全体の90%以上が水分!それでも栄養たっぷりのなすについて効能やおすすめの食べ方についてご紹介

なす

初夏から秋にかけて旬のなすは夏野菜を代表する野菜の一つです。野菜の中でも、ひときわ艶が良く光沢の良いなす独特の紫色は「なす紺」という色名にもなっています。

なすはみそ田楽やみそ炒めなど和食と相性の良いイメージがありますが、グラタンやカレー炒めなどの洋食にも幅広く使える食材です。調理法もたくさんあるなすは、なす特有の成分である「ナスニン」だけでなく、カリウムや食物繊維も豊富に含まれています。

今回は、これらの栄養素と効能、そして栄養を逃さない調理のコツやメニューをご紹介します。

なすに含まれる栄養素の効能とは

なすは90%以上が水分であり、品種の中には、「水なす」といわれるさらに水分が多く含まれるものもあります。このことから「なすにはあまり栄養がない!」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、眼精疲労の緩和や生活習慣病の予防といった健康に欠かせないなす特有の色素成分「ナスニン」が含まれていたり、夏の暑い時期の倦怠感や食欲不振を抑えてくれるカリウムも豊富に含まれたりしています。

それでは、なすには具体的にどのような栄養素が含まれていて、どのような効能があるのでしょうか?一つずつ解説していきます。

ナスニン

なすの皮の部分に多く含まれているポリフェノールの一種である「ナスニン」は抗酸化物質です。

抗酸化物質は、身体をサビつかせる活性酸素の発生を抑さえたり、その働きを抑制したりすることから老化防止やがん、生活習慣病の予防に役立ちます。また、ナスニンはアントシアニン系色素のポリフェノールであるため、眼精疲労の緩和効果も期待されています。

健康のためにも、ぜひ摂り入れたいナスニンですが、水溶性の成分のため調理中に水と触れることで、せっかくの栄養成分が水に溶け出てしまいます。特に苦みやえぐみのもととなるアク抜きをするときは、長時間水に浸してしまうと栄養成分が抜け出るので注意が必要です。

カリウム

五大栄養素ミネラルの一種「カリウム」は、ヒトの体内に必要不可欠なミネラルです。なすには100gあたり220mgと他の野菜に比べて、カリウムが多く含まれています。

カリウムは細胞の浸透圧に影響する成分でナトリウムの排泄を促してくれるので、むくみの予防や高血圧症の予防にも役立ちます。

カリウムを摂りすぎても、尿中に排泄されるため普段の食事で過剰摂取することはありません。しかし、腎機能が低下していて尿の排泄が困難な方は、高カリウム血症を起こす場合もあるので注意が必要です。

また、夏場の暑さで汗とともにカリウムが排泄されてしまうことで倦怠感や食欲不振につながりますが、カリウムには身体の熱を逃がす働きもあるので夏バテ解消のためにも積極的に摂りたい栄養素です。

食物繊維

食物繊維はヒトの消化酵素で消化できない成分のことで、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」があります。

不溶性食物繊維には、腸の働きを良くして腸内に発生した有害物質の排泄を促す作用があるので便通の改善に効果があります。

水溶性食物繊維は、糖質やコレステロールの腸内からの吸収を妨げ、血糖値や血清コレステロール上昇を抑える働きがあり、糖尿病や脂質異常症の改善も期待されています。また、腸内細菌の有益な菌を増やす働きもあることから、腸内環境の改善に役立ちます。

なすは不溶性、水溶性の両方の食物繊維が含まれています。食物繊維は近年の食生活で不足しがちなため、日ごろ便通がスムーズではない方、生活習慣病が気になる方は意識して摂ることをおすすめします。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:公益財団法人長寿科学振興財団/健康寿命ネット「ポリフェノールの種類と効果と摂取量

なすに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

なすには、なす特有の成分ナスニンをはじめ、カリウムや食物繊維などが豊富に含まれていて、老化の防止や眼精疲労の緩和、むくみや高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の予防効果があるなど、嬉しい効果がたくさんあります。

しかし、これらの栄養素の特徴から調理の仕方一つで食べる前に抜け出てしまうこともあります。そこで、なすに含まれた栄養素を無駄なく摂取することができる食べ方の工夫を紹介します。

