【管理栄養士が選ぶ】栄養価の高い果物ランキング!  

果物は食後のデザートや間食に食べると口がさっぱりするので、買い物に行くと必ず購入するという方もいらっしゃるはず。スーパーには季節によって旬のフルーツが並ぶため、四季折々の味が楽しめますよね。最近は様々な品種の果物が出回り、選ぶ楽しみが増えました。

今回は果物の栄養価について解説し、栄養価の高い順、低い順にランキング形式にまとめてみました。他にも効率よく栄養素を摂取する方法や、果物を食べるべきタイミングなどをお伝えします。

 果物がもつ栄養素と効能

厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド 」では、果物は1日に200g摂取することが推奨されています。200gとはみかんで約2個、りんごで約1個分の量です。

食事バランスガイドとは食事の適量をわかりやすいイラストにした指標で、「何を」「どれだけ」食べると標準的なのかが一目瞭然なので、食習慣の見直しや健康の維持のために使われています。

果物にはエネルギーとなる果糖や、人間の体の構成の6割以上を占める水分などが豊富に含まれていますよ。まずは果物が持つ栄養素とその働きを説明します。

甘みが強いが血糖値を上げにくい果糖

甘みを感じる成分の「糖」には様々な種類があります。

主に果物に含まれている「果糖」は、砂糖に含まれている「ショ糖」よりも血糖値の上昇が緩やかな糖です。果糖には冷やすと甘みを強く感じるという性質があるので、果物は冷やした方が甘く感じるという理由が、果物に含まれている果糖にあります。

甘いものを食べたいけど血糖値が気になる、という場合は砂糖を使ったお菓子よりも果物をチョイスすると健康的ですね。(糖尿病などの病気の方は主治医と相談してください)

体の隅々まで栄養素をはこぶ水分

果物は水分量が非常に多く、80~90%が水分です。

成人の体は約60%が水分で構成されています。水分は血液や細胞などの体液となり、体を維持しています。体液は栄養素を体の隅々まで運搬する他、暑い時には汗となって体温を下げるはたらきも担います。

糖の吸収を緩やかにする食物繊維

食物繊維は水溶性のものと不溶性のものがあり、果物には主に水溶性の食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は腸内をゆっくりと進むため腹持ちが良く、糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える働きも持っています。また、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える助けをしたり、コレステロールを体外に排出する役割もあります。

むくみの改善に!カリウム

カリウムは体内のナトリウム量(塩分量)を正常に保ち、過剰なナトリウムや水分を体外に排出する働きがあります。、塩分を排出するとともに身体に溜まった不要な水分も尿として排出することができるので、むくみの解消にもつながります。

ほとんどの果物は生のまま食べられます。栄養素の中には加熱や光で破壊されてしまうものや、水や油に溶け出てしまうものがあります。生のまま食べられる、ということは栄養素を損失することなく食べられるということになります。

カリウムは水に流出しやすい栄養素で、野菜にも豊富に含まれますが、野菜の場合は茹でたり煮てしまうとカリウムの含有量が半分以下になってしまうのです。このことから、野菜よりも果物の方がカリウム摂取にはおすすめといえます。

果物の栄養を効率的にとる方法

食品に含まれている栄養素は食べる時間帯や方法を一つ変えるだけで体に蓄積されてしまったり、体への吸収率や含有量そのものが変化してしまいます。せっかく果物を食べるのならば、無駄なく健康的に食べたいですよね。

果物の栄養素を効率的に摂取するには、いつ・どのように食べればよいかを説明します。

朝に食べる

「朝の果物は金」という昔からの言い伝えを聞いたことがある方は多いはず。実はこの後に続きがあり、「昼は銀、夜は銅(もしくは鉛)」と続きます。これは、朝に糖を多く含む果物を食べることは、これから活動する体にとってエネルギー補給をする理にかなったタイミングだということわざです。ただ、昼や夜に糖を多く摂取すると代謝しきれない分が脂肪として蓄積されてしまうので、食べるタイミングとしては朝よりも劣ってしまいます。

生のまま食べる

生の果物や野菜には種類によって含有量に差がありますが、酵素が含まれています。酵素を特に多く含む果物は、パイナップル、キウイフルーツ、いちじく、メロンなどです。

酵素は主にたんぱく質を消化しやすくするために働いてくれる成分で、生きているので熱には弱い性質を持ちます。

加熱してしまうとせっかくの酵素が死んでしまい意味がなくなってしまうことから、酵素の働きを期待する場合は生で果物を食べることをおすすめします。

スムージーにする

果物は食物繊維が多い食べ物です。中には生で食べるには硬いものや、皮が食べ辛いものもあります。若い人には歯ごたえがうれしいリンゴやナシは歯が弱いと食べづらく、柿の皮やかんきつ類の薄皮なども気になる人は多いはず。

ところがスムージーにすると細かく粉砕されて果物の皮も気にならなくなる上、消化しやすくなります。オリジナルのフルーツミックスジュースづくりも楽しいですよ。

果物を食べると太るの?

