脇役はもったいない!春菊の栄養や効能・おすすめレシピを解説

すき焼きなどの鍋物の脇役としても存在感のある春菊。好きな人は春菊だけでもたくさんの量を食べられますが、色の濃さと香りの強さから、あまり好まない人も多いのが実情です。

名前に春という字が使われていますが、美味しく食べられる旬の時期は冬です。春に花が咲くことから春菊と呼ばれます。

今回は、春菊が持つ栄養や、栄養素が持つ効能、おすすめレシピをご紹介します。

春菊が苦手な人でも食べやすいレシピをご紹介していますので、ぜひチャレンジしてみてください。

春菊のもつ栄養素と効能とは

野菜は色が濃いほど栄養価が高くなります。春菊は茎から葉まで全体が濃い緑色をしているため、大変栄養価が高い野菜です。

春菊は血管の老化や免疫力の低下が気になる方に大変おすすめの野菜です。また、骨を若々しく保ちたい方や、貧血気味の方にもおすすめできる野菜です。

野菜はそれぞれ【旬】の時期に栄養価が高い状態で育ちます。春菊の旬は11月~3月なので冬の栄養補給にピッタリですよ。

免疫力を高めるβ-カロテン

春菊には可食部100g中に4500μgのβ-カロテンが含まれています。

β-カロテンは体の中でビタミンAに変換されて働く栄養素です。ビタミンAは免疫力を高める働きや、視力の維持、皮膚・粘膜を正常に保つ働きがあります。細胞や栄養素の酸化を抑える働きもあるので、いつまでも若々しさを保ちたい方には重要な栄養素です。

また、栄養価が高い野菜をまとめて【緑黄色野菜】と呼ぶことをご存知でしょうか。厚生労働省が定めた緑黄色野菜の基準は【原則として可食部100g当たりカロテン含量が600?g以上の野菜】であること。春菊は基準よりもはるかに多いβ-カロテンを含んでいますね。

骨の強度を保つカルシウム

春菊は可食部100g中に120㎎のカルシウムを含んでいます。

カルシウムと聞くと骨や歯を丈夫に保つために必要な栄養素、というイメージが強いかもしれませんが、筋肉の収縮にも重要な役割を持ちます。筋肉は足や腕などの意識的に動かす部位だけでなく、腸や心臓などの内臓にも多く分布しています。

カルシウムは血液中に「カルシウムイオン」という形で常に存在していますが、血液中のカルシウムイオンが減ると、人体は骨からカルシウムイオンを溶かして利用するというメカニズムをとります。「カルシウムが不足すると骨がスカスカになる」と言われるのはこのためです。

骨の健康を維持するためには多めのカルシウム摂取が重要なのです。

止血に必要なビタミンK

春菊には可食部100g中に250μgのビタミンKが含まれています。

ビタミンKは血液凝固のために必要なビタミンです。擦り傷や軽い切り傷、打ち身などをしたときに血液を固めて素早い止血に関わります。

血液に血栓ができやすい方は血液凝固を抑制する薬を服用しているかもしれません。その場合、ビタミンKを多く含む食品の摂取は控えめにしましょう。

貧血にもかかわる葉酸

春菊には可食部100g中に93μgの葉酸が含まれています。

鉄が貧血を予防することは有名ですが、葉酸も貧血気味の方におすすめの栄養素です。葉酸は正常な赤血球を産生するために必要な栄養素なので、鉄は摂取しているはずなのに貧血が良くならないという場合は葉酸摂取もこころがけてみてください。

胎児の奇形リスクの低減にも葉酸摂取は関与するといわれており、妊婦や妊活中の女性は多めの摂取が好ましいといわれています。

春菊は食べ過ぎると危険?

さわやかな香りと濃い旨味がクセになる春菊。春菊が好きな人はモリモリ食べてしまいがちですが、食べすぎには注意が必要かもしれません。

春菊には【シュウ酸】という物質が含まれています。ほうれん草などのアク成分と同じ物質ですが、シュウ酸は大量摂取すると体内に蓄積し、尿路結石の原因になります。植物に含まれるシュウ酸は水に溶けやすい性質を持っているので、食べやすい大きさに切った後お湯で1分ほど湯がけばある程度のシュウ酸を取り除くことができます。

結石ができやすい体質の人は春菊の摂取は控えめにしたほうが安心ですが、春菊のシュウ酸は微量です。いたって健康な人は毎日お腹いっぱい春菊だけを食べる程度で無ければ心配はいりませんよ。

