卵の栄養がすごい!効率よく栄養素を摂取できる食べ方も管理栄養士が解説

卵は一年中価格が安定しており、手軽に使えることから家庭でも使用頻度の高い食材です。目玉焼きや厚焼き卵などアレンジの幅が広く、忙しい朝でも手間をかけずにしっかり食事をとりたいときには便利なもの。また、卵は栄養面でも優秀で、健康管理に役立つ食材でもあります。

卵にはどのような栄養が含まれているのか、効率よく摂取できる方法と併せてみていきましょう。

卵のもつ栄養素と効能とは

卵は完全栄養食品といわれることもあります。それだけ幅広くさまざまな栄養素が含まれているということですが、食物繊維とビタミンCは卵には含まれていません。しかしそれ以外の栄養素をすべて含む食品はあまり存在しないので、そういった面でも栄養価の高い食品ということができるでしょう。

卵は肉や魚に並ぶたんぱく質の補給源となる食品です。加齢とともに筋力が低下していきますが、たんぱく質は筋肉を作る材料となる栄養素なので体力の維持という面でもたんぱく質が必要になります。

また卵黄の部分には脂溶性のビタミンAやビタミンEが含まれています。どちらも抗酸化作用を持ち、動脈硬化や老化予防に役立つ栄養素です。一方、卵白にはビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB2の働きには口内炎や口角炎の予防、エネルギー代謝のサポートなどがあります。体が疲れているときにはビタミンB2の必要度が増し、補給することで回復を促してくれます。

卵はSサイズ1個50g程度であり、1個あたり78kcalとなっています。肉に比べると脂質が少なめなので、カロリーを抑えながらたんぱく質を補給したい方には特におすすめです。

たんぱく質

たんぱく質は人の体の臓器や筋肉、骨、皮膚、髪など主要な部分の材料となる栄養素です。また、酵素やホルモン、免疫抗体の原料としても不可欠となっています。体内では新陳代謝に伴ってたんぱく質の分解と合成が繰り返し行われています。

たんぱく質を構成しているのは20種類のアミノ酸で、このバランスによってたんぱく質の構成が決まります。この構成を「アミノ酸スコア」と呼び、アミノ酸スコアは100に近いほど体内でのたんぱく質の合成が効率よく行われる仕組みです。

そして卵のアミノ酸スコアは100となっており、「良質のたんぱく質」と呼ばれています。体内でのたんぱく質の合成をスムーズに行うために良質のたんぱく質が勧められているのはこういった理由からです。

ビタミンA

卵を含め動物性食品にはレチノールという形で存在しています。目の網膜にあるロドプシンの主成分であり、暗い場所で光を感じる働きに関わっているので視覚を正常に保つ働きにとって重要な栄養素です。また、皮膚や粘膜の健康を維持する働きをもち、抵抗力を高める作用があります。

レチノールが不足すると暗いところで目が見えづらくなったり、皮膚や粘膜の乾燥、肥厚が見られる場合があります。一方でレチノールは摂りすぎると頭痛や嘔吐を起こすリスクがあり、他の食品やサプリメントなどとの組み合わせや一度に食べる量には注意が必要です。

ビタミンE

活性酸素によって細胞膜に存在する不飽和脂肪酸が酸化されると過酸化脂質が生じて細胞が傷つけられます。これが細胞の老化が進んでしまう原因ですが、ビタミンEは抗酸化作用を持つビタミンであり酸化を抑えて老化を防ぐ働きがあります。

そのほかにもビタミンEには血液の凝固を抑えて血行を促す抗血栓作用があり、冷えや肩こりなどの改善効果も期待できます。ビタミンEの抗酸化作用は、同じく抗酸化ビタミンであるビタミンCと併せるとより強くなります。

ビタミンB2

ビタミンB2は体内で発生した有害な活性酸素を除去して酸化の害から身体を守り老化を防ぐ働きがあります。また細胞の再生を促す働きがあるので肌を健康に保ち口の中や周りの粘膜の炎症を予防するのに役立ちます。

さらにビタミンB2は脂質をはじめとする糖質やたんぱく質などのエネルギーを産生する栄養素をエネルギーに変えるときの補酵素の役割をもっています。エネルギー産生栄養素を摂取するとビタミンB2の需要も増すのですが、ビタミンB2を不足なく摂ることで効率よくエネルギーを作り出し、肥満予防にもつながることになります。

卵黄と卵白の栄養素の違いは?

