「きゅうりには栄養がない」はウソ!管理栄養士が教える栄養と調理法とは

きゅうり

きゅうりは「最も熱量が低い(ローカロリーな)果実」として、ギネス記録に認定されたこともあり、サラダなど、手軽に食べることが出来る野菜である一方で、「ほとんど栄養がない」と思われている方も多いようです。

しかし、きゅうりには栄養が全く含まれていないわけではありません。淡色野菜でありながらも、緑黄色野菜に負けない含有量の栄養素も含まれています。

今回は、そんなきゅうりをより栄養たっぷりに食べる料理法もご紹介しますので、参考にしてみてください。

きゅうりはカロリーが世界で1番少ない食べ物

きゅうりは、ギネス世界記録に「Lest calorific fruit」として登録されています。これを直訳すると「最も熱量が低い(ローカロリーな)果実」という意味になります。

本来はカロリーの低さに着目されていますが、いつの間にか「世界で1番栄養が少ない野菜」と誤解され、その情報が広まってしまいました。確かにきゅうりは、可食部100g当たり14kcalとカロリーは低いですが、カロリーが低いからといって栄養素が少ないとは限りません。

それでは早速、きゅうりにはどのような栄養素が含まれているのかを見ていきましょう。

きゅうりに含まれる栄養素・成分の効能とは?

きゅうり

栄養がないと思われているきゅうりですが、色鮮やかな緑色の表皮には抗酸化力に優れたβ-カロテンや、体内の余分な水分の排出を助け、むくみの解消に有効なカリウムなどが含まれています。そのため、美容や健康のためには積極的に食べたい野菜の一つでもあります。

また、体を冷やす作用もあるので特に日本の暑い夏におすすめの野菜です。

それでは、きゅうりに含まれる代表的な栄養素をご紹介します。

カリウム

きゅうりの中で最も注目したい栄養素がカリウムです。

特に皮の部分に多く、中サイズのきゅうり1本(約100gあたり)200mg含まれているため、皮は剥かずに一緒に食べることがおすすめです。カリウムは、主に細胞の正常な活動をサポートしてくれる役割があります。

ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持し水分保持を行うため、むくみや高血圧のリスクを軽減してくれます。他にも細胞内の酵素反応を調整する働きで、エネルギー代謝をスムーズにする効果もあります。

カリウムは摂りすぎた場合でも、尿中に排泄されるため普段の食事で過剰摂取することはありません。しかし、腎機能が低下していて尿の排泄が困難な方は、高カリウム血症を起こす場合もあるので注意が必要です。

カルシウム

カルシウムは、日本人に不足しがちなミネラルの一つで、中サイズのきゅうり1本(約100gあたり)26mg含まれています。

カルシウムは体重の1~2%を占めていて、体内に最も多く含まれるミネラルです。99%は骨や歯に、残り1%は血液や筋肉に含まれていて血液凝固や筋肉収縮、神経の興奮の抑制などを行っています。そのため、カルシウムが慢性的に不足すると、骨量が減少し、骨折や骨粗しょう症を引き起こす可能性が高くなります。

特に閉経後の女性は、ホルモンの関係で骨量が減少しやすくなるので意識して摂りたい栄養素の一つです。

β-カロテン

特にきゅうりの皮に多く含まれるβ-カロテンは、1本(約100gあたり)330µg含まれていて、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。

ビタミンAは目が光を感じるために必要なロドプシンという網膜の色素の主成分で、目の健康維持に役立ってくれます。また、β-カロテンは粘膜を正常に保つ働きがあるため、感染症を予防し免疫力を上げてくれます。さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素を除去し老化予防にも一役かっている栄養素です。

β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、摂りすぎる心配はほとんどありません。

ククルビタシン

時々、きゅうりが苦いと感じることはありませんか?

これらは腐り傷んでいるというわけではありません。植物には自分の身を守るために微量に毒を含むものが多く存在し、きゅうりなどのウリ科の野菜に含まれているものが、ククルビタシンというステロイドの一種です。

暑い時期や寒い時期など、比較的栽培が難しい時期に気温や水分量の関係で、頭の部分が苦いものがありますが、これがククルビタシンという苦味成分で、焼く、茹でるなどしても残ってしまうため、その部分は切り落として調理することをおすすめします。

