ふきはどんな栄養素を含んでいる?ふきの栄養とおすすめの調理法を管理栄養士が解説

ふき

ふきがスーパーに並ぶと春を感じる方も多いでしょう。しかし実のところふきの旬は長く、3月から初夏にかけて美味しくいただくことができます。

古くから親しまれてきたふきは、数少ない日本原産の野菜です。ふきは水分が豊富でみずみずしく、しゃきっとした食感と独特の香り、ほろ苦さがくせになりますよね。

それだけではなく、カロリーが低いことも魅力の一つです。水分が多く、カロリーの低いふきですが、カリウムや食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

今回はシャキシャキ食感が特徴の「ふき」に含まれる栄養素について解説。栄養素の他にも、効率よく栄養素を摂る方法や料理をご紹介します。

ふきに含まれる栄養素の効能とは

ふきには独特な香りや苦味がありますが、これはふきに含まれる苦味や色素の成分であるポリフェノールの一種に由来します。

ふきにはその他にも食物繊維やカリウムなどを含んでおり、私たちが生命活動を行うために必要不可欠な栄養を含んだ食材と言えます。

また100gあたり約11kcalとカロリーが低いことも特徴で、100gのうち約96gが水分なのです。この豊富に含まれる水分によって、シャキシャキとしたみずみずしい食感が生まれます。

では、ここからはふきにはどのような栄養成分が含まれているか、またその効能について一つずつ説明していきます。

抗酸化作用のある「ポリフェノール」

ポリフェノールは植物由来の抗酸化物質で、酸化に対抗する働きがあります。ふきには独特な香りがあり口に含むとほろ苦さを感じますが、これはポリフェノールの一種である「フキノール酸」によるものとされています。

フキノール酸は抗酸化剤としての利用が期待できると報告されている栄養成分です。抗酸化作用とは活性酸素から身体を守るための働きを指し、体内で増えた活性酸素を除去していくことが、老化や生活習慣病などの予防に繋がります。

その他、ふきがもつ抗酸化作用はアレルギーに対しても効果を発揮します。鼻づまりや咳、痰などのアレルギー特有の症状を緩和、もちろん花粉症にも有効です。ポリフェノールは体内に蓄えることができない成分ですので、一度にたくさんより少しずつこまめにとることがおすすめです。

むくみ予防や血圧が高めの方におすすめの「カリウム」

カリウムは果物や野菜に多く含まれているミネラルの一つです。

カリウムには体内の水分を調整する働きがあります。体内のカリウムは、そのほとんどが細胞内に存在し、細胞内の余分なナトリウムを排出する作用があります。そのことから塩分の摂り過ぎによる血圧の上昇やむくみを防ぎます。

ふきはビタミン類の含有量は少ないのですが、カリウムを豊富に含んでいます。カリウムは水溶性なので通常水にさらしたり茹でたりすると含有量が減ってしまいますが、ふきは茹でた後でも100g当たり230mgのカリウムを含みます。

比較的カリウムが多いといわれている生のまま食べることができるトマト(100gあたりカリウム含有量210mg)や、茹でたにんじん(100gあたりカリウム含有量240mg)と比較しても同等量を摂取することができます。

不足しがちな「食物繊維」

食物繊維は、人の消化酵素で消化することのできない食物中に含まれる成分のことです。

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、ふきに含まれる食物繊維は主に不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は水分を吸収し腸壁を刺激して、腸内の老廃物を排出します。

食物繊維は日本人の食事摂取基準だと1日あたりの目標量は男性21g以上、女性18g以上となっています。現状だと1日平均15gしか摂取できていないので積極的に摂りたい栄養素です。

ふきには100gあたり1.3gの食物繊維が含まれています。野菜として特別に食物繊維が多いわけではないですが、付け合わせや数あるおかずの一品として使用されるには十分な量です。腸内環境を整えるためにも摂取したい食材です。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考文献:渡辺悟,田崎弘之,他「フキノール酸のラジカル消去能について」聖徳栄養短期大学紀要,No35(2004)

ふきに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

ふき

カリウムや食物繊維、特有のポリフェノール「フキノール酸」などを含んでいるふきですが、食べ方や工夫によってより効果的に栄養を摂取することができます。ふきは苦味が強くて生で食べることはできないため、茹でてアク抜きが必要です。

しかし加熱することによって含有量が変わってしまう栄養素もあります。ふきの栄養効果を十分に得るためのポイントを紹介していきます。

調理する前にアク抜きをしっかり行う

普段美味しく食べているふきですが、ふきのアクには毒が含まれています。ピロリジジンアルカロイドと呼ばれていて、人間についての健康被害の報告こそないものの、なるべく摂取を避けたい物質です。