春菊の栄養を効果的に摂取する食べ方

普段、春菊はどのようにして召し上がりますか。鍋ものに添えて彩をよくするために春菊を使うのも良いですが、栄養素は食べ合わせにより、身体に吸収される割合が変化します。春菊の豊富な栄養素を最大限に吸収するためには、どのような食べ方が良いのでしょうか。

栄養素ごとで性質が違うので、多く吸収したい栄養素に焦点を当てたおすすめの食べ方を2つお伝えします。

油で炒める

春菊に含まれるβ-カロテンやビタミンKは、脂溶性のビタミンです。脂溶性のビタミンは水に溶けにくく、油に溶けだすという性質を持っています。消化の過程で油脂と一緒に消化することで吸収がスムーズになるという特徴があります。

β-カロテンやビタミンKをしっかり摂り入れたい場合、油脂との組み合わせがおすすめです。油で炒めたり、シチューやキッシュなどの乳製品を多く使用する食品に入れると春菊の脂溶性ビタミンを最大限に摂取することができます。鍋もので春菊を食べる際は、旬の魚やお肉を一緒に食べると良いですよ。

ビタミンDを含む食品と調理する

日本人が日ごろから不足しがちな栄養素が、カルシウムです。実はカルシウムはカルシウムだけを摂取しても骨は強くならないのです。そこで必要なのがビタミンD。ビタミンDはカルシウムが骨へと沈着することをサポートする栄養素です。ビタミンDは卵や鮭、干ししいたけなどに多く含まれています。

鍋に春菊を入れるときには干ししいたけで出汁をとったり、鮭を入れてみてはいかがでしょうか。〆に卵を使った雑炊をつくると水に溶け出た栄養素も丸ごと食べられますね。

春菊を使ったおすすめレシピ3選

春菊は脂溶性のビタミンを多く摂取したいときは油脂類との組み合わせが良く、カルシウムを多く吸収するためには卵や干ししいたけとの調理が好ましいということがわかりましたね。

春菊は大変栄養価が高い野菜なので、何も考えず、鍋ものにただ添えるだけでは春菊の栄養素が効率的に摂取できず、もったいないのです。
それでは実際、春菊の栄養素を活かすためにはどんな料理がピッタリなのでしょうか。春菊の栄養を損なわずに食べる事ができるレシピを3つ紹介します。

春菊とベーコンの卵炒め(2人分)

フライパンに油(大さじ1)を入れて中火で熱し、1㎝幅に切ったスライスベーコン(30g)と3㎝の長さに切った春菊(50g)を軽く炒める。卵(3個)を溶いてフライパンに入れ、箸でやさしく混ぜながら炒める。卵が固まってきたら塩コショウ(少々)で味をつけて完成。お好みでケチャップや醤油で召し上がれ。

ベーコンの脂肪分と卵のビタミンDを組み合わせてカルシウム、脂溶性のビタミンの吸収率が高まります。

春菊と鮭のレンジでちゃんちゃん蒸し(2人分)

耐熱皿にスライスした玉ねぎ(1/4個)、3㎝の長さに切った春菊(50g)、サケの切り身(2枚)の順に乗せる。味噌(大さじ1)、みりん(大さじ1)、砂糖(小さじ1/2)を混ぜ合わせて味噌だれを作り、鮭の上に乗せてピッタリラップをし、電子レンジの500wで5分加熱。レンジの中で2分放置し、余熱でしっかり火を通す。火が通ったら味噌だれと全体を混ぜ合わせて完成。

鮭のビタミンDと魚油で栄養素の吸収率がアップ!

春菊と油揚げの煮びたし(2人分)

干しいたけ(中1枚)と昆布(4㎝角)をコップ1杯の水に入れて1時間ほど放置し戻す。

戻したしいたけは石づきを取り、半分に切る。小鍋に戻したしいたけと昆布、戻し汁を入れて中火で熱し、ふつふつしてきたら昆布を取り出す。4㎝の長さに切った春菊(50g)、1㎝幅に切った油揚げ(2枚)を入れ、薄口醤油(小さじ1~1.5)、みりん(大さじ1)、お好みで砂糖を入れて味を調え完成。

油揚げで油脂、煮びたしの出汁を干ししいたけでとることでビタミンDをプラス。しっかり栄養素を吸収できる組み合わせです。葉酸は水に溶け出やすい栄養素なので、汁も余さず召し上がれ!薄味に仕上げるのがポイントです。

まとめ

春菊の栄養価と、その栄養素を無駄なく摂取するためのレシピをお伝えしました。
普段わき役な場合が多い春菊ですが、栄養価はバッチリ主役級!冬が旬を迎える野菜なので、寒い時期は春菊で栄養補給してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

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