きゅうりのおすすめ調理法

きゅうり

カロリーが少ないことで、栄養がほとんどないと思われているきゅうりも、実際にはさまざまな栄養素が含まれていることが分かりました。

そんなきゅうりはサラダで生として食べるしかないと思っていませんか?実は、生で食べる以外にも、さまざまな食べ方をすることでいろいろな栄養素をパワーアップさせて、より効率的に摂ることが出来ます。

早速、調理法を変えながら無駄なくきゅうりの栄養を摂る方法を見ていきましょう。

生で食べる

きゅうりの一番多い食べ方といえば、やはり“生”ではないでしょうか?新鮮なきゅうりに味噌などをつけて丸ごと食べたり、乱切りや薄くスライスしたり、切り方を変えるだけでも食感や見た目が変わるのでサラダのバリエーションも増え、食卓が賑やかになりますよね。

きゅうりの中でも注目の栄養素であるカリウムは、水と触れることで少なくなってしまうので、むくみなどが気になる方は生のままでポリポリとした食感を楽しむことをおすすすめします。

炒めて食べる

きゅうりは炒めることでβ-カロテンをより多く吸収することが出来ます。

β-カロテンは、前述したとおり目や肌の健康、免疫力アップにも役立ってくれる栄養素です。油に溶けやすい栄養素であるため、炒めることで腸からの吸収率が高まります。

また、生で食べるとかさが多く、たくさん食べるには不向きですが、炒めることでかさが減り、一度にたくさんの量を食べられるようになります。

和えて食べる

きゅうりだけで食べるのも良いですが、きゅうりの特性を活かして色々なものと和えて一緒に食べることもおすすめです。

きゅうりの和え物の定番といえば「酢のもの」ですが、お酢と一緒に食べることで嬉しい効果もあります。お酢に含まれるクエン酸は、きゅうりに含まれるカルシウムの吸収を促進してくれます。

そのため、きゅうりと一緒にしらすなどカルシウムが多い食材と一緒にお酢で和えることで、より多くのカルシウムを摂ることが出来ます。

きゅうりを使ったおすすめ料理3選

これまでに、きゅうりに含まれる栄養素について紹介し、おすすめの調理法をお伝えしました。きゅうりは生で食べることが多く、「熱を通す調理法ではどのような料理にすれば良いのか分からない」と思われる方も少なくないと思います。

そこで今回は、きゅうりを使ったおすすめ料理を3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

浅漬け

きゅうりの浅漬け

浅漬けを作る際、一口大に切って漬けるときも、一本漬けで食べるときも、塩を染み込みやすくするためにピーラーで3~4か所縦に皮を剥くことをおすすめします。

しょうがやトウガラシなどを加えると味にアクセントが出るので、より味わい深くなります。きゅうりに多く含まれるカリウムと塩に含まれるナトリウムを一緒に食べることで、熱中症予防として夏場にも最適です。

ぬか漬け

ごはんのお供にも欠かせないぬか漬け。自宅で漬けられているという方も多いのではないでしょうか?

実はきゅうりをぬかに漬けるだけで嬉しい効果がたくさんあります。

ぬか漬けにすることで、米ぬかに含まれるビタミンB1をきゅうりが吸収します。その吸収量は約10倍にもなるといわれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える栄養素でもあるので、白米と一緒に食べることで体重の増加を抑えてくれ、疲労物質である乳酸の分解を助けるため疲労回復効果など健康維持にもはたらいてくれます。

他にもたんぱく質の代謝を助けてくれるビタミンB6は6倍、骨の形成をサポートしてくれるビタミンKは3倍ほど増加します。

きゅうりと鶏ささみのピリ辛炒め

きゅうりの炒め物

きゅうりと鶏ささみを和えて、油で炒めるだけの簡単レシピです。

「あと1品何か欲しい!」というときにも大活躍の料理です。使用する油もごま油にすることで、少ない調味料でしっかりと味が付きます。

ごま油に含まれるリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げたり、血管を強くしたりする働きもあります。また、油で炒めることで、油に溶けやすいβ-カロテンを効率よく摂取できます。

まとめ

きゅうりは年中スーパーで手に入る野菜です。

栄養がないと思われがちですが、カロリーが低いながらも、カリウムやカルシウム、β-カロテンなどさまざまな栄養素を含んでいる野菜であることがわかりました。

栄養素の吸収効果的にする調理法もご紹介しましたが、なによりも調理のアレンジにより、しゃきっとした歯ごたえや独特の風味をいろいろな料理として楽しむことが出来ます。

むくみや美容、健康維持にも活躍してくれるきゅうりをうまく食生活に取り入れていきたいですね。

 

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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