銀杏のもつ栄養とは?食べ過ぎると危険って本当?管理栄養士が解説!

銀杏(ぎんなん)はイチョウの木の種です。日本人が紅葉で黄色く色づくことで秋を感じるイチョウの木。銀杏(ぎんなん)は葉っぱがすっかり黄色くなった9月中旬ごろから11月にかけて地面に落ち、収穫することができます。

ご存知の方も多いかもしれませんが、銀杏には体に有害な成分も少し含まれているのです。今回は銀杏のもつ栄養素から、食べ方、食べる際のちょっとした注意点もお伝えします。

 銀杏のもつ栄養素と効能とは

茹でた銀杏は100gあたり166kcalで、銀杏1個は約1.6gなので1個当たり2.7kcalです。

ナッツ類の仲間と考えて良く、ミネラルやビタミンを多く含んでいます。カリウムや多価不飽和脂肪酸を含んでいるので、生活習慣病を気にする方におすすめの食品です。

生活習慣病予防に!多価不飽和脂肪酸

銀杏100g中に多価不飽和脂肪酸が0.37g含まれています。

多価不飽和脂肪酸にもさまざまな種類がありますが、銀杏には木の実などにも含まれるα-リノレン酸が含まれています。α-リノレン酸は人体では作ることができない必須脂肪酸なので、食品から摂取する必要があります。

α-リノレン酸は細胞膜を作る時に使われたり、体内でEPAやDHAに変換されて生活習慣病の予防等に役立つ栄養素です。

血圧を調整するカリウム

茹でた銀杏には100g中カリウムが580㎎含まれます。

カリウムは食事で摂取しすぎた塩分や、体内の老廃物を尿として排出しやすくする働きがあり、血圧の調節にも働きます。体内の塩分濃度を一定に保つために必要な栄養素です。

だからといって、銀杏を食べる際は塩をつけすぎないように注意しましょう。

丈夫な骨を作るリン

茹でた銀杏100g中、リンは83㎎含まれています。

リンはカルシウムと共に歯や骨を構成する成分です。また、体内でエネルギーを作り出すために必須な栄養素です。

リンが不足するとエネルギー代謝が正常になされず倦怠感や筋力低下を引き起こすこともありますが、現代では加工品に使用されている添加物としてリンが含まれていることが多く、不足することはまずありません。

ただし、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げることにつながるので、骨の強度が心配な方は加工品からのリンの摂取量を控えるようにしましょう。

銀杏は食べ過ぎると危険なの?

銀杏は茶碗蒸しやがんもどきの具材として少量食べる他、おつまみとして食べる事が多いですね。秋におすそわけでたくさん貰ったり、収穫してくるとついつい食べすぎてしまうかもしれません。しかし、銀杏は食べすぎると体に有害な食品です。

銀杏にはアミグダリンという成分が含まれており、それをエムルシンという生の銀杏に含まれる酵素と一緒に摂取すると吐き気や嘔吐などの食中毒症状を起こすことがあります。しっかり加熱すれば問題はありません。

ただ、加熱したからといって大量に食べてはいけません。銀杏にはビタミンB6と構造の似た4′-メトキシピリドキシンが含まれています。これを摂取するとビタミンB6の働きを妨げて数時間でおう吐、下痢、呼吸困難、けいれんを引きおこすことがあります。

銀杏は漢方として古くから使われている食材でもあるので、適度に食べる程度であれば体の調子を整えてくれます。くれぐれも食べすぎには注意しましょう。

目安量は、子どもで年齢の数程度、大人でも30個程度に抑えるのが無難です。

銀杏は触るとかぶれるって本当?

