【管理栄養士が解説】熱中症対策になる食べ物ランキング!

熱中症対策

本格的な夏を迎えるにあたり、心配になるのが熱中症ですね。

成人の身体は60%が水分ですが、歳を重ねると約50%と少なくなったり、暑さや喉の渇きを感じにくくなったりと身体が変化するため、熱中症になりやすい状態になっています。また、心臓や腎機能が低下していると熱中症になったときに症状が重くなりやすいともいわれています。

熱中症予防の基本は、涼しい服装や冷房、扇風機などで温度と湿度を管理する「暑さを避けること」と外出時だけでなく室内でも喉が渇く前に「こまめな水分補給を行うこと」です。

今回のコラムではこれらの基本を押さえた上でおすすめの「食事でできる熱中症に負けない身体づくりのポイント」についてお伝えします。

熱中症対策に効果が期待される栄養素

熱中症対策

熱中症を予防するためには、「暑さを避けること」や「こまめな水分補給を行うこと」の基本に加えて、熱中症に負けない身体づくりが大切です。

毎日暑い日が続いていると食欲も落ち、冷たい麺類やパンなどの簡単な食事で済ませたり、食事を抜いてしまったりすることはありませんか?

疲れがたまっているときや、身体の調子が悪いときは熱中症になりやすい状態です。しっかり睡眠を取ると共に、1日3回の食事でしっかりと身体に必要な栄養を摂りたいものですね。

普段の生活でももちろんですが、ここでは特に夏場の熱中症対策で大切にしたい栄養素とその働きについてご紹介します。

ナトリウム(塩分)

汗をかくことで身体に必要な水分が汗として逃げてしまい、その際にナトリウムなどのミネラルも一緒に失われてしまいます。体内の水分がたった1~2%減少しているだけでも、人間は脱水症状となり喉の渇きを感じるため、意識的に水分補給を行う必要があります。

水で水分補給をすると身体のナトリウム濃度が薄くなってしまう「ナトリウム欠乏性の脱水」を招いてしまいます。汗をかいたときは、水分補給と同時に適度に塩分を含む食事でナトリウムも補給できると安心です。

カリウム

汗をかくとナトリウムと一緒に身体から出て行ってしまうのがカリウムです。カリウムが失われると細胞内が脱水状態となって体調不良を引き起こし、熱中症になってしまった場合にはなかなか回復しづらい状態になってしまいます。

カリウムは高血圧やむくみの予防・改善効果もあるので、普段の食事からカリウムを多く含む食品を意識して摂取することが大切です。

カリウムは、野菜や果物などに豊富に含まれています。トマトやなす、ピーマン、きゅうりなどに含まれているため、夏野菜でおいしく補給したいですね。

ビタミンB1

糖質は重要なエネルギー源ですが、糖質がエネルギーに変わるときに必要なのがビタミンB1です。ビタミンB1が不足するとエネルギーを作り出すことができず、疲れやすくなってしまいます。

ビタミンB1は、豚肉やうなぎ、玄米などに多く含まれています。不足しないように必要量を摂ることで疲労回復が期待できます。

たんぱく質

たんぱく質は筋肉・皮膚・髪・血液・ホルモンなど私たちの身体の材料です。

夏の暑さで食欲が落ちて麺類や丼もの、パンだけの食事で済ませる日が続いてしまうと、野菜だけでなく、たんぱく質も不足しがちになります。

身体の水分は筋肉に一番多く溜められています。したがって、筋肉量が多いほどたくさんの水分を体内に保つことができるので、脱水状態になりにくくなるのです。しかし、年齢を重ねると共に筋肉量は減っていきます。

日々の食事から筋肉の材料となる魚や肉、卵、大豆製品、乳製品などのたんぱく質源をしっかり摂って、適度な運動で筋肉量を保つことも熱中症に負けない身体づくりに繋がります。

参考:環境省/熱中症環境保健マニュアル 2018
参考:公益財団法人長寿科学振興財団/健康長寿ネット「脱水
出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

熱中症対策におすすめの食べ物ランキングベスト5

ここまでは熱中症が心配な季節にあらためて押さえておきたい栄養素についてご紹介してきました。では、毎日の食事でこれらの栄養素をどんな食べ物から効率よく摂ることができるのでしょうか?ここでは熱中症対策におすすめの食べ物や、それを使った料理をランキング形式でご紹介します。

第1位:お米

熱中症対策

「お米で熱中症対策?」と思われた方も多いのではないでしょうか?実はお米を食べることで水分補給にもなります。1日に必要な水分量は活動量の少ない方でも約2.4Lと言われています。

私たち日本人の主食は水分量が高いお米であることもあり、必要な水分を食べ物から51%、飲み物から49%を摂っています。お茶碗1杯(約150g)を食べることで約90mlの水分を自然と補給していることになります。

