きのこにはどんな栄養があるの?種類ごとの違いを管理栄養士が解説

低カロリーで価格が安いなど、魅力的なポイントの多いきのこ。抵抗力を高める腸活や肥満予防などさまざまな効果が期待できます。ビタミン類や食物繊維を含んでおり栄養面でも優れているきのこは積極的にとっておきたい食材。どのような栄養が含まれており、どんな効果が期待できるのかを解説していきます。

きのこのもつ栄養素と効能とは

きのこは低カロリー食材で、生活習慣病予防やダイエットに役立ちます。特に豊富に含まれているのが食物繊維。食物繊維には2種類存在し、水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性があります。きのこ類に多く含まれているのは不溶性の食物繊維。満足感を得られやすく、早食いや食べ過ぎ防止にも効果的です。

ビタミン類では皮膚や粘膜の健康維持に関わるナイアシン、骨や歯の健康に関わるビタミンDが多く含まれています。糖質が気になる方も多いかもしれませんが、きのこ類にはほとんど糖質は含まれておらず、血糖値が高めの方でも安心して食べられます。

きのこは低カロリーかつ満足感が得られやすいということから肥満予防としても活用でき、また骨粗しょう症予防などにもおすすめの食材です。

食物繊維

きのこに含まれる栄養素の一番のポイントは食物繊維です。きのこに多く含まれる食物繊維は不溶性の食物繊維。不溶性食物繊維は体内の水分を吸収して体積を増し、便量を増やす効果があります。また、腸を刺激し働きを活性化させるので便秘の改善にも有効です。

不溶性食物繊維が含まれていると噛みごたえが増すため満腹中枢が刺激されやすく、ダイエットや肥満予防にも活用されます。低カロリーながらも食べ応えのある食事がしたいときや、お通じの調子を整えたいときなどにおすすめの栄養素です。

ビタミンD

脂溶性のビタミンで、人間の体内でもある程度作ることができる栄養素です。ビタミンDは小腸や腎臓でカルシウムやリンの吸収を促進して血中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨作りに役立ちます。加齢とともに骨密度の減少がみられやすくなりますが、それが原因で起こる骨粗しょう症などの予防にも有効です。

また、ビタミンDには免疫機能を調節する働きが報告されており、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に効果が期待されています。その他、がん予防や高血圧などのさまざまな生活習慣病の予防効果も期待されている栄養素です。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群に分類され、水に溶ける性質を持っています。ナイアシンは熱に強い性質を持っているので、きのこ類を加熱しても損失はそれほど多くなく、ある程度の量を維持できます。きのこは基本的に加熱をして食べる食材ですが、ナイアシンにおいては調理中の損失についてはそれほど心配しなくてもよいでしょう。

ナイアシンの主な働きは多くの酵素の補酵素としての働きであり、エネルギー産生や皮膚・粘膜の健康維持、神経症状の予防などに役立っています。ナイアシンの欠乏症としてはイライラや不安感、口内炎や皮膚炎などが挙げられます。

きのこの種類と栄養素の比較

ひとまとめにきのこといっても、さまざまな種類があります。大きくみると含まれている栄養素の種類は同じようなものですが、それぞれのきのこの栄養的な特徴をみていきましょう。

しいたけ

不溶性食物繊維が多く含まれています。しいたけは焼いたり茹でたりとさまざまな料理に使うことができ、味にもクセがないので普段使いしやすいきのこです。また、和食はもちろん、洋食や中華料理などいろいろな使い方ができます。食物繊維が多く含まれているので、お腹の調子を整えたり満足感をアップさせたりしたいときにはおすすめです。

ビタミンB6もきのこのなかでは多く含まれています。ビタミンB6は皮膚炎の予防に役立つ栄養素です。きのこ類に多く含まれているビタミンDはしいたけには少なめなので、ビタミンDを摂取したいときは他のきのこと組み合わせて食べることをおすすめします。

干ししいたけ

生のしいたけを乾燥させて旨味をとじこめた干ししいたけは、水で戻して使うため出汁をとるときにも大活躍します。しいたけは乾燥させることで細胞が壊れて旨みが増します。ビタミンDは紫外線によって合成されるため、日干しされた干ししいたけは生の椎茸よりもビタミンDの含有量が多いのが特徴です。