「銀杏は触るとかぶれてかゆくなる」という話を聞いたことがありますか。銀杏のオレンジ色をした実の部分には、人によってアレルギー反応を示す成分が含まれます。つまり、すべての人が銀杏でかぶれるわけではないのですが、日ごろからアレルギーが多いと感じている方は注意しましょう。

市販されている銀杏は既に外側の実はきれいに洗い流されているのですが、銀杏の薄皮にも同様のアレルギー物質が含まれます。アレルギー体質の方は銀杏を調理する際にも食品用の手袋をはめると安心です。

殻がついた銀杏の調理方法

銀杏は固い殻に包まれている種の仁を食べます。つまり、殻をむかなければ食べられないのですが、初めて食べる際には少々苦戦するかもしれません。

手だけで割るのは困難なので、ペンチやカナヅチを利用して殻を割り、薄皮を剥いてから調理しましょう。

茹でるとふっくらした実を楽しむことができます。沸騰したお湯に銀杏を入れ、弱火で2~3分煮てザルに上げましょう。そのまま塩をつけて食べても良いですが、茶碗蒸しやがんもどきなどの具にしても楽しめます。

フライパンで炒ると香ばしく、ナッツのような感覚で食べられます。むいた銀杏なら中火で3~4分空炒り、殻付きのままなら10分程炒り冷めてから殻をむいても良いです。居酒屋などでは素揚げで出される場合も多く、これも美味。薄皮を剥いた銀杏を180度の油で表面が少し色づく程度まで揚げ、塩を振っていただきます。

一番簡単な方法は、電子レンジで加熱してから殻をむく方法です。茶封筒に銀杏を10個ほど入れ、封筒の口を3~4回しっかり折りたたみ、500wで30秒~40秒加熱するだけ。数個の銀杏がパンパンはじける音がしたら加熱をやめましょう。封筒から取り出し、キッチンバサミの持ち手の内側についているギザギザ部分で銀杏を挟み、殻に亀裂を入れてから手で剥くと良いです。

銀杏の保存方法

銀杏を保存する際は、殻付きのまま袋等に入れて保存すると実が干からびたりカビたりしてしまうことがあります。意外かもしれませんが、殻付きの銀杏は水につけて冷蔵保存しましょう。1か月ほどは美味しく食べられます。

冷凍する場合、殻付きのまま密閉袋に入れて冷凍すると2か月ほど持ち、殻をむいて保存する場合は一度で食べ切れる量をラップに包んで密閉袋に入れると1か月ほどは品質が保たれます。

銀杏を使ったおすすめレシピ3選

銀杏はビタミンや良質の油を含む食品なので、一度に少量食べる分には健康的です。風味や季節感を味わいながら、適度に銀杏を食べられるおすすめのレシピを紹介します。

きのこご飯~銀杏のせ

きのこ入りの炊き込みご飯を作り、銀杏をトッピングとして数個載せます。

銀杏の黄色い色味とツヤツヤした光沢がきのこご飯をより美味しそうに魅せてくれますよ。

炊き込みご飯の献立の場合、他のおかずと合わせると塩分量が多くなりがちですが、銀杏のカリウムが余分な塩分を排出する助けをしてくれます。

銀杏とさつまいものかき揚げ

千切りにしたさつまいもと人参、生の銀杏をてんぷら粉で和えて170度の油で揚げます。薄いきつね色になったら油をきり、完成。

油で調理することで銀杏に含まれるβ-カロテンやビタミンEの吸収を高め、野菜の食物繊維も一緒に摂取することができます。

銀杏入りきんぴら

れんこんやゴボウ、人参のきんぴらに銀杏を入れるだけ。銀杏のコクとしっとりとした食感がきんぴらにアクセントをくれます。

根菜類にもカリウムが多いので、塩分の排出を促してくれます。根菜のきんぴらは健康のためには理にかなった調理法ですね。

まとめ

秋の風物詩、イチョウの木から採れる銀杏の栄養素や食べ方についてお伝えしました。銀杏は食べすぎには注意した方が良いものの、健康効果がある栄養素も豊富に含んでいます。季節感や風味を楽しむ程度に少量ずつ食べるようにしましょう。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

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