皮は剥かずに調理する

ナスニンは前述したように、なすの皮に多く含まれている色素成分です。そのため、皮を剥いてしまうことでせっかくのナスニンの栄養を捨ててしまうことになるので、非常にもったいない食べ方です。なすは皮を剥かないまま調理をすることをおすすめします。

しかし「皮が硬くて食べづらい。」と感じている方もいると思います。そんなときは、皮に切れ込みを入れることをおすすめします。

噛み切りやすくなり、調理の際も短時間で味がしみこみやすくなります。ぜひ試してみてください。

油で炒める

なすの炒め物

なすに豊富に含まれているナスニンやカリウムは水溶性の栄養素のため、水に触れることで溶け出てしまう性質があります。

そのため、アク抜きをされる方もいらっしゃいますが、最近のなすはアクもそれほど多くありません。苦みやえぐ味も感じにくいので、アク抜きをするために長時間水につけることは控えたほうが良いでしょう。

また、なすは非常に油と相性の良い野菜です。油でコーティングすることで栄養素の流出を防ぐことができます。どうしても「油が気になるので控えたい。」という方は、スープや味噌汁などの汁ごと飲める調理法や、栄養素の流出を防ぐために、表面積をなるべく小さく切ると良いでしょう。

保存方法に注意する

なすを買っても一度に使いきれない場合は、どのように保存されていますか?

野菜は、なるべく買ってからすぐの新鮮なうちに食べたほうが栄養価も高いためおすすめしますが、保存するときにも少しの工夫で栄養成分の減少を緩やかにすることができます。

なすは冷気に弱いです。そのため直接冷気にあてた保存方法の場合、栄養素がどんどん少なくなっていきます。一度に使いきれずに余ったときは、一つずつラップに包んで野菜室での保存がおすすめです。それでも、1週間程度でなるべく早く使い切るようにしましょう。

なすを使ったおすすめ料理3選

なすにはたくさんの栄養素が含まれていることがわかりました。また、これらの栄養素を無駄なく摂取するために、油で炒める、皮ごと楽しむことがおすすめということをご説明しましたが、実際にどのように料理をすれば良いのでしょうか?

最後に、健康にも美容にも、そして旬である夏にさらに美味しく食べる調理法を3つご紹介します。

夏野菜と豚肉の甘辛炒め

なすには、水溶性の栄養素が多いという特性があり、また油との相性も良いことから炒めることで、栄養素を摂りこぼすことなく食べることができます。

夏バテなどの疲労回復と食欲を増進する働きのあるビタミンB1たっぷりの豚肉とともに、なす、ピーマン、ズッキーニなどの夏野菜を一緒に炒めた料理はいかがでしょうか?アクセントで生姜を入れることでさっぱりと食べることができる一品です。

また、生姜にはビタミンB1の吸収を促進させてくれるアリシンも豊富です。生姜のかわりにニンニクでも代用できます。アクセントとなる香味野菜を変えてアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか?

なすとひき肉のボロネーゼ

なすとひき肉のボロネーゼ

サッと簡単に食事をすませたいときに、ボロネーゼはいかがでしょうか?調理の際、油でコーティングすることで栄養素がギュッと閉じこめられます。

また、使用する油の種類にも注目してみてみましょう。加熱しても酸化されにくいオレイン酸が多く含まれるオリーブオイルで炒めることで健康維持の効果もあります。

なすも大きめにゴロゴロと切ることで噛む回数が増えるので、食事の満足度も高くなり食べ過ぎを防いでくれます。

なすと厚揚げのお味噌汁

「油を控えたいけど、なすの栄養を逃がさずに食べたい!」そのような思いがある方は、お味噌汁はいかがでしょうか?

なす以外にも、厚揚げやみょうが、なすと同じく夏に旬を迎えるミニトマト、おくらなどの野菜を一緒にいれると具沢山で食べることができるます。茹でることでかさも減るので一度にたくさんの野菜を食べることができます。

野菜の栄養を残さずとるために、汁も飲むようにしましょう。

まとめ

90%以上が水分で、栄養があまりないと思われがちのなすには、なす特有の栄養素などが含まれていることがわかりました。旬を迎えるこれからの季節は積極的に食べたいですね。

生活習慣病の予防や便通の改善のほか、夏バテなどにも効果的なので、今回ご紹介した調理法や保存法に注意しながら、暑くなるこの季節、毎日の食卓に取り入れていきましょう。

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この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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