また、保存性が高く日持ちしやすいので、家庭でも使いやすいのではないでしょうか。旨みを逃さないためには、冷水に干ししいたけを入れてじっくり時間をかけて戻すという方法がおすすめ。時間がないときはぬるま湯やレンジを使う方法もありますが、水を張ったボウルに入れて冷蔵庫で保管しておくのが手軽でよいでしょう。戻し汁もだし汁として活用できます。

しめじ

含まれていないきのこ類が多いなかで、しめじにはビタミンB12が含まれています。ビタミンB12は水溶性ビタミンのひとつで、葉酸と協力して赤血球の生成に役立ちます。さらに、脳からの指令を伝える神経を正常に伝える役割もあり、幅広い作用を持っている栄養素です。

しかし、含まれているとはいっても多いわけではなく、補給源とはならないので注意してくださいね。しめじも使いやすいきのこなので、普段の料理にとり入れやすい食材です。スープや炒め物などに活用してみましょう。

えのき

他のきのこに比べて糖質が多めに含まれていますが、ひとつの食材として考えると全く多いというわけではないので問題ありません。むしろ、きのこは低糖質低カロリーであり、ダイエットや肥満予防などにおすすめの食材なので、糖質に関して心配する必要はないでしょう。

また、他のきのこに比べて多く含まれているのは、リンというミネラルです。リンはカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の構成成分になっている栄養素。エネルギーを産生するときにもリンが必要とされます。

エリンギ

ビタミンB2やビタミンB6などのビタミンB群が他のきのこ類よりも多く含まれています。食物繊維の量は中間程度の量ですが、弾力があるので噛みごたえをアップさせて満足感を得られやすい食材といえるでしょう。より満足感をアップさせたいときには大きめにカットして料理に使うのがおすすめです。

エリンギには骨の健康維持に関わるビタミンDも他のきのこよりも多めに含まれています。カルシウムの多く含まれる食材と併せると、より吸収が高まります。

舞茸

舞茸には非常に多くのビタミンDが含まれており、きのこ類のなかではダントツのトップです。比較的多く含まれているエリンギの約4倍ものビタミンDが含まれており、ビタミンDを摂りたいときにきのこを選ぶなら舞茸を選んでおけば間違いないでしょう。

ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂取するのがおすすめです。炒め物や天ぷらなどもよいですね。低カロリーでありながらも料理にボリュームをアップさせてくれるので、カロリーを抑えたいときにも活用できる食材です。

なめこ

なめこはネバネバとした食感が特徴のきのこです。お味噌汁に入れたり和え物に使ったりとさまざまな使い方ができます。なめこは他のきのこと比べても特に秀でて多い栄養素というものはありません。

しかし、なめこ特有のぬめり成分には粘膜の表面を保護する働きがあるといわれています。そのため抵抗力を高める効果も期待されているので、風邪などの感染症が流行しやすい時期にはおすすめの食材です。

マッシュルーム

マッシュルームにはリンやビタミンB2が含まれています。リンは体内にあるミネラルのなかではカルシウムの次に多い栄養素で、骨や歯を作るために欠かせないものです。加工品にも多く含まれており、現代ではどちらかというと摂りすぎが問題として挙げられているため積極的に摂取する必要はありません。

ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持をサポートする栄養素です。代謝にも関わるため、活動量が多い人は必要な量が増します。

松茸

高級食材としても知られている松茸は豊潤な香りが特徴のきのこです。この香りはマツタケオールと呼ばれる成分のもので、インスタントのお吸い物などにも使用されています。松茸には食物繊維が多く含まれており、椎茸と同等の量を含みます。

なかなか食べる機会は少ない松茸ですが、その香りは日本人にとっては落ち着くよい香り。栄養的な面だけではなく心理的な満足感を得るためにも役立つことでしょう。

きくらげ

家庭では乾燥した状態のきくらげを購入することが多いかと思います。保存性が高く、使いたいときに水で戻すだけなので常備しておくと便利です。

きくらげに特に多く含まれるのは、ビタミンDと食物繊維です。ビタミンDはカルシウムの吸収を促す作用のあるビタミンで骨の健康維持におすすめの栄養素。食物繊維は便通を整えたり免疫を高める作用があります。

コリコリとした食感は歯応えを楽しませてくれるとともに、食事の満足感をアップさせてくれます。

きのこの栄養を効率よくとる方法

きのこは家庭でも使用頻度が高い食材だと思われますが、きのこの栄養を逃さず健康づくりに役立てるためにはどのようにしたらよいのか、ここではきのこの栄養を効率よくとる方法について解説していきます。