食事の量が減る、食事を抜く、糖質制限などで主食の量を極端に減らしてしまうと熱中症対策で最も大事な水分量を無意識に減らしてしまう結果となります。たくさん汗をかくときは身体の外へ出てしまう水分量も増えるので、夏場に一定の食事量を確保することは、身体に必要な水分量を確保するためにも一層重要です。

水分補給といえば飲み物に目が行きがちですが、日々の食事の量が減っていないかも改めて確認してみましょう。

第2位:サバ缶

熱中症対策

暑い日には煮たり焼いたりといったコンロで火を使う料理が億劫になりやすいものです。食欲が落ちて、そうめんやざるそばなどのさっぱりとした麺類を食べる頻度が増える方も多いでしょう。

このような場合はエネルギー不足や、炭水化物に偏った食事によるたんぱく質不足が心配です。そんなときの栄養補給におすすめなのがサバ缶などの缶詰のお魚。

麺つゆの中に入れて一緒に食べたり、味噌汁の代わりに日本各地の郷土料理でもある冷や汁にしたりするとナトリウム(塩分)などのミネラルと一緒にたんぱく質を摂ることができます。

第3位:豚肉

熱中症にかかりやすいかどうかは体調にも影響されるため、十分な睡眠と、疲労回復に効果のあるビタミンB1を摂ることで、日々の疲れを溜め込まないことが大切です。

豚もも肉に含まれるビタミンB1は100gあたり0.96mgで、1日に必要なビタミンB1の推奨量は成人男性で1.4mg、成人女性では1.1mgであることから、豚肉はたんぱく質とビタミンB1を多く含む食品の代表格と言えます。

豚肉は、玉ねぎやにんにくと一緒に摂ることでビタミンB1を効率よく吸収することができます。

第4位:牛乳

熱中症対策には喉が渇く前からの水分補給が重要です。具体的には1日8回程度、コップ1杯の水分を摂ることをおすすめします。しかしながら、カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは利尿作用があるため熱中症対策には適しているとは言い難いです。普段の水分補給には水や麦茶を飲むと良いでしょう。

そして牛乳にはカルシウムだけでなく、糖質やたんぱく質も含まれています。食欲のない日は栄養価の高い牛乳もおすすめです。もちろん、普段から水分補給に牛乳を飲んでも大丈夫ですよ。

第5位:梅干し

夏バテで食事が進まないときには、塩分(ナトリウム)とクエン酸が含まれている梅干しを、先ほどおすすめしたご飯と一緒に食べるのはいかがでしょうか?ご飯と梅干しは水分と塩分を補給できるので熱中症予防にはぴったりの組み合わせです。

また、クエン酸は疲労回復に優れた効果を発揮するといわれています。ただし、塩分は日本人が摂りすぎている栄養素で、血圧を上げる原因となってしまいます。その日の体調や予定に合わせて上手に食事へ取り入れるようにしましょう。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考:一般社団法人Jミルク「牛乳による熱中症対策の有効性 2014年度版

外出中でもコンビニで売っている飲み物・食べ物で熱中症対策!

もし、お出かけ中に熱中症のような症状を感じたときはどうすれば良いでしょうか。

意識がない重症の場合は救急車を呼んでもらう必要がありますが、そうでなければ、まずは涼しい場所へ移動し、すぐに身体を冷やして水分と塩分の補給をすることが必要です。

最近はいろいろな場所にコンビニがあるので、スポーツドリンクやミネラル入りの麦茶、梅干し入りのおにぎりなどで汗と共に失われたミネラルを水分と一緒に補給しましょう。また、熱中症対策として、手軽に食べることができる塩飴や干し梅を持ち歩くのもおすすめです。

まとめ

熱中症の患者さんは毎年4〜5万人に上ります。その内訳を見ると半分以上が65歳以上の高齢者というデータがあります。

温度管理、水分補給と合わせて、熱中症に負けない身体を毎日の食事で作っていきましょう!

この記事を書いた人:高城紗織

この記事を書いた人:高城紗織この記事を書いた人:高城紗織

保有資格:管理栄養士・フードスペシャリスト
大学を卒業後、管理栄養士養成課程の大学助手として勤務。その後、地方公務員として18ヶ所の保育園給食運営に従事し、献立作成や食育・食物アレルギー対応などに携わる。
現在はフリーランスとして活動し、栄養カウンセリングや食・栄養コラムの執筆、レシピ提供を行っている。
ダイエット栄養指導、糖尿病重症化予防のための栄養指導、在宅高齢者向け訪問型健康・栄養相談、ビジネスマン向けパフォーマンスアップ食事指導などこれまでの栄養指導実績は延べ10000件以上。
Twitter:https://twitter.com/saotksr330 
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