そのためふきを食べる前にはこの毒を取り除いておく必要があります。ふきを塩で板ずりしてから、茹でこぼしたあとに水にさらしましょう。手間はかかりますが、欠かせない手順です。

塩をこすりつけることでアクが染み出しやすくなり、茹で上がりの色もよくなりますよ。

なるべく水を使わないで「焼く・炒める」

先ほど紹介したポリフェノールは水に溶ける性質があるため、煮汁まで残さず摂取できる方法で調理するのがポイントです。またカリウムも水に溶けやすい特徴があるため、ふきを茹でる際は加熱しすぎないよう注意しましょう。

茹でたふきは生のふきと比べると、やはり多少カリウムの含有量が減少します。しかしふきは生で食べることができないため、必ず下処理をする必要があります。下処理の段階でどうしてもカリウムが減ってしまうので、アク抜きをした後はなるべく水を使わないで焼く・炒める加熱方法がおすすめです。

実はふきの葉にも栄養がたくさん

ふきの葉は茎の部分と同様に炒めたり茹でたり火を通しても美味しくたべることができます。ふきの葉は食物繊維やカリウムの他、油と相性の良いβ-カロテンを含みます。茹でてから炒めものにするなど油を使って調理すれば、β-カロテンの吸収率がアップします。茎には少ないβ-カロテンなどの栄養素を含み、美味しく食べられる葉の部分を捨ててしまうのはもったいないので、手に入れた際は葉も捨てずに食べることをおすすめします。ぜひ活用していきましょう。

参考文献:板橋雅子,高村範子「フキ,ツワブキ,ゴボウおよびギシギシの葉の栄養素成分の事例的分析」日本食品工業学会誌,Vol.32, No.2,p. 120-123(1985)

ふきを使ったおすすめ料理3選

ここまでふきに含まれる栄養素を無駄なく摂取できる方法をご紹介しました。それでは実際にどんな料理にすると美味しく摂取できるのでしょうか?

ここからはふきの栄養をしっかり摂取できる料理を3つ紹介します。どれも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

定番料理「ふきの炒め煮」

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カリウムは水に溶けだす性質があるため、炒め煮にすると煮汁ごとふきの栄養を逃さず食べることができます。色や味を良く仕上げるために加熱時間を短くし、ふきに含まれる葉緑素が色あせないようにすることがポイントです。

前もって板ずりにし、下茹でした後はだしで煮ることでふきの風味も味わえます。ふきの美味しさをシンプルに味わうならこの食べ方が一番です。副菜として食卓に並べてみましょう。

食物繊維たっぷり「ふきごはん」

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次にふきの炊き込みご飯はいかがでしょうか。具材はふきと油揚げだけでも美味しくできるお手軽レシピです。ふきは副菜だけではなくメインとしても活躍できます。

ふきに含まれる食物繊維が血糖値の上昇を抑える働きをするので、食後の血糖値上昇の防止に役立ちます。簡単に食物繊維を摂取することができ満足感も得られるため、便秘気味の方にもおすすめの一品です。

ごはんと一緒にふきを炊き込むことでシャキシャキとした歯ごたえも楽しめ、美味しくいただけます。

常備菜にぴったりな「ふきの葉のじゃこ炒め」

ふきの葉を炒めた佃煮風のしっとりしたふりかけです。ふきの葉は下茹でせずにそのまま炒めるだけでいいので調理も簡単。油を使って調理すれば、β-カロテンの吸収率がアップします。炒める際の油にごま油を使うと風味豊かになるだけでなく、血管を酸化から防ぐビタミンEを補うことができます。

また、ふきに含まれるカルシウムとごま油に含まれるリンは共に骨や歯をつくる成分になっているのですが、その含有バランスが良いため、体内で吸収されやすく骨粗鬆症の予防におすすめです。常備菜として作っておくと便利です。

まとめ

シャキシャキの食感が食卓にアクセントを加えてくれるふき。むくみ解消になるカリウム、便通を良くしてくれる食物繊維、抗酸化作用のあるポリフェノールなど身体の調子を整える栄養素が含まれています。

煮物として調理することが多いイメージですが、炊き込みご飯の具材としても炒め物としてもおいしく食べられる食材です。ほろ苦い味がやみつきになり、つい食べすぎてしまいそうですがその点は注意が必要です。

食べすぎると毒性が出てしまうこともあるので適度に食べるようにしてください。食べる量に気をつけつつも、ぜひ食卓に「ふき」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人:日下緑

この記事を書いた人:日下緑この記事を書いた人:日下緑

保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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