きのこは水洗いしない

食品の汚れが気になる方もいるかもしれませんが、きのこ類は水洗いをすると旨味や風味が逃げてしまうため基本的には水洗いをしません。一般的には、キッチンペーパーなどでサッと汚れを落とす程度にとどめます。

きのこによってはオガクズなどが付いている場合もあるので、気になる場合は流水でサッと付着物を除去しましょう。

加熱時間に気を付ける

きのこの特徴のひとつとして香りがあります。加熱しすぎるとせっかくのよい香りが逃げてしまう場合があるので、加熱調理は短時間で止めるようにしましょう。

水溶性の栄養素を逃さないためにも、汁まで飲める鍋物や味噌汁などはおすすめの料理の一つです。その際は塩分の摂りすぎにならないように、薄味に調味をして出汁の風味を活かしましょう。

冷凍保存する

きのこは冷凍することで、水分が膨張して細胞壁が破壊されます。その状態で調理をすることによって旨味も香りも溶け出しやすくなるため、冷凍すると旨味が増すと考えられています。

使いやすいようにあらかじめ適度な大きさにカットしてから冷凍すると、調理のときの手間が減らせるので便利ですよ。何種類かのきのこを合わせて、オリジナルのきのこミックスを作っておくのもおすすめです。

きのこを使ったおすすめレシピ3選

きのこには食物繊維やビタミンDなどの栄養素が多く含まれています。また、それぞれの種類によってナイアシン、ビタミンB2、ビタミンB6などのビタミンB群の量に違いがあるので目的に合わせて選ぶのもおすすめです。

ここでは、きのこの栄養を逃さずにたくさん摂取できる料理をいくつか紹介していきます。比較的安価で普段の料理に活用しやすいきのこを使って、健康管理に活かしていきましょう。

きのこマリネ

マリネは酢とオリーブオイルを使って作るおかずです。トマトやパプリカなどの野菜を使って作るのが定番ですが、きのこを使うと旨味たっぷり和風のマリネに仕上がります。きのこはえのきや舞茸、しいたけなどお好みのものであれば何でもOK。汚れを落として加熱をし、調味液で和えて仕上げます。

きのこのマリネは日持ちするので保存食としても活用できますし、他の食材と合わせてアレンジも可能です。何かと使い勝手がよい料理なので、常備菜としてストックしておくことをおすすめします。

きのこ炊き込みご飯

炊き込みご飯はいろいろな具材を変えてアレンジを楽しめるのがメリット。食材によって四季を感じられますし、きのこが旬を迎える秋ごろには、ぜひ楽しんで食べていただきたい料理です。

また、炊き込みご飯は時短料理としても役立ちます。お米を炊飯釜に入れて調味液と具材を加え、スイッチを押すだけでOK。炊いている間に他の料理を作ることも可能です。

ついつい食が進んでしまう炊き込みご飯ですが、たくさんのきのこを使えばきのこでボリュームアップすることもできるので、食べ方次第ではカロリーダウンにも繋がるでしょう。にんじんやさつま芋など、色のきれいな食材と併せて彩りよく仕上げてくださいね。

きのこスープ

きのこは和食に合う食材ですが、洋食や中華など幅広いジャンルの料理にも活用できます。いつも鍋料理や味噌汁などばかりで飽きたな…というときにはたまには味付けを変えて雰囲気に変化を出すのもよいでしょう。

きのこを使ったスープのおすすめは、鶏ガラスープの素などを使った中華風スープのアレンジです。キャベツやレタス、もやしなどいろいろな食材と相性がよく、片栗粉でとろみをつけると冷めにくくなります。たんぱく質を摂りたいときは卵や鶏肉を入れたりと、工夫次第で栄養価の高い一品に仕上がりますよ。

まとめ

きのこは低カロリーですが、食物繊維やビタミンDなど健康づくりに役立つ栄養素が多く含まれています。

また、しっかりとした噛みごたえは食事の満足感をアップさせてくれるのに役立ちます。食べ過ぎを防ぎたいときやカロリーを抑えたいときなど、さまざまな場面できのこは大活躍。美味しさを引き立てる旨味と香りを感じながら、普段の食事にとり入れてみてください。

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この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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