卵は卵黄と卵白から構成されています。この2つは特性や含まれている栄養素が異なっています。それぞれどのような栄養素が含まれており、どんな働きがあるのかを見ていきましょう。

卵黄の栄養素

卵黄にはレチノールが多く含まれているのが特徴的ですが、ビタミンB群やビタミンDなど全体的に多くのビタミンが含まれています。また、鉄や亜鉛、リンなどのミネラルが卵白よりも多く含まれています。

一方で卵黄にだけ含まれているのがコレステロールを含む脂質です。コレステロールが気になる人は卵を控えた方がよいといわれるのも、卵黄に含まれる脂質が理由となっています。

卵白の栄養素

卵黄よりも卵白に多く含まれているのがビタミンB2、ナトリウム、カリウムです。ビタミンB2は粘膜や皮膚の健康を守る重要なビタミン。粘膜の乾燥を防ぐことでウイルスや細菌などの侵入から身体を守るのが主な働きです

。卵白は気泡性とそれを保つ安定性があります。泡立て器で攪拌し空気を取り込むことでたんぱく質は変性し、気泡が安定する仕組みです。卵白のこの性質は料理やお菓子作りのメレンゲに活かされています。

生卵と加熱した卵の栄養素の違いは?

同じ食品でも調理を加えることで栄養価に変化が表れる場合もあります。卵も同じで、生卵とゆで卵では若干栄養価が変わるのです。ここでは調理による栄養価の変化についてみていきましょう。

全体的には水分が減るので、同じ個体ではなく量でみた場合と考えてください。食品成分表によると、生卵に比べるとゆで卵ではたんぱく質や鉄などの栄養素が微増しており、反対にビタミン類はほぼ減ってしまいます。

ただし、これは同じ卵で比べているわけではなく量で比較したものなので、調理によって重量が変化することを考えておく必要があります。加熱によって栄養価が増えるという状態はほぼ起こらず、成分値でそうなっているのであれば重量変化を加味していない場合ということです。

これまでをまとめると、卵を加熱をすると熱に弱いビタミンが損失することはありますが、若干の数値変動なので普段の生活で気にする必要はないでしょう。卵は生でも加熱しても栄養価の高い食品なので安心して食べてくださいね。

卵と肉の栄養の違い

たんぱく質源となる食品はいろいろで、その日の気分で主菜に使うものを変えているという方もいるのではないでしょうか。理想的には、どれかに偏らずに幅広く使用することで栄養バランスが整います。また、朝は時間がないので調理に手間がかからない卵を使うなど、活用度の違いで選ぶ方法もありますね。

卵と肉はたんぱく質が摂れるという点では同じですが、それぞれ含まれている栄養素の量には違いがあります。共通点としてはどちらも食物繊維を含んでいないという点で、卵に多く含まれているビタミンAは肉には含まれていません。

肉といっても種類や部位によって特徴が異なるので一概には言えませんが、ビタミンAを摂りたいときには卵を選ぶと覚えておくとよいでしょう。たんぱく質の量は食べる量にもよりますが、1食分を基準にすると肉の方が多い場合がほとんどです。

栄養バランスを気にしている人であれば、より身体によい食品を選びたいと考えているかもしれません。卵と肉は別カテゴリの食材なので、栄養面の違いで選ぶのだけではなく気分や嗜好、使い勝手などに合わせて選んでいくとよいでしょう。ただし、肉は部位によっては脂質が多くなってしまうので食べ過ぎには注意が必要です。

卵は食べ過ぎ注意?一日何個までなら食べてOK?