果物を食べると太るという認識をお持ちの方は、前項で述べたように食べるタイミングを意識してみてください。昼や夜に食べる事が多いという方は、朝(午前中)に果物を食べるようにしましょう。

また、甘くておいしいフルーツはついつい食べすぎてしまうこともあります。甘みの素となる糖は、消費されないと脂肪として蓄積されてしまう性質もあります。「食事バランスガイド」にのっとり、1日約200g前後を目安として考えてください。

春が旬な果物の栄養ランキングTOP3

ここまでで、果物の栄養素や効率よく栄養を摂取するためのアドバイスをお伝えしました。

果物は種類が豊富で、それぞれの種類によって含まれる栄養素の量が違います。そこで、管理栄養士が旬に応じて手に入りやすさや食べやすさを考慮し、栄養価の高い果物のランキングを作成してみました。

まずは春が旬の果物ランキングです。

第1位:いちご

いちごはさっと洗ってヘタを取るだけで食べられる気軽さがうれしい点ですよね。

日焼けを防いだりストレスの抵抗性を高めるビタミンCは100g中62mg、貧血を予防するために必要な葉酸は90μg含んでいます。

いちごにはキシリトールという糖が含まれており、キシリトールは口内細菌のエサにならず、逆に口内環境を整える性質があるので虫歯の予防にも役立つ果物です。

春だけでなく、ほぼ通年で国産のいちごが購入できるのもうれしいですよね。

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いちごの栄養とは?選び方や食べ方、栄養を逃さない洗い方などを紹介

第2位:不知火(デコポン)

不知火は冬から春にかけて流通する柑橘です。

免疫力を高めるビタミンCは通常のみかん(35㎎/100g)に対して1.4倍の100gあたり48㎎含んでいます。また、強い抗酸化作用が期待できるβ-クリプトキサンチンや、抗アレルギー作用を持つヘスペリジンなども含む果物です。

不知火は薄皮がサクサクしていて食べやすく、外側の皮も硬すぎないので剥きやすいことも高評価のポイントです。

第3位:いちじく

いちじくは6月ごろから収穫が始まる果物です。

いちじくは食物繊維が100g中1.9gと多く、カルシウムも100g中26㎎と果物の中ではトップクラス。ただ、旬の時期が短く、生で食べられる時期が限られていることからドライフルーツで摂取することもおすすめします。

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いちじくは栄養たっぷり!ドライフルーツや皮ごと食べた際の栄養も解説

夏が旬な果物の栄養ランキングTOP3

第1位:ブルーベリー

ブルーベリーは食物繊維を100g中3.3gと大変多く含んでいます。さっと水で洗えばそのまま食べられるのもうれしい点ですね。

ブルーベリーの色素である「アントシアニン」はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ちます。ポリフェノールは血管を丈夫にしたり、血栓を予防するほか、視力の維持・回復にも役立つ栄養素です。

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ブルーベリーに含まれる栄養とその効果とは?【管理栄養士が解説】

第2位:ハスカップ

ハスカップはブルーベリーよりもアントシアニンを多く含むものの、流通量が少なく手に入りにくいことから2位にしました。

ハスカップは主に北海道で栽培されているベリーで、ブルーベリーよりも一回り小さくコメのような形をしています。つぶれやすいため、生のまま流通させることが難しく、冷凍品やジャムなどの加工品なら手に入りやすいかもしれません。

第3位:スイカ

夏の果物といえばスイカ!スイカはβ-カロテンの含有量が多く、100gあたり830μg含みます。β-カロテンは体内でビタミンAとなり、免疫力を高めたり、皮膚や粘膜の健康を維持する栄養素として働きます。

スイカは大きく、一度にたくさん食べられる果物なので、その分栄要素も多く摂りやすいことが利点です。夏の暑い日に食欲がない時にはスイカで栄養補給しましょう。

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スイカの栄養と効果とは?夏の風物詩のおいしいものの見つけ方と保存方法を解説

 秋が旬な果物の栄養ランキングTOP3

第1位:柿

柿はビタミンCを100g中に70㎎含みます。柿半分~2/3を食べれば、1日に必要なビタミンC(100㎎)を摂取できてしまいます。このほか、生活習慣病の予防に役立つβ-クリプトキサンチンが100g中に500μg、β-カロテンも420μg含み、体にうれしいビタミン類が豊富な果物といえます。

β-クリプトキサンチンも、β-カロテンも色の濃い部分に多く含まれています。柿でいうと皮が一番色が濃いので、皮まで食べることをおすすめします。

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秋が旬の柿の持つ栄養とその効果とは?【管理栄養士が解説】

第2位:ぶどう

国産のぶどうは7月~11月ごろまで収穫でき、外国産のぶどうは通年スーパーに並んでいます。ぶどうは皮にポリフェノールを多く含んでおり、黒っぽいぶどうの皮ほどポリフェノール含有量が高いです。

