性食品に含まれる吸収率の低い「非ヘム鉄」です。

小松菜に含まれる鉄分は非ヘム鉄となりますが、ビタミンCも多く含んでいることから鉄を効率よく吸収できます。

カリウム

ミネラルの一種であるカリウムは、ナトリウムとともに体内の浸透圧を調整しているため、塩分の摂りすぎによるむくみや高血圧の予防に効果的です。また、神経の興奮や筋肉の収縮にも関わっています。

通常、カリウムを摂りすぎた場合は尿として排泄されるので心配はいりませんが、腎機能に障害がある方はカリウムの調整がうまくいかずに高カリウム血症になる可能性もあるので、その場合には医師へ相談するようにしましょう。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考:厚生労働省/「統合医療」に係る情報発信等推進事業「ビタミンA

ほうれん草と小松菜の栄養素の違いとは

小松菜

ほうれん草と小松菜は、冬野菜を代表する緑黄色野菜で、近年ではスーパーでも年中見かけるおなじみの野菜です。しかし、見た目がよく似ていることから同じ仲間と思われやすいですが、実は全く別の野菜です。

ほうれん草は、小松菜に比べて苦みや味も濃いため、野菜の味をしっかり楽しみたい方にはおすすめです。2つの野菜の違いとして一番大きいのは、アク抜きの必要性です。アクの正体である「シュウ酸」は尿路結石の原因となります。

ほうれん草100gあたりに含まれるシュウ酸は約800mg、小松菜に含まれるシュウ酸は50mgなので、その差は約16倍にもなります。そのため、小松菜は茹でずに生で食べることが出来ますが、ほうれん草は生で食べることは控えアクを抜くようにしましょう。

シュウ酸は一見、恐ろしい栄養素に思われがちですが、水溶性のため茹でたり、水にさらしたりすることで約8割のシュウ酸を減らすことが可能です。

しかし、アク抜きのために長時間ほうれん草を茹でてしまうと、ほうれん草に含まれる水溶性の栄養素も一緒に逃がしてしまいます。アク抜きする場合は沸騰したお湯に根元から入れて、1分ほど湯がいた後にサッと水で冷やして調理することをおすすめします。

小松菜に含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

畑に生えている小松菜

ここまで、小松菜に含まれる豊富な栄養素とその効果についてご説明させていただきました。しかし、これらの栄養素は食べ方を変えるだけで無駄にしてしまったり、逆に効率よく摂れる栄養素に変わったりすることもあります。

そこで今回は、小松菜の栄養素を無駄なく摂り入れるための調理法をご紹介していきます。

生で食べる方法

ほうれん草との違いでも述べた通り、小松菜には尿路結石の原因にもなるシュウ酸が少ないため、生で食べても問題はありません。また、小松菜には水に溶けやすいビタミンが多いため、生で食べることで無駄なく栄養素を摂取することが出来ます。

他には、オリーブオイルをドレッシング代わりとすることで、脂溶性ビタミンであるβ-カロテンの吸収率を上げることもできるので食べ合わせを工夫して調理したいですね。

しかし、根元に土などが入り込みやすくなっているので、生で食べる場合はしっかりと洗い落としてから食べるようにしましょう。根元に切り込みを入れて葉を1枚ずつ広げ、水を張ったボウルで、茎から葉に水を流すようにゆすって洗うことできれいになります。

茹でて食べる方法

小松菜はほうれん草と違って、苦みも少なく生でも食べやすい野菜ですが、苦手な方や一度にたくさんの量を食べたい方は茹でて食べることをおすすめします。

しかし、前述したとおり、小松菜には水溶性の栄養素もたくさん含まれているため、長時間茹でることでお湯に栄養素が抜け出てしまいます。そのため、茹でて食べる場合は茹で時間も短く1分程度にしましょう。

また、お湯で茹でるのではなく電子レンジを使用するのもおすすめです。電子レンジでの加熱は、水と触れ合うわけではないので、水溶性の栄養素が流出してしまう心配はありません。

先にお好みの大きさに切ってから、耐熱皿にのせラップをかけて加熱すると簡単に調理することができます。

炒めて食べる方法

小松菜には水溶性の栄養素も多いですが、β-カロテンという油との相性の良い脂溶性ビタミンも含まれています。そのため、炒める、揚げるといった油を使う調理法を選ぶことで効率よく脂溶性ビタミンを体内に摂り入れることが出来ます。

小松菜を使ったおすすめ料理3選

これまでに、小松菜は生活習慣病などの健康や美容面に大変優れた栄養素を持つ野菜ということをご説明し、効率よく栄養素を摂取する食べ方もご紹介してきました。

それでは、これまでご紹介してきた小松菜を実際に食卓に並べ、美味しくいただくにはどのようにすれば良いのでしょうか?生・茹でる・炒めるに分けて、小松菜の栄養素をあますことなく食べるおすすめ料理をご紹介しますので、ぜひお家でも試してみてくださいね。

小松菜のおにぎり

生で食べる方法の一つとして、小松菜を小さく刻み、ご飯に混ぜ込んだおにぎりはいかがでしょうか?

塩の変わりに昆布茶や塩昆布を使うことで旨味も加わり、さらに風味豊かに食べることが出来ます。小松菜の切る大きさを工夫することで歯ごたえを変えることが出来るのでいろいろな食感を楽しめます。

小松菜のナムル

小松菜を茹でたり、電子レンジで熱して食べたりしたいときにはナムルはいかがでしょうか?

小松菜だけでなく、にんじん、じゃこ、キノコ類など2~3種類の食材と一緒に混ぜ合わせることで、栄養価もアップします。また、アクセントにごま油を使うことで風味も増すほか、油がプラスされるので脂溶性の栄養素の吸収率もよくなります。

ナムルは常備菜としても使えるので、少し多めに作ってストックしておくと「あと、もう一品物足りない・・・」というときの助っ人おかずにもなりそうですね。

小松菜と豚肉の炒め物

小松菜と豚肉の炒め物

炒めることでβ-カロテンなどの脂溶性の栄養素の吸収率が高まるだけではなく、小松菜には鉄の吸収を助けるビタミンCも豊富なことから鉄を豊富に含んでいる豚肉との相性は抜群です。

小松菜を炒めるときは一度に茎と葉を炒めるのではなく、茎の部分を先に炒めてから最後に葉の部分を炒めることで、しなり過ぎずに食感を残して食べることができます。

まとめ

栄養たっぷりで、いろんな料理との相性も良い小松菜は、手ごろな値段で年中買うことができるのも魅力の一つなので、毎日でも食べたいですよね。

今回は栄養を逃がさずに食べる方法もご紹介したので、食べ方や一緒に調理する具材を変えてアレンジを楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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