「卵は一日一個まで」と聞くこともあるかもしれません。これは卵にはコレステロールが多く含まれており、卵を食べすぎると血中のコレステロールを上げてしまうからというのが理由です。

この説があるのは、かつての日本人の食事摂取基準にコレステロールの上限値が設けられていたため。現在ではこの基準は撤廃されていますが、だからといってたくさん食べてよいというわけでもないようです。もともと血中のコレステロール値が高い人は特に注意する必要があります。

卵を何個まで食べていいのかをはっきりと決めることは難しいのですが、卵ばかり食べていると食生活が偏ってしまうのは当然です。多く食べてしまう日はあっても、毎日継続的に食べすぎることのないように配慮する必要はあるでしょう。

バランスのよい食生活を実現するためにも、やはり一個または二個程度が理想的だといえるのではないでしょうか。コレステロールは卵以外にもレバーやイカ、しらすなどの食品に多く含まれています。卵だけではなく他の食事とのバランスを見ながら食事を調整していけるとよいですね。

卵の栄養を効率的にとる方法

卵は加熱してもそれほど栄養価に大きな変動はありません。生の状態で食べると食中毒などのリスクも高くなってしまうので、衛生面を考えると加熱して食べることをおすすめします。

卵は栄養価が高く活用度の高い食品ですので、レパートリーを広げながら普段の食事にとり入れてみてくださいね。

卵白と卵黄を両方食べる

卵は卵白と卵黄から構成されており、それぞれ多く含まれる栄養素が違うのでなかには分けて食べる方もいるようです。しかし、このような食べ方をしてしまうとせっかくのバランスのよい卵の栄養に偏りが出てしまいますので、分けて食べるのではなく両方を一緒に食べるのが理想だといえるでしょう。

卵白と卵黄はそれぞれ違ったメリットがあります。別々に使う料理ではない限りは一緒に使うのがおすすめです。厚焼き卵やスクランブルエッグ、目玉焼きなど卵白と卵黄を一緒に食べられる料理はどれも簡単に作れるものばかりなので、おかずがあと一品ほしいときにも重宝しますよ。

半熟卵にして食べる

卵白には消化酵素の働きを抑えるトリプシンという成分が含まれており、加熱の具合によってこの働きに差が出るといわれています。半熟卵よりも固茹で卵の方が消化されにくいので、胃腸が弱っているときなど体調の悪いときは半熟卵を選ぶとよいでしょう

半熟卵の吸収率は96%で、生卵よりも身体に吸収されやすいのです。卵は手軽にたんぱく質を補給できるので、うどんやサラダのトッピングなどのたんぱく質アップに手軽に活用できますよ。

カラザも一緒に

カラザというのは卵黄が卵白と離れないように繋がっている白い糸のようなものです。卵黄が卵のなかで移動しないように一定の場所で固定する役割をしています。カラザの食感や見た目が気になって除いてしまう人もいるかもしれませんが、このカラザにもしっかりと栄養が含まれているので、できれば一緒に摂取しましょう。

カラザに含まれている栄養素はシアル酸といって抗がん作用や免疫力を高める効果が期待されています。感染症の流行りやすい時期には特に取り除かずにそのまま食べてみてくださいね。

まとめ

卵はお財布に優しく栄養価も高い食品で、いろいろな料理に使うことができるのもうれしいポイントです。塩こしょうを加えてフライパンで火を通すだけでも立派な一品になるので、おかずがあと一品ほしいときやたんぱく質アップをさせたいときなどにも役立つことでしょう。

ただし、いくら身体によいからといっても食べ過ぎには気を付ける必要があります。あくまでも自然な形で普段の料理にとり入れてみてくださいね。

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この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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