ぶどうに健康効果を求める場合は黒っぽい皮で、皮ごと食べられるような品種を選ぶと良いですよ。

干しぶどうは食物繊維や鉄が凝縮されているので栄養価が高く、いつでもどこでもつまむことができます。

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ぶどうの栄養とは?皮ごと食べた際の栄養や干しぶどうの栄養も解説

第3位:りんご

りんごは秋から冬にかけて旬を迎える果物です。様々な品種があり、品種ごとに味わいや食感が違うので食べ比べる楽しさもありますね。

りんごは食物繊維やビタミン類を含んでいますが、「多い」とは言えないほど。ただ、安価に手に入り、ボリュームも満点なので庶民の味方ともいえるフルーツです。

ぶどうやカキと同じように、色の濃い皮まで食べることで、栄養素を無駄なく摂取することができます。

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 冬が旬な果物の栄養ランキングTOP3

第1位:キンカン

キンカンは皮まで食べることができるピンポン玉よりも一回り小さいサイズの柑橘です。

風邪の時にキンカンの甘露煮を食べたり、のどが痛い時にキンカンエキスが入っているのど飴をなめることがあると思いますが、キンカンはビタミンやミネラルが豊富で免疫力を高める栄養素が豊富に含まれています。

また、カルシウムが100gあたり80㎎、ビタミンCは49㎎と果物類の中でもトップクラス。

食物繊維は水溶性2.3g、不溶性2.3gと、合せて4.6g含みます。

第2位:キウイフルーツ

キウイフルーツは国産のイメージが少ないかもしれませんが、9月下旬から12月ごろまでは国産キウイフルーツが出回ります。

キウイフルーツはたんぱく質分解酵素である「アクチニジン」を含み、食事で摂取したたんぱく質の消化を助ける働きを期待できます。また、ビタミンCは100g中69㎎、葉酸は36μg、食物繊維も2.5gと多く、栄養素も豊富な果物です。

日本では愛媛県や福岡県での生産量が多く、国産の新品種や新ブランドの開発に余念がありません。まだ流通量が多くはありませんが、そのうちスーパーでも気軽に買えるようになるかもしれません。

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ビタミンたっぷり!キウイの栄養と効果を管理栄養士が解説!

第3位:みかん

みかんは冬の定番果物ですね。皮を簡単に剥くことができ、お手頃価格なのが高評価につながります。

栄養価の面でいうと、強い抗酸化作用を持つβ-クリプトキサンチンが100g中1700μg、体内でビタミンAに代わり免疫力を高めるβ-カロテンが1000μg含まれています。

冬は寒さが厳しく、乾燥ぎみで体調を崩しやすい季節。その分、冬に旬を迎える果物や野菜は、私たちが必要な栄養素を豊富に含んでくれているという印象です。

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 【番外編】栄養の少ない果物ランキングワースト3

「果物はどんな種類でもビタミンが豊富!」と思っていませんか。実は、甘くて美味しい旬を感じる果物でも、栄養価の面ではイマイチな果物もあります。

番外編として、食べる手間も考慮した「栄養素をあまり含まない果物のランキング」も作ってみました。

ワースト3位:さくらんぼ

かわいい赤い実が印象的なさくらんぼ。さくらんぼは葉酸を100g中38μgと比較的多く含んでいますが、それ以外は中の下より少ない含有量です。

皮は赤くて栄養がありそうな見た目ですが、中身は薄黄色をしていて種も身に対して多め。

さくらんぼのランクにより金額は様々で、春に旬を迎える甘酸っぱくてジューシーな果物ですが、種が多い果物としては金額も高めな印象なので、ワースト3位ということにしました。

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ワースト2位:もも

ももは爽やかで甘い香りと、ジューシーな果汁が特徴で、初夏を告げる果物ですね。「ももが果物の中で一番好き!」という人も少なくはありませんが、栄養素はそれほど多く含まれていません。

柔らかく熟したももは、歯が必要ないほどのとろける食感。小さな子どもからお年寄りまで楽しめるおいしいフルーツでもあります。

皮ごと食べることもできますが、皮には目に見えないようなトゲが多く、皮を剥く手間もあるのでワースト2位としました。

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ワースト1位:なし

秋の果物の代表格で、りんごと見た目が似ているなし。なし特有の上品な香りとシャリシャリとした食感があり、ファンも多い果物です。

皮にポリフェノールが多少含まれていますが、梨の皮を食べる人は少ないですし、その他の栄養素も特筆することが無く少なめです。

水分量は多く、りんごほど硬さはないので、体調が悪い時にスポーツドリンクの代わりに食べることはおすすめです。また、食後や間食に食べると口がさっぱりしますね。

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まとめ

果物の栄養価や1日の摂取量の目安、季節ごとのランキングをお伝えしました。

果物も食べ方ひとつで、栄養素の量が変わったり、栄養素の吸収率が変化することがわかりましたね。

ただ、栄養価で果物を選ぶのも良いかもしれませんが、ワーストランキングの果物もそれぞれ美味しいですし、旬を感じることで心が満たされる感覚になるはず。栄養価は一つの目安として、果物のある生活をぜひ楽しんでみてください。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

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